システムエンジニアとプログラマーの違いは?仕事・年収・将来性など

本記事では、システムエンジニアとプログラマーの基本的な違いから、仕事内容・年収・適性・必要なスキル、そしてキャリアパスの違いまでを詳しく解説していきます。

- 1. システムエンジニア(SE)とプログラマー(PG)の違いとは?
- 2. システムエンジニアとプログラマーの仕事内容の違い
- 3. システムエンジニアとプログラマーの年収・将来性の違い
- 4. システムエンジニアとプログラマーの適性の違い
- 5. システムエンジニアとプログラマーに必要なスキル・資格
- 6. システムエンジニアとプログラマーのキャリアパス
- 7. まとめ
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1. システムエンジニア(SE)とプログラマー(PG)の違いとは?
システムエンジニアとプログラマーは、どちらもシステム開発に携わる職種ですが、その役割や業務範囲には明確な違いがあります。簡単に言えば、システムエンジニアは開発プロジェクト全体の設計や管理を担当し、プログラマーは実際のプログラムを作成する作業に専念します。この違いは、システム開発の工程における「上流工程」と「下流工程」という概念で理解することができます。
ここではシステムエンジニアとプログラマーの、チーム内での役割やプロジェクトにおける担当工程、そしてプログラミングにかける時間という3つの観点から、両者の違いを具体的に解説します。
チーム内での役割の違い
システムエンジニアは、開発プロジェクトにおいてリーダー的な立場を担うことが多い職種です。クライアントの要望をヒアリングし、チーム全体をまとめながら、プロジェクトを成功に導く役割を果たします。一方のプログラマーは、システムエンジニアが作成した設計書をもとに、実際のプログラムを作成する役割を担います。
チーム内では、システムエンジニアがプロジェクトの方向性を決定し、プログラマーがその指示に従って技術的な実装を行うという関係性にあります。たとえるなら、システムエンジニアは建築における設計士、プログラマーは実際に建物を建てる大工のような存在です。どちらも欠かせない役割ですが、業務の性質や役割は大きく異なるのです。
プロジェクトにおける担当工程の違い
システム開発プロジェクトでは、主に2つの工程によって各業務を分類しています。まず「上流工程」と呼ばれるのが、要件定義・基本設計・詳細設計といった工程で、システムエンジニアが主に担当します。要件定義では、クライアントが何を求めているのかを明確にし、基本設計では全体の構成を決め、詳細設計では具体的な機能や動作を定義します。
一方「下流工程」と呼ばれるのが、プログラミング・テスト・デバッグといった工程で、プログラマーが主に担当します。設計書に基づいてコードを書き、動作を確認し、不具合があれば修正するという作業です。このようにシステムエンジニアは「何を作るか」を決める工程、プログラマーは「どう作るか」を実現する工程を担当すると理解するとよいでしょう。
プログラミングする時間の違い
システムエンジニアとプログラマーの大きな違いの一つが、プログラミングに費やす時間にあります。プログラマーは、業務時間のほとんどをコーディングやデバッグに費やします。一方のシステムエンジニアは、クライアントとの打ち合わせや設計書の作成、プロジェクトの進行管理に多くの時間を使うため、実際にプログラミングをする時間は少ない傾向にあります。企業や案件によっては、システムエンジニアがまったくプログラミングに携わらないこともあります。
「プログラミングが好きで、ずっとコードを書いていたい」という人はプログラマー向き、「人とコミュニケーションをとりながら、プロジェクト全体を見渡したい」という人はシステムエンジニア向きと言えるでしょう。
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2. システムエンジニアとプログラマーの仕事内容の違い
次に、システムエンジニアとプログラマーの具体的な仕事内容について、より詳細にご紹介しましょう。それぞれがどのような業務を日々行っているのかを理解することで、自分がどちらの職種に興味があるかが見えてくるはずです。
システムエンジニアの仕事内容
システムエンジニアの主な仕事は、クライアントの要望をヒアリングして、それをシステムとして実現するための設計を行うことです。要件定義の段階では、クライアントが抱える課題を理解し、どのようなシステムが必要かを明確にします。次に基本設計で、システム全体の構成や機能を決定し、詳細設計では各機能がどのように動作するかを具体的に定義します。これらの設計書は、プログラマーがコードを書く際の指針となります。
また、プロジェクトの進行管理も重要な業務です。予算やスケジュールを管理し、チームメンバーと連携しながら、納期までにシステムを完成させる責任を負います。クライアントとの打ち合わせやプレゼンを手がけることも多く、高いコミュニケーション能力が求められます。
プログラマーの仕事内容
プログラマーの主な仕事は、システムエンジニアが作成した設計書に基づいて、実際のプログラムを作成することです。開発する製品に応じて、JavaやPython、C++といったさまざまなプログラミング言語を使ってコードを書いていきます。単にコードを書くだけでなく、書いたプログラムが正しく動作するかを確認する単体テストや、他の部分と組み合わせて動作を確認する結合テストも行います。
また、プログラムに不具合があった場合にはデバッグ作業を行い、原因を特定・修正します。プログラマーには技術的な深い知識と、細かい部分まで注意を払う正確性が求められます。黙々と作業に集中することが多いため、一人で集中して作業することが好きな人に向いている職種です。
