システムエンジニアの業種・職種とは?分類・仕事内容と必要スキル

システムエンジニアの業種・職種とは?分類・仕事内容と必要スキル
。システムエンジニアは働く業種や職種によって仕事内容や求められるスキルが大きく異なります。システムエンジニアが働く業界・企業を深く研究しておくことは、就活を有利に進める上でも効果的です。

本記事では、システムエンジニアの「業種」と「職種」の基本的な違いから、具体的な分類、そして各業種での仕事内容について詳しく解説していきます。また、自分に合った業種・職種を選ぶためのポイントや、どの業種でも必要とされる基本的なスキルについてもお伝えしますので、ぜひ最後までご覧ください。
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1. システムエンジニアの業種・職種とは?

システムエンジニアとして働く際には、「業種」「職種」という2つの分類を理解しておくことが大切です。この2つの言葉は似ているように思えますが、実際には大きく異なる意味を持っています。

就活対策を始めたばかりの方にとっては、企業研究・業界研究を進める際にも役立つ知識なので、ここでしっかり押さえておきましょう。

業種と職種の違いについて

まず、業種と職種の違いについて明確にしておきましょう。「業種」とは、企業がどのような分野で事業を展開しているかを表す分類です。たとえば、IT業界・製造業界・金融業界・医療業界といった区分が業種にあたります。

一方で職種とは、働く人がどのような仕事を担当しているかを表す分類です。システムエンジニア・営業・人事・経理などが職種の例です。つまり、「IT業界で働くシステムエンジニア」という場合、IT業界が業種で、システムエンジニアが職種ということになります。この違いを理解しておくことは、就活で企業を選ぶ際や、履歴書を書く際に役立つので、確実に覚えておきましょう。

システムエンジニアが働く業種分類

システムエンジニアが働く業種は、言うまでもなくIT業界ですが、IT業界の中でも企業の事業形態によって、大きく3つに分類することができます。

まず1つ目はSIer(システムインテグレーター)や受託開発会社です。これらの企業は、クライアント企業からシステム開発の依頼を受けて、要件定義から設計、開発、テスト、納品までを担当します。

2つ目が自社開発企業で、自社でWebサービスやアプリケーション、ソフトウェアを開発・運営し、それを事業の中心としているのが特徴です。クライアント企業が存在せず、自社内でサービスの企画・開発を進めるのが特徴です。

3つ目はSES(システムエンジニアリングサービス)企業です。自社で採用したシステムエンジニアを他のSIerなどに派遣し、「客先常駐」という形で開発業務を行います。いわゆる「派遣」に近い働き方ですが、指揮命令権がSES企業にあるなど、派遣とは細かな違いがあることに注意が必要です。

なお、それぞれの業種で働くシステムエンジニアの違いや仕事内容については、後述します。

履歴書・職業欄への書き方

履歴書や職務経歴書を書く際、システムエンジニアはどのように記載すれば良いのか迷う方も多いです。

基本的に職業欄には、「システムエンジニア」と記載すれば問題ありません。IT業界内での転職活動など、より具体的に書きたい場合は、「Webエンジニア」「インフラエンジニア」「組み込みエンジニア」といった専門分野を明記すると、自分の専門性が伝わりやすくなります。

職務内容を詳しく書く欄では、どのような業務を担当していたかを具体的に記載しましょう。「要件定義からテストまでの開発業務全般」「顧客との打ち合わせからシステム設計まで」など、担当していた工程や役割を明確にすることで、これまでの経験やスキルをより正確に伝えることができます。

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2. システムエンジニアの主な分類一覧

システムエンジニアという職種は、専門とする領域によってさまざまな種類に分類することができます。それぞれの分類によって、扱うシステムの種類や必要とされる技術が異なります。
 

  • ・組み込みエンジニア

  • ・インフラエンジニア

  • ・セキュリティエンジニア

  • ・Webエンジニア

  • ・フルスタックエンジニア

  • ・社内SE


ここでは代表的な上記6つの分類について紹介しますので、職種選び・業種選びの参考にしてみてください。

組み込みエンジニア

組み込みエンジニアは、家電製品や自動車、産業機械などの機器に組み込まれるシステムを開発する専門家です。私たちの身の回りにある多くの製品、エアコン・洗濯機・デジタルカメラ・自動車のエンジン制御システムなどには、小さなコンピュータが組み込まれています。

