高校生向け｜ITエンジニアを目指すならやっぱり情報系大学？

• 1. 学生向けに解説｜そもそもITエンジニアの仕事ってどんなもの？
• 2. ITエンジニアはどんな大学・学部出身者が多い？
• 3. 専門学校卒でITエンジニアになれる？
• 4. ITエンジニアを目指す上で学生時代に学んでおきたいこと
• 5.まとめ

1. 学生向けに解説｜そもそもITエンジニアの仕事ってどんなもの？

皆さんはITエンジニアという職業に対してどんなイメージをお持ちですか？技術職のため、パソコンの前に座って作業するイメージがあるかもしれませんが、実際にはITエンジニアの仕事は多岐にわたります。まずはITエンジニアの仕事内容について、詳しく解説していきます。

エンジニアはパソコンに付きっきり…ではない！

ITエンジニアの仕事というと「とにかくパソコンに付きっきりでプログラムを書く」という姿を想像する方も多いのではないでしょうか。たしかにパソコンで仕事をする時間が多いのも事実ですが、それと同じくらい時間を割くのが「人とのやり取り」です。

システムを作成する際には、まずクライアントがシステムに何を望んでいるのか・何を実現したいのかをヒアリングする必要があります。また、システム作成後も、概要の説明やテストを行うためにクライアントとの打ち合わせが欠かせません。
そこではコミュニケーション能力が求められますし、会社・社会の成り立ちを理解しておくことも重要です。ITエンジニアといってもIT関連の知識だけがあれば良いというわけではありません。

多種多様なエンジニアの世界

一口にITエンジニアと言っても、活躍する分野や仕事内容はさまざまです。SNSなどのWebサービスを開発する人、スパコンの設計をする人、最新の検索アルゴリズムを研究する人、おしゃれなHPを作る人、これらすべての人がITエンジニアと呼ばれます。そして当然ですが、おしゃれなHPを作りたい人と、最新の検索アルゴリズムを研究したい人とでは、求められる能力や学ぶべきことが大きく異なります。

おしゃれなHPを作りたい人にとっては、IT技術よりも美的センスの方が重要になるかもしれません。一方、最新の検索アルゴリズムを研究したい人にとっては、ITに関する知識よりも数学の方が役立つ可能性もあります。
また、SNSなどのWebサービスを開発したい人にとっては、世の中のニーズをつかむマーケティング能力が求められるはずです。

進路を決める際には、将来的にどのようなタイプのエンジニアを目指したいのかを、より具体的に考えてみることが大切です。

2. ITエンジニアはどんな大学・学部出身者が多い？

ITエンジニアを目指す高校生にとって、進学先としてどんな大学・学部・学科を選ぶのかということは最も重要なポイントです。
実際にITエンジニアとして働いている人にはどんな大学・学部出身者が多いのかをチェックしていきましょう。

情報系出身以外もけっこう多い

ITエンジニアというと情報系出身者ばかりというイメージを持つ方も多いですが、実際にはそうでもありません。

2015年のIT人材白書（※1）の「IT企業IT技術者の最終学歴での専攻」によると、最終学歴が大学・大学院のITエンジニアのうち、情報系出身者が22.5%、情報系以外の工学系出身者が22.6%、情報系以外の理学系出身者が13.3%を占めており、情報系出身者だけが特に多いというわけではありません。
また、経済系出身者が10.2%、文学系出身者が7.3%となっており、文系出身者もIT技術者として活躍していることがわかります。

さらに興味深いのが、ITベンチャーを立ち上げた人の出身学部です（IT人材白書2015（※2）「IT・インターネットビジネスモデル企業起業家の最終学歴の専攻」）。経済・経営・商学系出身者が33.2%、文学・社会学・外国語学・法学系が22.9%と文系出身者が高い割合を占める一方で、理系学科出身者は合計しても全体の3割強、情報系だけに限るとわずか8.5%にとどまります。ITベンチャーの起業家は文系出身者の方が多いのです。

