OB・OG訪問のやり方とは?具体的な流れ・注意点と効率的な探し方

OB・OG訪問は、企業のWebサイトや説明会だけでは得られない、現場で働く社員のリアルな声を聞ける貴重な機会です。仕事のやりがいや厳しさ、社内の雰囲気といった生きた情報を得ることで、企業や業界への理解が深まり、自身のキャリアを考える上で大きな指針となります。
本記事では、OB・OG訪問の準備から訪問後のフォローまで、具体的なやり方を5つのステップに沿って解説します。訪問を成功させるための注意点や、効率的なOB・OGの探し方も紹介しますので、これからの就活を有意義なものにするために活用してみてください。

\ITエンジニア特化の就活支援サービス/
\ITエンジニア特化の就活支援サービス/
1.OB・OG訪問のやり方をおおまかな流れで解説
OB・OG訪問を成功させるためには、事前の準備と計画的な行動が不可欠です。ここではOB・OG訪問の全体像を「訪問先の選定」から「訪問後の対応・お礼」まで、時系列に沿った5つのステップで解説します。
-
・訪問先の選定
-
・訪問の依頼
-
・当日を見据えた事前準備
-
・訪問当日の流れ
-
・訪問後の対応・お礼
まずはここまでの流れを理解するところから、OB・OG訪問の準備を始めてみましょう。
訪問先の選定
OB・OG訪問の第一歩は、どの企業の、どの社員に話を聞きたいかを具体的に定める「訪問先の選定」です。まずは自分が興味を持つ業界や企業をリストアップし、なぜそこに惹かれるのかを自己分析を通じて明確にしましょう。そうすることで訪問の目的意識が高まり、社員に対する質問の質も向上するからです。
訪問目的が決まったら、大学のキャリアセンターに相談したり、OB・OG訪問専用のアプリを活用したりして、訪問可能なOB・OGを探します。特に同じ大学の出身者であれば、共通の話題も見つけやすく、親近感を持って話を聞いてもらえる可能性が高まります。希望する職種が決まっているなら、その分野で活躍している先輩社員を探すのも効果的です。
訪問の依頼
訪問したい相手が決まったら、次は実際にアポイントを取るための「訪問の依頼」です。依頼方法は、キャリアセンター経由、アプリのメッセージ機能、メールなどさまざまですが、どの手段であっても相手への敬意と丁寧な言葉遣いを忘れないようにしてください。相手は忙しい仕事の合間に、時間を作ってくれる社会人です。その点を十分に理解し、誠実な姿勢で連絡を取りましょう。
たとえばメールで依頼する場合、件名は「OB訪問のお願い(〇〇大学)(氏名)」のように、用件と所属が一目でわかるように工夫しましょう。本文には丁寧な自己紹介、先輩を知った経緯、そして「なぜあなたから話を聞きたいのか」という具体的な理由や熱意を盛り込むことが重要です。日程については、一方的に指定するのではなく、複数の候補を提示するか、相手の都合を伺う形で調整しましょう。
当日を見据えた事前準備
アポイントが取れたら、訪問当日を有意義な時間にするための事前準備に取り掛かりましょう。訪問前にどれだけ準備できるかが、訪問の成果を大きく左右するといっても過言ではありません。
まずは、訪問する企業について徹底的にリサーチして、企業の公式サイトやIR情報などをもとに、事業内容・企業理念、業界内での立ち位置などを深く理解しておきましょう。その上で自分が本当に知りたいことは何かを考え、質問リストを作成します。調べればわかるような表面的な質問は避け、現場で働く社員だからこそ答えられる、仕事のやりがいやキャリアパス、職場の雰囲気といった踏み込んだ内容を準備することが大切です。
また、当日の服装や持ち物の確認、訪問先までの交通手段や所要時間のチェックも忘れずに済ませ、万全の状態で臨めるようにしましょう。
訪問当日の流れ
訪問当日には、まず鉄則として約束の時間に遅れることは絶対に避けなければなりません。交通機関の遅延なども考慮し、10〜15分前には現地に到着できるよう、余裕を持った移動スケジュールを組みましょう。企業の受付では、明るくはっきりとした口調で大学名と氏名、訪問の約束がある旨を伝えます。
OB・OGと対面したら、まずは時間を割いていただいたことへの感謝を述べ、丁寧に自己紹介を行います。会話中は、相手の話に真剣に耳を傾け、相槌を打ちながら、積極的に聞く姿勢を示しましょう。事前に用意した質問を軸に進めますが、会話の流れを大切にし、臨機応変に質問することも重要です。
訪問後の対応・お礼
OB・OG訪問は、話を聞いて終わりではありません。むしろ、訪問後の丁寧な「対応・お礼」こそが、あなたの印象を決定づける重要な要素です。訪問を終えたら、可能な限りその日のうち、遅くとも翌日の午前中までにはお礼のメールを送りましょう。
