
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
1.メーカー系SIer業界とは?
メーカー系SIerとは、大手製造業(電機、精密機器、自動車など)のグループ企業としてITソリューションを提供するSIerのことです。親会社の製造業向けのシステム開発や運用を中心に行いながら、外部企業向けにもITサービスを提供しているのが特徴です。
代表的な企業には、富士通、日立製作所や日立ソリューションズ、NECなどがあります。
メーカー系SIerの強みは、親会社の製造業のノウハウを活かし、生産管理システム、IoT、組み込みシステム、AIを活用した業務改善など、製造業特化のITソリューションを提供できる点です。また、メーカーの研究開発部門と連携し、新技術の実証実験やDXの推進にも積極的に取り組んでいます。
さらに、親会社の安定した経営基盤を持つため、経営の安定性が高く、長期的なキャリアを築きやすい点も魅力です。一方で、親会社メーカーの方針に影響を受けやすいことや、他の業界の案件が少ないといったデメリットもあります。
他のSIer業界との違い
SIer業界には、メーカー系SIerの他にもユーザー系SIer・独立系SIer・外資系SIerなどの種類があります。ここでは他のSIer業界とメーカー系SIer業界の違いについて解説していきます。
ユーザー系SIerとの違い
ユーザー系SIerは、親会社の業務ニーズに特化したシステム開発を行う企業であり、特定の業界や企業に密接に関わるため、その業界の業務フローに強みを持っています。メーカー系SIerもその点では同じですが、特に製造業に特化したシステム開発を行い、製造業の生産管理や設備保全、物流システムの設計・運用に特化している点が特徴的です。
ユーザー系SIerは、通常、親会社の業務に特化し、特定の業務領域に関する深い知識を活かしたシステム構築が強みなのに対して、メーカー系SIerは、製造業という特定の業界に特化しているため、製造業の生産ラインや設備、業務プロセスに必要な高度な技術や専門性を持ち合わせています。
独立系SIerとの違い
独立系SIerは、特定の親会社を持たず、様々な業界の顧客に向けてシステム開発を行います。業務知識を基にしたシステム提案や、自社パッケージソフトウェアの開発、クラウドサービスの提供に力を入れる企業が多いです。
独立系SIerは、最新技術の導入にも積極的で顧客に対して最適な技術選定が可能ですが、メーカー系SIerは製造業に特化した技術とシステムが多いため、選択肢が比較的限られます。ただ、メーカー系SIerは親会社やその関連会社など比較的大きな案件に携われることが多いため、より大きな影響力を感じながら働きやすいのはメーカー系SIer業界だと言えるでしょう。
外資系SIerとの違い
外資系SIerはグローバルに展開し、最先端のIT技術や戦略コンサルティングを提供する企業です。特に、デジタルトランスフォーメーション推進や戦略立案から開発・運用まで広範囲にわたるサービスを展開しています。
外資系SIerは、戦略的なコンサルティング能力や最新技術を駆使して企業全体の改革を支援することが特徴です。これに対し、メーカー系SIerは主に製造業に特化し、特定のハードウェアやソフトウェアを活用したシステム提供が中心です。また、給与水準や実力主義の文化において外資系SIerは比較的高い給与水準となる傾向があります。
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
2.メーカー系SIer業界の特徴と提供サービス
メーカー系SIer業界の特徴と提供しているサービスについて解説していきます。
メーカー系SIer業界の特徴
ここでは、メーカー系SIer業界の特徴について見ていきましょう。
製造業向けの専門的なソリューション提供
メーカー系SIerは、製造業に特化したシステム開発・ITコンサルティングを行っています。大手製造業は生産管理や在庫管理、品質管理、設備保全、物流管理など、大規模なシステムによる業務管理が基本となっています。
そのため、これら業界特有のニーズや課題に対して専門的なノウハウを持ち、これらを解決するためのカスタマイズされたソリューションを提供していくことになります。例えば、製造業の現場で生産効率を最大化するためのIoTやAI技術を活用したシステムの構築が求められる、といったケースが該当します。
このようにメーカー系SIerは、業界に特化した深い知識を活かして製造業の企業の生産性向上を支援しています。
自社製品との連携
メーカー系SIerの大きな特徴は、しばしば親会社で製造した製品や機器とITシステムの連携を行ってIT技術開発の支援を行います。
例えば、自社開発の製品やロボット、制御装置といった製造業向けのハードウェアと、それらを管理・制御するためのソフトウェアを一体として提供し、より多くの企業の生産性向上のための支援を行います。
独立系SIerと異なり、自社製品を主軸としながらIT技術支援を行うことが多い点が特徴的です。また、自社製品の深い理解を活かして、トラブルシューティングや保守管理にも強みを持つため、長期的な運用サポートを提供することもおこないます。
長期的なパートナーシップ
メーカー系SIerは、顧客企業と長期的なパートナーシップを築くことが多いです。特に製造業のITシステムは、一度導入すれば長期間使用されることが多く、システムの運用・保守、更新が重要な要素となります。
そのため、単発のプロジェクトではなく、システム導入後のサポートや改善提案を含めた長期的な取引が行われます。メーカー系SIerは、顧客企業の生産ラインや業務の改善を常にサポートし、技術的な進化や新しいニーズに応じて適切なアップデートを行うことで信頼関係を築くことが多くなっています。
業界特有の高い技術要求
製造業向けのITシステムは、精度や複雑性への対処が非常に重要です。特に生産ラインのシステムでは、ダウンタイムやエラーが生産に大きな影響を与えるため、システムの安定性や高い稼働率が求められます。
メーカー系SIerはこういった特性に対応するため、高い技術力を有したエンジニアを揃え、システム設計から開発、運用まで一貫して高い品質基準で対応しています。例えば、リアルタイムでのデータ処理や複雑なシミュレーション、高度なセキュリティ対策など、製造業特有の技術要求に応えるためには、継続的な技術革新と高い専門性が不可欠です。
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
メーカー系SIer業界の提供サービス
続いて、メーカー系SIer業界が提供しているサービスを紹介します。
生産管理システム(MES)
メーカー系SIerが取り扱うサービスの中で最も多いのが、生産管理システムです。これは製造現場の生産活動をリアルタイムで監視・制御するためのシステムで、製造業の効率化において不可欠な役割を担っています。
