- 1. 2021年はどうだった?基本情報技術者試験の合格率
- 2. 基本情報技術者試験を受験する層
- 3. 基本情報技術者試験の概要
- 4. 基本情報技術者試験の難易度はどれくらい?
- 5. 基本情報技術者試験に合格するメリット
- 6. 基本情報技術者試験の勉強方法
- 7. まとめ
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1. 2021年はどうだった?基本情報技術者試験の合格率
基本情報技術者試験は経済産業省が認定する国家資格です。「難しい」と感じる人もいるようですが、実際の合格率はどの程度なのか確認していきましょう。
基本情報技術者試験の2009年から2021年までの合格率
2009年春期から2021年春期までの合格率です。
2009年春期:合格率27.4%(受験者数64,544人、合格者数17,685人)
2009年秋期:合格率35.4%(受験者数79,829人、合格者数28,270人)
2010年春期:合格率22.2%(受験者数65,407人、合格者数14,489人)
2010年秋期:合格率23.4%(受験者数73,242人、合格者数17,129人)
2011年春期:合格率24.7%(受験者数58,993人、合格者数14,579人)
2011年秋期:合格率26.2%(受験者数59,505人、合格者数15,569人)
2012年春期:合格率23.7%(受験者数52,582人、合格者数12,437人)
2012年秋期:合格率27.1%(受験者数58,905人、合格者数15,987人)
2013年春期:合格率23.0%(受験者数46,416人、合格者数10,674人)
2013年秋期:合格率22.1%(受験者数55,426 人、合格者数12,274人)
2014年春期:合格率23.9%(受験者数46,005人、合格者数11,003人)
2014年秋期:合格率23.6%(受験者数54,874人、合格者数12,950人)
2015年春期:合格率26.0%(受験者数46,874人、合格者数12,174 人)
2015年秋期:合格率25.6%(受験者数54,347人、合格者数13,935 人)
2016年春期:合格率30.4%(受験者数44,184人、合格者数13,418人)
2016年秋期:合格率23.6%(受験者数55,815人、合格者数13,173人)
2017年春期:合格率22.5%(受験者数48,875人、合格者数10,975人)
2017年秋期:合格率21.8%(受験者数56,377人、合格者数12,313人)
2018年春期:合格率28.9%(受験者数51,377人、合格者数14,829人)
2018年秋期:合格率22.9%(受験者数15,579人、合格者数7,220人)
2019年春期:合格率22.2%(受験者数54,686人、合格者数12,155人)
2019年秋期:合格率28.5%(受験者数66,870人、合格者数19,069人)
2020年秋期:合格率48.1%(受験者数52,993人、合格者数25,499人)
2021年春期:合格率41.6%(受験者数32,549人、合格者数13,544人)
参照元:独立行政法人情報処理推進機構「情報処理技術者試験 情報処理安全確保支援士試験 統計資料」
2020年秋期と2021年春期の合格率が高い理由
上記の合格率を見ると、2020年秋期と2021年春期の合格率は40%台とほかの年と比べて高いことが分かります。
この理由として考えられるのが、2020年春期は新型コロナウイルスの感染対策で試験が中止となったため、次の試験までの準備期間が伸びて秋期の合格率が高くなった可能性です。また、2021年春期の試験はコロナ禍のためか例年に比べて応募者が減少しており、試験への意欲が高い層だけが受験したので合格率が高まったと推測できます。
学生と社会人の合格率は違う?
独立行政法人情報処理推進機構が公表している2019年秋期の試験結果を例にとると、社会人の合格率は29.6%、学生の合格率は29.7%でその差はほとんどありません。
参照元:独立行政法人情報処理推進機構「令和元年度秋期情報処理技術者試験(情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験)の合格者を発表」
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2. 基本情報技術者試験を受験する層
合格率が分かったところで、どのような層が基本情報技術者試験を受験しているかを紹介します。独立行政法人情報処理推進機構が発表している2019年秋期のデータをもとに確認していきましょう。
学生と比べて社会人が多い
受験者数を社会人と学生に分けると、社会人は28,231人、学生は20,761人が試験を受験しており、社会人の受験者がやや多くなっています。
社会人はIT系勤務の人が多い
社会人の勤務先別の受験者数は、IT系企業が21,444人、非IT系企業が6,787人。IT系企業の受験者数が非IT系企業の受験者数を大幅に上回っていることが分かります。
