- 1. Sassとは何か|特徴をチェック
- 2. Sassを使うメリットとは
- 3. Sassを使うデメリットもチェック
- 4. 実際にSassを使ってみよう
- 5. Sassの将来性は?
- 6. 学生向けに解説|Sassができると就活に有利?
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1. Sassとは何か|特徴をチェック
まずは、Saasの特徴やできることについてチェックしていきましょう。
SassとはCSSを拡張して使いやすくしたもの
Sassは「サース」と読みます。簡潔に言うと、SassとはCSSを拡張して使いやすくしたものです。ホームページの「見た目」を編集するCSSですが、色やサイズの指定などシンプルな役割が多く、複雑なコードは書けません。
簡単なホームページ作成であれば、CSSの機能でも十分です。実際、シンプルなホームページが多かった時代には多くの需要がありました。
しかし、ホームページの見た目は日々進化を続けています。特に近年では、ホームページの見た目はブランドイメージを左右するものとして重要視されています。
複雑なホームページを作成するのに、シンプルなことしかできないCSSでは、使い勝手が良いとは言えません。そこで生まれたのがSaasです。CSSを拡張し、より効率的にプログラムを書けるようになっています。
表記方法にはSASS方式とSCSS方式がある
Sassでのプログラミングには「SASS方式」と「SCSS方式」という2種類の記載方法があります。それぞれ拡張子は「.sass」「.scss」です。
名前からわかる通り、元祖Sassとして生まれたのがSASS方式です。改行やインデントを使い、プログラミングを記述していきます。
SASS方式で書かれたプログラムはシンプルで、文字数が少ないのが特徴です。しかし、記述方法がCSSと違いすぎるため、使いにくいと感じる人も多くいました。
そこで生まれたのがSCSS方式です。Sassの拡張機能はそのままに、プログラムの記載方法はCSSとほぼ同じになっています。CSSのプログラマーにも違和感なく受け入れられました。
そういった経緯もあり、SassはSCSS方式がデファクトスタンダード(事実上の標準)です。ここからは、SassのSCSS方式という前提で話をしていきます。
Sassでできることとは?
SassがCSSを拡張して便利に使えるモノだというのは前述した通りですが、続いては、より具体的にSassでできることについて解説していきます。
1)入れ子構造での記述
Sassの特徴の1つが、入れ子構造(ネスト)で記述できることです。CSSでは、フォントのサイズや色について以下のようなイメージで記載します。
-
・フォントのサイズ:24px
・フォントの太さ:600
・フォントの色:青
一方で、ネストが使えると以下のようなイメージで記載することができます。
-
・フォントについて(サイズ:24px、太さ:600、色:青)
大きさや色など、細かく指定したい場合、後者の方が楽なのは言うまでもありません。
2)変数の定義
変数が定義できるのもSassの特徴です。例えば、ブランドイメージが淡いブルーだったとします。この淡いブルーはホームページを作る際、さまざまな箇所で使われるはずです。頻繁に使う色などはmain-colorといった変数で定義しておけば、簡単に呼び出すことができます。
また、「ちょっとだけ青みを強くしたい」という場合には、変数を指定した箇所だけ修正するだけでOKです。
3)四則演算
Sassでは四則演算が可能です。例えば、ブランドロゴを配置するスペースの縦横幅を4:10に決めたとします。
CSSであれば、縦横の値を指定しなくてはいけません。一方でSassであれば、縦か横の大きさを指定すれば、Sass内で計算することが可能です。
4)条件分岐
「もし〇〇なら、××、そうでなければ□□」といったような条件分岐ができることも、Sassの特徴です。
「何に使うの?」と思う方もいるかもしれませんが、開発者側にとってはかなり便利な機能です。
例えば、A案とB案があって悩んでいたとします。CSSであればA案用のファイルとB案用のファイルの2種類を個別に用意しなくてはいけません。また、A案・B案共通している部分を修正した場合、両方のファイルを修正する必要があります。
条件分岐を使えばA案・B案を1つのファイルとして扱えます。共通した部分を修正したい場合、修正するのは1箇所でOKです。
5)コードの呼び出し
@mixinと@includeという機能を使い、コードの呼び出しが可能です。色やフォントなど共通の設定をまとめて記載して、1箇所にまとめておくことができます。
「色を変えたい場合にはここを編集」「フォントを変えたい場合にはここを編集」となるので、作業が楽になりますし、ミスの削減にもつながります。
コンパイルが必要
CSSの代わりに使えるSassですが、作ったファイルをそのまま使うことはできません。コンパイルという作業を通じ、「.scss」ファイルを「.css」ファイルに変換する必要があります。
