IT業界がブラックと言われる理由とホワイト企業の見つけ方

IT業界がブラックと言われる理由とホワイト企業の見つけ方
近年、IT業界は将来性がある業界として注目を浴びている一方で、実はブラックであるという話題も頻繁に取り上げられています。しかし、本当にIT業界はブラックなのでしょうか。ここでは、IT業界がブラックと言われる理由、IT業界のホワイト企業を見つけるポイント、IT業界で働くメリット、IT業界で働く人の適性、IT業界で働くために学生のうちにやっておくべきことについて解説します。なお、ここでご紹介する内容はあくまでも一般論であることをご理解ください。

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1. IT業界がブラックと言われる理由

まず、IT業界がブラックと言われる主な理由について解説します。

業界のピラミッド(ゼネコン)構造

IT業界では、大手企業が受注した仕事の一部を中小企業や子会社に委託するというピラミッド構造で動いているプロジェクトが非常に多いです。

具体的には、大手IT企業は受注した大規模システムを開発する上流工程、つまり顧客との打ち合わせ、システムの設計を行います。その後、その設計に基づいてプログラミング、テスト、サーバー構築などの下流工程を子会社・孫会社へ委託します。ピラミッドの下に属する企業ほど親会社の無理な指示に従うしかなくなるため、納期の厳守・長時間労働・給料が安いなどデメリットが多くなってしまいがちです。

したがって、子会社・孫会社に該当する企業で働いた経験がある人は、IT業界はブラックであるという印象を持つ可能性があります。

24時間体制で働かなければならない場合もある

上述した通り、ピラミッド構造の下に属する企業ほど、案件を獲得し続けるために親会社の要望は原則断れないという現状があります。したがって、突発的なシステム変更の対応やバグの修正などの想定外の業務が発生し、残業や休日出勤をせざるを得ない場合があります。

また、開発を担当したシステムが24時間稼働している場合、昼夜の時間を問わずクライアントからの問い合わせに応じることを要求されることもあるでしょう。このように社員を長時間にわたる無理なスケジュールで働かせようとする企業が存在するため、ブラックであるというイメージが増えてしまっています。

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教育制度・福利厚生が整っていない場合がある

IT業界は、業界として歴史が浅く、また情報・技術・流行などの変化も非常に速いため、中小・ベンチャー企業が比較的多いです。したがって、仕事量の多さに対して社員のケアをする体制が整えられていない場合があります。具体的には、入社後すぐに仕事を任せられるにも関わらず教育制度が整えられていない、また労働環境の過酷さに対して福利厚生が不十分である、などが例として挙げられます。

労働組合がない

「労働組合」とは、労働条件の維持・賃上げ・労働環境の向上などを目標とする、労働者が団結して運営されている組織です。各業界には労働組合による残業時間の超過、未払い賃金の有無など、社員が不当な扱いを受けないようにチェックする仕組みがあります。

しかし、上述した通りIT業界は中小・ベンチャー企業が多いため、この体制がまだ確立されていない場合が多いと言われています。したがって、仮に社員を不当に扱うブラックな経営をしている企業があったとしても、それを指摘する組織が存在しないためそのまま野放し状態になってしまっている可能性があります。

以上、「IT業界がブラックである」と言われる主な理由を4つご紹介しました。ただし、厚生労働省の「令和2年上半期雇用動向調査結果の概況」p.13によると、IT業界が属する情報通信業の離職率は5.2%と比較的低いことが分かります。例えば、「宿泊業・飲食サービス業」は15.3%、また「教育・学習支援業」などは12.2%の離職率であると発表されています。したがって、IT業界のブラック企業はあくまでも一部の会社であると言えるでしょう。

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2. IT業界のホワイト企業を見つける方法

次に、IT業界のホワイト企業を見つける3つの方法について解説します。

人事評価・教育制度が整備されているか確認する

人事評価制度と教育制度が整備されているかどうかを見ることで、企業が社員を大切にしているかどうかが分かります。人事評価制度がしっかりと整えられていることは、仕事に意欲的に取り組み、成果を上げている人が正当な評価を受けられる環境を作っているということです。