お礼メールには、時間をいただいたことへの感謝の気持ちはもちろん、訪問を通じて特に心に残った話や、どのような学びがあったのかを具体的に綴ることで、あなたの熱意と誠実さが伝わります。テンプレートのような文章ではなく、自分の言葉で感謝を伝えることが何よりも大切です。
そして訪問で得た気づきや情報を自身のキャリアプランにどう活かすかを考え、エントリーシートの内容を深めたり、面接での受け答えに役立てたりと、次のアクションに繋げていくことで、OB・OG訪問の価値は最大化されるはずです。
\ITエンジニア特化の就活支援サービス/
\ITエンジニア特化の就活支援サービス/
2.OB・OG訪問のメリット
OB・OG訪問は、手間や時間、精神的な負担もかかる就活対策ではありますが、それを上回る多くのメリットが存在します。ここではOB・OG訪問を通じて得られるメリットを3つの側面から解説します。
-
・リアルな企業情報・業界情報を得られる
-
・志望動機や企業研究の質を高められる
-
・実践的なアドバイスを受けられることも
これらのメリットを理解しながらOB・OG訪問へのモチベーションを高め、後悔のない就活に繋げてください。
リアルな企業情報・業界情報を得られる
OB・OG訪問を行う最大のメリットは、現場で働く社員から「リアルな情報」を得られることです。企業のWebサイトやパンフレットには、ポジティブな情報が中心に掲載されているのが普通です。しかしOB・OGからは、仕事のやりがいだけでなく、日々の業務で感じる厳しさや課題、職場の人間関係やカルチャー、残業の実態といった、より踏み込んだ話を聞ける可能性があります。
こうした生きた情報は、企業の実態をより深く理解し、入社後のギャップを減らすために非常に重要となります。インターネットの情報だけでは得られない、血の通った情報を得ることで、より解像度の高い企業研究・業界研究が可能になるのです。
志望動機や企業研究の質を高められる
OB・OG訪問で得たリアルな情報は、あなたの志望動機に深みと説得力をもたらします。たとえば「貴社の〇〇という事業に魅力を感じています」という志望動機に、OB・OGから聞いた具体的なエピソードや社員の想いを加えることで、「〇〇様からお伺いした△△というエピソードに感銘を受け、私もその一員として貢献したいと強く思いました」といった独自性のあるストーリーを語ることができます。
また、訪問を通じて企業の課題や今後の展望について知ることで、自分ならどのように貢献できるかという入社後のビジョンを具体的に描き、自己PRの質を高めることにも繋がります。
実践的なアドバイスを受けられることも
OB・OGは、同じ大学の先輩、もしくは同じ企業を目指す先輩として、あなたの就活を親身に応援してくれる心強い味方です。企業の社員という立場だけでなく、人生の先輩として、キャリアプランに関する相談に乗ってくれたり、就活全般に関する実践的なアドバイスをくれたりすることもあります。
効果的なエントリーシートの書き方や、面接で評価されるポイント、企業の選考プロセスに関する具体的な情報など、内定獲得に直結するような有益なヒントを得られるかもしれません。場合によっては、他の社員を紹介してもらえたり、訪問時の印象が良ければ、選考で有利に働く可能性もゼロではありません。
\ITエンジニア特化の就活支援サービス/
\ITエンジニア特化の就活支援サービス/
3.OB・OG訪問のデメリット
多くのメリットがあるOB・OG訪問ですが、一方で相手に負担をかけてしまう可能性がある点や、必ずしも内定に直結するわけではない点は理解しておく必要があります。それぞれのデメリットについて、詳しく解説します。
相手に負担をかけてしまう可能性がある
OB・OG訪問は、社会人の相手にとっては「業務外のボランティア」であることに注意しなければなりません。自身の通常業務の合間を縫って、善意であなたのための時間を作ってくれています。自分の依頼や訪問が、相手にとって少なからず時間的・精神的な負担になる可能性を常に念頭に置く必要があります。
特に企業・業界の繁忙期に依頼したり、準備不足で的を得ない質問を繰り返したりすると、相手にネガティブな印象を与える可能性が高まります。こうした相手の立場を理解し、感謝の気持ちと謙虚な姿勢を忘れないことが最低限のマナーです。訪問時間を厳守し、簡潔で的確な質問を心がけるなど、相手への負担を少しでも減らす配慮が求められます。
必ずしも内定に直結するわけではない