ベンチャー・スタートアップでは兼任する場合も
規模の大きなIT企業の場合、システムエンジニアとプログラマーの役割が明確に分かれていることが一般的です。
しかし、ベンチャー企業やスタートアップでは、チームメンバーが限られているため、一人が両方の役割を兼任することも珍しくありません。たとえば、午前中はクライアントと打ち合わせをして要件をまとめ、午後は自分でコードを書くといった働き方です。
このような環境では、幅広いスキルを身につけることができる反面、業務量が多くなりがちです。働きやすさをとるか、スキルアップと実績づくりがしやすい環境をとるかによって、企業選びを進めると良いでしょう。
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3. システムエンジニアとプログラマーの年収・将来性の違い
システムエンジニアとプログラマーでは、平均年収や将来性にも違いがあります。一般的に、システムエンジニアの方が年収が高い傾向にあり、キャリアアップの選択肢も豊富です。ただし、プログラマーとして高い技術力を持つことで、業界平均を大きく上回る高収入を得ることも可能です。
ここでは両者の平均年収と、それぞれの将来性・需要についても解説します。
平均年収の比較
システムエンジニアとプログラマーの平均年収を比較すると、ほぼ同水準か、ややシステムエンジニアの方が高い傾向にあります。システムエンジニアの平均年収が500万円〜600万円程度、プログラマーの平均年収が400万円〜500万円程度が目安となります。
システムエンジニアの方が年収が高いのは、プロジェクト全体を管理する責任があることや、クライアントとの折衝といった高度なスキルが求められることが背景にあります。ただし、これはあくまで平均的な数字であり、プログラマーでも高い技術力を持ち、需要の高い言語やフレームワークを習得すれば、年収600万円以上を得ることも十分に可能です。
また、フリーランスのシステムエンジニア・プログラマーとして独立することで、さらに高い収入を目指すことも可能です。
将来性・需要の違い
IT業界全体では、長らく人材不足が叫ばれており、現在もシステムエンジニア・プログラマーはどちらも高い需要があります。システムエンジニアは、DX推進やシステム導入を進める企業が増えていることから、今後も安定した需要が見込まれます。特にマネジメント能力やコンサルティング能力を持つシステムエンジニアは、AIが普及する時代でも重宝されることでしょう。
一方でプログラマーについては、AIの発展により一部の単純なコーディング作業が自動化されつつあるものの、複雑なロジックを組んだり、新しい技術を使いこなしたりできる高度なプログラマーの需要は今後も高まり続けるでしょう。
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4. システムエンジニアとプログラマーの適性の違い
続いて、システムエンジニアとプログラマーに対して、求められる適性の違いについてご紹介します。それぞれの職種に向いている人の特徴を知ることで、自分の性格や得意なことを踏まえ、どちらの職種が向いているかを判断しやすくなります。
ここではそれぞれの職種に向いている人の特徴を具体的に紹介しますので、自分に当てはまる項目があるかどうかチェックしてみてください。
システムエンジニアに向いている人の特徴
システムエンジニアに向いているのは、コミュニケーション能力が高く、人と関わることが好きな人です。クライアント企業の要望を正確に汲み取り、それを専門的な概念に翻訳する能力が求められるため、相手の話をしっかりと理解する力が必要です。
また、プロジェクト全体を見渡し、スケジュールや予算を管理するマネジメント能力も重要です。問題が発生したときには、冷静に対処し、チームをまとめる判断力も求められます。論理的に物事を考えることが得意で、複数の業務を同時に進めることが苦にならない人にも適しています。
プログラマーに向いている人の特徴
プログラマーに向いているのは、プログラミングそのものが好きで、技術を深く追求したい人です。一人で黙々と作業に集中することが得意で、細かい部分まで注意を払える人に適しています。バグを見つけて修正する作業は根気が必要ですが、問題を解決したときの達成感を楽しめる人におすすめです。
また、論理的思考力が高く、複雑な処理をシンプルに整理できる能力も重要です。新しいプログラミング言語やフレームワークを学ぶことに抵抗がなく、技術の変化に柔軟に対応できることも求められます。人とのコミュニケーションよりも、技術的な課題に向き合うことに喜びを感じる人に向いている仕事です。
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5. システムエンジニアとプログラマーに必要なスキル・資格
システムエンジニアとプログラマーを比較すると、入社後の業務に必要とされるスキル・資格も異なります。ここでは、それぞれの職種で求められる具体的なスキルと、取得すると有利になる資格について解説します。
特に未経験からの就職を目指す場合には、IT系の資格取得を通じて体系的に基礎知識を学ぶことができるため、積極的にチャレンジしてみてください。
システムエンジニアに必要なスキル・資格
システムエンジニアに求められるスキルとして、まずコミュニケーション能力が求められます。クライアント企業やチームメンバーと円滑に意思疎通を図り、要望を正確に理解する力が必要です。技術的な知識としては、プログラミングの基礎やデータベース、ネットワークといった、IT全般の広範な知識が必要です。