組み込みエンジニアは、これらの機器が正しく動作するためのプログラムを作成するのが仕事です。製品の性能や安全性に直接関わる重要な仕事であり、ハードウェアに関する知識も必要とされます。使用するプログラミング言語は、C言語やC++が中心です。

近年ではIoTの発展により、組み込みエンジニアの需要はさらに高まっています。製造業で活躍するエンジニアも多く、製品開発の現場で働くことが多い職種です。

インフラエンジニア

インフラエンジニアは、ITシステムの基盤を構築し、管理する専門家です。具体的には、サーバーの設計や構築、ネットワークの構築、データベースの管理などを担当します。システムが安定して動作するための土台を作る仕事であり、システム全体の信頼性を支える重要な役割を果たしています。

また、システムの障害が発生した際には、迅速に原因を特定して復旧させる対応力も求められます。近年では、クラウドサービスを活用したインフラ構築の需要が高まっており、AWSやAzure、Google Cloudといったクラウドプラットフォームの知識が重視されるようになっています。

「サーバーエンジニア」「ネットワークエンジニア」といった専門性の高い分野に細かく分類されることもあります。

セキュリティエンジニア

セキュリティエンジニアは、情報セキュリティの専門家として、企業のシステムやデータを外部の脅威から守る役割を担います。サイバー攻撃が増加している現代において、その重要性はますます高まっています。

セキュリティエンジニアの仕事は、セキュリティに配慮したシステムの設計、セキュリティ対策の実施、脆弱性の診断と改善、セキュリティインシデントが発生した際の対応など、多岐にわたります。

また、最新の攻撃手法や対策技術について常に学び続ける姿勢が求められます。金融業界や官公庁など、機密性の高い情報を扱う業種で特に需要が高い職種です。

Webエンジニア

Webエンジニアは、WebサイトやWebアプリ、Webサービスの開発を専門とするエンジニアです。

私たちが日常的に利用しているECサイト、SNS、オンラインバンキング、動画配信サービスなどは、すべてWebエンジニアによって開発されています。なお、Webエンジニアは、「フロントエンド」「バックエンド」という2つの分野に分けられることがあります。

フロントエンドエンジニアは、ユーザーが直接見る画面やデザインの実装を担当し、HTML/CSSやJavaScriptといった技術を扱います。バックエンドエンジニアは、サーバー側の処理やデータベースの設計を担当し、PHPやPython、Ruby、Javaなどのプログラミング言語を使用します。

フルスタックエンジニア

フルスタックエンジニアは、Webエンジニアの一種で、フロントエンドからバックエンド、さらにはインフラまで、システム開発の幅広い領域をカバーできるエンジニアを指します。一人で完結したシステムを構築できる能力を持ち、多様な技術や知識を備えています。

たとえば、Webアプリの画面設計から、サーバーサイドのプログラミング、データベースの設計、サーバーの構築まで、すべての工程を担当することができます。

スタートアップ企業や小規模なプロジェクトでは、このように幅広いスキルを持つエンジニアが非常に重宝されます。ただし、すべての領域に精通するには時間がかかるため、まずは1つの領域を深く学んでから、徐々に知識の幅を広げていくというキャリアパスが一般的です。

社内SE

社内SEは、自社の情報システムを担当するシステムエンジニアです。外部の顧客に対してシステムを開発するのではなく、自分が所属する企業内のシステムの企画・開発・運用・保守を担います。社員が使用する業務システムの改善や、新しいシステムの導入、社内のIT機器の管理、ヘルプデスクとしての対応など、業務内容は多岐にわたります。

自社のビジネスを深く理解した上でシステムを構築できるため、経営に近い立場で仕事ができるのが魅力です。また、外部の開発会社と比べて、納期のプレッシャーが比較的少なく、ワークライフバランスを図りやすい傾向があります。製造業界・金融業界・小売業界など、あらゆる業種の企業で社内SEが活躍しています。

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3. 【業種別】システムエンジニアの仕事内容

システムエンジニアが働く業種は、企業の事業形態によって大きく3つに分類することができます。それぞれの業種では、仕事の進め方や働き方、求められるスキルが異なります。