生産管理システムによって、製品の生産計画から実際の製造、品質管理、在庫管理までを一元的に管理することができ、製造業の生産活動の肝を握っています。メーカー系SIerは、自社の製品や技術を活かして、特定の業界ニーズに合わせたカスタマイズが可能で、たとえばラインの稼働状況や生産効率の分析を通じて、コスト削減や納期短縮を実現することが可能です。また、リアルタイムデータの活用により、問題発生時の迅速な対応が可能となり、現場の生産性向上に貢献します。
設備保全システム(EAM)
設備保全システムは、製造業における設備や機器の保守・管理を行うシステムです。メーカー系SIerはこの設備保全システムを導入して、設備の故障予測や定期的なメンテナンス計画、部品交換などを管理し、交渉がストップしてしまうダウンタイムの削減を図ります。
設備の稼働状態をモニタリングし、異常が発生する前に予防保全を行うことで、生産ラインの停止を未然に防ぐことが重要です。設備保全システムを導入することで、設備のライフサイクルを延ばしコスト削減や設備投資の最適化が可能となります。特に製造業では設備の劣化や故障が生産性に直結するため、設備保全システムの導入は効率的な生産運営には欠かせません。
物流・在庫管理システム
メーカー系SIerは、製造業の物流や在庫管理に特化したシステムを提供しています。これにより、原材料や製品の在庫状況をリアルタイムで把握し、在庫の最適化や物流の効率化ができるようになります。
生産計画と連携した在庫管理を行うことで過剰在庫や欠品を防ぐことができ、供給チェーン全体のコスト削減に寄与します。メーカー系SIerは、製造業特有の複雑な物流フローを理解し、現場に即したシステムを構築することで製品の納期を守り、物流の遅延を最小限に抑えることが求められます。
IoTを活用したスマートファクトリーソリューション
メーカー系SIerは、IoT(モノのインターネット)技術を活用して、スマートファクトリーの構築をサポートしています。工場内の機器や設備、作業員の動きをセンサーやデバイスでリアルタイムに監視し、収集したデータを基に工場全体の生産状況を可視化します。これにより、製造プロセスの効率化や最適化、予知保全、さらにはAIを活用した生産計画の自動化が実現可能になります。
メーカー系SIerは、これらのIoT技術を製造業に特化して提供し、業界特有のニーズに対応したスマートファクトリー化を支援する役割も求められます。
品質管理システム(QMS)
品質管理システムは、製品の品質を一貫して管理し、製造過程で発生する問題を早期に発見・解決するためのシステムです。製造業として安定した品質の品物を市場に提供する上で、この品質管理システムは必要不可欠です。
この品質管理システムでは、製品の検査データや不良率のトラッキング、品質基準の遵守状況の管理などを行うことで、世に出る製品の品質を安定させることが求められます。特にメーカー系SIerは、企業ごとに異なる生産現場での運用に即した品質管理システムを開発し、生産管理上の効率性の確保や問題発生時の迅速な対応が求められます。
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
3.メーカー系SIer業界の動向
メーカー系SIer業界の市場動向と今後の将来性について解説していきます。
メーカー系SIer業界の市場動向
メーカー系SIerに特化した市場規模の話は統計上ないため、SIer業界全体の市場動向について解説していきます。
総務省の2021年情報通信業基本調査によると、SIerが含まれる「情報サービス業」の2020年の市場規模は18兆7,928億円で、そのうち「受託開発ソフトウェア業」が8兆7,673億円と全体の約半分を占めています。 また、調査方法や対象こそ異なるものの、IDCJapanの調査によるとITサービス業の市場規模は前年比6.0%増と増加しており、市場規模自体も伸びている人気の業界です。
メーカー系SIer業界問わず、SIer業界全体としてIT化やDX化の波を受けており、業界全体への需要は高まってきています。親会社のIT技術活用方針も今後どんどんアップデートされることが想定されますので、今後人工知能やIoTなどの技術発展も相まって、さらなる市場規模の増加は見込めるといって良いでしょう。
参考:情報通信業基本調査結果|総務省
出典:IDC Japan
ユーザー系SIer業界の将来性
続いて、ユーザー系SIer業界の将来性を左右するトピックスを複数紹介します。
2025年の崖問題
2025年の壁とは、経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」で指摘された問題です。多くの企業が使用しているレガシーシステムの老朽化や複雑化によって、2025年以降それらのシステムの維持・運用コストが増大し、最大年間12兆円の経済損失が発生すると言われています。
次々開発される新しい技術に既存システムが対応しきれず、システムの移行や大規模改修に時間やコストがかかってしまったり、既存のシステムの改修を都度おこなっていたために全体像を見れる人がおらず、システムの改修・修正コストが大きく増えることだったりすることがこの2025年の崖問題として叫ばれています。
特に、製造業などの大手企業で使われているシステムはレガシーなものが多いため、その支援を行うメーカー系SIer業界は今後より多くの業務を請け負うことになることが想定されます。
DX化
ビジネスモデルや業務プロセスをIT技術で改革するDX(デジタルトランスフォーメーション)は近年多くの企業で注目を集めている技術です。クラウド、AI、IoT、ビッグデータといった個々の技術の進展により、IT化を駆使してより大きな成果を出せる企業が今後生き残っていくでしょう。
まだまだ企業によっては、紙の契約書を使ったりIT化になれていなかったりなど、レガシーなシステムで仕事をしている企業は多くあり、そういった企業も昨今のDX化の流れに沿って最新のITインフラへの移行を加速させています。そういった企業に対するコンサルティングや技術支援でユーザー系SIer業界は重宝されることになりますので、今後もある程度需要は見込まれることが予想されます。
IT人材の不足
経済産業省の調査によると、2030年までに約79万人のIT人材が不足すると予測されています。この背景には、IT技術の進化や発展に対して人材育成が追いついていないことや、DX化による新技術への対応力不足があります。今後IT技術を駆使して大きな成果を出していきたい一方で、そういった技術に対応できる人材が少ないため、このギャップを埋める存在としてSIer業界は鍵を握るでしょう。
