
実際に、専門分野の研究に多くの時間を費やす理系学生は、文系の学生に比べて就活に使える時間が限られがちです。しかし、インターンに参加できないからといって、就活で不利になると決まったわけではありません。
この記事では、理系学生がインターンに行けないと感じたときの具体的な対処法を5つ紹介します。インターンに参加するメリットや、参加しない場合に考えられるリスクについても詳しく解説しているので、インターンに参加するかどうか、参加するためにどう行動するかを考えるヒントにしてみてください。
\ITエンジニア特化の就活支援サービス/
\ITエンジニア特化の就活支援サービス/
1.理系でインターンに行けないと感じた時の対処法5つ
まずはインターンに行けないと感じる理系学生向けに、時間・スケジュールの余裕を作り、研究との両立を図るための5つの対処法を紹介します。
-
・リモート参加OKのインターンを探す
-
・研究室・指導教員にスケジュールを相談する
-
・インターン不参加でも差別化できる成果を残す
-
・大学院進学のために参加しないことを選ぶ
これらの方法を実践しながら、後悔のない就活対策に取り組みましょう。
リモート参加OKのインターンを探す
研究で忙しく、時間や場所の制約がある理系学生におすすめなのが、リモート参加が可能なインターンを探すことです。研究室や授業の時間を避けながら、自宅からでも気軽に参加できるため、学業との両立がしやすくなります。IT企業やコンサルティングファームなどでは、オンラインで完結するプログラムが増えています。これらのインターンでは、移動時間がない分、効率的に企業理解を深めたり、専門スキルを磨いたりできます。まずは、就活サイトで「リモート」「在宅」などの条件で検索して、自分の専門分野や興味に合う企業を探してみましょう。
研究室・指導教員にスケジュールを相談する
研究室の活動が忙しくてインターンに参加できないと感じているなら、まずは指導教員に相談してみることをおすすめします。多くの教員は学生のキャリア形成に理解があり、学業に支障が出ない範囲であれば、インターン参加を応援してくれるケースが多いからです。相談する際には、インターンに参加したい理由や、参加によって研究にどのような良い影響があるかを具体的に伝えると良いでしょう。研究の進捗に遅れが出ないよう、インターン期間中のスケジュール案を事前に作成して提示すると、教員からの理解を得やすくなります。
インターン不参加でも差別化できる成果を残す
インターンに参加できなくても、就活で他の学生と差別化する方法はあります。重要なのは、自身の専門性や能力を客観的に証明できる「成果」を示すことです。たとえば、学会での発表経験や論文の執筆、プログラミングコンテストでの入賞歴などは、企業に対して高い技術力や探求心をアピールする強力な材料になります。また、個人でWebサービスやアプリを開発した経験も、主体性や実践的なスキルを示す上で非常に有効です。インターンに参加する時間がないのであれば、その分を研究や自主的なプロジェクトに使い、誰もが納得するような成果を残すことに集中するのも一つの戦略です。
大学院進学のために参加しないことを選ぶ
もし大学院への進学と就職を迷っているなら、あえてインターンに参加しないという選択も十分に考えられます。その場合、学部時代の時間は研究に全力を注ぎ、専門分野での深い知識と実績を築くことが最優先となります。大学院での研究活動は、学部時代以上に高度で専門的になるため、その基礎となる学業や研究に集中することは、将来の研究者や技術者としてのキャリアにとって重要です。ただしその場合は、なぜインターンに参加せず研究を選んだのか、その理由を院卒の就活の際に明確に説明できるようにしておきましょう。
\ITエンジニア特化の就活支援サービス/
\ITエンジニア特化の就活支援サービス/
2.理系の就活でインターンに参加しておくメリット
理系学生が研究で忙しくて行けないと感じていたとしても、スケジュールを調整してインターンに参加することで、次のようなメリットが手に入ります。
-
・研究分野と企業のマッチング精度が向上する
-
・専門性を活かせる職種・企業が見つかりやすい