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2. Sassを使うメリットとは
続いては、Sassの具体的なメリットについて解説していきます。
作業効率が上がる
Sassを使う大きなメリットの1つは、作業効率が上がることです。例えば、入れ子構造(ネスト)を使えば、プログラムの行数や文字数を大幅に減らすことができます。
行数や文字数が少ないということは、プログラムを書く時間を削減できるということです。タイプミスを減らせるのもメリットと言えるでしょう。
また、変数が使えるため作業効率アップにつながります。例えば、カラーコードが#AEE7DAA6という色(緑がかった淡いブルー)をよく使うとします。
この色を使うたびに#AEE7DAA6と打ち込んでいては大変です。この文字列を覚えておくことは大変なので、コーディングの際にはどこかからコピペをすることになるはずです。
1回や2回であれば「コピペ元を探して、コピーして、ペーストする」という作業はそれほど手間ではありません。ですが、何度も続くと、結構な時間を無駄にしてしまうでしょう。
これを変数として覚えやすい名前で定義しておけば、面倒なコピペの手間が省け、時間を有効に使うことができます。ちょっとしたことですが、こういった作業の積み重ねによって、作業効率が大幅にアップするものです。
さらに、色をちょっとだけ修正したいと思った場合、変数で指定した箇所を変更するだけでOKです。1箇所の修正で済むので、作業負荷を大幅に減らせます。変更モレといったミスを防ぐことにもつながるでしょう。
可読性・メンテナンス性が上がる
可読性・メンテナンス性が上がるということも、Sassを使うメリットと言えます。ホームページは1度リリースして終わりというケースは稀です。
新しい商品やサービスが生まれたら、その情報を追加する必要がありますし、問題があれば修正をしなくてはなりません。
知らない誰かが書いたコードをさわるというケースも多いものです。単純なホームページであれば、CSSも単純なので、修正するのはそれほど大変ではありません。
しかし、ホームページが複雑だと、CSSも複雑になります。書かれている情報を読み取るだけで大変なため、CSSの修正にかなりの時間がかかってしまうこともあるでしょう。
Sassであれば、入れ子構造や変数、あるいは関数の呼び出しなど、ソースコードをすっきりとさせることができます。
すっきりと書かれたコードは誰が読んでもわかりやすく、スムーズなメンテナンスが可能です。また、修正モレが発生しにくいというメリットもあります。
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3. Sassを使うデメリットもチェック
このように、Sassには多くのメリットがありますが、デメリットも存在しています。
コンパイルの手間がある
Sassで記述したファイルは、拡張子が.scssというファイルです。このままではhtmlファイルが読み込めないので、コンパイルして.cssファイルを作成しなくてはなりません。このコンパイルがSassを使うデメリットの1つです。
コンパイルの作業自体は一瞬で終わるので、それほど大変ではありません。しかし、場合によってはコンパイルエラーが発生することがあります。
エラーの原因がわからず、時間だけが過ぎていく……なんてことも少なくないでしょう。これは、コンパイルという手間があるSassならではのデメリットと言えます。
全ての現場で使えるわけではない
コンパイルの手間があるとはいえ、Sassはそれ以上に便利なので、使い始めると手放せなくなる人も多いです。しかし、CSSのことは忘れてよいのかというと、そうではありません。場合によってはSassが使えないケースがあるからです。
例えば、クライアントの希望により、CSSを使って開発をしなければならないときがあります。
このような事態に備えて、CSSとSassのいずれも使いこなせるようにしておくのが望ましいでしょう。
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4. 実際にSassを使ってみよう
それでは、実際にSassを使ってみましょう。インストールから、コンパイルの方法まで解説していきます。なお、今回はCSSについてある程度理解している前提で説明しています。
Sassのインストール
Sassを使うためには、まずはSassのインストールが必要です。そして、SassのインストールにはRubyが必要となります。
Macであれば標準でインストールされていますが、Windowsの場合は自分でインストールをしてください。Rubyのインストールは、Rubyのダウンロードページから行います。
Rubyの詳しいインストール方法に関しては省略しますが、基本的にインストーラーの指示に従っていけばOKです。
Rubyのインストールができれば、次はSassのインストールです。Windowsであればコマンドプロンプトを、Macであればターミナルを立ち上げて、以下を入力してください。