SIer業界に就職してITスキルを身につけ、他の企業でそのスキルを駆使して成果を出すと言うキャリアパスも今後増えてくるようになるのではないでしょうか。
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
4.メーカー系SIer業界の仕事内容と職種
続いてメーカー系SIer業界の仕事内容や職種について解説していきます。メーカー系SIer業界といっても様々な領域や職種がありますので、全体像を掴んだうえで業界理解を進めておくことが大切になります。
メーカー系SIer業界の仕事内容
メーカー系SIer業界の仕事内容は大きく分けて3つに分かれます。
-
・要件定義〜開発
・開発・テスト
・保守・運用
システム設計と要件定義
メーカー系SIerでは、顧客の製造業務に合わせたシステムの設計と要件定義が重要な業務です。
顧客と密接に連携して現場の業務フローや課題を理解し、どのようなシステムが必要かを明確にします。例えば、生産管理システムや設備保全システムの導入を行う際、製造業特有のニーズを踏まえて、効率化やトラブル対応のためのシステム要件を整理します。
システム開発
システム開発業務では、設計書や仕様書に基づいて実際にシステムを開発・構築していきます。
メーカー系SIerの場合、製造業の生産ラインや設備との連携が求められるため、リアルタイムデータ処理や機械設備とのインターフェースを管理するためのシステム開発がメインとなるケースが多くなっています。開発するシステムは、生産管理、在庫管理、品質管理など、製造業の業務を支える重要な役割を果たします。
システムテストと運用
システムが開発された後、テスト段階に移行します。テスト業務では、システムが仕様通りに動作するか、予期しないエラーが発生しないかを確認します。
特に製造業向けのシステムでは、リアルタイムでのデータ処理や機械の稼働に関わるため、厳密なテストが必要です。また、運用段階においては、システムの監視やメンテナンスも含まれます。
データ分析・改善提案
製造業では、システムから得られるデータを分析し、生産性向上やコスト削減を目指す業務が重要です
メーカー系SIerでは、収集したデータを基に業務改善提案を行うことがあります。例えば、生産ラインの稼働データを分析して生産管理上のボトルネックを特定し、改善案を提案することが求められます。データ分析の結果をシステムに反映させることで、現場の効率化や品質向上を支援します。
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
メーカー系SIer業界の職種
続いて、メーカー系SIer業界の職種について紹介します。
システムエンジニア(SE)
システムエンジニアはメーカー系SIerで最も一般的な職種の一つで、主にシステムの設計、開発、実装を担当します。生産管理システムや設備保全システムなど、製造業向けのシステムを企画・設計し、顧客の業務ニーズに基づいた最適なITソリューションを提供します。
システムエンジニアは顧客と密接に連携し、要件定義やシステム設計のフェーズを担当します。特に、製造業特有のシステム要件に対応するため、業界の知識と技術の両方を活かすことが求められます。システムが完成した後のテストやトラブルシューティング、ユーザーへのサポートも重要な業務の一環です。
プログラマー
プログラマーは、システムエンジニアが設計したシステムを実際にプログラミングして構築する役割を担います。
製造業向けのシステムでは、工場におけるリアルタイムデータの処理や、機械設備とのインターフェースを管理するため、高度なプログラミング技術が必要です。プログラマーは主に、システムの設計書をもとにコーディングを行い、システムを稼働させるために必要なプログラムを作成します。また、納品後のシステム保守・運用を担当することもあり、プログラムのバグ修正や機能追加などの作業も行います。
プロジェクトマネージャー(PM)
プロジェクトマネージャーは、製造業向けシステム開発プロジェクト全体を管理・統括する役割を担います。具体的には、プロジェクトの進捗管理、予算管理、チームの調整、リスク管理、顧客との調整など、多岐にわたる業務を担当します。
メーカー系SIerの場合、特に長期間にわたる大規模なシステム開発が多いため、プロジェクトマネジメントのスキルと、製造業の業務プロセスに関する深い理解が求められます。チームメンバーと協力し、システムの開発をスムーズに進め、納期を守りつつ高品質なシステムを提供することが求められます。
品質保証エンジニア(QA)
品質保証エンジニアは、製造業向けシステムが要求通りに動作し、品質基準を満たすことを確認するための職種です。特に、製造業では品質管理が非常に重要であるため、QAエンジニアはシステムを入念にテストし、バグや不具合を発見して対処することが求められます。
メーカー系SIerでは、生産管理システムや設備保全システムが高度で複雑なため、徹底的なテストが必要です。QAエンジニアは、単体テストや統合テスト、ユーザー受け入れテストなどを通じて、システムの安定性や信頼性を確認し、製品がリリースされる前に問題を解決します。
インフラエンジニア
インフラエンジニアは、製造業向けシステムのインフラ構築・運用を担当します。
これには、サーバー、ネットワーク、データベースなど、システムの基盤を支える技術が含まれます。メーカー系SIerでは、リアルタイムで稼働する生産管理システムや設備保全システムが多いため、システムの安定性や信頼性を確保することが重要です。インフラエンジニアは、システムが常に安定して稼働できるように監視し、サーバーやネットワークのトラブルシューティングや、バックアップ、セキュリティ対策を行います。製造業の生産ラインの運営に影響を与えるため、緊急時には迅速な対応が求められます。
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
5.メーカー系SIer業界の大手5社の特徴と強み
ここからは、具体的にメーカー系SIer業界の企業を5社挙げてそれぞれの企業の特徴や強みについて解説していきます。企業ごとに特色や得意な分野が異なりますので、業界理解を進めていく上で必須な知識となります。ここで詳しくみていきましょう。
NEC
NECは情報通信技術を中心に幅広いソリューションを展開する大手IT企業です。富士通株式会社と同様、こちらもパソコンや周辺機器を提供しており、周りでNEC製のパソコンを使っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。NECは「Orchestrating a brighter world」を企業理念として定めており、「安全・安心・公平・効率という社会価値」の想像と、「誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現」を目指している企業です。
