適性検査の性格診断とは?目的や種類・例題、おすすめ就活対策


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1.就活の性格診断とは?
就職活動における適性検査、その中で行われる「性格診断」は、多くの企業が採用選考の初期段階で導入している重要なプロセスです。性格診断は、面接だけでは分からない応募者の潜在的な能力や人となりを、客観的なデータに基づいて理解するために用いられます。
まずは就活で用いられる適性検査と性格診断について、それぞれの役割と意味について正しい理解を身につけておきましょう。
就活で行われる適性検査とは
就活における適性検査は、大きく分けて「能力検査」「性格診断(性格検査)」の二つで構成されています。能力検査が言語能力や計算能力、論理的思考力といった仕事を進める上で必要となる基礎的な知識・スキルを測るものであるのに対し、性格診断は、個人の性格や価値観、行動特性といったパーソナリティを多角的に評価するものです。
多くの企業は、これら二つの結果を総合的に見ることで、候補者が自社で活躍できるポテンシャルをもっているか、組織の一員として円滑に業務を遂行できるかを判断しています。なお、IT・エンジニア職のような専門職であっても、チーム開発やクライアント企業とのコミュニケーションが不可欠なので、性格診断で測られる協調性やストレス耐性といった側面が重視される傾向にあります。
適性検査における性格診断とは
適性検査における性格診断は、応募者にとっての日常の行動や考え方に関する多数の質問に答えることで、パーソナリティを分析するテストです。たとえば、「計画を立ててから行動する方だ」「チームで協力して何かを成し遂げるのが好きだ」といった質問に対し、「はい」「いいえ」や「Aに近い」「Bに近い」といった選択肢で直感的に回答していきます。
こうした設問を通じて、積極性・協調性・慎重性・ストレス耐性・達成意欲といった、さまざまな側面から応募者の人となりが評価されます。企業はこの客観的なデータを、面接での印象と照らし合わせたり、自社の社風や求める人物像と合っているかを確認したりするための参考にしているのです。
一般的に性格診断の結果のみで合否が決まる割合は低いですが、能力検査の結果が合格ラインを下回るなど、適性検査全体で企業が求める水準を満たせなかった場合に、20〜40%の確率で次の選考に進めないケースがあります。
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2.企業が適性検査で性格診断を行う目的
企業側は、なぜ時間とコストをかけてまで、応募者に性格診断を実施するのでしょうか。その背景には、単なる学力試験だけでは測れない、候補者の内面的な特徴を深く理解したいという明確な意図があります。
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・社風、組織風土とのマッチ度を調べるため
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・学生の価値観、志向を確認するため
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・応募者の絞り込みを行うため
ここでは企業が性格診断を行う3つの理由について、上記3つの観点からご紹介します。
社風、組織風土とのマッチ度を調べるため
企業が性格診断を行う目的として、社風や組織風土とのマッチ度を調べる目的が挙げられます。どれだけ優秀な能力をもっていたとしても、企業の文化や価値観に合わなければ、自分の能力を十分に発揮することは難しく、早期離職につながってしまう可能性も高まります。企業にとって、時間と費用をかけて採用した人材がすぐに辞めてしまうことは大きな損失です。
そこで性格診断の結果を用いて、候補者のパーソナリティが、自社の社風や既に活躍している社員たちの傾向とどの程度マッチしているかを客観的に評価しようとするのです。たとえば、チームワークを重んじる企業であれば協調性の高い人材を、個人の裁量が大きくスピード感が求められる企業であれば自律性・挑戦意欲の高い人材を求める、といった具合です。
これは優劣をつけるためではなく、お互いにとって無用なミスマッチを防ぐための、双方にメリットのあるプロセスなのです。
学生の価値観、志向を確認するため
学生の価値観と志向を確認する目的で、性格診断を行うケースもあります。履歴書やエントリーシート、短い面接の時間だけでは、学生一人ひとりの内面にある価値観や仕事に対する考え方までを深く掘り下げることは困難です。しかし性格診断を用いることで、そうした内面的な部分を評価する助けになってくれます。
たとえば、応募者がどのようなことにモチベーションを感じるのか、ストレスを感じやすい状況はどのような時か、リーダーシップを発揮するタイプかサポート役を好むタイプか、などです。企業はこれらの情報を、面接でさらに深く質問するための参考資料としたり、入社後の配属先や育成プランを検討する上での判断材料にしたりします。新入社員一人ひとりの個性を理解し、入社後に最大限活躍できる環境を提供するためにも、性格診断は活用されているのです。
応募者の絞り込みを行うため
人気の高い企業や大規模な企業になると、採用期間中には数千人〜数万人という数の応募者が集まります。そのすべての学生とじっくり面接を行うことは、時間的にも物理的にも不可能です。そこで採用選考の初期段階において、一定の基準で候補者を絞り込むための、客観的でスクリーニング手法として適性検査が用いられています。
この際にも能力検査の点数だけでなく、性格診断の結果が判断材料の一つとされることがあります。たとえば、極端にストレス耐性が低かったり、協調性が欠如していたりと、入社後の業務に取り組む上で著しく不向きと思われる性格特性が見られた場合に、次の選考への通過を見送る、という判断を下すことがあります。
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3.適性検査の性格診断で落ちる理由とは?
