就活で重視したいエンジニアの福利厚生とは?企業選びの注意点やユニークな制度も

就活で重視したいエンジニアの福利厚生とは?企業選びの注意点やユニークな制度も
エンジニアとして就職活動を行う際、給与や仕事内容と同じくらい重要なのが福利厚生です。IT業界は人材不足が深刻化しており、優秀なエンジニアを確保するために各企業が魅力的な福利厚生制度を導入しています。 しかし、「福利厚生が充実している」と謳われていても、実際にどのような制度があり、どれが本当に価値があるのかを判断するのは簡単ではありません。エンジニア特有の働き方やキャリア形成を考慮した福利厚生があるのかどうか、しっかりと見極めることが重要です。 本記事では、エンジニアが就活で重視すべき福利厚生の種類から、実際のユニークな制度事例まで詳しく解説します。自分にとって必要な福利厚生を正しく理解し、企業選びの参考にしてみてください。

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1.「福利厚生」の基本情報

まずは福利厚生という言葉の定義や、基本的な用語についてご紹介しましょう。

福利厚生とは?

そもそも福利厚生とは、企業が従業員に対して給与以外に提供するさまざまなサービス・制度のことを指します。従業員の生活の質向上や、働きやすさの改善を目的として設けられており、企業の魅力度や従業員の満足度にも大きく影響します。

福利厚生の目的は、従業員の健康維持、仕事と私生活の両立支援、勤続年数を延ばすことによる採用コストの削減などが挙げられます。特にIT業界では、技術の変化が激しく、長時間のデスクワークが多いという特徴があるため、これらの課題に対応した福利厚生が重視されています。

具体的には、健康診断や技術研修制度、食事補助、リフレッシュ休暇などがあります。これらの制度があるおかげで、エンジニアにとっては安心して働ける環境が整い、企業側にとっても優秀な人材の確保と定着を図ることができます。福利厚生は、単なる「おまけ」ではなく、企業選びにおける重要な判断材料でもあるのです。

法定福利と法定外福利の違い

福利厚生は、「法定福利」と「法定外福利」の2つに大きく分類されます。法定福利とは、法律で企業に義務付けられている福利厚生のことで、健康保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険、介護保険などの社会保険が当てはまります。これらは企業規模や業種に関わらず、すべての企業が提供しなければならない基本的な福利厚生です。

一方の法定外福利とは、企業が独自に設ける任意の福利厚生制度です。住宅手当、食事補助、健康診断や人間ドックの費用補助、慶弔見舞金などが含まれます。法定外福利は企業の裁量で決められるため、企業ごとに大きな差があり、就活において企業選びの参考になるポイントです。

エンジニアが就活で注目すべきは、主に法定外福利です。資格取得支援制度、書籍購入費補助、カンファレンス参加費支援など、エンジニアのスキルアップに特化した制度が充実している企業は、長期的なキャリア形成にも有利に働くでしょう。法定福利は当然として、法定外福利の内容と実際の運用状況を詳しく確認することが重要です。

「福利厚生が充実」とはどんな状態?

一般に「福利厚生が充実している」と言われる企業とは、制度の種類が豊富で、従業員のニーズに幅広く対応している状態を指すことが多いです。単に制度があるだけでなく、実際に従業員が利用しやすく、効果的に活用されていることが理想的です。

たとえば、健康診断に加えて人間ドックの費用補助、メンタルヘルスケア、フィットネスジム利用料の補助などがあります。スキルアップ面では、社外研修費用の全額負担、資格取得時の報奨金、技術書の購入費補助、などが挙げられます。柔軟な働き方を支援する制度として、フレックスタイム制やリモートワーク、育児・介護支援制度などが挙げられます。

重要なのは、これらの制度が形式的なものではなく、実際に従業員が利用しやすい環境が整っていることです。制度があっても利用率が低いケースや、申請手続きが煩雑なケース、上司の理解が得られない雰囲気があるなどの場合には、「福利厚生が充実している」とは言えないでしょう。

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2.就活で重視したいエンジニアの福利厚生とは?

エンジニアが就活で重視すべき福利厚生としては、主に以下の3つが挙げられます。
 

  • ・健康面を支える福利厚生

    ・スキルアップを支援する福利厚生

    ・ライフスタイルを応援する福利厚生


それぞれのカテゴリについて、具体的な制度や企業選びのポイントとともに解説します。

健康面を支える福利厚生

エンジニアにとって健康面の福利厚生は特に重要です。長時間のデスクワークによる肩こりや腰痛、眼精疲労、運動不足などの「職業病」のリスクが高いため、これらの健康面の課題に配慮した制度が充実している企業を選ぶことをおすすめします。具体的には、人間ドック費用補助、メンタルヘルスケア、社内フィットネス施設など。エルゴノミクス(人間工学)に配慮したデスク・チェアやキーボードなどが支給される制度があると理想的です。