NECは通信インフラや公共システムに強みを持っており、近年は東京オリンピックで採用された顔認証技術をはじめとした、生体認証システムで高い精度と実績を誇ります。これらの技術を駆使して、セキュリティ分野のシステム支援において強みを持ったSIer系事業を展開しています。また、AI・IoTを活用したデータ分析ソリューションや5Gネットワークの構築にも注力しており、グローバル市場でも存在感を示しています。
参考:NEC
日立製作所
日立製作所は、総合電機メーカーを端緒とした企業であり、ITソリューションからインフラ設備まで多岐にわたる製品とサービスを提供しています。「優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する」を掲げており、日立グループ社が抱える多種多様な製品を軸に、顧客の課題解決を長期的にわたっておこなっています。
日本国内のITベンダーとしては、富士通、NTTデータに次ぐ規模を誇っており、普段使う家電製品などでも日立の製品を見た方も多いのではないでしょうか。
日立製作所のSIer事業は、この多種多様な日立製品を駆使してさまざまなIT技術支援を行えることが強みです。顧客が抱える課題を解消するための製品はたいてい日立グループ社の中にあるため、その製品を活用しつつ顧客のビジネス成長を支援します。
特にインフラ機器を中心とした、公共システムや産業向けソリューションでは高い実績を誇ります。スマートシティやエネルギー管理システムなど社会インフラ分野では数多くの実績がありますので、幅広いプロジェクトに携わりながら仕事をしたい方にはおすすめの企業となっています。
参考:株式会社日立製作所
富士通
富士通は、日本を代表する総合ITベンダーであり、SIerとしてだけでなくハードウェアからソフトウェアなど幅広い製品を提供しています。パソコンやパソコン機器で富士通の名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。「イノベーションによって社会に信頼をもたらし」「世界をより持続可能にしていくこと」を企業のパーパスとして掲げている日本有数の老舗企業です。
さまざまな事業を展開している富士通ですが、その中でもテクノロジーソリューションという事業部がいわゆるSIer業務を行っている事業にあたります。パソコンやパソコン機器を通じた製造業を主軸としたインフラ構築やクラウドサービスの提供に加え、高度なAIやIoT技術を活用したデジタルトランスフォーメーション支援を行っているのが、富士通のメーカー系SIerとしての側面です。
実際、富士通製品のサーバーやインフラ技術は市場でのシェアも高く、その製品を活用したシステム支援も同様に多くの会社から需要を得ています。また、近年ではSDGsやサステナビリティへの取り組みにも注力しており、環境負荷低減を目指したITサービスを展開しています。
参考:富士通株式会社
日立ソリューションズ
日立ソリューションズは、日立製作所のグループ企業として企業向けのITソリューションやシステムインテグレーションサービスを提供するメーカー系SIer企業です。
主に製造業や流通業、金融業など、さまざまな業種に対してシステム開発や運用・保守サービスを展開しています。
日立ソリューションズは日立製作所のグループ企業であるため、日立の強力なブランド力や技術基盤を活かした技術開発・ITソリューションの提供に強みを持っています。特に、製造業向けのITシステムやインフラに関連する分野において、高い技術力と安定した遂行力を誇ります。日立グループ内の他の企業と連携し、システムインテグレーションやデジタルトランスフォーメーション(DX)の提案を行っています。
また、日立グループが持つ製造業向けの技術を元に、国内だけでなくアジア、北米、欧州など、グローバルに展開しており、海外市場でも強い影響力を持っている点も特徴的です。グローバルな製造業や流通業向けに、現地のニーズに応じたカスタマイズを行い、国際的な事業展開に対応しています。
参考:日立ソリューションズ
NECネッツエスアイ
NECネッツエスアイは、NECのグループ企業で、企業向けにITインフラやネットワークシステムの提供を行うメーカー系SIer企業です。主に通信事業者や企業向けのネットワークインフラ、システムインテグレーション(SI)サービス、IT運用・管理を提供しています。
NECネッツエスアイは、特に通信インフラに関して、NECが長年にわたり培ってきた高度な技術を基盤としており、顧客に対して高品質で信頼性のあるネットワークシステムを提供できます。また、NECグループ内での密接な協力体制により、システム全体の設計から運用、保守までトータルで対応可能です。
また、NECネッツエスアイはネットワークインフラにも強みを持ち、特に企業向けの通信基盤やデータセンターの構築において高い技術力を誇ります。企業や公共機関向けに、安全で高速なネットワーク環境を提供し、データのセキュリティ確保やシステムの安定性を支えています。また、5GやIoT、クラウドコンピューティングなど、次世代の通信技術にも積極的に対応し、最新の技術を活用したネットワークソリューションを提供しています。
参考:NECネッツエスアイ
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
6.メーカー系SIer業界大手5社の業績比較
続いて、大手メーカー系SIer業界5社の業績を紹介していきます。
NEC
NECの売上、利益推移は以下の通りになっています。
年度・年 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) |
2020/3 | 3,095,234 | 127,609 |
2021/3 | 2,994,023 | 153,759 |
2022/3 | 3,014,095 | 132,525 |
2023/3 | 3,313,018 | 170,447 |
2024/3 | 3,477,262 | 188,012 |
うちSI事業を含む国内ITサービス部門の売上営業利益は以下の通りです。
年度・年 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) |
2021年度 | 1,617,900 | 137,200 |
2022年度 | 1,755,000 | 168,000 |
2023年度 | 1,915,100 | 208,100 |
国内ITサービス部門はSI事業の牽引により増収・増益となっています。また、富士通社と同様NECもSI事業含む国内ITサービスの売上利益が基幹事業となっています。
※1参考:財務・業績データ|NEC
