適性検査TALとは?例題・模範解答・対策と落ちる人の特徴も解説

適性検査TALとは?例題・模範解答・対策と落ちる人の特徴も解説
適性検査TALは、SPIや玉手箱といった一般的な適性検査とは異なり、やや特殊なテストです。この記事では、適性検査TALの特徴から企業が実施する目的、具体的な例題と回答のポイント、そしてTALに落ちてしまう人の特徴までを幅広く解説していきます。
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1. 適性検査TALとは?

適性検査TALは、他の一般的な適性検査とは一線を画したユニークなテストです。その最大の特徴は、脳科学や統計学といった科学的知見に基づいて設計されている点にあります。応募者の学力や知識量を測るのではなく、その人の潜在的な思考パターンやストレス耐性、人物像などを多角的に評価することに特化しています。

このテストでは、一般的な対策がしにくいような直感的な回答を求める問題が多く出題されます。そのため企業側は、応募者が就活のために演じた姿ではなく、より本来の姿に近い特性を把握できると考えています。就活生にとっては事前準備が難しいと感じるかもしれませんが、TALがどのような点を評価しようとしているのかを理解しておくと、効果的な対策につながります。

適性検査TALの試験内容

適性検査TALは、主に「文章問題」と「図形問題」という2つの形式で構成されています。これらは、受検者の性格や価値観、そして潜在的な思考の傾向を測るために、それぞれ異なるアプローチを用いています。

文章問題では、出題に対する解答として、7つの選択肢のうち2つの解答を選んで提出するのが特徴です。たとえば、「手に持ってもよい卵」を選ぶ問題で、7種類の卵の選択肢(ゆで卵、生卵など)が示され、そのうち2つを選択するものが代表的です。

一方の図形問題は、TALの最も特徴的なテストであり、画面に表示された18個の図形を「入社後に活躍している自分」といったテーマに沿って、最大15個まで選択して配置する問題となっています。唯一の正解は存在せず、応募者がどのような特性をもっているのかを図形の選択・配置などの観点から評価するテストとなっています。

適性検査TALの所要時間・受検方法

適性検査TALの所要時間は、文章問題が15分、図形問題が5分の、合計20分となっています。これは他の多くの適性検査と比較して非常にコンパクトな設計であり、短時間で解答しなければならない点も、TALの対策が難しいといわれる一因となっています。応募者に深く考え込ませず、直感的な回答を促す目的を反映した時間制限となっているため、それをふまえてテストに臨むようにしましょう。

受検方法については、紙のマークシートなどを用いるのではなく、自宅や大学のパソコンからインターネット上で受ける「Webテスト形式」が一般的です。企業から送られてくる案内に従い、指定された期間内に受検を完了させる必要があります。時間や場所に制限はないため、落ち着いた環境でリラックスして臨むと良いでしょう。

他の適性検査(SPI・玉手箱)との違い

就活で広く使われているSPIや玉手箱といった適性検査とTALは、その測定目的と問題形式において大きな違いがあります。SPIや玉手箱が言語能力・計数能力といった、いわゆる「学力」に近い能力を測定することに重点をおいているのに対し、TALは個人の性格・特性を明らかにすることを重視しています。

こうした目的の違いは、問題の内容にもはっきりと表れています。SPIなどでは明確な正解が存在する問題を解いていくのに対し、TALの問題、特に図形問題には「唯一の正解」は存在しません。科学的なアプローチにもとづいて、応募者がどのように考え、どのような選択をするかというプロセスそのものを評価対象としています。

そのため一般的なテスト対策のような「問題集を繰り返し解く」という方法が通用しにくいのが、TALの大きな特徴と言えるでしょう。

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2. 適性検査TALを実施する企業の目的

企業が数ある適性検査の中からTALを選んで実施する背景には、明確な目的があります。単に学力や知識レベルを知るのではなく、応募者のより人間性やポテンシャルを深く見極めたいという考えがあるのです。ここでは適性検査TALを実施する企業の目的について、以下の3つの観点からご紹介します。
 