OB・OG訪問は、あくまで企業理解を深めるための「情報収集」の場であり、採用選考のプロセスとは直接関係がないケースがほとんどです。「OB・OG訪問をすれば内定に近づく」と考える学生もいますが、それは大きな誤解です。訪問したからといって、必ずしも選考で有利になるわけではありません。マナーの悪い態度や準備不足が露呈すれば、かえってマイナスの印象を与えてしまうリスクさえあります。
もちろん、訪問時の評価が人事部門に共有される可能性もゼロではありませんが、それを過度に期待するのは禁物です。内定獲得という下心を見せるのではなく、純粋に企業や仕事について学びたいという真摯な姿勢で臨むことが大切です。OB・OG訪問は内定への近道ではなく、自分に合った企業を見つけるための手段であると心得ておきましょう。
\ITエンジニア特化の就活支援サービス/
\ITエンジニア特化の就活支援サービス/
4.OB・OG訪問の効率的な探し方
「OB・OGに話を聞きたいけれど、どうやって探せばいいのかわからない」という悩みは、多くの就活生が抱える共通の課題です。ここからは、OB・OG訪問の実現に向けた5つの探し方を紹介します。
-
・大学のキャリアセンターを活用する
-
・OB・OG訪問専用のアプリ・サービスを利用する
-
・ゼミやサークルの先輩に紹介してもらう
-
・企業の公式SNSやHPから直接エントリーする
-
・就活イベントで知り合った社員に紹介してもらう
これらの方法を一つずつ試す、もしくは複数の方法を組み合わせながら、企業研究・業界研究を深める機会を探してみましょう。
大学のキャリアセンターを活用する
多くの大学では、学生の就職支援の一環として、卒業生の就職先などのデータベースを管理しています。キャリアセンター(就職支援課)に相談すれば、卒業生の連絡先名簿を閲覧させてもらえたり、訪問したい企業に勤めるOB・OGを紹介してもらえたりすることがあります。大学が公式に提供する情報なので、信頼性が高く、安心してアプローチできるのが最大のメリットです。
また、キャリアセンターの職員は、OB・OG訪問の依頼方法やマナーについてもアドバイスしてくれる可能性が高く、不安な点があれば相談に乗ってもらえるはずです。まずは自分の大学のキャリアセンターにどのような支援制度があるかを確認し、積極的に活用することをおすすめします。
OB・OG訪問専用のアプリ・サービスを利用する
近年ではより手軽にOB・OG訪問するための専用アプリやWebサービスが数多く登場しています。これらのサービスは、出身大学に関わらず、さまざまな企業の社員を探してコンタクトを取れるのが大きな魅力です。プロフィールや所属企業、職種などから話を聞きたい相手を検索し、アプリ内で訪問依頼のメッセージを送るのが一般的な流れです。
オンラインでの面談に対応している社員も多く、地方の学生でも都市部の企業の社員に話を聞く機会を得やすいというメリットがあります。手軽に始められる一方で、相手の素性は大学経由ほどはっきりしない場合もあるため、慎重に利用することも大切です。
ゼミやサークルの先輩に紹介してもらう
最も身近で頼りになるのが、自分が所属しているゼミや研究室、サークルや部活動の先輩たちの人脈です。数年前に卒業したばかりの若い先輩であれば、就活の経験も記憶に新しく、より学生に近い目線で親身に相談に乗ってくれるでしょう。まずは、一つ上の先輩や、卒業した先輩と連絡が取れる友人に「〇〇業界や△△社で働いている先輩を知らない?」と尋ねてみましょう。直接の知り合いでなくても、先輩の友人や知人を紹介してもらえる可能性があります。
ゼミやサークルなどの共通のコミュニティに所属していたという繋がりは、相手にとっても親近感が湧きやすく、リラックスした雰囲気で話ができるというメリットがあります。日頃から先輩との良好な関係を築いておくと、いざという時に力になってくれるはずです。
企業の公式SNSやHPから直接エントリーする
企業によっては、採用活動の一環として、公式HPや採用SNSアカウントでOB・OG訪問の機会を設けている場合があります。これは企業側が学生との接点を増やし、自社の魅力を伝えたいという意図で行っているものです。こうしたルートを利用する場合、訪問の依頼や調整は企業の人事部が仲介してくれることが多く、個人でOB・OGを探す手間が省けるメリットがあります。また、企業が公認している場なので、安心して訪問できるのも利点です。
インターンなどの就活イベントの情報収集も兼ねて、定期的に志望企業の採用サイトやSNSをチェックし、OB・OG訪問に関する案内がないかを確認してみましょう。特に新卒採用に積極的な企業や、学生からの人気が高い企業では、こうした制度が整っていることが多いので要チェックです。
就活イベントで知り合った社員に紹介してもらう