※2参考:2023年度(24年3月期) 通期決算概要
日立製作所
日立製作所の売上、利益推移は以下の通りになっています。
年度・年 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) |
2019年度 | 8,767,200 | 661,800 |
2020年度 | 8,729,100 | 495,100 |
2021年度 | 10,242,600/td> | 738,200 |
2022年度 | 10,881,100 | 748,100 |
2023年度 | 9,728,700 | 755,800 |
(売上にはSIer事業以外の売上高も含まれています。)
上記が日立グループ全体のIR情報です。インフラ・エネルギー部門で安定した収益を稼ぎつつ、データ分析やIoTを活用したソリューションである「Lumada」事業の推進に注力しており、2025年度までに売上収益3兆円、調整後営業利益5,000億円を目指しています。
なお、事業セグメント別の売上高は以下の通りです。(基幹事業をメインに紹介します)
【2023年度売上高】
デジタルシステム&サービス:2,598,600百万円
グリーンエナジー&モビリティ:3,052,300百万円
コネクティブインダストリーズ:3,057,900百万円
オートモティブシステム:1,164,300百万円
(※1)
グリーンエナジー&モビリティというエネルギー開発、グリーン製品の開発に関する事業と、コネクティブインダストリーズという企業のサプライチェーン開発に関する事業が売上を牽引しています。
(※1)参考:業績・財務情報|日立
富士通
富士通株式会社の売上、利益推移は以下の通りになっています。
年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) |
2021 | 3,586,800 | 275,600 |
2022 | 3,713,700 | 320,800 |
2023 | 3,756,000 | 283,600 |
営業利益こそ停滞しているものの、売上高は維持・増加させている推移となっています。なお、そのうちSIer事業を担うテクノロジーソリューション事業の営業利益は2022年度で263,100万円(※2)となっており、営業利益の大半をテクノロジーソリューション事業が稼いでいることが伺えます。
(※1)参考:2022年度決算概要|富士通株式会社
(※2)参考:主な財務諸表データおよびセグメント別四半期データ|富士通株式会社
日立ソリューションズ
日立ソリューションズの売上、利益推移は以下の通りになっています。
年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) |
2020/3 | 169,192 | 20,538 |
見出し03 | 165,697 | 20,958 |
見出し03 | 173,483 | 25,322 |
見出し03 | 184,720 | 22,177 |
見出し03 | 197,385 | 24,013 |
日立ソリューションズは4年連続増収を実現しており、グループ会社単体としては大きな売上を誇る企業となっています。日立製作所を筆頭としたさまざまな製造業業界へのSIer支援の需要は高まっており、今後も増収に期待ができるといって良いでしょう。
(※1)参考:電子公告|日立ソリューションズ
NECネッツエスアイ
NECネッツエスアイの売上、利益推移は以下の通りになっています。
年度 | 売上高(百万円) | 営業利益(百万円) |
2020/3 | 303,600 | 16,200 |
2021/3 | 339,100 | 325,600 |
2022/3 | 310,300 | 23,200 |
2023/3 | 320,800 | 22,800 |
2024/3 | 359,500 | 25,100 |
NECネッツエスアイは中計経営計画を掲げていますが、海外事業を中心とした為替のマイナス影響や半導体/部材不足といった影響で、近年は売上高を計画通り伸ばせていないという状況です。
ただ、2024年は過去最高業績を達成しており、今後のさらなる成長にも期待ができる売上推移として読み取ることができるでしょう。
(※1)参考:連結財務ハイライト|NECネッツエスアイ
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
7.メーカー系SIer業界大手5社の社風の違い・制度
続いて、メーカー系SIer業界の社風の違いや制度について解説していきます。企業研究をする際の参考にしてみてください。
NEC
NECではNEC Wayという行動指針・価値観が示されています。NECを志望したい場合は必ず目を通して理解しておくようにしましょう。
NEC Wayは4つの要素から構成されています。
Purpose(存在意義)
Orchestrating a brighter world.
NECは、安全・安心・公平・効率という社会価値を創造し、誰もが人間性を十分に発揮できる持続可能な社会の実現を目指します。
Principles(行動原則)
創業の精神「ベタープロダクツ・ベターサービス」
常にゆるぎないインテグリティと人権の尊重
あくなきイノベーションの追求
Code of Values(行動基準)
視線は外向き、未来を見通すように
思考はシンプル、戦略を示せるように
心は情熱的、自らやり遂げるように
行動はスピード、チャンスを逃さぬように
組織はオープン、全員が成長できるように
Code of Conduct(行動規範)
1.基本姿勢
2.人権尊重
3.環境保全
4.誠実な事業活動
5.会社財産・情報の管理
コンプライアンスに関する疑問・懸念の相談、報告
これらのNEC Wayは社員一人ひとりの価値観や行動様式を示しており、具体的な行動指針として定められています。社員が日々の業務でどのように行動すべきかが明確になっており、この行動指針にそって行動・活動することが求められています。
参考:NEC Way|NEC
日立製作所
日立製作所のミッション、バリュー、ビジョンを紹介します。日立製作所を志望する際に必ず問われる部分になりますので、確認しておくようにしましょう。
企業理念(ミッション)
優れた自主技術・製品の開発を通じて社会に貢献する
大切にしていく価値(バリュー)
和・誠・開拓者精神
あるべき姿(ビジョン)
日立は、社会が直面する課題にイノベーションで応えます。優れたチームワークとグローバル市場での豊富な経験によって、活気あふれる世界をめざします
日立グループは創業者である小平浪平氏の精神を引き継ぎ、それを元にしたミッション・バリューが定められています。元は機器や家電製品の製作・販売を元に成長してきた精神を支えにしながら、優れた製品を通じて社会に貢献することを指針として定めています。