性格診断には、能力検査のような明確な「正解」はありません。一方で、性格診断の結果が原因で選考に通過できないケースは実際に存在します。ここでは性格診断で不合格となりやすい3つの主な理由について解説します。
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・企業の求める人物像とのミスマッチ
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・適性検査の結果が低すぎる
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・虚偽・矛盾が含まれる回答である
これらの理由について念頭においた上で、適性検査・性格診断に臨むようにしましょう。
企業の求める人物像とのミスマッチ
性格診断で落ちる最も一般的な理由が、応募者の性格特性と、企業が求める人物像に大きな乖離があると判断されるケースです。これは応募者の能力や人柄が劣っているという意味ではなく、あくまでも「その企業(あるいは職種)とは合わない可能性が高い」という相性の問題です。
たとえば、常にチームで連携し、顧客と密なコミュニケーションを取りながら進めるプロジェクトが多い職種に、個人での作業を好み、内向的な性格特性をもつ人が応募した場合、企業側は「入社後に本人が苦労するかもしれない」と判断する可能性があります。
正直に回答した結果のマッチングなら、それは就活生にとっても自分に合った企業を見つけるためのポジティブな機会だったと捉えて問題ないのです。
適性検査の結果が低すぎる
性格診断の中には、社会人として望ましいとされる資質について測る項目が含まれていることがあります。たとえば、意欲やストレス耐性、責任感、協調性といった項目です。これらのスコアが極端に低く、社会人として働くのに不向きであると判断されてしまうと、選考通過が難しくなることがあります。
特にIT・エンジニア職に応募する場合、プロジェクトの納期や仕様変更といったプレッシャーのかかる場面も少なくありません。そのためストレス耐性や粘り強さといった特性が評価の対象となりやすく、これらの項目でネガティブな結果が出てしまうと、採用が見送られる可能性が出てくるのです。
性格診断では正直に答えることが大前提ですが、あまりにもネガティブな回答ばかりを選んでしまうと、社会人としての基本的な適性に不安を持たれてしまうことがあるためご注意ください。
虚偽・矛盾が含まれる回答である
「企業に合わせて自分を良く見せよう」という気持ちから、意図的に本来の自分とは違う回答を選択してしまう人もいます。しかし、こうした虚偽・矛盾が含まれる回答をしてしまうと、「信頼係数」「ライスケール」といった仕組みから、「この受検者は本来の自分について回答していない可能性が高い」と評価され、企業の選考対象からも外されてしまうことがあります。
たとえば、「自分は嘘をついたことが一度もない」といった、一般的にはあり得ない質問項目に「はい」と答えたり、関連性の高い質問に対して矛盾した回答をしたりすると、虚偽の回答をしている、あるいは自分を良く見せようとしすぎていると判断されます。このような結果が出ると、回答全体の信頼性が低いとみなされ、正直さや誠実さに欠ける人物としてマイナスの評価を受けてしまうのです。
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4.適性検査で出題される性格診断の種類
適性検査の性格診断は、いくつかの種類が存在し、企業によって採用しているテストも異なります。ここでは、就職活動でよく利用される代表的な5つの適性検査について、それぞれの性格検査の特徴を紹介します。
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・SPI
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・玉手箱
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・GAB
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・CAB
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・TAL
どのような形式で何を聞かれるのかを事前に把握した上で、本番でも落ち着いて回答できるように対策しておきましょう。
SPIの性格検査
SPIは、リクルートマネジメントソリューションズが提供する、就活で最も広く利用されている適性検査の一つです。SPIの性格検査は、300問という非常に多くの質問に、30分という短い時間で回答していくのが特徴です。質問は、日常の行動や考え方に関するもので、選択肢は「Aに近い」「どちらかといえばAに近い」「どちらかといえばBに近い」「Bに近い」の4段階で回答する形式が中心です。
たくさんの質問に素早く直感で答えていく必要があるため、深く考え込まず、スピーディーに回答していくことが求められます。
玉手箱の性格検査
玉手箱は、日本エス・エイチ・エル社が開発した適性検査で、特に金融業界やコンサルティング業界などの大手企業で多く採用されています。玉手箱の性格検査は、「性格」「意欲」の2つに関する質問が多いのが特徴です。質問に対し、「最も自分に近いもの」と「最も自分に遠いもの」をそれぞれ一つずつ選ぶ、という形式が代表的です。
自分のキャリアにおいて何を重視するのか、という価値観が問われる質問が多くなっています。
GABの性格検査