ここでは、SIer・受託開発、自社開発、SES(客先常駐)という3つの業種について、それぞれの特徴と仕事内容を詳しく解説します。

SIer・受託開発のシステムエンジニア

SIer(System Integrator)や受託開発会社で働くシステムエンジニアは、クライアント企業からシステム開発の依頼を受けて、システムの設計から構築、テスト、納品までを担当します。

要件定義や設計といった上流工程から携わることができるため、システム開発の全体像を理解しやすいのが魅力です。クライアントとの打ち合わせを通じて要望をヒアリングし、それを実現するためのシステムを提案する力が求められます。

また、さまざまな業界のクライアントとともに仕事をするため、幅広い業務知識を身につけることができます。プロジェクトごとに異なる技術や課題に取り組む立場であり、多様な経験を積むことができる一方で、納期に追われることも多く残業も発生しやすい働き方です。

自社開発のシステムエンジニア

自社開発企業で働くシステムエンジニアは、自社が提供するWebサービスやアプリケーション、ソフトウェアの開発・改善を担当します。外部のクライアントではなく、自社のプロダクトを伸ばしていくことが主な仕事です。たとえばECサイトを運営する企業では、そのサイトの機能追加や改善したり、SNSサービスを提供する企業では、ユーザー体験を向上させる新機能の開発をしたりします。

自社開発企業の魅力は、自分が開発したものが直接ユーザーに届き、その反応を直接見ることができる点にあります。また、長期的な視点でサービスの成長に関わることができることもやりがいに直結します。自社サービスを育てることに喜びを感じる方や、1つのプロダクトを深く極めたい方に適した働き方です。

SES(客先常駐)のシステムエンジニア

SESとは、自社のエンジニアを他社に派遣して、システム開発のプロジェクトに参加させる事業形態です。SES企業に所属するシステムエンジニアは、クライアント企業のオフィスに常駐し、そのプロジェクトチームの一員として開発業務を行います。1つの企業に属しながら、さまざまな現場のプロジェクトに参加できるため、多様な開発環境や技術に触れながらスキルアップできる魅力があります。

一方で、プロジェクトが変わるごとに職場環境が変わるため、環境の変化が苦手な方にとってはストレスが大きくなる可能性があります。未経験からエンジニアとして経験を積むための入り口として選ばれることも多い業種です。

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4. システムエンジニアの業種・職種の選び方

システムエンジニアの業種や職種にはさまざまな種類があることは前述した通りですが、どのようにして自分に合った道を選べばよいのでしょうか。ここではシステムエンジニアとして働く業種・職種を選ぶ際の3つの観点を紹介します。
 

  • ・自分の興味、適性から選ぶ

  • ・働き方、キャリアパスから選ぶ

  • ・年収、将来性から選ぶ


これらの項目から総合的に考えることで、後悔のない働き方を見つけることができるでしょう。

自分の興味・適性から選ぶ

業種や職種を選ぶ際に最も大切なのは、自分の興味や適性に従うことです。たとえば、モノづくりが好きな方は組み込みエンジニアや製造業界での開発に興味を持つかもしれません。Webサービスやアプリが好きな方は、Webエンジニアや自社開発企業に向いているでしょう。

また、人とコミュニケーションを取ることが得意な方は、クライアントと直接やり取りをするSIerでの仕事に適性があるかもしれません。逆に、1つのことを深く追求することが好きな方は、特定の技術領域に特化したスペシャリストを目指す道もあります。

それぞれの働き方について、業界研究を深めたり、インターンシップ・アルバイトを通じて実際の現場を体験しておくと、自分の適性を把握しやすくなるでしょう。

働き方・キャリアパスから選ぶ

入社後の働き方やキャリアパスも、業種・職種を選ぶ際の重要なポイントです。自社開発企業では、1つのサービスを長期的に育てていく働き方が中心となり、サービスの成長とともに自分も成長できます。一方でSIerでは、多様なプロジェクトを経験することで幅広い知識を身につけ、将来的にはプロジェクトマネージャーやコンサルタントといった上流工程のポジションを目指すことができます。

社内SEなら、自社のビジネスを深く理解し、経営に近い立場でIT戦略を考える役割を担うことができるでしょう。自分が将来どのような立場で働きたいかをイメージし、それに合ったキャリアパスを選ぶことが大切です。