また教育制度を充実させていることは、社員全員を一定水準まで確実に成長させているという点において、商品・サービスの品質にこだわっているという証明になります。したがって、一般的に注目される福利厚生のみならず、人事評価制度、教育制度が整備されている企業を探すことでホワイト企業を見つける可能性が高くなるでしょう。

離職率を確認する

その企業がホワイトかブラックかを判断するもう一つの方法として、離職率を確認しましょう。離職率が高い企業は、労働条件・環境に不満を持っている社員が多い傾向があります。新卒の約3割が3年以内に最初に就職した会社を辞めているというデータがあるため、特に「3年以上働いている人の割合」に注目してデータを確認することをおすすめします。もし離職率のデータを提示していない企業があった場合は、会社説明会や面接の場で確認するようにしましょう。

就職エージェントに相談する

就職エージェントに相談することは、ホワイト企業を見つける上で最も効果的な方法であると言えるでしょう。就職エージェントとは、プロのキャリアコンサルタントが求職者の就職活動を最初から最後まで支援するサービスを指します。

まずは面談で自身の経歴、スキル、希望の労働条件などを伝え、その情報を元にエージェントがそれぞれの求職者に合った求人を紹介します。この際、もし法律を遵守していないブラックな企業をおすすめしてしまった場合、それはそのエージェントや会社の信用問題にも関わります。したがって、そのリスクは低く抑えられていると言えるでしょう。

なお、IT業界で働くことを考えている人には、ITエンジニアの就職支援に特化している「レバテックルーキー」のエージェントサービスをおすすめします。求人票だけでは見えないその企業の社風、業界の動向、入社後のキャリアパス、また書類・面接選考通過の支援など、様々なアドバイスや支援を受けることができます。

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3. IT業界で働くメリット

次に、IT業界で働く主なメリット3つについて解説します。

成長産業であるため将来性がある

IT業界は近年急拡大しており、今後もその傾向が続くことが予想されています。2020年に矢野経済研究所が発表したレポートによると、IT市場規模は2016年度から2019年度にかけて11兆8,800億円から12兆8,900億円へと成長したことが分かります。

新型コロナウイルスの影響を受けて2021年、2022年度はやや市場規模が縮小すると予想されていますが、その後は再び成長を続けるでしょう。なぜならば、近年はあらゆる業界の企業が「DX(デジタルトランスフォーメーション)」「働き方改革」などに対応するためIT技術の導入を推進しており、大手企業によるIT投資額は伸び続けているためです。

このように将来性が高いIT業界で働くことは、雇用状態が安定しやすいことに加えて、身に付けたスキル・経験の需要が高いためその後の転職、独立などがしやすいというメリットもあります。

自由度の高い働き方がしやすい

IT業界は業界として比較的若く、また新しい仕組みなども積極的に取り入れようとする姿勢を持っている企業も多いです。そのため、最も自由度の高い働き方がしやすい業界であると言われています。具体的には、リモートワークやフレックスタイム制などを導入している企業が多いです。

リモートワークとは、オフィスに通勤するのではなく、自宅やカフェなど仕事場所を自由に選ぶことができる制度です。またフレックスタイム制とは、社員が自身の出社・退社時間を自由に決めることができます。働く時間・場所を自由に決めたい人、また仕事と育児・介護の両立を目指している人には、IT業界で働くことはメリットが大きいと言えるでしょう。

実力次第で活躍できる

IT業界はITの最先端である海外文化の影響を強く受けているため、実力主義の世界であると言われています。年功序列のような仕組みがないため、仕事で結果を出し続けなければ会社から評価されません。

これをデメリットと捉える場合もありますが、裏を返せば文系・理系、年齢、性別などを問わず、本人の努力次第で会社から認められ昇進・昇給のチャンスがあるということです。実力とは無関係の部分で仕事の評価をされてしまうことに対して抵抗感がある人は、IT業界で伸び伸びと仕事ができる可能性が非常に高いです。