GABも、玉手箱と同様にSHL社が開発した適性検査で、総合商社や専門職の採用でよく用いられます。GABは、新卒総合職の適性を測ることを目的としており、性格検査では、職務遂行における行動特性やポテンシャルが評価されます。質問形式は玉手箱と似ている部分もありますが、よりビジネスシーンを想定した内容が多くなります。
どのような仕事の進め方を好むのか、という観点からの質問が特徴的です。
CABの性格検査
CABは、同じくSHL社が開発した、特にIT・エンジニア職の適性を測ることに特化した適性検査です。SEやプログラマーといったコンピュータ職に求められる能力を評価するため、性格検査においても、ストレス耐性や論理的思考性、チームワークといった側面が重視されます。
TALの性格検査
TALは、他の適性検査とは少し異なり、図形配置問題をはじめとした、ユニークな形式で個人の潜在能力や人物像を評価するのが特徴です。特にストレス耐性やメンタル傾向を測ることに重点が置かれている適性検査です。なお、TALには能力検査はなく、性格検査のみ実施されます。
明確な正解がなくどのように回答すれば良いか戸惑うかもしれませんが、直感に従って素直に表現することが大切です。
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5.性格診断のおすすめ対策方法
性格診断に向けて、何か特別な対策をするべきなのかと悩む方も多いでしょう。しかし結論からいうと、適性検査の性格診断を見据えるなら、最も大切なのは自分を偽らずに「素直に回答すること」です。自分を取り繕って入社できたとしても、その後のミスマッチで苦しむのは自分自身だからです。
とはいえ、何も準備せずに臨むのも不安になってしまうでしょう。そこで本来の自分を正しく、かつ効果的に企業に伝えるために、事前にやっておくべき3つの準備について解説します。
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・自己分析を深めておく
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・回答時間、回答方法に慣れておく
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・企業の求める人物像を理解しておく
一つひとつ順番に対策方法をご紹介しましょう。
自己分析を深めておく
就活における性格診断は、ある意味「自分自身との対話」といえます。数多くの質問に答えていく中で、自分でも気づいていなかった価値観や行動の傾向が明らかになることもあります。だからこそ事前に自己分析をしっかりと行い、「自分はどのような人間なのか」を深く理解しておくことが、一貫性のある、正直な回答をするための基礎となります。
これまでの学生生活やアルバイト経験などを振り返り、「どのような時にやりがいを感じたか」「困難な状況をどう乗り越えたか」「チームの中でどのような役割を担うことが多かったか」などを書き出してみましょう。そうして見えてきた自分の強みや弱み、価値観を把握しておくことで、性格診断の質問に対してスムーズに回答できるだけではなく、エントリーシート作成や面接対策にも役立ちます。
回答時間、回答方法に慣れておく
適性検査は、非常に多くの質問に限られた時間で回答しなければならないケースがほとんどです。特にSPIのように、30分で300問もの質問に答えるテストでは、一問あたりにかけられる時間はわずか数秒です。何も対策せずにぶっつけ本番で臨んだ場合、そのスピード感に圧倒されて焦ってしまったり、回答形式に戸惑ってしまったりする可能性があります。
そうした事態を避けるためにも、志望企業がどの種類の適性検査を導入しているかを調べ、可能であれば事前に一度、同じ形式の模擬テストを体験しておくことをおすすめします。市販の問題集やWeb上の模試などを活用して、出題形式に慣れておくだけでも、本番では精神的な余裕が生まれやすくなるでしょう。
企業の求める人物像を理解しておく
性格診断では、あくまでも素直に回答することが大前提ですが、その上で、応募する企業がどのような人材を求めているのかを理解しておくこともミスマッチを防ぐ上で重要です。企業の採用サイトにある「求める人物像」のページや、社員インタビューの記事などを読み、企業が大切にしている価値観や、社員に共通する行動特性などを分析してみましょう。
たとえば、「挑戦」というキーワードを掲げている企業であれば、あなたのもつ「新しいことに積極的に取り組む」という側面を、面接などでアピールできるかもしれません。これは自分を偽るための作業ではなく、自分のさまざまな側面の中から、その企業とマッチする部分を見つけ出し、積極的にアピールするための準備です。エントリーシート作成や面接対策といった就活対策の一環として、必ず一度は企業の求める人物像に目を通しておきましょう。
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6.まとめ
就活における適性検査の「性格診断」について、その目的や種類、そして対策の考え方までを詳しく解説してきました。性格診断は、応募者の優劣を決めるためのテストではなく、自分と企業との相性・マッチ度を客観的に測るためのツールです。だからこそ大切なのは、自分を偽らず、素直な気持ちで回答することです。
性格診断を「自分を評価される怖いもの」と捉えるのではなく、「自分に合った最高の職場を見つけるためのツール」と捉え直し、過度に緊張することなくリラックスして本番に臨んでみてください。
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