
そこで本記事では、「MOS資格は役に立たない」と言われる理由についてご紹介しながら、MOS資格を取得するメリットや効果的な活用方法について解説します。MOS資格を勉強するかどうか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
1.MOS資格は役に立たないと言われる理由
「MOS資格は役に立たない」と言われることが多いのは、主に次のような理由があるからです。
-
・難易度が低い資格だから
・容易に再受験が可能だから
・Officeソフトを扱うスキルは前提だから
・受験料が高額でコストパフォーマンスが悪いから
・職種によっては相性が悪いから
それぞれ詳しく解説しますので、MOS資格の評判に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
難易度が低い資格だから
MOS資格が役に立たないと言われるのは、資格自体の難易度が低いことが理由の一つです。MOS資格は就活向けの代表的な資格の中では最も難易度が低いイメージがあり、就活で役に立ちにくいと考える方が多いのです。実際にMOS資格の合格率は、難易度が低い一般レベルで80%程度と、かなりの高水準となっています。就活で人気の高い「ITパスポート試験」の合格率は50%前後なので、ITパスポート試験と比べても易しい資格であることがわかります。
難易度が低い資格が必ずしも就活で役に立たないというわけではなく、MOS資格のように実技試験のIT資格であれば、Officeソフトを扱う実践的なスキルが身につくメリットはあります。しかし就活における企業の書類選考や面接という場面では、MOS資格は面接官に好印象を与えられるほどの資格ではないのが現実です。
容易に再受験が可能だから
MOS資格が役に立たないと言われる理由として、容易に再受験が可能なことが挙げられます。MOS試験は不合格だった場合でも、24時間の期間を空けることで2回目の再受験、48時間の期間を空ければ3回目以降の再受験も可能です。毎回受験料は発生するものの、繰り返し再受験して受験機会を増やすことで、取得しやすくなる資格でもあるのです。
そのためMOSの資格自体の評価は下がってしまうものの、合格後であってもMOS試験を再受験することが可能なので、試験というプレッシャーがかかる環境でOfficeソフトを扱う経験を積み、実践的なスキルを磨くために活用することもできます。再受験で容易に取得できる資格という性質を活かして、まずはハードルの低い資格を取得しながら就活対策をスタートさせたい方にも適しています。
Officeソフトを扱うスキルは前提だから
MOS資格が役に立たないと言われる背景には、Officeソフトを扱うスキルは、資格を取るまでもなく社会人として必須のスキルであることが挙げられます。MOS資格の一般レベルで問われるようなExcelやWordの操作は、どの業界・どの職種に就くとしても社会人なら身につけておくべきスキルであり、MOS資格でOfficeソフトを扱うスキルをアピールしても意味がないと判断されるのです。
MOS資格は、難易度が低く取得しやすい資格として、就活では人気の高い資格の一つになっています。その結果、ライバルの多くがMOS資格を取得しており、保有資格では差が生まれない状況になることも考えられます。こうした状況でも、MOS資格やOfficeソフトを扱うスキルは、選考では前提条件となってしまい、就活を有利に進める役には立たなくなってしまうのです。
受験料が高額でコストパフォーマンスが悪いから
MOS資格が役に立たないと言われる一因として、受験料が高額でコストパフォーマンスが悪いことも挙げられます。MOSの受験料は2025年5月以降、一般価格が12,980円(税込)、学割価格は9,680円(税込)となっています。就活を控える学生であっても、1回の受験で1万円近い受験料を支払う必要があることに注意が必要です。こうした高額な受験料を支払って資格を取得したとしても、就活で有利になるとは限らないことから、「MOSは意味がない」という評判にもつながっています。
IT系の入門資格であり、就活でも人気の国家資格として「ITパスポート試験」が存在しますが、こちらは7,500円(税込)が受験料として定められています。IT業界を目指すなら、ITエンジニアとしての基礎を身につけることが可能で、IT企業の就職で評価されやすく、かつ受験料が安い「ITパスポート試験を勧められることも多くなるのです。
職種によっては相性が悪いから
MOS資格は、志望する業界・職種によっては相性が悪いことも、就活では役に立たないと言われる原因になっています。たとえば、専門的なプログラミングスキルやIT知識が求められるシステムエンジニアやプログラマーなどの職種が挙げられます。こうした職種の選考を受ける場合、MOS資格を保有資格としてアピールするだけでは、企業が求める募集要件をクリアできず、面接官にも悪印象を与える可能性があるのです。
IT業界であってもOfficeソフトを扱う場面は多いため、保有資格に書くこと自体はマイナスにはなりませんが、その場合にもITパスポート試験や基本情報技術者試験など、より難易度の高いIT系資格を優先的に書くことをおすすめします。
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
2.MOS資格とは?
