
しかし成長著しいAI業界では、入社後すぐに活躍できる即戦力の人材を求める傾向にあり、新卒採用でも理系・情報系出身の学生を積極的に募集する企業が多いです。文系・未経験から就職を目指す場合には、Python言語を扱うスキルや数学・統計学についての専門知識を身につけておかなければなりません。
本記事では、AI業界に就職するために押さえておきたい主な募集職種と求められるスキル、就活で役立つ資格などについてご紹介します。
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1.就職人気が高まるAI業界とは?
"Artificial Intelligence"、つまり人工知能を意味する英単語の頭文字を取ったAIは、「ChatGPT」をはじめとする生成AIの普及により、急速に注目を集めている分野です。AIの開発やAIを搭載した製品・サービスを手掛けるAI業界の市場規模は拡大の一途を辿っており、初任給の上昇などの理由で就職人気も高まりつつある業界となっています。
AI業界の主な製品・サービス
AI業界のエンジニアが手掛ける製品・サービスとしては、下記のようなものが挙げられます。
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・AI搭載の調理家電・掃除ロボット
・クルマの自動運転技術
・医療現場における画像認識支援
・ロボアドバイザーによる資産運用
・生成AIによる文章・画像・動画作成
AIは活用される業界によってさまざまな目的で使用されるため、ユーザーの需要に応じた多種多様な製品・サービスが生まれつつあります。従来では単純作業をAIに任せる用途が中心でしたが、近年では文章や画像の生成など、クリエイティブな分野でも活用が進んでいるのが特徴です。
AI業界の就活事情
AI業界ならではの就活事情として、新卒採用であってもAI関連企業からの内定獲得はハードルが高い傾向にあります。AI開発の現場では、プログラミングスキルや数学・統計学、機械学習や深層学習といった専門的なスキル・知識が問われるため、文系出身でスキルなし・未経験からスタートする学生よりも、理系出身で情報系の知識や数学の知識を備えている学生を積極的に採用する企業が多いです。
独学によってプログラミングスキルや数学・統計学についての知識を身につけることで就活を有利に進めることも不可能ではないですが、AIエンジニア・AIプログラマーやデータサイエンティストといった現場の最前線で活躍する職種への就職は難しくなることを押さえておきましょう。未経験からでも入社しやすいインフラエンジニアとしての内定を狙ったり、まずはIT業界のシステムエンジニア・プログラマーとして経験を積んでからAI業界を目指したりするのも一つの選択肢です。
AI業界の将来性
AI業界では、AIの急速な性能向上とともにさらなる市場規模拡大が見込まれています。AI研究に対する投資も拡大し、これまでAI活用が進んでいなかった分野でもAIが浸透することが予想されます。そのためAI業界の将来性は非常に明るいと言えるでしょう。
一方でAI活用を進める上での課題として、著名人の写真を悪用したディープフェイクや、生成AIを用いた不正確な情報の拡散など、プライバシーや倫理問題が挙げられています。AIを動かすために莫大な電力を必要とすることも、大きな社会問題となる可能性があります。こうした課題をいかに解決できるかが、AI業界の将来性にも影響するかもしれません。
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2.AI業界で就職できる主な職種
続いて、AI業界での就職先となる主な職種について、下記の5つをご紹介します。
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・AIエンジニア
・AIプログラマー
・データサイエンティスト
・インフラエンジニア
・ITコンサルタント
それぞれの職種の役割や仕事内容について詳しく解説しましょう。
AIエンジニア
AIエンジニアは、AI開発における上流工程に携わる職種のことを指します。場合によってはAI開発に携わるエンジニア系職種の全般を指してAIエンジニアと呼ばれることもあります。AIエンジニアは、お客様となるクライアント企業の要望に合わせて最適なシステム設計・アルゴリズム設計を行い、開発プロジェクトの方向性を決める業務を担います。
AI技術を用いた最適なシステム・アプリケーションを設計するために、プログラミングスキルに加えて数学・統計学についての知識や、クライアント企業が属する業界知識などをインプットしておく必要があります。上流工程の経験を活かして、開発チームのリーダーやマネージャーといった職種へステップアップを果たし、高収入・好待遇の働き方を実現しやすいのが魅力です。
AIプログラマー
AIプログラマーは、AIエンジニアがまとめる設計書・仕様書をもとに、製品・サービス開発のためのプログラミング作業に携わる職種です。企業によってはAIエンジニア・AIプログラマーを明確に区別せずに募集しているケースもあるため、具体的な仕事内容は逐一確認すると良いでしょう。
AIプログラマーは開発現場の最前線で活躍する職種なので、Python言語などを扱う高度なプログラミングスキルやIT知識が不可欠な職種です。AIプログラマーとしてのスキルに自信がない場合には、まずはWeb業界をはじめとするPython言語を用いるプログラマーとして経験を積むのもおすすめです。
