ネットワークエンジニアに新卒でなる方法|企業選びのポイントまで解説

ネットワークエンジニアに新卒でなる方法|企業選びのポイントまで解説
ネットワークエンジニアとは、ネットワークの設計・構築・運用保守に携わる技術者のことです。プロダクト開発と関節に携わる職種ではあるものの、新卒のエンジニア志望の学生からも人気を集めている職種の1つです。この記事では、新卒でネットワークエンジニアになりたい方に向けて仕事内容や必要なスキル、資格、今後のキャリアパスなどについて解説していきます。エンジニア就活の際の参考にしてみてくださいね。

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1.ネットワークエンジニアの仕事内容

ネットワークエンジニアとは、企業や自治体などのシステム開発現場や、携帯キャリアやISPなどの通信インフラを提供する企業において、ネットワークの設計・構築・運用保守を担うエンジニアです。
企業や自治体の情報システム部門、システム開発ベンダー、通信インフラ企業などに勤務します。主な仕事内容は下記の通りです。

要件定義/設計

システムを利用するユーザーの要件をまとめ、ネットワークの構成や回線種別、ルーターやスイッチなどネットワーク機器の台数やスペック、機器の設定値などを整理し、設計書にまとめていく仕事です。
ユーザーの要件次第では、ネットワークの知識だけでなくサーバーやセキュリティ・システム管理など、幅広い知識が必要となります。

構築/テスト

作成した設計書に従って、ネットワーク機器の設置・設定を行います。
また、構築が終わったらテストを行い、ネットワーク機器が設計書の通りに動作し、求められる性能や故障時の挙動、運用保守のしやすさなどが要件通りであることを確認します。

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運用保守

ネットワークは構築して終わりではありません。ネットワークを利用するシステムが長期間継続してサービスを提供できるよう、ネットワーク機器の定期的なメンテナンスや、障害対応などを実施します。

新卒入社の場合は、上記のうち主にテストや運用保守から業務に携わるケースが多いでしょう。経験を積むにつれて構築や設計などの業務も行わせてもらえるようになります。

ネットワークエンジニアの仕事例

ここでは、ネットワークエンジニアの仕事例を紹介します。ネットワークエンジニアは実際にどういった仕事をしているのか、参考にしてみてください。

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例①:ネットワークの監視、モニタリング

ネットワークの監視やモニタリングを行います。通信環境やインフラ設備が通常通り動作しているかを監視しつつ、何かエラーや障害が起きないかどうかの保守対応まで行います。例えば、セキュリティシステムを新たに全社で導入した場合に、そのセキュリティシステムが通常通り動作しているか確認するためのモニタリング体制の整備、設定した閾値を超えた場合の保守、修正作業を行います。

例②:ネットワークのテスト、検証

新たに設備や機器、ネットワーク環境を導入した際のテストや検証を行います。新たにネットワークやインフラなどの機器を導入した際、他の社員の業務生産性を落とさないように、色々なケースを想定してテスト、検証を行います。大量のデータを扱ってもエラーが起きないか、同時に何十・何百人が利用しても耐えられるかなど、様々なケースを想定してテスト・検証を行います。このテスト、検証を経て問題ないと判断されたのちに、会社全体にシステムの導入を進めていきます。
なおこのテストや検証は、企業内のさまざまなケースを知ったり想定して対処することになるため、新卒や若手社員が任されるケースが多く、このテストを進めつつ企業理解をさらに深めていくという側面もあります。

例③:ネットワークの構築

ネットワーク環境の構築、設計をおこないます。これはある程度熟練したネットワークエンジニアが担当することが多く、サービスや利用するインフラの選定から導入、保守・運用まで一貫して全て設計していきます。企業でおこなわれている企業活動をある程度理解し、どういったネットワーク環境を作ると良いのか、どのくらいのコストをはたけるのかを整理しながら、もっとも費用対効果の高いネットワーク要件を作成していきます。用件が決まったら、その開発・構築〜テスト・検証も行います。場合によってはこの開発〜テストの過程は別社員がおこなうこともありますが、ネットワーク構築全体に責任を持って進める場合は、この開発〜テストをどうやって進めるのか、おおまかな進め方まで関与しつつ、問題なく進行しているのかまで確認する必要があります。