gem install sass
コマンドプロンプト(あるいはターミナル)にいろいろ表示されますが、それが止まればSassがインストールできているはずです。
コンパイルしてみる
続いてはSassを触ってみましょう。適当な場所にSass-Testというフォルダを作ります。そして、フォルダの中でtest.scssというファイルを作りましょう。メモ帳などでtest.scssを開き、以下をコピペして保存します。
.test{
border:{
color: #000;
style: solid;
width: 4px;
}
}
次に、コマンドプロンプト(あるいはターミナル)でSass-Testフォルダに移動します(フォルダの移動にはcdというコマンドを使います)。
そこで以下のように入力してみてください。
sass test.scss:test.css
実行後にはSass-Testフォルダ以下にtest.cssファイルが生成されます。コレがSassのコンパイルです。
今回は、シンプルにターミナルを使ったコンパイル方法について解説しましたが、GUI(グラフィックユーザーインターフェース)を利用してコンパイルするためのツールなども存在しています。
入れ子構造を使ってみる
Sassには、入れ子構造(ネスト)ができるという特徴があります。上記サンプルでも入れ子構造が使われていますよね。 border:以下のカッコの中でcolor、style、widthが指定されています。
border:{
color: #000;
style: solid;
width: 4px;
}
入れ子構造が使えないCSSであれば
border-color: #000;
border-style: solid;
border-width: 4px;
と記載しなくてはなりません。
変数を使ってみる
続いては変数を使ってみましょう。変数は以下のように定義します。
$変数名: 値;
test.scssの1行目に以下を追加してみてください。
$main-color :#000;
そして、color: #000;の部分を以下のように変更します。
color: $main-color;
コンパイルすると以下のようなCSSが作られます。
.test {
border-color: #000;
border-style: solid;
border-width: 4px;
}
変数main-colorに指定した値が代入されています。
ソースコードの呼び出しをしてみる
@mixinと@includeを使ったソースコードの呼び出しについて解説します。以下のサンプルコードをみてください。
@mixin base{
width: 100%;
max-width: 800px;
height: 100%;
}
.test01 {
@include base;
background: #000;
}
.test02 {
@include base;
background: #111;
}
@mixin base以下に基本となる情報をまとめています。そして、.test01や.test02で、baseで定義した値を呼び出して使っているというわけです。コンパイルするとどうなるのか、確かめてみてください。
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5. Sassの将来性は?
未来のことなので断言はできませんが、Sassは将来性のある言語だと考えられています。
そもそもCSSは、ホームページの作成に欠かせません。しかし、複雑なホームページを作る場合、作業が大変なことはご紹介してきた通りです。
SassはCSSの弱点を克服し、より使いやすくしたものです。CSSが欠かせない以上、今後もさまざまなシーンで使われることが予想されます。
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6. 学生向けに解説|Sassができると就活に有利?
学生の皆さんであれば、「Sassは就活に役立つの?」ということも気になるはずです。結論から言うと、役立つ可能性は大いにあります。
特にWEBデザイン系など、CSSを多用する分野を目指すのであれば、Sassを身に付けておいて損はないでしょう。
ただし、Sassを使えることが内定に直結するかと言われると、そういったケースは少ないと言えます。
新卒採用をする場合、面接時点でのスキルはそれほど重要視されず、コミュニケーション能力や人物像・将来性など、さまざまな面から判断します。Sassが使えるというのは、その中のほんの一部分に過ぎません。
Sassのスキル自体よりも、「独学でSassを学んだ経験」や「Sassを使ってHP作りのアルバイトをしてみた」ということをアピールできるとよいでしょう。学習に対する姿勢や仕事への向上心を評価してもらえ、好印象につながるはずです。
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