-
・推薦枠や早期選考ルートにつながる場合がある
-
・研究で培った技術を現場で活用できる
-
・同じ専門分野の社員・学生とネットワークを築ける
それぞれ詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
研究分野と企業のマッチング精度が向上する
理系のインターンに参加する最大のメリットは、自身の研究分野が企業でどのように活かせるのかを直接確認できる点です。大学の研究室で行っている研究内容が、実際の製品開発にどう結びつくのかを肌で感じることで、企業選びのミスマッチを防げるようになる利点があります。インターンを通じて自分の専門知識が社会から求められていることを実感することで、入社後のギャップを減らし、より満足度の高いキャリアを築くことができるのです。
専門性を活かせる職種・企業が見つかりやすい
インターンは、自身の専門性を最大限に活かせる職種・企業を見つける絶好の機会です。理系学生なら、エンジニアやプログラマー、開発職など、多岐にわたる専門職を目指せますが、それぞれの業務内容を具体的にイメージするのは困難です。インターンに参加して、社員の方々と一緒に実務を体験することで、仕事の面白さや難しさ、求められるスキルセットをリアルに理解できます。自分の可能性を広げ、本当に情熱を注げる仕事を見つけるためにも役立つのが、インターンなのです。
推薦枠や早期選考ルートにつながる場合がある
企業によっては、インターン参加者向けに特別な選考ルートを用意していることがあります。これは一定期間ともに働くことで、学生の能力や人柄を深く理解し、通常の選考よりも正確な評価が可能になるからです。特に専門性が求められる理系の職種では、インターンでの活躍が評価されれば、早期内定を得られたり、推薦枠として有利に選考が進んだりするケースが少なくありません。このような早期選考ルートに乗れれば、研究で忙しくなる時期の就活の負担を大幅に軽減できるでしょう。
研究で培った技術を現場で活用できる
理系学生にとってのインターンは、大学の研究で培った知識や技術が、実際のビジネスの現場でどのように役立つのかを試す貴重な場です。研究室で日々行っている実験、データ分析、プログラミングなどのスキルが、企業の課題解決に直接貢献できることを実感できれば、大きな自信につながります。実務を通じて、学校では学べない応用的な技術や、チームで成果を出すためのコミュニケーション能力も身につくでしょう。研究の成果を社会に還元する喜びを知ることで、学習意欲がさらに高まり、今後のキャリアに対する明確なビジョンを描くきっかけにもなります。
同じ専門分野の社員・学生とネットワークを築ける
インターンに参加することで、同じ専門分野に関心を持つ他大学の学生や、現場で活躍する先輩社員との貴重な人脈を築けるのもメリットです。インターン中に出会った社員の方からは、業界の最新動向やキャリアパスに関するリアルな話を聞くことができるほか、他の参加学生とは就活情報を共有したり、互いに切磋琢磨したりする良い関係を築けるでしょう。こうした繋がりは、就活ではもちろん、社会人になってからも自分を支えてくれるはずです。
\ITエンジニア特化の就活支援サービス/
\ITエンジニア特化の就活支援サービス/
3.理系でインターンに行かない場合のリスク・注意点
研究で忙しくて行けないからといって、インターンに全く参加しなかった場合、次のようなリスク・注意点に直面することになります。
-
・技術系職種の具体的な業務内容が分からない
-
・企業側のニーズが把握できない
-
・理系向けの特別な採用ルートを見逃しやすい
-
・実務での専門知識の活用方法が理解できない・
-
・理系出身の先輩社員とのコネクションが作れない
一つひとつ解説しますので、インターンに参加するかどうかを決める判断材料にしてください。
技術系職種の具体的な業務内容が分からない