明確な福利厚生の制度だけではなく、残業時間が少ないことや有給休暇の取得を促進している環境なども、エンジニアとしての健康維持に直結します。こうした健康面の福利厚生が充実している企業では、エンジニアの長期的な健康を重視し、無理のない働き方を実現できるでしょう。面接時には、具体的な制度の利用状況や、実際の働き方を含めて確認しておくことをおすすめします。

スキルアップを支援する福利厚生

IT業界は技術の進歩が非常に速く、エンジニアには継続的な学習とスキルアップに取り組む姿勢が求められます。企業としてもエンジニアのスキルアップを支援する福利厚生制度が充実していると、長期的なキャリア形成では有利に働きます。代表的な制度としては、キャリアアップに向けた各種研修制度や語学研修・留学制度、受験料補助や合格時の報奨金といった資格取得支援などがあります。また、社内勉強会を積極的に開催していたり、業務時間内での学習を奨励していたりする職場なら、スキルアップに取り組みやすくなるでしょう。

加えて、最新技術に触れる機会が豊富で、実際の業務でも新技術を積極的に取り入れる姿勢があるなら、市場価値の高いエンジニアを目指しやすい環境と判断できます。社内異動制度やジョブローテーションを通じて、さまざまな経験を積める環境があることも、エンジニアとしての活躍の幅を広げる上では重要になります。

エンジニアの技術力向上が企業の競争力向上に直結するという考えが根付いていて、学習に対する投資を惜しまない文化がある企業を選ぶことで、将来性あるキャリアを歩めるようになるでしょう。

ライフスタイルを応援する福利厚生

仕事と私生活の両立がしやすく、地方移住や出産・育児など、多様なライフスタイルに対応した福利厚生制度があるかどうかを重視することも大切です。特に働き方の柔軟性や生活の質向上に関する制度が充実している企業なら、30代、40代になったとしても働きやすい環境を得ることができるでしょう。

働き方の柔軟性に関する制度としては、フレックスタイム制、リモートワーク制度、時短勤務制度、育児・介護休暇制度などがあります。実態としてこれらの制度が活用されている職場なら、エンジニア一人ひとりの生活スタイルや家庭の事情に合わせて働き方を調整できるでしょう。

加えて、副業OKの職場や、社内起業支援制度がある職場なども、近年ではエンジニアに人気の制度として注目が集まっています。就職直後だけではなく、10年後、20年後も見据えながら、ライフスタイルに合わせた働き方を実現できるかどうかをチェックしてみましょう。

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3.エンジニア向けのユニークな福利厚生事例

ここからはエンジニア向けのユニークな福利厚生を用意しているIT企業の事例についてご紹介します。エンジニアが働きやすい環境を整えている企業では、具体的にどのような制度を設けているのか参考にしてみてください。

サイバーエージェントの「macalonパッケージ」

サイバーエージェントが導入している「macalonパッケージ」は、女性社員の活躍を促進するための独自の福利厚生制度です。「ママ(mama)がサイバーエージェント(CA)で長く(long)働く」という意味を持つこの制度は、9つの支援制度をパッケージ化しています。

主な制度としては、女性特有の体調不良時に取得できる「エフ休」、不妊治療のための「妊活休暇」、専門家によるカウンセリングが受けられる「妊活コンシェル」など、ほかにもパパママ社員の多様な働き方を紹介する「パパママ報」も特徴的です。

参考:https://www.cyberagent.co.jp/sustainability/info/detail/id=26074

メルカリの「merci box」制度

メルカリの「merci box」は、社員と家族のライフイベントに伴うダウンサイジングリスクを軽減するための総合サポート制度です。主な特徴として、産休・育休・介護休業・傷病休職からの復職時に支給される復職一時金、結婚や出産時の特別有給休暇とお祝い金の支給、家族の不幸時の忌引き休暇と弔慰金の支給などがあります。

特に注目すべきは、不妊治療や卵子凍結に関する費用補助制度です。不妊治療については一子あたり200万円を上限に、卵子凍結についても各種費用を補助する制度を設けており、社員本人だけでなく配偶者・パートナーの費用も対象としているのが大きな特徴です。

育児支援の面でも、認可外保育園の保育料補助、病児保育の保育料補助、0歳児保育の保育料補助など、手厚い支援制度を用意しています。また、全社員を対象とした死亡保険に加入しており、万が一の際の家族支援も実施しています。

参考:https://careers.mercari.com/benefits/

サイボウズの「100人100通りのマッチング」

サイボウズが推進している「100人100通りのマッチング」は、従業員一人ひとりの事情やライフスタイルに合わせて、最適な働き方を実現する制度です。この制度では、勤務時間、勤務場所、勤務日数を個人の希望に応じて柔軟に設定し、マネジャーがチームのニーズや期待する役割とすり合わせることで「マッチング」を成立させます。従来は「100人100通りの働き方」というキーワードが業界でも注目を集めましたが、現在は『マッチング』を重視した制度へと切り替わっています。

