
システムアナリストの仕事内容やキャリアパス、採用企業例、志望動機の書き方までを徹底解説します。
IT戦略と業務改革をつなぐ“上流職”として注目されるシステムアナリストは、文理問わず挑戦できるポジション。未経験でも目指せる理由や、選考でアピールすべきスキル、役立つ資格なども紹介しているので、
新卒でシステムアナリストを目指すための道筋がきっと見えてきます。
- 1.システムアナリストとは?新卒で目指せる仕事?
- 2.システムアナリストの仕事内容
- 3.新卒からシステムアナリストになるには
- 4.システムアナリストを目指す人におすすめの志望動機例
- 5.システムアナリストの新卒採用を行う企業例
- 6.システムアナリストの年収・将来性【新卒目線】
- 7.まとめ
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1.システムアナリストとは?新卒で目指せる仕事?
システムアナリストとは、企業が抱える経営課題をITの力で解決するために、情報システムの分析や改善提案を行う上流工程の専門職です。経営者や部門責任者と直接対話しながら、事業全体を俯瞰して「どんなシステムが必要か」「どう改善すべきか」を導き出す役割を担います。
プログラミングそのものを行うのではなく、経営とITの橋渡し役として、ビジネスを根本から支える非常に重要なポジションです。論理的思考力やコミュニケーション力が求められるため、理系だけでなく文系出身者にもチャンスがある職種です。
なお、年収についても魅力があります。経済産業省や民間調査によると、システムアナリストの年収は600万円〜1,000万円前後が一般的とされています。IT業界の中でも比較的高水準で、将来的には年収1,200万円以上を目指せるケースもあります。新卒での初任給は他のIT職と同程度ですが、キャリアアップによる収入の伸びが大きい点が特徴です。
システムアナリストの役割と位置づけ
システムアナリストは、企業の情報システムに対する「診断士」のような存在です。システムが抱える問題点を洗い出し、経営方針に沿った最適な改善策や新システムの構築プランを提案します。単なる技術者ではなく、事業成長を後押しする戦略的ポジションです。
ITエンジニアの中でも、システムアナリストは最上流の工程を担う職種にあたります。設計や開発を行う前段階でプロジェクト全体の方向性を決定するため、IT知識だけでなくビジネス理解や企画力も必要です。
SE・ITコンサル・ITストラテジストとの違い
システムアナリストと混同されやすい職種として、SE(システムエンジニア)、ITコンサルタント、ITストラテジストがあります。それぞれの違いは以下のとおりです。
-
・SE(システムエンジニア):実際にシステムの設計・開発・運用などを担当。設計書や仕様に基づいて具体的な構築作業を行う。
-
・ITコンサルタント:クライアントの業務改善のために、ITを活用した戦略提案を行う。アナリストと似ているが、より経営寄りの助言が中心。
-
・ITストラテジスト:企業の中長期的なIT戦略を策定する立場。システムアナリストよりもさらに抽象度の高い経営戦略に関わることが多い。
システムアナリストは、これらの中間的な存在とも言えます。経営に近い視点でシステムを設計する専門家という点で、技術とビジネスの両方をバランスよく理解している必要があります。
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2.システムアナリストの仕事内容
システムアナリストは、企業や組織が抱える業務課題を洗い出し、ITを活用して最適な解決策を設計する“ビジネスとITの橋渡し役”です。エンジニアのようにシステムを直接作るのではなく、経営や現場のニーズを分析し、システム要件として明確化する「上流工程」に関わる職種です。
新卒のうちはすぐにシステムアナリストと名乗るわけではありませんが、業務内容の理解を深めておくことで、配属後にどんなスキルを磨くべきかが明確になります。
この章では、具体的な仕事内容や必要とされるスキル、新卒が関わりやすい業務範囲について詳しく解説します。
新卒が関わる可能性がある業務
新卒でいきなり「システムアナリスト」として配属されるケースは少ないものの、アシスタントや上流工程の補助業務からスタートできる可能性はあります。たとえば、以下のような業務に関わることがあります。
-
・クライアントへのヒアリング同席・議事録作成
-
・業務フローや課題整理の補助
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・既存システムの調査・データ整理
-
・提案資料の作成サポート
特に情報系の学部出身者や、論理的思考力をアピールできる文系学生が、システム企画やIT戦略部門でアナリスト的業務に関わることもあります。
どんなスキルが求められるか
システムアナリストとして評価されるスキルは、以下のように「技術+ビジネス+対人力」の3軸です。
-
・IT知識・論理的思考力(課題分析、プロセス設計)
-