理系でインターンに参加しなかった場合、就職先となる技術系職種の具体的な業務内容を深く理解できないというリスクがあります。企業の採用ページや説明会では、仕事内容の概要は掴めますが、日々の業務でどのような課題に直面し、どう解決していくのかといったリアルな部分は見えにくいものです。たとえば、「研究開発職」と一口に言っても、基礎研究に近いテーマを扱うのか、製品化に向けた応用開発なのかは企業によって大きく異なります。
こうした実情を知らないまま入社すると、「思っていた仕事と違った」というミスマッチが生じかねません。インターンに参加していれば、実務を通じて仕事の楽しさや厳しさを体感できるため、より解像度の高い企業研究が可能です。業務内容を具体的にイメージできないことは、後悔のないキャリア選択をする上で大きなハンデとなってしまうのです。
企業側のニーズが把握できない
インターンに参加しないと、企業が理系学生に何を求めているのか、その具体的なニーズを肌で感じることが難しくなります。企業側は学生の専門知識はもちろんですが、それ以上にチームで協力する姿勢や、未知の課題に粘り強く取り組む能力などを重視しています。しかし、こうした企業側の本音は、通常の選考過程ではなかなか見えてきません。
インターンに参加した学生なら、社員と長期間コミュニケーションをとる中で、企業文化や価値観、求められる人物像を深く理解することが可能です。企業側のニーズを把握できないままでは、効果的な自己アピールも難しくなることも覚えておきましょう。
理系向けの特別な採用ルートを見逃しやすい
インターン不参加を選ぶ大きなデメリットとして、理系学生向けに用意された特別な採用ルートを見逃してしまう可能性があることです。多くの企業は、インターンシップを優秀な理系学生と早期に接触するための重要な機会と捉えており、参加者限定のセミナーや早期選考、あるいは一部選考免除といった特典を設けています。
これらの非公開情報は、企業の採用サイトなどでは公表されないことがほとんどです。そのためインターンに参加しない学生は、こうした有利な選考ルートの存在すら知ることができません。研究活動で忙しい理系学生にとって、就活の負担を軽減できる早期選考は非常に魅力的です。貴重なチャンスを逃さないためにも、インターンへの参加は積極的に検討すべきと言えるでしょう。
実務での専門知識の活用方法が理解できない
インターンに行かない場合、大学で学んだ専門知識が実社会でどのように活かされているのかを具体的に理解する機会を失ってしまいます。研究室で学んでいる理論や技術が、企業の製品開発やサービス改善にどう貢献しているのか、その繋がりを実感しておくことは非常に重要です。こうした理解が不足していると、面接で「あなたの研究を当社でどう活かせますか?」といった質問に対して、具体的で説得力のある回答を用意することが難しくなります。
インターンでは、自分の専門分野がビジネスのどの部分で価値を生み出しているのか、直接肌で感じることが可能です。インターン経験を通じて、自身のスキルの市場価値を客観的に把握し、より的確なキャリアプランを描くことが可能になるのです。
理系出身の先輩社員とのコネクションが作れない
インターンは、同じ理系学部や専門分野の出身である先輩社員との貴重なコネクションを作る絶好の機会ですが、参加しないとそのチャンスを逃してしまうこともデメリットです。理系出身の先輩社員は、あなたのキャリアにおける良き相談相手となり得ます。
先輩社員からは、仕事のやりがいや悩み、社内の雰囲気、キャリアパスなど、外部からは得られないリアルな情報を聞くことができるでしょう。また、個人的なつながりができれば、就活中の不安や疑問を気軽に相談できる心強い存在になるかもしれません。インターンに参加しないことで、将来のロールモデルとなり得る先輩との出会いの機会を失ってしまうのは、大きな損失と言えるでしょう。
\ITエンジニア特化の就活支援サービス/
\ITエンジニア特化の就活支援サービス/
4.理系のインターンシップでやる内容
最後に、理系向けのインターンで実施されるプログラム内容について、代表的な以下5種類をご紹介します。
-
・研究・開発業務補助
-
・プログラミング・IT開発
-
・実験・評価・分析の体験
-
・品質管理や生産技術への理解
-
・設計・製図業務の体験
上から順番に解説しますので、インターン参加後のイメージを膨らませるのに役立ててください。