就職する上で役に立つ資格としては、「ITパスポート試験」「基本情報技術者試験」といった国家資格が挙げられます。「プロジェクトマネージャ試験」や「システムアーキテクト試験」を取得できると、将来の転職活動でも有利に働きます。
プログラマーに必要なスキル・資格
プログラマーにとっては、何よりもプログラミング言語の習得が不可欠です。Web系ならHTML/CSSやJavaScript、アプリ開発ならSwiftやKotlinなど、開発する製品に応じて複数の言語を使いこなせることが望ましいです。また、アルゴリズムやデータ構造の知識、デバッグ能力も発揮できると評価が高まります。バージョン管理システムであるGitの使い方や、各言語フレームワークを扱うための知識も求められます。
就活で有利になる資格としては、SEと同様に「ITパスポート試験」「基本情報技術者試験」が挙げられます。また、各プログラミング言語に関する認定資格(Oracle Java認定資格、Python3エンジニア認定基礎試験など)を取得することで、特定の言語に対する専門性をアピールするのも効果的です。
共通して求められるスキル
システムエンジニアとプログラマーの両方に共通して求められるスキルも多いです。具体的には、論理的思考力が挙げられます。複雑な問題を整理し、順序立てて解決策を見つけるスキルは、IT業界で働くなら必須のスキルです。プログラミング言語を扱うスキルも、システムエンジニア・プログラマーどちらにも要求されます。
また、新しい技術を学び続ける姿勢も重要で、IT業界は技術の進化が速いため、常に学習を続けることが求められます。これらのスキルは実務経験を通じても磨かれていきますが、学生のうちから意識的に伸ばしておくと就活を有利に進めることができるでしょう。
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6. システムエンジニアとプログラマーのキャリアパス
最後に、システムエンジニアとプログラマーのそれぞれのキャリアパスについてもご紹介します。
IT業界では一般的に、プログラマーとしてキャリアをスタートし、経験を積んでシステムエンジニアにステップアップするケースが多いです。一方でシステムエンジニアからキャリアをスタートして、プロジェクトマネージャーやITコンサルタントを目指す方もいます。
「未経験から目指すならどちらが良いか」という観点からもキャリアパスを紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
プログラマーからシステムエンジニアへの道
IT業界にチャレンジする人の多くは、まずプログラマーとしてキャリアをスタートし、数年の経験を積んだ後にシステムエンジニアへとステップアップするキャリアパスを歩みます。プログラマーとして実際にコードを書く経験を積むことで、技術的な理解度が深まり、設計の際にも現実的な判断ができるようになるメリットがあるからです。
また、システム開発の下流工程を経験することで、上流工程の設計がどのように実装されるのかを理解しやすくなる利点もあります。プログラマーからシステムエンジニアへのキャリアアップでは、技術力に加えて、コミュニケーション能力やマネジメント能力を身につけておくことも大切です。
システムエンジニアからのキャリアパス
システムエンジニアとして経験を積んだ後は、幅広いキャリアパスを選択可能です。代表的なキャリアとしては、プロジェクトマネージャーとして大規模なプロジェクトの責任者になることです。複数のシステムエンジニアやプログラマーをまとめ、プロジェクト全体を統括する役割を担います。
ほかにもITコンサルタントにキャリアアップして、クライアントの経営課題をITで解決する提案を行う仕事を手がけるケースもあります。技術を極めてスペシャリストとして活躍する道もあるなど、上流工程に携わった経験・実績を活かし、さまざまな働き方を実現できるのが魅力です。
未経験から目指すならどっちが難しい?
未経験からIT業界を目指す場合、一般的にはプログラマーからスタートすることをおすすめします。プログラマーとして習得・スキルアップができるプログラミング言語は、IT業界で働く上での基礎となるため、まずはしっかりとコーディング能力を身につけるのが、長期的なキャリア形成を考える上でも有利になります。
一方でコミュニケーション能力に自信があり、マネジメントに興味がある人は、最初からシステムエンジニアを目指すのも一つの選択肢です。ただし、技術的な理解がないとシステムエンジニアとして活躍するのは難しいため、最低限のプログラミング知識は身につけておく必要があることに注意しましょう。
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7. まとめ
ここまでシステムエンジニアとプログラマーの違いについて、仕事内容・年収・適性・必要なスキル、キャリアパスなど、さまざまな観点から解説してきました。システムエンジニアは上流工程を担当し、設計やマネジメントが主な業務になります。一方でプログラマーは下流工程を担当し、実際のコーディングやテストを手がけることになります。
年収を比較するとシステムエンジニアの方が高い傾向にありますが、プログラマーでも高い技術力を習得することで高収入を狙うことが可能です。システムエンジニアはコミュニケーション能力が高い人、プログラマーは技術志向の人に向いています。
未経験から目指す場合は、まずプログラマーとして基礎を固めてからシステムエンジニアなどのキャリアを目指すと良いでしょう。ここまでの違いを踏まえた上で、自分にとって最適なキャリアプランを作成してみてください。
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