MOS資格とは、Microsoft社が認定する国際資格であり、ExcelやWordなどのOfficeソフトを扱うスキルが問われるのが特徴です。一般レベル・上級レベルの2つの難易度が用意されており、合格率はそれぞれ約80%、約60%と、合格のハードルが低いことで知られる資格です。
MOSの試験は筆記試験ではなく、パソコンを使ったCBT方式による実技試験となっています。Officeソフトの機能や使い方についての知識が問われるだけではなく、その知識を活かして出題された結果を導き出すためにExcel・Wordなどを操作する必要があります。
また、MOS試験は月1回のペースで行われる全国一斉試験と、好きなタイミングで受験できる随時試験の二種類が行われるのも特徴です。随時試験であれば自分の都合に合わせて試験を受けられるほか、24時間〜48時間の間隔を空けることで再受験に挑むこともできます。
IT系の中では難易度が低い資格として役に立たないと言われることがあるものの、MOS資格はOfficeソフトの扱いを含めたパソコン操作の実技試験を受けることになります。そのため社会人として就職後のパソコン操作に不安がある方にとっては、実践的なスキルを身につける手段としても活用されています。
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
3.MOS資格を取得するメリット
ここからはMOS資格を取得することで得られるメリットについて、下記の3つの観点からご紹介します。
-
・基礎的なOfficeスキルを学べる
・事務職では評価が高まる
・就活に向けた自信につながる
これらのメリットを踏まえつつ、MOS資格を取得するかどうかを検討してみてください。
基礎的なOfficeスキルを学べる
MOS資格を取得することの大きなメリットとして、基礎的なOfficeスキルを体系的に学べることが挙げられます。ExcelやWordといったOfficeソフトは、社会人として就職後はさまざまなビジネスシーンで用いることになりますが、パソコンが苦手な方や不慣れな方にとっては、ファイルの保存方法や文字の入力方法を含めて不安を感じていることもあるでしょう。
そうした不安を解消し、社会人として求められるレベルのOfficeスキルを効率的に学ぶために、MOS資格は最適な資格なのです。MOS資格を取得すること自体、「役に立たないのではないか」「意味がないんじゃないか」と感じたとしても、MOS資格のテキストと問題集を活用してOfficeソフトの扱いを勉強することには大きな意味があります。
事務職では評価が高まる
MOS資格は応募職種によって評価が変わりやすい資格であり、特に評価につながりやすいのは事務職の選考です。事務職では入社後の業務内容として、ExcelやWordを扱う場面が多くなるため、Officeソフトを扱う十分なスキルが身についていることは選考でも有利な判断材料となるのです。
事務職の求人では、使用するオフィスソフトのバージョンが記載されていることも多く、そのバージョンに合わせたMOS資格を取得しておくと、さらに評価が高まりやすくなるでしょう。これからの就活で事務職への就職を叶えたいと考えているなら、MOS資格は積極的に取得しておいて損はない資格です。
就活に向けた自信につながる
MOS資格を取得するメリットの一つに、就活に向けた自信につながることが挙げられます。難易度の低いMOS資格は、試験に合格して資格を取得できるハードルが低く、短期間の勉強でも効率的に保有資格を増やすことができます。履歴書に書ける資格が増えることで自分に自信がつき、堂々とした姿勢で今後の面接などの就活へ臨めるようになるのです。
MOS資格を独学で勉強して合格できた成功体験を持つ方なら、今後さらに難易度の高い資格を勉強する時にも「自分なら独学で合格できる」という自信を持つことができます。これからの就活を成功させるための足掛かりとして、MOS資格の取得にチャレンジするのがおすすめです。
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
4.MOS資格の効果的な活用方法
就活の役に立たないと言われるMOS資格ですが、企業の選考で積極的にアピールするのではなく、次のような活用方法を実践することで、無駄なく有効活用することができます。
-
・就活アピールではなくスキルアップを目標にする
・就職先に応じてアピール方法を考える
・仕事で必要になった時に詳しく学ぶ
それぞれ解説しますので、MOS資格の活用方法の参考として役立ててみてください。
就活アピールではなくスキルアップを目標にする
MOS資格のおすすめ活用方法として、就活時のアピール材料としてではなく、社会人に必要なビジネススキルのスキルアップを目標にすることが挙げられます。保有資格としてライバルとの差別化につなげるのは難しいMOS資格ですが、実務試験を通じてExcelやWordの扱いを身につけるのに最適な資格でもあります。MOS資格を取得して就活を有利に進めようとするのではなく、効率的にスキルアップするための手段として活用するのがおすすめです。