※1参考：独立行政法人 情報処理推進機構「IT人材白書 2015」p.207より
※2参考：独立行政法人 情報処理推進機構「IT人材白書 2015」p.53より

ITの最新技術を学びたい・研究したいなら工学部の情報系へ

前述したとおり、さまざまな学部・学科の卒業生がITエンジニアとして活躍していますが、「将来的にITの最新技術を研究したい」という場合には、工学部の情報系学科へ進学し、大学卒業後は大学院へ進むのが一般的です。というのも、研究職を目指す場合、大学・大学院で情報工学を学んだことが就職の大前提となるからです。

この場合、出来る限り偏差値の高い、有名な大学を目指すことをおすすめします。やはり有名な大学には高度な研究を積んだ技術者が集まる傾向にあり、そういった有名研究者のもとで勉強することはITエンジニアを目指す学生にとって大きな財産となるからです。

3. 専門学校卒でITエンジニアになれる？

ITエンジニアを目指すために、大学ではなく情報系コースのある専門学校へ進学するという選択肢もあります。しかし、中には「専門学校出身でも本当にITエンジニアになれるの？」と不安を感じている方もいるでしょう。
結論から言うと、専門学校卒でもITエンジニアになれる可能性は大いにあります。

2015年のIT人材白書「IT企業IT技術者の最終学歴」（※）によると、全体の16.2%が専門学校出身者。これは大学卒の58.7%に次ぐ高い割合です。このように、毎年多くの専門学校卒業生がITエンジニアとして就職していることがわかります。

ただし、幅広い知識やスキルをじっくりと学ぶ大学とは異なり、専門学校は専門分野に特化して集中的に学んでいく場所です。できるだけ早く現場に出て経験を積みたいという方には向いていますが、学生のうちにさまざまな経験をして、IT技術以外のスキルも身に付けたいという方は、大学へ進むことをおすすめします。

※参考：独立行政法人 情報処理推進機構「IT人材白書 2015」p.206より

4. ITエンジニアを目指す上で学生時代に学んでおきたいこと

最後に、ITエンジニアを目指す上で学生時代に学んでおくと役立つことを紹介します。

ITに関する知識は大切だけど

まず、ITエンジニアとして仕事をするためには、ITに関する基本的な知識・スキルを持っていることが大前提です。「パソコンにほとんど触れたことがない・プログラムはまったくわからない」という場合、ITエンジニアとして働くことは難しいでしょう。

一方で「プログラミングやITに関する知識だけあればエンジニアとして仕事ができるのか」というと、そうではありません。
本記事の最初にご紹介したとおり、ITエンジニアという仕事は多種多用です。デザイン的なスキルが求められることもあれば、企業経営に関する知識が求められることもあり、コミュニケーション能力も欠かせません。つまり、いろいろな経験や能力が求められるということです。

そのためにも、時間のある学生のうちにさまざまな経験をしておきましょう。例えば大学でのサークル活動やアルバイトの経験がITエンジニアとして役立つかもしれませんし、友人と旅行した経験が後に活きることもあるかもしれません。そういった意味では、専門分野を学びながらも幅広く一般教養を学んだり、さまざまなことに時間を割いたりできる4年制大学への進学はおすすめです。

「どんなエンジニアを目指すのか」が進路を決めるカギ！

学生時代にさまざまな経験を積むことで、「ITシステムで社会貢献がしたい」「心が豊かになるアプリを開発したい」など、将来的にやりたいことがより具体的になるはずです。これこそが進路を決めるカギです。将来の目標を明確にして、後悔のない進路選びを実現させましょう。

5. まとめ

エンジニアを目指す場合、情報系の学部のある大学や専門学校に目がいきがちです。しかし、実際にはそれ以外の理系の学部や文系の学部卒の大学生でエンジニアへの就職を決めている人も多いです。

エンジニアの仕事はパソコンに向かってプログラムを書くことだけではありません。コミュニケーション能力が求められることもあれば、美的センスが問われることもあります。将来の進路を考える際は、広い視野をもって検討することがポイントになるでしょう。

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