研究・開発業務補助
理系のインターンで多いプログラムの一つが、企業のR&D部門(研究開発部門)での業務補助です。社員が進めている実際のプロジェクトに参加し、専門知識を活かして貢献することが求められます。大学の研究とは異なり、納期やコストといったビジネスの視点が常に求められるため、実践的な課題解決能力が身につきます。また、最先端の実験装置や分析機器に触れる機会も多く、学校では得られない貴重な経験を積むことができるでしょう。
プログラミング・IT開発
情報系の学生や、プログラミングスキルを持つ理系学生にとって、IT開発系のインターンは非常に人気があります。このタイプのインターンでは、Webサービスやアプリケーション開発のプロジェクトに加わり、実際のコーディング作業を担当します。社員エンジニアの指導のもと、機能追加やバグ修正といったタスクに取り組み、チーム開発の流れを実際に体験できます。自分の書いたコードがサービスの一部として動く様子を目の当たりにすることは、大きなやりがいと自信につながることでしょう。
実験・評価・分析の体験
メーカーなどの製造業のインターンでは、実験・評価・分析といった業務を体験する機会が多くあります。これは製品の品質を保証し、性能を向上させる上で欠かせないプロセスです。地道な作業も多いですが、一つの製品が世に出るまでに、いかに多くの検証が積み重ねられているかを知ることができます。データに基づいて論理的に物事を考え、粘り強く課題に取り組む力は、まさに理系学生に求められる素養です。こうしたインターン経験を通じて、品質へのこだわりや、ものづくりに対する責任感を学ぶことができるでしょう。
品質管理や生産技術への理解
理系のインターンでは、研究開発だけでなく、品質管理・生産技術といった「ものづくりの現場」に近い仕事を体験できることもあります。品質管理部門では、製品が規定の基準を満たしているかを確認するための検査業務に携わります。生産技術部門では、製品を効率的かつ安定的に量産するための生産ラインの設計や改善に取り組みます。これらの業務は、研究室での活動とはまた違った楽しさがあり、将来メーカーで働く上では貴重な企業研究・職種研究の機会となるでしょう。
設計・製図業務の体験
機械・電気・建築などを専攻する理系学生からは、設計・製図業務を経験できるインターンが人気です。CADと呼ばれるツールを使い、製品の部品や構造の設計、図面の作成・修正などを行います。大学の授業で学んだ設計の知識が、実際の製品開発でどのように応用されているのかを具体的に理解できるチャンスとなるでしょう。自分の設計したものが、将来的に実際の製品として形になる可能性もあり、ものづくりの醍醐味を存分に味わうことができます。
\ITエンジニア特化の就活支援サービス/
\ITエンジニア特化の就活支援サービス/
5.まとめ
理系の学生なら、多忙なせいで「インターンに行けない」と感じることは珍しいことではありません。その場合には、リモートOKのプログラムを選んだり、大学2年生などの低学年からインターンに応募したりするのが有効です。理系の就活を見据えてインターンに参加することで、専門性を活かせる職種・企業を見つけるのに役立つ他、推薦枠や早期選考ルートを案内されるメリットもあります。
一方で、理系でインターンに行かなかった場合、企業側のニーズが把握できず、入社後にミスマッチを起こしやすくなる点に注意が必要です。ここで解説してきた対処法やメリット・デメリットを踏まえて、インターンに参加するための戦略とスケジュールを立ててみてください。
ITエンジニアを目指す新卒学生向け就活エージェントならレバテックルーキー
レバテックルーキーは、レバテックが運営するITエンジニア専門の就活エージェントです。多数のITエンジニアのキャリア支援経験のあるアドバイザーが、あなたのスキルと希望に合わせた企業の紹介から、人事目線での面接対策など、就職までを一貫してサポートします。ES添削、面接対策、ポートフォリオ作成サポートなども実施していますので、まずは一度カウンセリングにお越しください。
就活アドバイザーに相談してみる



