大学生向け|Ruby on Rails入門(環境構築から実行まで)

大学生向け|Ruby on Rails入門(環境構築から実行まで)
多くの有名WEBアプリケーションで採用されているRuby on Rails。IT業界への就職を目指している大学生にとっては、気になる存在ですよね。この記事では、Ruby on Railsの特徴や環境構築方法、簡単な実行例をご紹介します。 また、学生時代にRuby on Railsを学ぶメリットや、学習におすすめの入門書についても解説していきますので、「これからRuby on Railsを習得したい」という方は、ぜひ参考にしてください。

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1. 学生向けに解説|Ruby on Railsってどんなモノ?

まずはRuby on Railsの概要について解説していきます。

Rubyとの違い

Ruby on Railsとは、プログラミング言語である「Ruby」に、Webアプリケーション開発に特化したフレームワークである「Rails」を追加した状態です。

ですから、プログラミング言語としてはRubyです。Ruby on Railsを学ぶ際には、Rubyについても最低限理解しておくことをおすすめします。

Ruby on Railsのメリット

Ruby on Railsは、世界中で利用されている人気の高いプログラミング言語(+フレームワーク)ですが、その理由の1つが「WEBアプリケーションの開発が簡単にできること」です。

例えば、WEBアプリではユーザー登録といった機能が欠かせませんが、Ruby on Railsであれば用意されている機能を使うだけで簡単に実装できます。

また、Ruby on Railsで書かれたプログラムは、シンプルで誰が読んでもわかりやすいという特徴があります。プログラムの読みやすさはメンテナンスのしやすさに直結するため、重要な要素の1つです。

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2. Ruby on Railsのインストール前に知っておきたい基礎知識

Ruby on Railsをインストールする前に、最低限知っておきたい「コマンドプロンプト」と「テキストエディタ」について解説します。

コマンドプロンプトの使い方

Ruby on Railsのインストールや操作では、コマンドプロンプト(Windowsの場合)を多用します。

コマンドプロンプトとは、検索ボックスに「cmd」と打ち込むと出てくる黒い画面のことです。C:\Users\user>などと表示されているはずです(設定によっては異なることもあります)。この黒い画面にコマンド(命令)を打ち込み、エンターを押す事で操作します。

タッチパネルが当たり前の皆さんにとっては不便に感じるかもしれませんが、慣れるとマウスやタッチパネルよりも早く操作できるようになるため、エンジニアには多用されます。

コマンドプロンプトが立ち上がったら、「dir」と入力し、エンターを押してみてください。フォルダやファイルの一覧が表示されるはずです。

なお、コマンドプロンプトを操作していると、特にRuby on Railsのインストール時にはコマンドが終了するまで時間がかかることもあります。そんな時にはコマンドプロンプトをさわらず、再びC:\Users\user>と表示されるまで待ちましょう。

テキストエディタとは

プログラムを書くための道具がテキストエディタです。Windowsであれば「メモ帳」が標準的なテキストエディタとして用意されています。

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3. Ruby on Railsのインストール方法(Windows向け)

それでは、Ruby on Railsをインストールしていきましょう。とはいえ、Ruby on Railsだけをインストールしても動かないので、その他必要なアイテムのインストール方法についても解説していきます。

なお、この方法は2021年8月時点のやり方です。バージョンが変わるとインストール情報も微妙に変わってきますので、その点にはご注意ください。

①まずはRubyをインストール

Ruby on Rails(フレームワーク)を使うためにはRuby(プログラミング言語)のインストールが必要です。その方法について解説していきます。

インストーラーのダウンロード

Rubyのダウンロードサイトを訪れましょう。いくつかのバージョンがあるはずですが、画面の右側に「we recommend that you use the Ruby+Devkit X.X.X」と現時点でのおすすめバージョンが示されているので、それを選べば間違いありません(X.X.Xはバージョンを表す数字)。

なお「WITH DEVKIT」と「WITHOUT DEVKIT」がありますが、「WITH DEVKIT」を選択してください。

 

インストーラーを実行する

「rubyinstaller-devkit-X.X.X-x64.exe」がダウンロードされているはずなので、それを実行しましょう。

「I accept the License(ライセンスを承認します)」というチェックボックスが出てきたらチェックを入れます。あとは「Next」をクリックしていけば大丈夫です。