  • ・入社後のミスマッチを防ぐため

  • ・ストレス耐性・メンタル傾向を把握するため

  • ・応募者本来の性格・人柄を知るため


一つひとつ解説しますので、適性検査TALの結果をチェックする企業側の視点も理解しておきましょう。

入社後のミスマッチを防ぐため

企業が採用活動において最も避けたいことの一つが、入社後のミスマッチです。せっかく採用した人材が、社風や仕事内容に合わずに早期離職してしまうことは、企業にとっても学生にとっても大きな損失となります。TALはこうしたミスマッチのリスクを低減させるための有効なツールとして活用されているのです。

TALを通じて企業は、応募者の価値観や仕事への取り組み方、ストレスを感じる状況などを詳しく知ろうと考えます。たとえば、チームで協力しながら進める仕事を得意とするのか、あるいは個人で黙々と作業に集中する方が成果を出せるのか、といった個人の特性を把握しているのです。これらの検査結果を自社の組織文化や求める人材像と照らし合わせることで、候補者が入社後に活躍できる環境であるかどうかを見極めています。

そのため学生にとっても、自分の特性に合わない環境で働くことを未然に防げるというメリットが得られるのです。

ストレス耐性・メンタル傾向を把握するため

適性検査TALを通じて企業は、学生のストレス耐性・メンタル傾向を把握しようとする意図もあります。企業側は、社員が心身ともに健康な状態で、長く働き続けてくれることを望んでいます。そのため選考の段階で、候補者がどのような状況でストレスを感じやすいのか、またそのストレスにどう対処する傾向があるのかを把握しておきたいと考えているのです。

TALは、科学的なアプローチを用いて、個人のストレス耐性やメンタル傾向を測定することを得意としています。プレッシャーのかかる場面での冷静さや、困難な課題に直面した際の粘り強さなどを分析しますが、これは応募者をふるい落とすことだけが目的ではありません。入社後の配属先を検討する際に、その人の特性に合った業務や環境を用意したり、必要に応じて適切なサポートを提供したりするための重要な参考情報としても活用されるのです。

応募者本来の性格・人柄を知るため

採用面接では、多くの応募者が自分を良く見せようと、事前に準備してきた「模範的な回答」をしがちです。もちろん、それ自体は悪いことではありませんが、企業側としては学生の飾らない本来の性格・人柄を知りたいと考えています。というのも、入社後に一緒に働く仲間として、その人の人間性が組織に良い影響を与えてくれるかどうかは非常に重要なポイントだからです。

適性検査TALは、対策が難しく、直感的な回答が求められるため、受検者の無意識下の思考パターンが結果に表れやすいという特徴があります。短時間で多くの質問に答える中で、応募者は深く考える余裕がなくなり、結果として素の自分に近い状態で回答することになります。企業はこうして得られた客観的なデータを通じて、面接の受け答えだけでは分からない、応募者の本来の姿を理解しようと考えているのです。

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3. 適性検査TALの問題の特徴

適性検査TALがどのような問題で構成されているのか、具体的なイメージを持つことは対策の第一歩です。ここでは、文章問題と図形問題、それぞれの特徴を挙げながら、回答する際のポイントや考え方について解説していきます。

文章問題の例題と模範回答

文章問題は、全36問で構成されており、所要時間は15分です。各問題には7つの選択肢が用意されており、その中から1~2つを選択する形式となっています。

代表的な例題として、「自動販売機が壊れていてお釣りが出ないときに、あなたはどうしますか?」という問題があります。この問題では、「自動販売機を蹴る」「お金をとられて悔しい」「連絡先の会社に電話で苦情を言う」「おかしいと思う」「運が悪かったと考える」「むしゃくしゃした気持ちになると思う」「何もせず諦める」といった選択肢が提示され、そのうち1~2つを選ぶ必要があります。この問題では、トラブルに直面したときの感情コントロールや対処方法、ストレス耐性などが評価されると考えられています。

模範的な回答としては、「おかしいと思う」や「連絡先の会社に電話で文句を言う」といった冷静で建設的な対処を示す選択肢を選ぶのが無難でしょう。自分が直面している問題を認識し、適切に対応しようとする姿勢を示すことができるからです。一方で、「自動販売機を蹴る」や「むしゃくしゃした気持ちになると思う」を選んでしまうと、感情的で衝動的な行動をとりやすい、ストレス耐性が低いといった印象を与える可能性があります。