参考:日立グループ・アイデンティティとは|株式会社日立製作所
富士通
富士通
富士通はFujitsu Wayという価値観を通じて、富士通社員が何のために仕事をするのかを示したステートメントが設定されています。
パーパス、いわば企業の存在意義である「イノベーションによって社会に信頼をもたらし」「世界をより持続可能にしていくこと」を実現するための指針として、『挑戦』『信頼』『共感』の3つのキーワードが重要視されています。
社員一人ひとりが日々の業務で実践することを求められているため、同様に就活生はこのFujitsu Wayを理解して面接対策を用意しておくことが求められます。
また、富士通の行動規範として、社員がどのように行動すべきかの原理原則が示されており、具体的には、人権の尊重、法令遵守、公正な商取引、知的財産の保護、機密保持、業務上の立場の私的利用禁止などが含まれます。
こういったFujitsu Way、行動規範の浸透を図るための様々な施策が実施されており、全従業員の指針となる価値観となっています。
参考:Fujitsu Way|富士通
日立ソリューションズ
日立ソリューションズは、日立グループが掲げる「日立グループ・アイデンティティ」に基づき、独自の社風・理念を掲げています。
企業理念
時代の先を見つめ、変化を先駆ける。
確かな技術と先進のソリューションで、地球社会の未来をみんなと切り拓いていく。
経営ビジョン
グローバル化・デジタル化がもたらす新しい景色を、すべての人へ。
大切にする価値
オープンに力を合わせる
未来へ踏みだす
挑戦を支える
ワクワクを広げる
誠実に行動する
日立グループのIT技術を支えるグループ会社として、最先端のソリューションを提供しながらオープンな組織で社会への価値提供をしていくことが定められています。
参考:コーポレートフィロソフィー|日立ソリューションズ
NECネッツエスアイ
NECネッツエスアイは、NECグループ全体が定めるNECWayに基づいて行動規範が定められています。特にNECネッツエスアイ社では、NECグループの中でもネットワーク部門のサービス提供をメインに行っており、「明日のコミュニケーションをデザインする」というコーポレートメッセージが定められています。
基本的な行動規範や価値観はNEC社と同様ですので、NEC社のものを合わせてご覧ください。
参考:企業理念|NECエスアイ
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
8.メーカー系SIer業界の平均年収・平均年齢・平均勤続年数
続いて、メーカー系SIer業界の平均年収や平均年齢、平均勤続年数を紹介します。大手企業を例に平均年収・平均年齢・平均勤続年数を見ていきましょう。
企業 | 平均年収 | 平均年齢 | 平均勤続年数 |
NEC | 842万円 | 45.0 | 18.1年 |
日立製作所 | 896万円 | 43.1 | 19.3年 |
富士通 | 879万円1 | 43.7 | 19.1年 |
日立ソリューションズ | 616万円 | 43.9 | 19.9年 |
NECネッツエスアイ | 745万円 | 44.5 | 17.0年 |
また、他業界と比較して少しずつ経験を経てスキルをつけていく企業が多くなっていますので、平均勤続年数や平均年齢も高めとなっています。
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
9.メーカー系SIer業界で働く魅力ややりがい
メーカー系SIer業界で働く魅力ややりがいについて解説していきます。
製造業の最先端技術に関わることができる
メーカー系SIerでは親会社の製造業に密接に関わるため、IoT、AI、ビッグデータ、クラウドなどの最先端技術を活用したシステム開発に携わる機会が豊富にあります。
例えば、自動車メーカー系SIerなら、コネクテッドカー向けのシステム開発や、自動運転技術のデータ解析などに関わることができます。また、スマートファクトリーの推進において、工場の生産設備とITを融合させ、より効率的な製造プロセスを実現するシステムを構築することもあります。
こういったプロジェクトでは、最新の技術トレンドを学びながら業界のDXを支える役割を担うため、エンジニアとしての成長を実感しやすい環境があります。
大規模で影響力の大きいシステムに携われる
メーカー系SIerが手掛けるプロジェクトは、親会社の基幹システムや生産管理システムなど、企業活動に不可欠な大規模システムが多いのが特徴です。例えば、グローバルに展開するメーカーの生産管理システムや、数万人規模の社員が利用する社内インフラの構築など、影響範囲が広く社会的にも重要なシステムに関わることができます。
こうしたプロジェクトでは、単なるプログラミング作業だけでなく、要件定義やプロジェクトマネジメント、運用改善など、多岐にわたる業務経験を積むことができます。自分が携わったシステムが企業の成長を支え、業界全体に影響を与える可能性があることは、大きなやりがいにつながります。
安定した経営基盤のもとで長期的なキャリアを築ける
メーカー系SIerは大手製造業のグループ企業として運営されているため、経営の安定性が高く、長期的な視点でキャリアを築きやすい環境が整っています。特に、景気変動の影響を受けやすい独立系SIerとは異なり、親会社からの安定した受注があるため、比較的安定した事業運営が可能です。
また、福利厚生や研修制度が充実している企業が多く、スキルアップの機会にも恵まれています。例えば、社内研修や資格取得支援制度を活用しながらITの専門知識を深めたり、プロジェクトマネジメントのスキルを磨いたりすることができます。安定した環境で着実にキャリアを積みながら、技術者として成長できる点は大きな魅力です。
業務知識とITスキルの両方を活かせる
メーカー系SIerの業務では、製造業の業務知識とITスキルを組み合わせて課題を解決する力が求められます。例えば、工場の生産管理システムを構築する際には、ITの知識だけでなく、製造業の生産計画や在庫管理、品質管理の仕組みについても深く理解しておく必要があります。そのため、システム開発を通じて業界の専門知識を身につけることができ、エンジニアとしての市場価値を高めることが可能です。
特に、DXが進む現在の製造業では業務のデジタル化や自動化を推進できる人材が求められており、業務理解と技術力の両方を持つエンジニアは貴重な存在となります。こうしたスキルを活かし、業務改革や新規事業の創出に貢献できる点も、メーカー系SIerの大きなやりがいの一つです。
グローバルなプロジェクトに関わる機会がある
大手メーカーの多くは海外にも拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。