インストーラーの「Finish」をクリックすると、コマンドプロンプトが立ち上がります。

場合によってはそこに「Which components shall be installed? If unsure press ENTER [1,3]」などと表示されていることがあります。この場合、1,3と入力してエンターを押してください。

表示が「Which components shall be installed? If unsure press ENTER []」となれば何も入力せずにエンターを押しましょう。以上でRubyのインストールが終了です。

②Ruby on Railsをインストール

次はRailsのインストールです。コマンドプロンプトを立ち上げて、

gem install rails


と入力し、エンターを押してください。

画面に文字が沢山表示されますが、それが止まれば、Railsのインストールも終了です。

以上でRubyとRuby on Railsが揃ったのですが、これだけでは動かないのでその他必要なアイテムを揃えていきます。

③bundlerインストール

コマンドプロンプトで
 

gem install bundler


を実行しましょう。bundlerの詳しい説明は省略します。

④Node.jsのインストール

続いてNode.jsをインストールします。まずNodeのサイトからWindows用のインストーラーをダウンロードします。インストーラーの実行後は、デフォルトのまま「Next」を押していけば大丈夫です。

インストール後はパソコンを再起動させておきましょう。Node.jsの詳しい説明は省略します。

⑤yarnのインストール

続いてはyarnのインストールです。コマンドプロンプトで
 

npm install --global yarn


を実行してください。yarnの詳しい説明は省略します。

⑥Webpackerのインストール

最後にWebpackerのインストールを行います。コマンドプロンプトで
 

rails webpacker:install


を実行してください。Webpackerの詳しい説明は省略します。

以上で、Ruby on Railsを動かすための環境が整いました。

 

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4. Ruby on Railsをさわってみよう

インストールが完了したので、さっそくRuby on Railsをさわってみましょう。なお、説明のため、コマンドプロンプトはC:\Users\userと表示されているモノとします。

①アプリケーションの作成

まずはアプリケーションの作成です。「アプリケーションの作成」というと、スマホアプリを作るようなイメージもありますが、そうではありません。Ruby on Railsで開発する1セットが「アプリケーション」と呼ばれます。

コマンドプロンプトで
 

rails new test-app


を実行してください。test-appはアプリケーションの名前で任意のモノで大丈夫です。なお、作成にはそれなりの時間がかかります。

終了すると、C:\Users\user以下に「test-app」フォルダができているはずです。このフォルダ内にあるファイルを編集することで、Ruby on Railsの開発は進みます。

 

②サーバーの立ち上げ

コマンドプロンプトで
 

cd test-app


を実行しましょう。これでtest-appフォルダ以下に移動できます。

次に

rails s

を実行してください。これでサーバーが立ち上がります。試しにWEBブラウザを開き、URLに「http://localhost:3000/」と入力してみましょう。Yai! You’re on Rails
という画面が表示されるはずです。

なお
 

rails s


を実行中は、コマンドプロンプトがさわれなくなります。コマンドプロンプトを使いたい場合、別のコマンドプロンプトを立ち上げてください。

サーバーを終了させるときには、実行中のコマンドプロンプトで「Ctrl」と「c」を同時に押します。これは実行中のコマンドをキャンセルするためのコマンドです。

 

③コントローラーの作成

続いては、コントローラーを作成してみましょう。コントローラーとは、ユーザーからの要求を処理する部分です。

コマンドプロンプトで
 

rails generate controller hello


を実行してください。helloはコントローラーの名前で任意のモノで大丈夫です。

上記を実行するとC:\Users\user\test-app\app\controllers以下にhello_controller.rbというファイルが作成されます。

 

④アクションの作成

テキストエディタでhello_controller.rbを編集して、アクションを作成します。アクションとはユーザーからの要求を処理するためのプログラムのことです。

hello_controller.rbを開くと下記2行が記載されているはずです。
 

class HelloController < ApplicationController
end


それを下記のように書き換えます。

 

class HelloController < ApplicationController
  def hellotest
  end
end


これによってhellotestというアクションが定義されました。

⑤ビューの追加

続いてはビューを追加しましょう。エクスプローラを使ってC:\Users\user\test-app\app\views\helloに移動します。そこで右クリックして「hellotest.html.erb」というファイルを作成してください。
 