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2.ネットワークエンジニアに必要な知識とスキル

ここでは、新卒がネットワークエンジニアを目指す際に身につけておくべき知識とスキルを解説します。ネットワークエンジニアは、ITインフラの根幹となるネットワークを扱う専門性の高いエンジニアで、下記の知識やスキルを身に付ける必要があります。
(中見出し)
ネットワークの知識
ネットワークエンジニアの主な担当範囲となるネットワークや、ネットワーク機器の知識は基本であり必須といえるスキルです。
新卒のうちから積極的に学習し、体系的にネットワークの知識を身に付けることが重要です。

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サーバーやWebシステムなどの基礎知識

ネットワークエンジニアとして滞りなく設計や構築を行うためには、ネットワークだけでなく、サーバーの基礎知識も必要となります。
また、Webシステムや、データベースシステムなど、システムの種類に応じた適切なネットワークの組み方を覚えていく必要があります。

コミュニケーションスキル

システム開発はひとりで行うことはできません。
顧客と良好な関係を築き、プロジェクトマネージャーやサーバー開発チームなど、多くのメンバーとコミュニケーションを取りながら、足並みを揃えて開発を進める必要があります。
スムーズに開発を行うために、ネットワークエンジニアにとってコミュニケーションスキルは重要です。

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Office製品などを使ったドキュメンテーションのスキル

ネットワークエンジニアに限らず、ITエンジニアはWordやExcelなどのOffice製品を使って設計書や報告書などのドキュメンテーションを行います。
Office製品は今後も使い続けるため、新卒のうちに確実に習得しておきたいスキルです。

新卒ネットワークエンジニアのスキルの身に付け方

繰り返しになりますが、ネットワークエンジニアは非常に専門性の高いエンジニアです。
新卒のうちはネットワークのスキルが不足している場合が多いため、設計や構築といった本格的な業務に携わることは難しいでしょう。まずは運用保守や、手順書に沿ったテスト実施、議事録作成などの基本的な業務をこなすことで経験を積み、自主的な知識のインプットと合わせて、焦らずに徐々にスキルアップしていくことが重要です。

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3.ネットワークエンジニアにおすすめの資格

ネットワークエンジニアになるには必ずしも資格が必要というわけではありませんが、スキルを身に付けるために、新卒のうちに資格取得の勉強をしておくことは大変有効です。
ネットワークエンジニアが取得するべきおすすめの資格は下記の通りです。

シスコ技術者認定試験

シスコ技術者認定試験は、世界最大手のネットワーク機器メーカーであるシスコシステムズ社が実施する、ネットワークの技能を認定する資格です。
技能レベルに応じて3段階の試験が用意されていますが、新卒はまずは基礎レベルの技能を問われるCCNA(Cisco Certified Network Associate)取得を目指しましょう。

シスコ社のネットワーク機器は、事実上のデファクト・スタンダードになっているため、新卒のうちにぜひ取得しておきたい資格です。

基本情報技術者

基本情報技術者は、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施している国家試験「情報処理技術者試験」の試験区分のひとつで、ITエンジニアとして必要な基本的知識と技能を認定する資格です。ネットワークの知識を含め、システム開発に必要な基礎知識を幅広く問われる試験で、CCNAと同様に新卒のうちに取得しておきたい資格です。