そのため、メーカー系SIerでは海外工場向けのシステム開発や、海外拠点とのデータ連携、グローバル規模のITインフラ構築など、国際的なプロジェクトに携わる機会があります。例えば、自動車メーカー系SIerであれば、世界各国の生産拠点を統一する生産管理システムの導入や、多言語対応の業務システムの開発などが求められます。
こうしたグローバルなプロジェクトでは、海外のエンジニアやビジネスパートナーとの協力が必要になるため、英語を活用する機会も増え、グローバルな視点を持ったエンジニアとして成長できるのが魅力です。特に、海外展開を強化しているメーカーでは、DX推進の一環としてIT戦略が重要視されており、グローバル規模でのシステム開発に関わるチャンスが増えています。
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
10.メーカー系SIer業界で求められる人物像
メーカー系SIer業界で勤務する上で求められる人柄や人物像について解説していきます。
製造業の業務を理解しようとする姿勢を持つ人
メーカー系SIerでは、単なるシステム開発ではなく製造業の業務プロセスや課題を理解し、それを解決するためのITソリューションを提供することが求められます。そのため、技術力だけでなく製造業に対する興味や理解を深めていく姿勢が重要です。
例えば、生産管理システムを開発する際には、工場の生産フローや品質管理の考え方を理解し、それに最適なシステムを設計する必要があります。そのためには実際に工場や品質管理業務を確認し、どういった問題・課題があるのかを目で確認しにいく必要があります。また、IoTやAIなどを活用した業務効率化を進める際には、現場のニーズを正しく把握し、使いやすいシステムを提供することが不可欠です。
現場の声に耳を傾け、業務の本質を理解しようとする姿勢がある人はメーカー系SIerで活躍しやすいでしょう。
コミュニケーション能力が高い人
メーカー系SIerの仕事では、クライアントとなる親会社やグループ企業の担当者、工場の現場スタッフ、外部のベンダーなど、多くの関係者と連携を取る必要があります。
そのため、単にプログラムを書くスキルだけでなく、クライアントの要望を正確に聞き取り適切に提案できるコミュニケーション能力が求められます。特にITの専門知識を持たないクライアントとやり取りすることも多いため、専門用語をわかりやすく説明し、相手に納得してもらうスキルが重要です。
また、プロジェクトを円滑に進めるためには、社内外のメンバーと良好な関係を築き、チームワークを発揮することも大切です。コミュニケーションを重視し、協力しながら業務を進められる人はメーカー系SIerの現場で強く求められます。
論理的思考力を持ち、問題解決が得意な人
メーカー系SIerの仕事では、大規模なシステムの設計・開発に携わることが多く、論理的に物事を整理し、最適な解決策を導き出す力が求められます。例えば、工場の生産管理システムでトラブルが発生した際には、システムの構造を把握し、原因を特定し迅速に対応する必要があります。
また、新たなシステムを構築する際には、業務の流れを論理的に整理し最適なシステム設計を考えることが重要です。プログラムを書く際にも、処理の流れを効率的に設計し、バグを防ぐためのロジックを構築する能力が求められます。問題に直面した際に冷静に状況を分析し、論理的に解決策を導き出せる人は、メーカー系SIerの業務において大きく活躍できるでしょう。
新しい技術に対する学習意欲が高い人
メーカー系SIerでは、IT技術の進化に対応しながら、より効率的で高度なシステムを提供することが求められます。そのため、新しい技術に興味を持ち、継続的に学習する意欲のある人が求められます。例えば、AIを活用した品質管理システムや、IoT技術を用いた工場のデータ収集・分析など、最新技術を駆使したシステム開発が増えています。こうした技術を活用するためには、日々の学習を怠らず、新しい知識を積極的に吸収する姿勢が必要です。また、メーカー系SIerでは、ITだけでなく製造業の知識も求められるため、業界動向や業務改善の手法についても学ぶことが重要です。技術の進化を楽しみながら学び続けられる人は、業界で大きく成長できるでしょう。
長期的な視点でキャリアを築きたい人
メーカー系SIerでは、親会社やグループ企業向けのシステム開発・運用を長期的に担当することが多いため、腰を据えてキャリアを築きたい人に向いています。一般的なSIerではプロジェクト単位で業務が切り替わることが多いですが、メーカー系SIerでは一つの業務システムに長く関わり、運用改善や機能追加を行いながら成長していくことが求められます。
そのため、短期間で成果を出すことよりもじっくりと経験を積み重ねながらスキルを磨きたいと考える人に適しています。また、キャリアパスとしては、技術スペシャリストを目指す道や、プロジェクトマネージャーとしてチームを統括する道など、多様な選択肢があります。安定した環境で、着実にキャリアを積みたいと考える人にとって、メーカー系SIerは魅力的な業界と言えるでしょう。
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
11.メーカー系SIer業界の選考対策
最後に、メーカー系SIer業界を志望する学生に向けて、メーカー系SIer業界の選考対策を紹介していきます。
メーカー系SIer業界の選考で有利になるためのポイント
ここでは、メーカー系SIer業界の選考で有利に働くためのポイントを紹介していきます。
製造業への理解を深め、志望動機を明確にする
メーカー系SIerは、親会社やグループ企業の製造業を支えるシステムを開発・運用するため、IT技術だけでなく製造業そのものへの理解が重要視されます。
選考では、なぜメーカー系SIerを志望するのかを明確に伝えることが求められます。単に「ITが好きだから」「システム開発がしたいから」といった動機ではなく、製造業のDX推進に貢献したい、IoT技術を活用して生産現場の効率化に携わりたいといった具体的な理由を述べると好印象を与えられます。そのためには、事前に業界研究を行い、各メーカー系SIerがどのようなシステム開発を行っているのかを調べ、自分の興味や強みと結びつけた志望動機を用意することが大切です。
特に、製造業界は各社似たようなサービスを展開していることもあり、企業ごとの違いがわかりづらい点もあります。社風や文化、雰囲気などは企業ごとによって異なりますのでそれぞれの企業を徹底的に分析しておき、なぜ志望したのかを語れるようにしておきましょう。
コミュニケーション能力をアピールする
メーカー系SIerでは、社内外の多くの関係者と連携しながらプロジェクトを進めるため円滑なコミュニケーションが求められます。特に、クライアントとなる製造業の担当者はITに詳しくない場合も多いため専門用語をわかりやすく説明し、相手の意図を正確に汲み取る能力が重要です。