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データサイエンティスト
データサイエンティストとは、ビッグデータを収集・分析して企業の意思決定をサポートする職種です。企業が抱えるユーザーの購買データをもとにして、新たな商品企画や販売戦略などに役立つデータを提供します。データの分析では、統計学の知識やAIの活用技術のほか、企業経営に関する知見も必要とされます。
非常に幅広い分野の知識を必要とするため、理系・情報系出身の人材を積極的に募集する企業が多いです。なお、企業によっては「データアナリスト」という名前でデータサイエンスの専門家を採用していることもあります。
インフラエンジニア
インフラエンジニアとは、企業がITサービスを開発・提供するために欠かせないサーバー・ネットワークなどのIT基盤を設計・構築する職種です。人々の生活に欠かせない電気・水道・ガスなどの社会インフラと同様に、AI業界ではITインフラが不可欠な基盤となるため、非常に安定した需要が見込まれています。
また、インフラエンジニアは未経験からスタートしやすい仕事内容が多く、新卒から積極的に採用している企業も多いです。そのためAI業界を目指すなら、インフラエンジニアのキャリアからスタートするのもおすすめです。
おすすめ記事:新卒でデータサイエンティストになるには|必要な勉強や学習方法を解説
ITコンサルタント
ITコンサルタントとは、ITを活用して企業の経営課題を解決する仕事です。クライアント企業の売上不振という課題を解消するためにAIによる生産管理システムの導入を提案したり、人件費増大という課題の解決のためにAI搭載の業務効率化ソフトを提供したりするのが仕事です。
AI業界のコンサルタントは「AIコンサルタント」とも呼ばれ、AIの活用に関する知見に加えて、企業経営についての豊富な経験が問われる職種となっています。クライアント企業から信頼されるITコンサルタントになるためには、豊富な知識・経験が必要なので、新卒・未経験から採用されるケースは少ないですが、高収入・好待遇が期待できる就職先として人気が高まっています。
おすすめ記事:新卒でITコンサルタントになるために知っておくべきこと7選
3.AI業界に就職するために求められるスキル
次に、AI業界へ就職するために必要とされるスキルについてもご紹介しましょう。
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・Pythonを扱うプログラミングスキル
・線形代数・統計などの数学知識
・機械学習・深層学習についての知識
これらのスキルを順番に解説しますので、AI業界への就職を見据えてどのような勉強に取り組んだら良いのかを押さえておきましょう。
Pythonを扱うプログラミングスキル
AI業界に就職する上で必要とされるスキルとして、プログラミング言語「Python」を扱うスキルが挙げられます。AI開発の現場ではさまざまなプログラミング言語が用いられますが、中でも人気なのがPythonで、AI業界を目指すならまず習得しておきたいプログラミング言語とされています。
Pythonはすべての言語の中でも習得難易度が低めで、プログラミング未経験からでも学習しやすいメリットがあります。Web開発やSIerでのシステム開発にも用いられる汎用性の高い言語なので、AI業界・IT業界を目指すにあたって最初に学習しておくのがおすすめです。
線形代数・統計などの数学知識
AI業界で活躍するためには、線形代数や微分積分などの数学の知識、そして統計学についての知識が求められます。大学でこれらの分野について専攻していた方なら、AI業界では有利に就活を進められるでしょう。必要とされるのは大学基礎レベルの知識であり、現役のエンジニアや研究者レベルの知見が求められるわけではないため、文系出身の方であっても独学で基礎を学ぶことは可能です。
後述する「統計検定」のような、数学的知識を証明する資格も存在しますので、就活の一環として資格取得を目指しつつ、数学・統計学の基礎的な知識を身につけるのもおすすめです。
機械学習・深層学習についての知識
機械学習・深層学習(ディープラーニング)についての知見を深めておくことも、AI業界に入るためには欠かせません。主な機械学習の手法として、教師あり学習・教師なし学習、強化学習などを押さえておくことや、アルゴリズムへの理解を深めておくことが必要です。
Pythonとともにプログラミングスクールに通いながら専門的に学ぶ、もしくは市販の参考書を通じて実践的なスキルを身につけるのが良いでしょう。オンラインで学べる学習サイトや動画サイトを活用すると、業界の最新知識についても習得できるので、ぜひ試してみてください。
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4.AI業界の就職で役立つ資格
続いて、AI業界への就職を目指す際に、就活に役立つ資格についてご紹介します。
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・統計検定
・G検定・E資格
・Python 3 エンジニア認定データ分析試験