この制度の背景には、「チームの生産性とメンバーの幸福の両立」という同社のポリシーがあります。チーム側の「やるべきこと」とメンバーの「やりたいこと」のマッチングが成立すれば、それぞれ幸せに、サステナブルに働くことができるという考え方に基づいています。エンジニアの立場からすると、理想のキャリアパスが実現しやすくなり、活躍の幅を広げられる制度と言えるでしょう。

参考:https://cybozu.co.jp/recruit/workplace/benefit/

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4.IT企業の福利厚生を見る時の注意点

最後に、エンジニアとして就職するIT企業の福利厚生を見る時に、押さえておきたい注意点についてもご紹介します。
 

  • ・「形だけの制度」か実際に使われているかを見極める

    ・会社説明会や面接で疑問点を解消しておく

    ・福利厚生以外の志望動機を用意する


これらのポイントも踏まえながら、企業選びを進めてみてください。

「形だけの制度」か実際に使われているかを見極める

福利厚生制度をチェックする際に最も重要なのは、その制度が形式的に存在するだけでなく、実際に従業員によって活用されているかどうかです。多くの企業が魅力的な福利厚生制度を用意しているものの、実際には利用しにくい雰囲気があったり、実態としてほとんど利用されていなかったりするケースが考えられます。

有給取得率や研修制度の利用者数、リモートワーク制度の利用状況など、企業側が具体的なデータを公開しているのであれば、各種制度がしっかりと利用されている実態があると判断できます。

また、職場の文化・雰囲気もチェックしておく必要があります。社内の雰囲気が険悪で、互いの有給取得を責めるような雰囲気がある職場では、エンジニアとして安心して働き続けることは難しくなるでしょう。会社説明会などの場でそうした雰囲気が感じ取れる場合には、就職先として選ぶのは慎重になった方が良いかもしれません。

会社説明会や面接で疑問点を解消しておく

福利厚生に関する疑問や不明点は、入社前に必ず解消しておきましょう。入社後に「思っていた制度と違った」「利用条件が厳しすぎる」といったことが発覚すると、働くモチベーションや企業との信頼関係にも大きく影響するからです。会社説明会では、福利厚生制度の概要説明だけでなく、具体的な利用条件、申請手続き、利用実績などについて詳しく確認しておくと安心です。

面接の場でも、より具体的で個人的な質問で相性をチェックしてみると良いでしょう。「入社後のキャリア形成において、どのような研修制度を利用できるか」「ワークライフバランスを重視したいが、実際の働き方はどうか」「将来的に家族ができた場合の働き方の選択肢は何があるか」など、自分の状況や希望に応じた質問を意識してみてください。

ただし、質問する際は福利厚生だけに焦点を当てるのではなく、仕事内容やキャリアパスとの関連性も含めて質問することで、志望意欲の高さを伝えることも欠かさないようにしましょう。

福利厚生以外の志望動機を用意する

福利厚生は企業選びの重要なポイントですが、それだけを志望動機にするのは望ましくありません。面接官は、学生が企業の事業内容や理念に対して、どれくらい興味・関心を持っているのかを重視するからです。福利厚生のみを志望動機として挙げると、「条件面だけで企業を選んでいる」「仕事内容への関心が薄い」という印象を与える可能性があります。エンジニア自身にとっても、福利厚生だけを重視して企業を選び、入社後の働き方についての企業研究が不足していると、入社後のミスマッチを起こす原因になります。

そのため福利厚生については、「長期的に安心して働ける環境が整っていることも、企業選びの重要な要素の一つ」という位置づけで考えることをおすすめします。なお、福利厚生制度から、企業の価値観や人材育成に対する姿勢などを読み取ることができるので、それが自分の価値観と合致するかどうかを調べるのも有効です。

「研修制度を活用して新技術を習得し、チームの技術力向上に貢献したい」「リモートワーク制度を活用して、より集中できる環境で高品質なコードを書きたい」など、福利厚生を絡めた表現でキャリアビジョンについて言及すると、より自分自身の価値観が企業へ伝わりやすくなるでしょう。

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5.まとめ

エンジニアの就活においては、福利厚生は給与・仕事内容と同様に重要な判断材料となります。特にIT業界では、技術の変化が激しく、長時間のデスクワークが多いという特徴があるため、健康面のサポートやスキルアップ支援、そして働き方の柔軟性に関する制度が充実している企業を選ぶのが望ましいです。

ただし企業側が用意する福利厚生の中には、形式上はホームページに掲載されているが、実態としては利用されていない、もしくは利用しにくい雰囲気があることも考えられます。そうした企業を避けるためにも、会社説明会や面接を通じて、実際の職場環境を確認しておくと安心です。

各企業が用意しているエンジニア向けのユニークな福利厚生なども参考にしながら、自分に合った働き方を実現できる就職先を選んでみてください。

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