ネットワークスペシャリスト

ネットワークスペシャリストは、基本情報技術者と同様の「情報処理技術者試験」の試験区分のひとつで、高度IT人材としてネットワークの企画から運用保守まで高い専門知識を保持していることを認定する資格です。
合格率が15%に満たない難易度の高い資格(※)であるため、合格には知識だけでなく実務経験も必要となりますが、自信のある方は新卒のうちからチャレンジしてみるのも良いでしょう。一般的にはエンジニア経験を5年以上積んだ人が取得を目指す資格です。

※参考:情報処理推進機構(IPA)ネットワークスペシャリスト試験(NW)

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4.ネットワークエンジニアの将来性とキャリアパス

ネットワークを含めたITインフラの世界は、オンプレミスからAWSやMicrosoft Azureなどのクラウドへ移行しつつあります。しかし、ネットワークはITインフラの根幹とも言える基礎的かつ普遍的な技術であるため、システムがクラウド化されても需要が高く、実際にクラウドでシステムを設計するためにはネットワークの設計スキルが必要です。
このように、ネットワークエンジニアは技術の移り変わりに強く、将来性の高い職種であるといえます。

ネットワークエンジニアの代表的なキャリアパスは下記の通りです。
 

  • ・1年目~2年目:ネットワークの運用保守、テスト

    ・3年目~5年目:ネットワークの設計、構築

    ・5年目以降:ネットワークの提案・要件定義、ITスペシャリスト、プロジェクトマネージャーなど


新卒の場合、いきなり設計や構築の仕事に携わることは難しく、運用保守やテストなどの基本的な業務経験を通じて技術力を身につけ、その後構築、設計、要件定義と徐々に上流工程に携われるようになります。

上流工程を経験すると、顧客とのコミュニケーションや提案活動に関わるチャンスも生まれます。さらに、ネットワークの技術を極めるITスペシャリストになるか、プロジェクトを統括するプロジェクトマネージャーになるかなど、幅広いキャリア選択が可能になります。

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5.新卒からネットワークエンジニアになるルート

ここでは、新卒からネットワークエンジニアになるためのルート・キャリアパスを紹介します。新卒でいきなりネットワークエンジニアになるという手もありますし、他の職種を経験してからネットワークエンジニアにジョブチェンジするという手もあります。ここで詳しくみていきましょう。

新卒でネットワークエンジニアになれる求人に応募する

まず思いつくのは、新卒でネットワークエンジニアに応募する方法です。新卒でネットワークエンジニアを募集している企業を絞り、応募すると良いでしょう。ただ、ネットワークエンジニアはWeb職のインフラ的な立ち位置としてさまざまな職種を下支えする仕事であるため、各職種に関する知識が求められます。そのため、一人前のネットワークエンジニアになるまではある程度時間がかかる可能性があります。また、開発経験やプログラミング知識がある前提で採用をしている企業が多いため、応募用件が理系学生・大学院生と絞られている可能性があります。文系学生や未経験の方は、下で紹介する方法でネットワークエンジニアを目指すと良いでしょう。

エンジニアからネットワークエンジニアに転向する

他のエンジニアからネットワークエンジニアにジョブチェンジしてなるという方法です。ネットワークエンジニアの方の中にはこういった形でジョブチェンジをしている方が多く、「以前はゲームアプリ開発をしていた」「バックエンドエンジニア出身だ」といったような、他の開発経験をもとにネットワークエンジニアに転身している方も多いです。エンジニアや開発経験のない方にとってはネットワークエンジニアの仕事内容はイメージしづらく、企業としても開発経験のある方を採用した方がよりネットワークに関する知識を持っており活躍してくれそうと考えることが多いです。そのため、まずは他のエンジニア職種(バックエンドエンジニアなどサーバーサイドよりが良い)で一度経験を積んだのち、ネットワークの知識を深めてネットワークエンジニアになるという手もおすすめです。