重要なのは、問題全体を通して一貫性を持った回答をすることです。似たような価値観を問う質問が表現を変えて複数回出題されるため、その場しのぎの回答をしてしまうと矛盾が生じ、評価を下げる原因になります。迷った場合は、前向きで常識的な選択肢を選ぶことを心がけましょう。

図形問題の例題と模範回答

図形問題は、TALの最も特徴的なテストであり、全1問で所要時間は5分です。画面上に18個の図形(丸、三角、四角、矢印、ハート、星、スマイルマークなど)が表示され、「入社後に活躍している自分」といったテーマに沿って、その中から15個以下の図形を選択し、自由に配置する形式となっています。この問題には唯一の正解は存在せず、図形の選択や配置パターンから、学生の特性や価値観が分析されます。

模範回答のポイントは、まず人間をイメージできる図形を選ぶことです。たとえばスマイルマークを顔に見立てて中心に配置し、その下に〇を縦に並べて胴体や足のように表現すれば、「活躍している自分」という人物像が視覚的に伝わりやすくなります。ハートを心臓の位置に配置すれば、より人間味を持たせることができます。

また、ポジティブなイメージを与える配置を心がけることも重要です。企業は明るく前向きな人材を求めているため、右肩上がりに図形を配置したり、上向きの矢印や〇を多く使用したりすることで、成長志向や積極性といったポジティブな印象を与えることができます。一方で、下向きの矢印を多用したり、図形を画面の隅に小さく固めて配置したりすると、消極的あるいはネガティブな印象を与える可能性があるため注意が必要です。

なお、図形問題では一度配置した図形は後から修正できないため、落ち着いて構成を考えながら配置することが大切です。時間制限が5分と短いため、事前に練習問題で操作方法に慣れておくと、本番でも焦らず対応できるでしょう。

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4. 適性検査TALで落ちる人の特徴とは?

適性検査TALは、その特性上、明確な対策が立てにくいため、「気づかないうちに評価を下げてしまった」という事態に陥りやすいテストでもあります。TALのテストを通過するためには、どのような回答がネガティブな評価に繋がるのかを事前に知っておくことが重要です。
 

  • ・回答に一貫性や整合性がない

  • ・企業の求める人物像と合致しない

  • ・ストレス耐性が低いと判断されてしまう


ここではTALで不合格となってしまう人に共通する特徴を、上記3つのポイントごとに解説します。

回答に一貫性や整合性がない

適性検査TALで最も重視されるポイントの一つが、回答全体を通した一貫性です。文章問題では、似たような価値観を問う質問が、表現を変えて複数回出題されることがあります。たとえば、ある質問で「リーダーシップを発揮したい」と読み取れる回答をしたにもかかわらず、別の質問で「人の指示に従う方が楽だ」といった趣旨の回答をしてしまうと、矛盾が発生してしまいます。

このような矛盾した回答は、「自分を偽っている」「自己分析ができていない」といったネガティブな印象を与えかねません。企業は、応募者が正直に回答しているか、そして自分という人間を客観的に理解できているかを見ています。自分を良く見せようと意識しすぎるあまり、その場しのぎの回答を積み重ねてしまうと、かえって評価を落とす原因になるのです。事前に自己分析を深め、自分の軸となる価値観を明確にしておくことで、一貫性のある回答を心がけることが大切です。

企業の求める人物像と合致しない

TALに限らず、一般的な適性検査は結果そのもので「良い」「悪い」という絶対的な評価があるわけではありません。しかし、企業が設定している「求める人物像」や「自社の社風に合う人材の基準」と、検査結果が大きくかけ離れている場合には、不合格となる可能性は高まります。

たとえば、チームワークを何よりも重視し、協調性の高い人材を求めている企業に対して、検査結果が「個人での成果を追求する」「独創性を重視し、周囲に合わせるのが苦手」といった傾向を強く示している場合、入社後のミスマッチが懸念されて内定は見送りになるかもしれません。これは応募者自身の能力が低いということではなく、あくまで「その企業とは合わない」という判断です。

だからこそ、企業研究を通じてその企業がどのような価値観を大切にしていて、どんな人材に活躍してほしいと考えているのかを事前に理解しておくことが、ミスマッチを防ぐ上で重要になります。