IT系企業では、基本情報技術者試験を研修に取り入れていたり、合格を昇級の条件にしたりすることがあるため、受験者数が多いと推測できます。
参照元:独立行政法人情報処理推進機構「令和元年度秋期情報処理技術者試験(情報セキュリティマネジメント試験、基本情報技術者試験)の合格者を発表」
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3. 基本情報技術者試験の概要
ここからは、基本情報技術者試験で求められる技術水準や試験内容、試験時間・出題形式・出題数について解説します。午前試験の免除制度も説明するので、受験を検討している方は確認してください。
求められる技術水準
独立行政法人情報処理推進機構によると、基本情報技術者試験で求められる技術水準は以下の通りです。
・情報技術を活用した戦略立案ができる
・システムやソフトウェアの設計・開発・運用ができる
つまり、IT技術を通して企業経営や社会システムの課題を解決するための戦略立案に参加する知識、そして実際に信頼性・生産性の高いシステムを開発・運用する技術力が求められます。
ただし、基本情報技術者試験で求められるのはあくまでも「上位者の指導の元」で活動できる技術水準です。
参照元:独立行政法人情報処理推進機構「基本情報技術者試験(FE) ~ ITエンジニアの登竜門 ~」
試験内容
基本情報技術者試験は午前と午後に分かれています。
午前試験の出題範囲
午前試験の出題範囲は以下のとおりです。
【テクノロジ系】
・基礎理論
・アルゴリズムとプログラミング
・コンピュータ構成要素
・システム構成要素
・ソフトウェア
・ハードウェア
・ヒューマンインタフェース
・マルチメディア
・データベース
・ネットワーク
・セキュリティ
・システム開発技術
・ソフトウェア開発管理技術
【マネジメント系】
・プロジェクトマネジメント
・サービスマネジメント
・システム監査
【ストラテジ系】
・システム戦略
・システム企画
・経営戦略マネジメント
・技術戦略マネジメント
・ ビジネスインダストリ
・企業活動
・法務
午後試験の出題範囲
午後試験の出題範囲は以下のとおりです。
①コンピュータシステムに関すること
(1)ソフトウェア・ハードウェア
(2)データベース
(3)ネットワーク
②情報セキュリティに関すること
③データ構造及びアルゴリズムに関すること
④ソフトウェア設計に関すること
⑤ソフトウェア開発に関すること
⑥マネジメントに関すること
(1)プロジェクトマネジメント
(2)サービスマネジメント
⑦ストラテジに関すること
(1)システム戦略
(2)経営戦略・企業と法務
参照元:独立行政法人情報処理推進機構「情報処理技術者試験 情報処理安全確保支援士試験 試験要綱 Ver.4.8 2022年4月の試験から適用(p.25~32,p.33~34)」
最新の情報を確認しよう
基本情報技術者試験は、2020年からプログラミング言語のCOBOLを廃止してPythonを追加したり、出題構成や比率を変更したりと、年によって試験内容を改正する場合があります。
試験を受ける際は最新の情報をチェックしてから対策を立てましょう。
参照元:独立行政法人情報処理推進機構「基本情報技術者試験における出題を見直し」
試験時間・出題形式・出題数
基本情報技術者試験は、午前・午後にそれぞれ150分の試験時間がかかる多岐選択式(午前は四肢択一)の試験です。午前は出題される80問全てに回答する一方、午後は11問の中から5問を選択して回答します。配点は午前・午後それぞれ100点満点で、合格基準は午前・午後それぞれの試験で60点以上をとることです。
参照元:独立行政法人情報処理推進機構「情報処理技術者試験 情報処理安全確保支援士試験 試験要綱 Ver.4.8 2022年4月の試験から適用(p.12,14)」
2020年からCBT形式での受験に
基本情報技術者試験は2019年までは紙試験でしたが、2020年の試験はCBT方式で実施されました。2021年の試験もCBT方式で実施され、今後も新方式での試験が行われると予想されます。
参照元:独立行政法人情報処理推進機構「10月18日(日)実施予定の情報処理技術者試験の2区分を延期し、CBT 方式で実施」
CBT方式とは?
正式名称を「Computer Based Testing」といい、指定された会場でパソコンを使って問題に解答する試験形式です。
基本情報技術者試験の場合、従来の紙試験では受験日が年2回と決まっていましたが、CBT方式では受験日を特定の試験実施期間から選べます。
午前試験免除制度について
基本情報技術者試験の「午前試験免除制度」とは、独立行政法人情報処理推進機構が認定する講座を受講し修了試験に合格するなどの条件を満たした場合に、午前試験が1年間免除される制度です。
午前が免除されると午後試験の勉強に集中でき、合格率を上げられるメリットがあります。
参照元:独立行政法人情報処理推進機構「基本情報技術者試験(FE)の午前試験免除制度のご案内」
関連記事:基本情報技術者は就職に有利?試験内容やおすすめの職種を紹介
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4. 基本情報技術者試験の難易度はどれくらい?