経験をへたのち、ネットワークエンジニア企業に転職する

1つの企業でエンジニアや開発経験を積み、その後ネットワークに関するコンサル、受託営業を行っている企業に転職するというパターンです。企業によってはネットワークに関する知見がそこまでないことが多く、よりレベルの高い経験を積みたい方はネットワークの開発、受託開発、コンサルを行っている企業に転職するのが良いでしょう。例えばネットワークのコンサルティングを行っている企業に転職すれば、さまざまな企業のネットワーク構築に携わることができ、案件をこなすごとにスキルをつけていくことができます。ネットワーク関連の企業は特にネットワークエンジニアに絞って求人を出しているということはなく、広く開発経験を求めている場合も多いですので、転職を視野に入れつつ経験を積むという手もあります。

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6.新卒でネットワークエンジニア就職するための企業選びのポイント

続いて、新卒でネットワークエンジニアとして就職する際の企業選びのポイントを解説します。企業選びで失敗しないためにも、ぜひここで紹介する内容を参考に企業選びに活かしてくださいね。

キャリアパスを確認する

新卒で入社したのち、どういったキャリアパスを描けるのかを確認するようにしましょう。ネットワークエンジニアは比較的難易度の高い職業でもあるため、新卒で入って数年は小さなテストや保守運用ばかり任されて5,6年後にようやく大きな設計を任されるというケースも少なくありません。少しずつ経験を積んで成長したいという方はこういったケースで良いかもしれないですし、一方で早く大きな経験を積みたいという方にとっては、そのキャリアパスが魅力的に感じない場合もあります。そのため、面接や選考のタイミングで、社員の方にどういったキャリアパスがあるのか、先輩はどのような仕事をどういった期間で進めているのかを細かく確認するようにしましょう。

企業の風土や文化も確認する

企業の文化や風土、雰囲気も大切にして企業選びに活かしましょう。大学のサークルや部活動、友達の集まりでもグループごとに空気感が異なるように、企業にもさまざまな文化・雰囲気の企業があります。静かに仕事をしたいのにみんながワイワイしながら元気に仕事をしている会社だったり、逆に業務終わりは仲間と飲みに行ったりしたいのに社内交流の少ない会社だったりすると、いくら仕事が楽しくても会社に対してストレスが溜まっていってしまいます。社会人の方でよくある、「仕事は楽しいけれど会社が好きじゃない」といったケースがこれに該当します。こういったケースに陥らないためにも、企業の風土や文化も確認しておくようにしましょう。会社のホームページやブログを確認したり、実際の社員や先輩を紹介してもらうことで、その企業の実際の空気感を掴むことができます。

ネームバリューに流されない

「大手企業のネットワークに携わりたい」「有名なサービスのネットワーク構築に携わりたい」という理由で大手企業を受ける方もいらっしゃいますが、一度立ち止まって、ネームバリューに流されないように注意しておくようにしましょう。レバテックルーキーがとったアンケートでは、10人中4人の社会人エンジニアが仕事選びでネームバリューは妥協できると回答しておりこれは最も多く、企業に入ってからネームバリューはそこまで関係なかったと後悔している方が多いようです。実際、「そこまでワクワクしないけれど有名な企業」と「無名だけど事業内容にとてもワクワクする企業」だと、大体の場合後者の方がより働きがいもスキルもつけやすいことが多いです。そのため、企業が提供しているサービスや企業のビジョンなどをフラットにみた上で、自分が働きたいと思えるかを重視するようにしましょう。

関連記事:社会人エンジニアの4割以上が、新卒での就活に対して「後悔している」と回答

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7.まとめ

ネットワークエンジニアはITインフラの根幹を担う専門性の高い職種で、ネットワークの設計から運用保守までを一貫して行う、クラウド時代においても将来性の高いエンジニアです。新卒向けの簡易な仕事から徐々に構築、設計など難易度の高い仕事を行い、3年程度の経験を積むことで一人前になれます。学生のうちに技術系の資格を習得しておくことで技術力や意欲のアピールにつながるため、関心のある学生さんは学習をおすすめします。

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