・ドキュメンテーションスキル(提案資料や業務フロー作成)
-
・コミュニケーション力・調整力(経営層・現場部門との橋渡し)
新卒の段階でこれらすべてを完璧に備えている必要はありませんが、「課題を見つけ、構造化して考える力」や「人の話を聞き取る力」は、学生時代の経験からでもアピール可能です。
入社後に関わる職種マップ
システムアナリストは、プロジェクトの企画段階から参画し、以下のような職種と関わります。
【相関イメージ】
経営層・事業部門
↑ ↓(要件ヒアリング・提案)
システムアナリスト
↓ ↑(設計方針の共有・相談)
PM/SE/PG/インフラエンジニア
特に新卒で配属された場合は、SEやIT企画職として開発現場を経験しながら、徐々にアナリスト業務にシフトしていくことが一般的です。多職種と円滑に連携するため、調整力や共通言語でのやりとりが非常に重要です。
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3.新卒からシステムアナリストになるには
システムアナリストは高度なスキルとビジネス理解が求められる職種ですが、新卒からでも将来的に目指すことは十分可能です。
ただし、入社直後からシステムアナリストを名乗ることは稀で、まずはSEやIT企画職、ITコンサル見習いのような職種からスタートするのが一般的です。
ここでは、文系・理系別の進路の違いや、企業の職種名の探し方、インターンやOB訪問での情報収集ポイントを解説します。
文系・理系でルートは違う?
文系・理系で「なれる/なれない」といった差はありません。ただしスタート地点や得意分野の違いによって、進み方には若干の傾向があります。
-
・文系出身者:IT知識が乏しい場合は、IT研修の手厚い企業や、IT企画・業務改善部門からのスタートが現実的。論理的思考力やコミュニケーション力を強みに、アナリスト職へと育成されるケースが多いです。
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・理系出身者:システム開発やデータ分析に関する知見を活かし、SEやIT技術職からスタートし、技術とビジネス両面を理解したアナリストへキャリアアップする傾向があります。
どちらの学部でも「課題発見力」や「構造的思考力」が評価されるため、学生時代の経験をどう活かせるかが重要です。
新卒採用での職種名の探し方
「システムアナリスト」という職種名は、新卒採用でそのまま募集されていることは多くありません。代わりに、以下のような職種で募集されていることが多いです。
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・IT企画/IT戦略
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・システムエンジニア(SE)
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・コンサルタント(IT/業務/DX)
-
・ビジネスアナリスト(BA)
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・情報システム部門(社内SE)
こうした職種で入社後に経験を積み、企画力や業務改善力を評価されてシステムアナリスト的な業務にステップアップする流れが一般的です。企業の採用ページや職種紹介ページで業務内容をしっかり読み込むことがカギになります。
インターンやOB訪問で聞くべきポイント
システムアナリストに関心がある学生は、早い段階から業務理解を深めることが重要です。以下のような情報は、インターンやOB・OG訪問で積極的に聞いてみましょう。
-
・「アナリスト的な業務を担当している社員はどんな部署にいるか?」
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・「上流工程の仕事に新卒がどう関わっているか?」
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・「配属後にキャリアパスとしてアナリストを目指す社員は多いか?」
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・「アナリスト的素養を評価されるのはどんな場面か?」
現場社員だからこそ話せるリアルな情報を得ることで、志望動機に深みを持たせたり、面接での逆質問の質を上げることにもつながります。
システムアナリスト就職に活かせる資格・勉強
システムアナリストを目指すにあたって、「資格がないと厳しいのでは?」と不安に感じる学生もいるかもしれません。
実際には、新卒採用ではポテンシャルや論理的思考力、ビジネスへの関心が重視されるため、資格の有無が合否を大きく左右することは稀です。
とはいえ、一定のITリテラシーや業務理解を示す手段として、資格や学習経験は高く評価されます。
この章では、新卒でも取得可能なおすすめ資格や、大学での学びとの関係について整理して紹介します。
新卒で資格は必須なのか?