これらはいずれもAI業界の選考で高く評価されやすいので、積極的に取得を目指してみてください。
統計検定
統計検定とは、統計に関する知識・スキルが問われる検定試験です。難易度は4級・3級・2級・準1級・1級など、全部で10の区分があり、実力に合わせて試験を受けられるのが特徴です。AI業界への注目の高まりによって、統計検定の注目度も上昇しており、就活での評価も獲得しやすい傾向にあります。
統計検定には必須の受験資格がなく、就活生であっても気軽に受験できるのも魅力です。AI業界で高い評価を得るためには、大学基礎レベルに相当する2級以上の合格を目指すと良いでしょう。
G検定・E資格
G検定とE資格は、どちらも一般社団法人日本ディープラーニング協会が実施する認定資格です。AIに関する知見、特に機械学習で使われる手法の一つであるディープラーニングについての理解度が問われるのが特徴で、AI業界を目指すなら積極的に取得しておきたい資格となっています。
G検定はゼネラリスト向け、つまりAI業界以外で活躍する社会人向けの資格であり、E資格はエンジニア向けに実践的なスキルを問う資格であるという違いがあります。なお、E資格を受験するためには、同協会で実施している認定プログラムを過去2年以内に終了していることが条件となっていることに注意しましょう。
Python 3 エンジニア認定データ分析試験
Python 3 エンジニア認定データ分析試験は、AI開発の現場で用いられるプログラミング言語Pythonについてのスキルの中でも、データ分析に特化した資格としてAI業界では高く評価されやすい資格です。2020年スタートの比較的新しい資格ですが、Pythonを用いたデータ分析スキルをアピールするには最適です。
Pythonのスキルを問う民間資格には、「Python 3 エンジニア認定基礎試験」「Python 3 エンジニア認定実践試験」なども存在しており、実力に合わせて難易度を選ぶことが可能です。プログラミング未経験で初めてPythonを学ぶ方なら、まずはPython 3 エンジニア認定基礎試験の勉強からスタートすると良いでしょう。
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5.AI業界の就職に向いている人の特徴
最後に、AI業界の就職が向いている人の特徴についてもご紹介しましょう。
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・数字やデータの扱いが得意な人
・論理的思考力に自信がある人
・自主的にAI業界の情報収集ができる人
これらの項目に当てはまる人ほどAI業界への適性が高いと判断できるので、就活の軸を考える参考にしてみてください。
数字やデータの扱いが得意な人
AI業界が向いている人の特徴として、数字やデータの扱いが得意な人が挙げられます。AI業界ではどの職種に就くとしても、毎日数字に向き合う必要が出てくるため、数字やデータに触れることに苦手意識がある方には不向きです。数学や統計学について独学で学ぶことに抵抗があると、AI業界で活躍することは難しくなるでしょう。これまで理系の学問を専攻してきた方や、ゼミ・研究室でも数字と向き合ってきた方なら、AI業界に高い適性があると判断できます。
論理的思考力に自信がある人
AI業界の就活で評価されやすいスキルとして、論理的思考力が挙げられます。仮説・検証を繰り返しながらAI開発に取り組める方や、筋道を立てて考える習慣を持っている方なら、AI業界で活躍するチャンスがあります。論理的思考力はAI業界に限らず、エンジニア職全般で求められるスキルなので、AI業界やIT業界を目指そうと考えているなら、就活対策の一環として積極的にスキルアップを図ることをおすすめします。
自主的にAI業界の情報収集ができる人
誰かに指示されることなく、自主的にAI業界についての情報収集ができる人も、AI業界で活躍できる資質があります。AI業界で就職する時点ではスキル・知識が不足していたとしても、AI業界に対して高い興味・関心を持って情報収集・スキルアップに取り組める方なら、高い将来性がある人物と評価されるからです。企業の面接でも日頃の情報収集について質問されるケースは多いので、AI業界で活躍するためにも情報収集する習慣を身につけておくことをおすすめします。
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6.まとめ
就職先としてのAI業界は、さまざまな製品・サービスを手掛ける企業が業績を伸ばしており、プログラミングスキルや数学・統計学についての知識がある人材は、未経験であっても積極的に採用する傾向にあります。AI業界で活躍する職種には、AIエンジニアやAIプログラマー、データサイエンティスト、インフラエンジニアなどが挙げられます。これらの職種は新卒採用で募集されていることも多いので、未経験からAI業界を目指すならこれらの職種の求人を検索してみると良いでしょう。
AI業界で就職するためには、統計検定やG検定・E資格といった資格も役立つので、AI業界に必要とされる基礎知識を身につけつつ、これらの資格をアピールするのも有効です。本記事で解説してきたAI業界の就活対策を参考に、第一志望の企業からの内定獲得を目指しましょう。
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