合同説明会やインターン、座談会などの就活イベントは、企業の社員と直接話せる絶好の機会です。イベントで名刺をもらったり、印象に残った話をしたりした社員の方に、後日改めて連絡を取り、OB・OG訪問を依頼するという方法もあります。その際は、どのイベントで会ったかを明確に伝え、話した内容に触れながら依頼することで、相手もあなたのことを思い出しやすくなります。
また、その社員の方に直接話を聞くだけでなく、「〇〇のような部署で働いている方にお話をお伺いしたいのですが、ご紹介いただくことは可能でしょうか」と、他の社員への紹介をお願いしてみるのも一つの手です。イベントでの出会いを一度きりで終わらせず、次へと繋げる積極的な姿勢が、新たなチャンスを切り拓くきっかけになります。
\ITエンジニア特化の就活支援サービス/
\ITエンジニア特化の就活支援サービス/
5.OB・OG訪問を行う時の注意点
OB・OG訪問は、貴重な機会であると同時に、社会人と接する上でのマナーが問われる場でもあります。具体的には、以下のようなポイントに注意しておくと、悪印象を持たれるのを防ぐことができるでしょう。
-
・事前準備を怠らず質問内容を整理しておく
-
・時間厳守とビジネスマナーを心がける
-
・訪問後は必ずお礼のメールを送る
それぞれ詳しく解説しますので、OB・OG訪問を有意義なものにするためにも、ぜひ押さえておいてください。
事前準備を怠らず質問内容を整理しておく
OB・OG訪問を成功させる鍵は、徹底した「事前準備」にあります。相手の貴重な時間を無駄にしないためにも、訪問する企業の事業内容や最近のニュースなどを事前にしっかりと調べておきましょう。その上で、「何を知りたいのか」を明確にし、質問リストを作成するのがポイントです。Webサイトを見ればわかるような基本的な質問は避け、「仕事のやりがいと大変さの具体的なエピソード」や「入社前と後で感じたギャップ」など、現場の社員だからこそ聞けるような、踏み込んだ質問を用意することがコツです。
時間厳守とビジネスマナーを心がける
社会人として最も基本的なマナーの一つが、時間厳守です。OB・OG訪問においても、約束の時間に遅れることは絶対にないようにしてください。交通機関の遅延なども考慮し、10〜15分前には訪問先に到着できるように、余裕を持って行動しましょう。また、服装は指定がない限り、リクルートスーツが基本です。清潔感のある身だしなみを心がけ、第一印象で好感を持ってもらえるように努めましょう。こうした基本的なビジネスマナーを守るだけでも、相手への敬意を示し、好印象を持ってもらえるはずです。
訪問後は必ずお礼のメールを送る
OB・OG訪問は、会って話を聞いたら終わりではありません。訪問後のフォロー、特に「お礼のメール」は非常に重要です。時間を割いてくれたことへの感謝を伝えるのはもちろんのこと、訪問を通じて得た学びや感想を具体的にまとめることで、あなたの誠実さと熱意が伝わります。なるべく記憶が新しいうち、可能な限り当日の夜か、遅くとも翌日の午前中までにはメールを送りましょう。「〇〇様のお話の中でも特に△△という点が印象に残り、貴社で働きたいという気持ちがより一層強くなりました」のように、具体的な内容を盛り込むことで、相手の心にも響くお礼状となるでしょう。
\ITエンジニア特化の就活支援サービス/
\ITエンジニア特化の就活支援サービス/
6.まとめ
本記事では、OB・OG訪問のやり方について、準備から訪問後の対応までの具体的な流れ、メリット・デメリット、そして効率的な探し方や注意点についても解説してきました。
OB・OG訪問は、就活においては企業・業界への理解を深め、自身のキャリアを考える上で非常に有益な機会です。Webサイトの情報だけでは得られない、現場で働く社員のリアルな声は、あなたの志望動機に厚みを持たせ、入社後のミスマッチを防ぐための重要な判断材料となります。もちろん、相手への配慮やビジネスマナーなど、注意すべき点も多くありますが、事前の準備をしっかりと行い、真摯な姿勢で臨めば、必ずや実りある経験となるでしょう。
この記事で紹介した内容を参考に、ぜひ積極的にOB・OG訪問に挑戦し、これからの就活を成功へと導いてください。
ITエンジニアを目指す新卒学生向け就活エージェントならレバテックルーキー
レバテックルーキーは、レバテックが運営するITエンジニア専門の就活エージェントです。多数のITエンジニアのキャリア支援経験のあるアドバイザーが、あなたのスキルと希望に合わせた企業の紹介から、人事目線での面接対策など、就職までを一貫してサポートします。ES添削、面接対策、ポートフォリオ作成サポートなども実施していますので、まずは一度カウンセリングにお越しください。
就活アドバイザーに相談してみる
関連記事