就職先に応じてアピール方法を考える
MOS資格を活用する時には、応募する就職先に応じてアピール方法を考えるのが大切です。たとえば、Officeソフトの扱いが必須となる事務職に応募する時には、履歴書の保有資格として一番上に書いてアピールするのが有効になるでしょう。一方でITエンジニアなど専門的なIT知識が求められる職種に応募する時には、履歴書に書くとしても保有資格の一番下に記載するなど、強くアピールしすぎない方が面接官への好印象につながります。
仕事で必要になった時に詳しく学ぶ
MOS資格を通じてより実践的なOfficeソフトのスキルを身につけるために、社会人として就職後、仕事で必要になった時に詳しく学ぶのもおすすめです。「就活対策の資格として人気だから」という理由で取得するのではなく、新卒社員として就職後にOfficeソフトの扱いが必要になった場面で改めて学び直す方法です。そうすることで実務と結びつけながらMOS資格の知識を定着させやすくなり、長期的なキャリア形成でも有利に働くので、ぜひ試してみてください。
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
5.MOS資格のおすすめ勉強方法
最後にMOS資格をなるべく効率的に取得するためのおすすめ勉強方法についてご紹介します。
-
・受験日を決めてスケジュールを立てる
・手を動かしながら独学に取り組む
・スクール・通信講座も活用する
これらの勉強方法を実践しながら、効率よくMOS資格を取得して今後のキャリアに役立ててみてください。
受験日を決めてスケジュールを立てる
MOS資格を受験するなら、まずは試験に申し込んで受験日を確定させてしまってから、学習スケジュールを立てるのがおすすめです。MOS資格は、難易度の低い一般レベルであれば、初心者の方でも1ヶ月ほどの勉強期間で十分合格ラインを目指せるため、1ヶ月後の受験を申し込んでから学習をスタートして、高い集中力を維持するのが効果的です。
MOS試験は随時試験を受け付けており、好きなタイミングで受験できるからこそ、受験を先送りしないために受験日を先に決めてしまうのが有効なのです。全国一斉試験であれば月1回のペースで試験が行われるので、指定の受験日に合わせて学習スケジュールを立てるのも良いでしょう。
手を動かしながら独学に取り組む
MOS資格を効率的に取得するためには、テキストを使ったインプット学習ではなく、パソコンを使ってExcelやWordを動かしながら学ぶアウトプット学習が効果的です。MOS試験は必要に応じてOfficeソフトを操作するスキルが問われる実技試験なので、ExcelやWordに触れる時間を増やせば増やすほど合格の可能性が高まります。
また、MOS資格を通じて社会人として就職後に役立つ実践的なスキルを身につけるのにも役立つので、知識を増やすためのインプット学習よりもOfficeソフトの扱いを体に覚えさせる学び方を意識してみてください。
スクール・通信講座も活用する
独学に挫折した経験がある方や独学に苦手意識がある方は、MOS資格向けのパソコンスクールや通信講座を利用するのも一つの選択肢です。特に初心者の方が上級レベルの一発合格を目指すのであれば、MOS資格に詳しい講師からのサポートを受けられるスクール・通信講座を活用した方が良いでしょう。
資格対策を専門とするスクールでは、受講生向けの校舎でMOS試験の随時受験を開催しているケースもあり、通い慣れた教室でそのままMOS試験の本番に取り組めることもあります。こうしたスクールを活用すれば、より効率的にMOS資格の取得を目指せるメリットがあるので、ぜひ試してみてください。
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
6.まとめ
MOS資格は就職の役に立たないと言われる理由として、本記事では以下の5つの背景についてご紹介してきました。
-
・難易度が低い資格だから
・容易に再受験が可能だから
・Officeソフトを扱うスキルは前提だから
・受験料が高額でコストパフォーマンスが悪いから
・職種によっては相性が悪いから
一方でMOS資格を取得することのメリットとして、初めての方でもOfficeソフトを扱うスキルを効率的に学べることや、事務職では資格自体の評価が高まることなどが挙げられます。
MOS資格を短期間で効率的に取得するためには、あらかじめ受験日を決めてから学習スケジュールを立てる勉強方法や、インプット学習よりもアウトプット学習に力を入れる独学が効果的なので、ぜひ実践してみてください。
ITエンジニアを目指す新卒学生向け就活エージェントならレバテックルーキー
レバテックルーキーは、レバテックが運営するITエンジニア専門の就活エージェントです。多数のITエンジニアのキャリア支援経験のあるアドバイザーが、あなたのスキルと希望に合わせた企業の紹介から、人事目線での面接対策など、就職までを一貫してサポートします。ES添削、面接対策、ポートフォリオ作成サポートなども実施していますので、まずは一度カウンセリングにお越しください。
就活アドバイザーに相談してみる