ストレス耐性が低いと判断されてしまう

社会人として働く上では、さまざまなプレッシャーや困難な状況に直面する場面が少なくありません。そのため、多くの企業は採用基準の一つとして、ストレス耐性の高さを重視しています。TALは、個人のストレス耐性やメンタル傾向を測定することに長けている適性検査でもあるため、ストレス耐性が低いと判断されてしまったことでテストに落ちるケースも考えられます。

たとえば、図形問題において極端に攻撃的な配置、ネガティブな印象を与える図形を選択してしまった場合、ストレス耐性が低い、あるいは精神的に不安定な傾向があると判断される可能性があります。もちろんストレスを全く感じない人はいませんが、困難な状況にも前向きに対処しようとする姿勢や、精神的な安定性を回答全体で示すことが、ポジティブな評価を得るためのカギとなります。

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5. 適性検査TALの効果的な対策方法

これまで解説してきた通り、適性検査TALは付け焼き刃の対策が通用しにくいテストです。しかし事前にポイントを押さえて準備をしておくことで、落ち着いて本番に臨み、自分らしさを的確にアピールすることは十分に可能です。ここでは適性検査TALの効果的な対策方法として、以下の3つのポイントを解説します。
 

  • ・例題や過去問に慣れておく

  • ・時間配分を意識して適性検査に取り組む

  • ・前向きで常識的な回答を心がける


これらの対策を通じて、あなた自身の魅力が企業にしっかりと伝わるように準備を進めましょう。

例題や過去問に慣れておく

TALの最大の特徴は、その独特な問題形式にあります。特に図形問題は、初見では戸惑ってしまう可能性が非常に高いです。ぶっつけ本番で臨んでしまい、本来の実力を発揮できないという事態を避けるためにも、事前に例題や過去問に触れておくことが重要です。

インターネット上には、TALの例題を解説しているWebサイトも多く存在します。それらを参考に、「どのような問題が出題されるのか」「どのような回答が求められているのか」という全体像を掴んでおきましょう。いくつかのパターンの問題を見ておくことで、本番で類似の問題が出題された際にも、焦らず冷静に回答できるようになるでしょう。

時間配分を意識して適性検査に取り組む

TALは約20分という非常に短い制限時間の中で、多くの問題に回答しなければなりません。一つの問題に時間をかけすぎてしまうと、最後まで解ききれずに終わってしまう可能性があります。そのため本番を想定した時間配分を事前にシミュレーションしておくことが大切です。

特に直感的な判断が求められるTALにおいては、スピーディーかつ一貫性のある回答を続けるトレーニングが有効です。TALには公式の模試や就活対策本などが少ないため、本番を想定して練習することは困難ですが、SPI対策などと兼ねて時間内に全ての質問に答える練習を繰り返すことをおすすめします。

前向きで常識的な回答を心がける

適性検査TALの回答には、絶対的な正解はありません。しかし、企業が採用したいと思う人材の人物像を考えた場合、どのような回答が好ましいかは自ずと見えてきます。基本的には、社会人としての常識から大きく逸脱しない、前向きでポジティブな回答を心がけることが重要です。

たとえば文章問題では、困難な課題に対して積極的に挑戦する姿勢や、チームのメンバーと協力して目標を達成しようとする協調性を示すような選択肢を選ぶのが無難です。図形問題においても同様で、過度にネガティブで攻撃的、あるいは奇抜すぎる配置・選択は避けるべきです。あなたの人柄が、ポジティブかつ精神的に安定しているという印象を与えられるような、バランスの取れた回答を作成することを意識しましょう。自分を偽る必要はありませんが、自分のもつポジティブな側面を積極的にアピールすることが大切です。

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6. まとめ

本記事では、適性検査TALの概要から具体的な対策方法までを詳しく解説してきました。TALは、SPIや玉手箱といった一般的な適性検査とは異なり、科学的な知見を基に応募者の潜在的な性格やストレス耐性を測定する、非常にユニークなテストの一つです。

その最大の特徴は、明確な正解がなく、直感的な回答が求められる点にあります。そのため小手先のテクニックで乗り切るのは難しく、事前の自己分析と、テストの意図を理解することが何よりも重要になります。回答に一貫性をもたせ、応募先企業が求める人物像を意識しつつ、あなた自身のポジティブな側面を表現することを心がけましょう。

この記事で紹介したポイントを参考に、しっかりと準備を進め、自信を持って選考に臨んでください。

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