基本情報技術者試験の合格率と概要が分かったところで、「情報処理技術者試験」の中での位置づけから改めて試験の難易度を確認していきましょう。また、難易度が高いといわれる理由や必要な勉強時間も解説します。
情報処理技術者試験の中での位置づけ
基本情報技術者試験は「情報処理技術者試験」の中の一区分です。情報処理技術者試験の中には、ほかにも「ITパスポート」や「応用情報技術者試験」など、基本情報技術者試験を含む13種類の試験があります。
「共通キャリア・スキルフレームワーク」はIT人材のスキルをレベル1~7で定義しており、情報処理技術者試験の各試験はそれぞれレベルが設定されています。その中で、基本情報技術者試験はレベル2に該当する位置づけ。レベル1に該当するITパスポートが「最低限求められる基礎知識」を習得するエントリ試験とされる一方で、レベル2の基本情報技術者試験は「基本的知識・技能」を習得するミドル試験とされています。
ちなみに、レベル3に該当する応用情報技術者試験は基本情報技術者試験と同じミドル試験に分類されており、基本情報技術者試験に合格した後に目指すのがおすすめです。
参照元:
独立行政法人情報処理推進機構「試験区分一覧」
独立行政法人情報処理推進機構「共通キャリア・スキルフレームワーク『高度IT人材の育成を目指して(p.26~27)』」
関連記事:応用情報技術者試験の資格を取得し就職を有利にする方法
基本情報技術者試験の難易度が高いといわれる理由
基本情報技術者試験に対して、「難易度が高い」と感じる人もいます。その理由の一つには、プログラミングスキルが問われることがあるでしょう。プログラミング言語は短時間での習得が難しく、全くのプログラミング未経験者は試験対策に苦戦することがあるようです。
また、基本情報技術者試験は試験範囲が広いのが特徴です。テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系と幅広い知識を勉強する必要があるのも、基本情報技術者試験が難しいといわれる理由の一つかもしれません。
基本情報技術者試験の試験対策はしやすい
基本情報技術者試験の試験範囲は、独立行政法人情報処理推進機構が発表する「試験要綱」で事前に知ることができます。また、過去問も同団体のWebサイトから入手できるため、何を勉強すべきか対策を立てやすい試験です。
加えて、合格者の人数に上限もないため、事前の勉強をしっかりしていれば合格できる難易度の試験といえるでしょう。
必要な勉強時間は人による
基本情報技術者試験に合格するための勉強時間は人によって異なります。目安としては、IT初学者で200時間、ITに関わる仕事をしていてすでにある程度の知識がある人で50~100時間ほどと考えましょう。
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5. 基本情報技術者試験に合格するメリット
基本情報技術者試験に向けた勉強を始める前に、試験に合格するとどんなメリットがあるかも把握しておきましょう。メリットが分かると試験勉強のモチベーションを保ちやすくなるはずです。
IT業界で働く際に活かせる知識・技術が身に付く
基本情報技術者試験の勉強を通して得たプログラミングなどの知識・技術は、そのままIT業界で働く際に活かせます。学生のうちに資格を取得すると、仕事に慣れるまでのスピードを大幅に上げることができるでしょう。
就活に有利になる
IT業界で働くうえで、資格は必須ではありません。しかし、資格を持っていると企業に対して自身のスキルレベルの高さや、結果を得られるまで努力する姿勢をアピールできます。IT業界は一般的に実力主義といわれているため、新卒であってもスキルを証明できると選考で有利になる可能性が高いでしょう。
資格手当を支給する企業もある
基本情報技術者試験は非常に信頼性の高い国家資格であるため、表彰対象試験や推奨資格として認定する企業が増えています。資格を取得すると、基本給にプラスして毎月の資格手当や合格一時金を受け取れる場合があり、収入アップにつながるでしょう。
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6. 基本情報技術者試験の勉強方法
最後に、基本情報技術者試験の勉強方法について解説します。
過去問を解く
基本情報技術者試験は、独立行政法人情報処理推進機構のWebサイトに過去問(問題冊子・解答例・採点講評・配点割合)が無料で公開されています。まずは過去の問題を解き、試験の内容や自身のレベルをしっかりと把握しましょう。
知識が不足している分野、苦手な分野を理解したうえで勉強を進めると効率的です。ただし、上述した通り基本情報技術者試験はIT業界の変化に合わせて試験内容や出題形式を頻繁に変更しているため、現行の試験と過去問の違いについては理解しておく必要があります。
書籍・オンライン学習サイトを活用する
基本情報技術者試験の試験内容を勉強するための書籍・オンライン学習サイトが多数存在しています。自身のレベルに応じたもの、または苦手な分野を集中的に学習できるものを選択して活用すると良いでしょう。ただし、書籍の場合は過去問同様、掲載されている情報が古い場合があるため注意が必要です。
スクールに通う
基本情報技術者試験の試験範囲は広く、IT初学者にとっては難易度も比較的高いです。したがって、過去問や書籍・オンライン学習サイトを使った独学では、なかなかモチベーションを保てない、最後までやりきれる自信がない、という人もいるでしょう。
その場合おすすめの学習方法は、スクールに通うことです。スクールでは試験内容を網羅的に勉強できるカリキュラムが用意されています。分からないことはいつでも指導員に聞けるため、途中で挫折する可能性が減るでしょう。ただし、独学と比較した場合、発生する費用が高額になりがちです。
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7. まとめ
基本情報技術者試験は、IT業界で働くうえで欠かせない基礎的な知識・技能を持っていることを認定する国家資格です。合格率は例年20~30%と高くはないため、IT初学者は十分な対策を行いましょう。
学生のうちに資格を取得しておくと、就活でアピールできるメリットもあるので、過去問やスクールを活用して試験対策を行い受験することをおすめします。
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