テキストエディタでhellotest.html.erbを開き、下記1行を記載し保存しましょう。
 

<h1>Hello!!</h1>

⑥ルーティングの編集

ルーティングの編集を行います。ルーティングとは、URLとアクションを結びつけることです。サイトを訪れたユーザーに対して、どんな処理を実行するのかを指定します。

まずはC:\Users\user\test-app\configにあるroutes.rbファイルをテキストエディタで編集します。
もともとは下記のような内容です。
 

Rails.application.routes.draw do
  # For details on the DSL available within this file, see https://guides.rubyonrails.org/routing.html
end


下記のように1行追加しましょう。

 

Rails.application.routes.draw do
  # For details on the DSL available within this file, see https://guides.rubyonrails.org/routing.html
  get '/hello', to: 'hello#hellotest'
end


/helloというURLを訪れたユーザーに対し、「hellotest」というアクションを実行せよと指定しています。

ファイルを保存した後は、WEBブラウザからhttp://localhost:3000/helloにアクセスしてみてください。

画面上にHello!!と表示されているはずです。これはhellotest.html.erbで定義したモノです。hellotest.html.erbを書き換えると表示内容が変わります。

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5.  大学生がRuby on Railsを学ぶメリットとは

ここでは、大学生がRuby on Railsを学ぶ3つのメリットについて解説していきます。

ITへの理解が深まる

RubyやRuby on Railsは、文法がシンプルで初心者にもおすすめのプログラミング言語です。プログラミングを学習すると、ITに関する知識や理解がグッと深まります。

現代社会においてITを全く使わない仕事はほぼありません。ですから、ITの知識を身につけることで、世の中や仕事に対する理解が大きく深まるはずです。

就職活動のエピソードになる

就職活動のエピソードとして使いやすいこともRuby on Railsを学ぶメリットといえます。

エントリーシートや面接では「学生時代に頑張ったこと」を聞かれることが多いです。部活など特に打ち込んでいたことがあればアピールしやすいですが、「頑張ったことが思い浮かばない」「何を伝えればいいかわからない」という方もいるはずです。

そんなとき、Ruby on Railsなどプログラミング学習に挑戦した経験はよいアピールポイントになります。ITに関する基礎知識があることも伝えられるので、仕事に対する意欲を評価してもらえる可能性があるでしょう。

WEB系企業への道がひらける

就活生に人気のWEB系企業のなかには、入社時点でプログラミングができることが大前提という企業も多いです。Ruby on Railsをマスターしておけば、そういった学生には少しハードルが高い企業に挑戦することも可能です。

ただし、WEB系企業を目指す場合、中途半端な理解や知識ではNGです。Ruby on Railsが「かなり使えるレベル」を目指しましょう。

なお、プログラミングができるというのはあくまでも前提なので、コミュニケーション能力など他のスキルをアピールすることも欠かせません。

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6. 学生向け|Ruby on Rails入門におすすめの本

「できる限りお金をかけずにRuby on Railsを学びたい」という方には、本がおすすめです。ここでは、Ruby on Rails入門におすすめの2冊をご紹介します。

ゼロからわかる Ruby 超入門 (かんたんIT基礎講座)

Ruby on Railsを始めるには、まずはRubyについてある程度の理解が必要です。そこでおすすめなのがこちらの1冊です。もともとは文系大学生向けの講義資料だったそうなので、プログラミングに関する知識がない人でもすんなりと入っていけます。

内容はWindowsにもMacにも対応しているので、Macユーザーにも使いやすい入門書といえます。Rubyをザックリと理解しておけば、Ruby on Railsの理解が大きく進むはずです。

独習Ruby on Rails

独習はプログラミング入門書として人気のシリーズです。説明が丁寧なので、文字通り「独習」でもしっかりと理解しながら学びをすすめていくことができます。また、各単元には練習問題が用意されており、理解度のセルフチェックが可能です。

トータル560ページとかなりボリュームはありますが、それだけに1冊こなすとかなりの知識が身につきます。

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