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4. IT業界で働く人の適性

次に、IT業界で働く人の主な適性3つについて解説します。

マルチタスクが得意

例えば、システムエンジニアなどのプロジェクト全体を管理するような仕事の場合、マルチタスクが求められることが多いです。具体的には、クライアントとの打ち合わせ、その打ち合わせ内容をチームメンバーとの共有、設計書の作成、そして実際に開発がスタートしてからもクライアントと密にやりとりをしながら、メンバー一人一人の進捗度を把握しながら納期に間に合わせなければなりません。一つのことにじっと集中するよりも、同時に複数のことをこなすのが得意な人こそ、IT業界は向いていると言えるでしょう。

勉強が好き

IT業界は情報・技術の変化が非常に速い業界です。数ヶ月前まで主流だった技術が、今ではほとんど使われなくなってしまった、ということが頻繁に起こります。したがって、IT業界で活躍したいと考える人は新しい情報・技術に応じて常に自分の知識や能力をアップグレードしなければなりません。古い技術しか身に付けていない人は、クライアントにその時代に合った最良の成果物を提供できなくなっていきます。好奇心旺盛で、新しいことを学ぶことに喜びを感じるという人ほど、IT業界に向いていると言えるでしょう。

柔軟性がある

先ほど述べた通り、IT業界は常に変化し続けている業界です。最新の情報・技術を積極的に身に付けようとする姿勢に加えて、その急速に変化する働き方や仕事のやり方などに対応できる柔軟性が求められます。また、クライアントからの急な要件変更や、システム障害などのトラブル解決などの突発的な事態にも臨機応変に対応する必要があります。ルーティンワークのような同じことの繰り返し作業が苦手な人は、IT業界に向いているかもしれません。

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5. IT業界で働くために学生のうちにやっておくべきこと

最後に、IT業界で働くことを希望している学生が就職活動前にやっておくべきこと3つについて解説します。

プログラミングの勉強をする

IT業界で活躍する全ての人が身につけておきたいスキルが「プログラミング」です。学生のうちに実践的なプログラミングスキルを身につけることで就活を有利に進めるだけではなく、就職後も会社に貢献しやすくなるでしょう。

具体的には、書籍、オンライン学習サイト、プログラミングスクールを活用した勉強方法があります。書籍とオンライン学習サイトは低予算で時間・場所に関わらず勉強できるというメリットがあります。初心者がプログラミング学習の最初の一歩として選ぶには最適と言えるでしょう。

しかし、仕事で使えるレベルのスキルを身につけるためには、プログラミングスクールに通うことをおすすめします。プロが作成した学習効率の高いカリキュラムに沿って勉強できることに加え、書籍・オンライン学習サイトのデメリットである「分からないことを誰にも質問できない」を常駐のインストラクターが解決してくれる環境が整っています。

ただし、プログラミングスクールは一般的に3ヶ月のコースで約30万円ほどの費用が発生するため、高額な投資であるという弱点があります。もしこのようなまとまったお金を用意できないという人には、月額29,800円(税込)から受講できるレバテックカレッジをおすすめします。

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資格を獲得する

IT業界には様々な企業や業種が所属しているため、就職活動の範囲を広げるためにはプログラミング以外のITに関わる知識を学んでおくと良いでしょう。その最適な方法が資格の取得です。特に、国家資格であるITパスポート基本情報技術者試験をおすすめします。

この二つの資格の合格に向けて勉強することで、IT業界で働く人が身につけておくべき知識を網羅的に身につけることができます。また、変化が激しいIT業界に対応して毎回試験内容が変更されているため、古い知識・技術を誤って学習してしまうというリスクも回避することができます。

勉強のモチベーションを維持することが苦手という人も、資格を取得するという具体的な目標があることによって継続的に努力することができる可能性があります。

長期インターンシップに参加する

インターンシップとは、企業が学生に会社訪問や労働の機会を提供する職場体験制度です。一日から数日ほどの短期インターンシップもありますが、ここでは半年から一年ほどの長期インターンシップに参加することをおすすめします。

長期インターンシップでは短期インターンシップでは経験できない実際の業務に携わることができることに加えて、長期的に一つの企業で働くため社員との親睦を深めることができます。このような環境を経験することには、実践的なスキルの習得、コミュニケーション能力の向上など様々なメリットがあります。また、現場の空気感を体感することでその企業や仕事内容が自分に合っているのかどうかの適性を確認することが可能です。

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