選考ではグループディスカッションや面接での受け答えを通じて、コミュニケーション能力が評価されることが多いです。そのため、論理的に話すことを意識し結論を先に述べたうえで具体例を交えて説明するなど、伝え方の工夫をするとよいでしょう。また、大学でのグループ活動やアルバイト経験などを例に挙げて、協調性や対話力をアピールすることも効果的です。
論理的思考力や問題解決能力を示す
メーカー系SIerの業務では、大規模なシステムを開発・運用するため論理的思考力や問題解決能力が求められます。特に、設計や開発の段階で仕様の矛盾を見つけたり、システムのトラブルが発生した際に迅速に原因を特定し、適切な対応策を考えたりする力が重要です。
選考では、筆記試験やケーススタディを通じて論理的思考力を測ることが多く、プログラミングの知識がなくても論理的な解決策を考えられるかどうかが評価されます。面接でも、「大学の研究や課題で直面した問題をどのように解決したか」など、具体的なエピソードを交えて説明すると、問題解決能力をアピールしやすくなります。
ITスキルやプログラミング経験を活かす
メーカー系SIerでは、システム開発に関する知識やプログラミングスキルが評価されることが多いため、ITスキルを持っている場合は積極的にアピールするとよいでしょう。特に、大学の授業や独学でプログラミングを学んだ経験がある場合、具体的なプロジェクトや開発経験を説明できるようにしておくと、選考で有利になります。例えば、「Pythonを使ってデータ分析を行った」「JavaでWebアプリを開発した」「クラウドサービスを活用したシステムを構築した」などの具体的な経験があると、技術力の高さをアピールできます。また、メーカー系SIerでは、IoTやAI、クラウドなどの新技術を活用する機会が増えているため、最新技術に興味を持ち、学習し続ける姿勢を示すことも評価されるポイントです。
長期的なキャリア志向を示す
メーカー系SIerは、親会社やグループ企業向けに長期的なシステム運用を行うため、一つの企業で腰を据えて働くことが期待されます。そのため、選考では「長期的にキャリアを積みたい」という意欲を示すことが重要です。
例えば、「システム開発だけでなく、運用・保守を通じて業務改善にも携わりたい」「将来的にはプロジェクトマネージャーとしてシステム全体を統括したい」といったキャリアビジョンを語ると、企業側に好印象を与えられます。また、メーカー系SIerでは、技術スペシャリストやITコンサルタントなど多様なキャリアパスが用意されているため、企業の育成制度やキャリアパスについて事前に調べ、それに基づいたビジョンを語ることも効果的です。
メーカー系SIerならではの安定性や社会貢献に共感する
メーカー系SIerは、親会社やグループ企業のIT基盤を支える重要な役割を担っており、企業の生産性向上やDX推進に大きく貢献する仕事です。そのため、「企業の基幹システムを支えることで、日本の製造業の発展に貢献したい」といった社会的意義を強調することも有効です。
また、メーカー系SIerは一般的なSIerと比べて安定した経営基盤を持ち、長期的なプロジェクトに関わることができるため、安定性を重視する人にとっては魅力的な職場です。そのため、企業の安定性や長期的な視点を評価する姿勢を示すことも、選考でプラスに働くことがあります。企業研究をしっかり行い、その企業ならではの強みに共感するポイントを見つけておくと、説得力のある志望動機を作ることができます。
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
メーカー系SIer業界の志望動機の書き方のポイント
メーカー系SIer業界の志望動機を書く際は、以下の3つのポイントを押さえておくようにしましょう。
-
・なぜメーカー系SIer業界を志望しているのか
・なぜその企業を志望したのか
・メーカー系SIer業界、その企業で何をしたいのか
上記3つのポイントをそれぞれ順番に、具体的なエピソードを添えて書く必要があります。
まずはなぜメーカー系SIer業界を志望しているのかを書くようにしましょう。メーカー系SIer業界の魅力や働いてからやりたいことを、具体的な経験・エピソードとセットで伝えることが大切です。その際、他の業界ではなくメーカー系SIer業界でないとできない理由まで添えられるとなお良い志望動機になります。
続いて、メーカー系SIer業界の中から選考を受けた企業を選んだ理由を記載します。どうしてその企業を選んだのか、ほかのメーカー系SIer業界ではなくその企業でないといけない理由を書くようにします。特に、メーカー系SIer業界は各社高いレベルでの技術開発が盛んですので、企業ごとの技術の違いや企業文化、風土の違いを細かく理解して志望動機を書き上げる必要があります。
そのためには自己分析や企業理解が必要になりますので、過去の自分の経験を振り返ること、企業のホームページやブログ、決算からどういう特徴を持った企業なのかを掴むこと、の2点が必要になります。
メーカー系SIer業界の面接対策
最後に、メーカー系SIer業界での面接対策について解説していきます。
志望動機は流暢に話せるようしておく
面接では、なぜメーカー系SIer業界を志望するのか、なぜその企業を志望しているのか、は必ず聞かれます。その際、具体的なエピソードとともにその理由を述べることが重要です。
企業研究を踏まえ、その企業だからこそ実現できる目標や、自身のスキルをどのように活かせるかを語りましょう。なお、面接で話す際は論理的に話すコミュニケーション能力も見られているケースがほとんどですので、事前に文章を用意して、スムーズに話せるように用意しておくことも大切になります。
技術面の質問対策も用意しておく
基本的なIT知識に関する質問や、プログラミング経験がある方はこれまでの開発経験を問われることもあります。IT知識については日頃からインプットしておくと同時に、プログラミングの開発経験がある方は、その際の開発の流れや難所、その難所をどう突破したのかなどを語れるようにしておきましょう。
最新技術や業界動向についても情報収集を怠らず、意欲的に学んでいる姿勢を示すことが大切です。
ITエンジニアを目指す新卒学生向け就活エージェントならレバテックルーキー
レバテックルーキーは、レバテックが運営するITエンジニア専門の就活エージェントです。多数のITエンジニアのキャリア支援経験のあるアドバイザーが、あなたのスキルと希望に合わせた企業の紹介から、人事目線での面接対策など、就職までを一貫してサポートします。ES添削、面接対策、ポートフォリオ作成サポートなども実施していますので、まずは一度カウンセリングにお越しください。
就活アドバイザーに相談してみる