年収・将来性から選ぶ

年収や将来性も、キャリアを選択する上で無視できない要素です。一般的に、大手SIerや金融業界のシステムエンジニアは、比較的高い年収が期待できます。また、自社サービスで成功している企業でも、ストックオプションなどの制度により大きな収入を得られる可能性もあります。

将来性という観点では、AIやクラウド、セキュリティといった成長分野に関わる職種の需要が、今後も高まると予想されています。ただし、年収や将来性だけで選ぶのではなく、自分の興味や適性とのバランスを考えることが重要です。充実したキャリアを築くためには、収入面だけではなく、仕事にやりがいを感じられるかどうかが何よりも大切だからです。

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5. 業種を問わずシステムエンジニアに必要とされるスキル

どの業種や職種を選んでも、システムエンジニアとして働く上で共通して必要とされる基本的なスキルがあります。これらのスキルを身につけることで、どのような環境でも活躍できる人材として、今後の就活を有利に進められるようになるでしょう。
 

  • ・プログラミングスキル

  • ・コミュニケーションスキル

  • ・論理的思考力


ここでは上記3つのスキルを順番に解説しますので、就活を見据えたスキルアップに役立ててみてください。

プログラミングスキル

プログラミングスキルは、システムエンジニアにとって最も基本的なスキルです。システムを実際に動かすためのプログラムを作成するには、プログラミング言語の知識が必要不可欠です。扱う言語は職種や業種によって異なりますが、まずは1つの言語をしっかりと学ぶことが大切です。

たとえば、Web開発ではJavaScriptやPHP、Python、Rubyなどがよく使われ、組み込み開発ではC言語やC++が中心となります。プログラミングの基礎を学ぶことで、プログラムの構造やアルゴリズムを理解する力が身につき、2つ目の言語を学ぶときにも理解が深まりやすくなるメリットがあります。大学でプログラミングの授業がある方は、積極的に授業を取って学習してみましょう。

コミュニケーションスキル

システムエンジニアの仕事は、1人で黙々とプログラムを書くだけではありません。チームメンバーと協力してプロジェクトを進めたり、クライアントの要望をヒアリングしたりと、自分の考えを他者に説明したりする場面が多くあります。

そのためコミュニケーションスキルは、業種・職種を問わず非常に重視されるスキルです。特に専門用語を使わずに技術的な内容をわかりやすく説明する能力や、相手の話を正確に理解する力が重宝されます。

また、チームで開発を進める際には、進捗状況を共有したり、問題が発生したときに早めに相談したりすることも大切です。大学でプレゼンの機会があれば積極的に参加したり、就活対策のためのグループワークで自分の意見を明確に伝える練習をしたりすると、システムエンジニアの選考を有利に進められるでしょう。

論理的思考力

論理的思考力は、IT業界で働くシステムエンジニアに欠かせないスキルです。

システム開発では、複雑な問題を小さな要素に分解し、それぞれを順序立てて解決していくプロセスを辿ります。バグが発生したときには、原因を論理的に推測して特定しなければなりません。そうした場面で論理的思考力があると、効率的にプログラムを設計したり、トラブルに対して適切な対応を取ったりできる利点があるのです。

論理的思考力は、ロジックを組みながらコードを書くプログラミング学習を通じて、自然と身につけることができます。日常生活でも、物事の因果関係を意識したり、より効率的な方法を考えたりする習慣をつけることで、論理的思考力を鍛えることができます。

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6. まとめ

システムエンジニア(SE)には、Web、インフラ、組み込み、セキュリティなど多岐にわたる専門領域があります。働く形態も、SIer・受託開発、自社開発、SESの3つに大別され、それぞれに働き方や魅力が異なります。

自分に合った道を選ぶには、興味や適性だけでなく、キャリアパスや将来性といった多角的な視点での検討が不可欠です。どの領域を目指す場合でも、土台となるプログラミングスキル、論理的思考力、コミュニケーションスキルの3つは共通して求められます。

まずはこれら基本スキルの習得に励みながら、各職種や業種の特徴を深く理解しましょう。自分の理想とする働き方や目標を明確にすることが、納得のいくキャリア形成への第一歩となります。

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