結論から言うと、新卒で資格が必須ということはありません。
多くの企業では入社後にIT研修が用意されており、アナリスト業務に必要なスキルも実務を通じて学ぶ形が一般的です。
ただし、「この学生はシステムの構造を考える力がありそう」「ビジネス視点も持っていそう」と評価してもらうために、基本的なIT知識や情報処理の素養をアピールできると有利です。
取っておくと有利な資格
システムアナリストを目指すうえで、新卒就活時に役立つ資格は以下の通りです。
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・基本情報技術者試験(FE)
→ IT全般の基礎知識を網羅でき、すべてのIT職で評価されます。 -
・応用情報技術者試験(AP)
→ 設計・要件定義・マネジメントまで含むため、アナリスト適性を示せます。 -
・ITパスポート
→ 文系学生にも取りやすく、ITとビジネスの基礎知識を幅広くカバー。 -
・簿記2級以上やビジネス会計検定
→ 経営分析や財務理解があると、アナリストとしての素養を示せます。
また、プログラミングやデータ分析が強みの人は、Python資格や統計検定などもプラス評価されます。
大学での専攻との関係
大学の専攻がIT系・情報系である必要はありませんが、論理性・構造的思考力を培う学問(経済学・心理学・哲学・数学など)は好印象を持たれることがあります。
たとえば、
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・経済学や経営学で「業務フローやKPI分析を学んだ」
-
・心理学で「課題構造やデータ分析を行った」
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・社会学で「現場調査から課題抽出の方法を習得した」
などの経験を、自身の「課題発見力・論理力・改善意識」につなげてアピールすると効果的です。
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4.システムアナリストを目指す人におすすめの志望動機例
システムアナリスト職は、新卒採用においても人気の高いポジションです。ただし、「将来なりたい姿」や「なぜその企業でなければならないか」をしっかり語れないと、熱意や適性が伝わりづらくなります。
この章では、選考で差をつけるための志望動機の書き方を、「論理的思考力」「ビジネス改善」「文系未経験」という3つの切り口で例文付きで紹介します。
「論理的思考力」を活かす切り口
ロジカルシンキングが得意な人は、その強みをシステムアナリストの職務にどう活かせるかをアピールしましょう。分析→課題発見→改善提案というプロセスは、論理的思考の得意な人材に向いています。
例文:
私は物事を構造的に捉え、筋道立てて考える力に自信があります。大学ではマーケティングのデータ分析に取り組み、数値をもとに仮説を立て、課題の原因を論理的に整理する経験を積みました。こうしたスキルを活かし、貴社のシステムアナリストとして、業務課題の本質を見抜き、最適なITソリューションの設計に貢献したいと考えています。
「ビジネス改善」に関心を示す切り口
ITスキルよりも、ビジネスプロセスに興味がある場合は「課題発見・改善」への意欲を前面に出しましょう。企業視点に立った改善提案への関心は、非常に評価されます。
例文:
私は大学のゼミで地域企業の業務改善提案に携わり、現場ヒアリングを通じて課題の見える化と改善案の提示を経験しました。この経験から、ITを通じて業務効率や経営の質を高める仕事に魅力を感じ、システムアナリストを志望しました。IT技術に関しては学習を進めており、今後も積極的にスキルアップに努めます。
未経験でも目指せる!文系用の例文
文系出身でも、論理性や課題解決力を軸に志望動機を構成すれば十分戦えます。ITスキルは入社後のキャッチアップを前提に、「姿勢」や「興味の深さ」でアピールしましょう。
例文:
私は文系出身ですが、組織や業務が抱える課題に対して改善提案を行うプロセスに強い関心があります。大学では経営学を学びながら、ITの役割についても独学を進めました。特に、ITが経営に与える影響に興味があり、貴社でシステムアナリストとして経営課題の解決に関わりたいと考えています。今後は基本情報技術者試験の取得を目指し、ITスキルの基礎を固めていく所存です。
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5.システムアナリストの新卒採用を行う企業例
システムアナリストは明確な職種名として募集されていないことも多く、企業ごとに表現や役割が異なります。そのため、「どの企業がシステムアナリスト的な職種を採用しているか」を知るには、職種名の見極め方や求人ページのキーワードに注意が必要です。
職種名が異なる場合の探し方
新卒採用では「システムアナリスト」という名前そのものではなく、以下のような職種名で募集されていることが多いです。
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・ITソリューション職
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・IT企画職
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・システム企画職
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・IT戦略職
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・ITコンサルタント職(ビジネス寄り)
これらの職種は、実際にはシステムアナリストに近い業務内容を担う可能性があります。特に総合商社や大手メーカー、金融機関、ITベンダーではこの傾向が強いです。
採用ページでよく使われる用語
企業の採用サイトでは、以下のようなキーワードが記載されていれば「システムアナリスト的ポジション」を担う職種である可能性が高いです。
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・「業務改善」「業務分析」
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・「上流工程」「要件定義」
-
・「経営課題」「IT戦略」
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・「業務部門との連携」
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・「社内SE」+「IT企画」的役割
また、実際に働く社員のインタビュー記事などから、どこまで“分析・提案”に関わるのかを読み解くことも重要です。
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6.システムアナリストの年収・将来性【新卒目線】
システムアナリストは、IT業界の中でも“上流工程”を担う専門職として位置づけられており、年収水準や将来性の面でも高い評価を受けています。新卒で直接「システムアナリスト」として採用されることは少ないですが、キャリアを積めば目指すことは十分可能です。
ここでは、新卒からの年収相場やキャリアごとの収入の変化、将来性について具体的に紹介します。
若手時代の年収相場
新卒で配属される職種(IT企画、社内SE、ITコンサルなど)では、初任給として月給22万〜27万円程度、年収ベースでは350万円〜450万円前後が相場です。システムアナリストとして明確に職種が確立してくるのは30代以降が多く、それまでの業務経験が評価されて収入にも反映されるようになります。
また、外資系やコンサルティングファーム系の企業では、新卒1〜3年目でも年収500万円以上を提示されるケースもありますが、それ相応の高い成果や稼働量が求められる点には注意が必要です。
経験を積んだ後のキャリアと年収
中堅以上のシステムアナリストになると、年収は700万〜900万円以上が目安となり、部門横断で戦略立案に関わるポジションであれば1,000万円を超えることもあります。
また、キャリアの選択肢としては以下のようなパスが一般的です。
-
・社内IT戦略担当 → 経営企画部門へ異動
-
・ITコンサル → システムアナリスト → プロジェクトマネージャー
-
・SIer → 上流工程専門職へ転身
-
・フリーランスとして企業のIT構想策定を支援
特に、ビジネス側の知見を持ったIT人材は市場価値が高いため、キャリアの幅が広く、長期的に活躍できる職種だといえます。
将来性はどうか?
近年、DX(デジタルトランスフォーメーション)や業務改革が進む中で、単なる技術者ではなくビジネスを理解したIT人材への需要が急増しています。システムアナリストはまさにこのニーズの中心にいる存在であり、将来的にも高い需要が見込まれます。
さらに、AI・IoT・クラウドなど技術の進化によって、「技術と経営をつなぐ人材」が不可欠となるため、代替されにくい職種として今後も注目されています。将来性・年収・キャリアの安定性という点で、非常に有望な選択肢といえるでしょう。
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7.まとめ
システムアナリストは、企業のIT戦略や業務改革を支える中核的な存在として、新卒でも十分に目指すことができる職種です。直接その肩書きで採用されることは少ないものの、「IT企画職」「社内SE」「ITコンサル」などのルートからステップアップしていくことが可能です。
この記事では、システムアナリストの仕事内容・求められるスキル・就職ルート・年収や将来性までを網羅的に紹介しました。論理的思考力やビジネスへの関心がある人は、文系・理系問わずチャンスがあります。
ぜひインターンやOB訪問を通じて、具体的な働き方を知るところから始めてみてください。
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