適性検査のWeb-CABとは?テスト形式・合格ライン・対策方法を解説

この適性検査は、プログラマーやSEといった情報処理・システム関連職に求められる能力を測るために作られたものであり、一般的なSPIなどとは少し異なる特徴を持っています。そのため、十分な対策をせずに臨んでしまうと、本来の力を発揮できずに悔しい思いをしてしまう可能性も少なくありません。
本記事では、CAB/Web-CABとは一体どのようなテストなのか、その形式や出題内容、そして効果的な対策方法について、IT業界を目指す就活生向けに詳しく解説します。

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1. 就活で行う適性検査のCABとは?
就活を進める上で「適性検査」は、多くの企業が選考過程に取り入れている重要なステップです。その中でも、特にIT業界を志望する就活生が知っておくべきなのが「CAB(キャブ)」と呼ばれる適性検査です。これは一般的な知名度が高いSPIなどとは異なり、IT業界への適性を測ることに特化して設計されています。
そのため、プログラマーやシステムエンジニアといった専門職を目指す就活生にとっては、避けては通れない関門となることも少なくありません。CABは、単なる学力テストではなく、情報処理能力や論理的思考力といった、技術者として活躍するために不可欠なポテンシャルを評価することを目的としています。
IT業界向けに特化した適性検査
CABは「Computer Aptitude Battery」の略称で、IT業界やエンジニア職への適性を多角的に測定するための検査です。このテストは、プログラマーやシステムエンジニア、Webデザイナーといった職種に就く上で求められる、特有の思考や能力を評価するために開発されました。
具体的には、情報を迅速かつ正確に処理する能力、複雑なルールや法則性を見つけ出す能力、そして論理的に物事を考え、問題を解決に導く能力などが問われます。一般的な教養や知識量を問う問題は少なく、その場で与えられた情報をもとに、いかに効率よく思考して答えを導き出せるかという、ポテンシャル採用を重視するIT業界ならではの選考基準が色濃く反映された内容となっています。
CABの合格ライン
多くの就活生が気になるのが、CABの合格ラインでしょう。しかし、CABの適性検査で企業によって求められる水準は異なり、「何点以上取れば必ず合格」という明確な基準は公表されていません。企業の事業内容や募集している職種の専門性、さらにはその年の応募者数など、さまざまな要因によってボーダーラインは変動します。
ただ、一般的に言われている目安としては、6〜7割程度の正答率が一つの基準とされています。これはあくまで参考値であり、人気企業やより専門性が高い職種の場合は、さらに高いスコアが求められる可能性も十分に考えられます。確実に選考を通過するためには、合格ラインを意識しすぎず、一問でも多く正解できるように万全の対策で臨むことが大切です。
CABとGAB・SPIとの違い
適性検査にはCABの他にも、「GAB(ギャブ)」や「SPI」といった種類があり、それぞれに特徴があります。これらのテストとの最も大きな違いは、測定しようとしている能力の範囲です。SPIが学力や人柄といった、あらゆる職種に共通して求められる基礎的な能力を幅広く測るのに対し、GABは言語能力や計数能力など、特に総合職に求められる実践的な知的能力と思考力を評価します。
一方でCABは、これまで述べてきたように、IT系に特化した適性を測るテストです。そのため出題される問題の傾向も大きく異なり、たとえばCABでは図形の法則性を見抜く問題や、命令に従って処理を進める問題など、プログラミング的な思考力を試すような独特な形式が多く見られます。
自分が志望する業界や職種でどのテストが用いられるかを事前に調べ、それぞれに合った対策を進めることが重要です。
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2. CABの2つのテスト形式
適性検査のCABには、大きく分けて二つの受験形式が存在します。一つは指定された会場へ足を運び、紙の問題冊子とマークシートを使って回答する形式で、もう一つは自宅や大学のパソコンからインターネット経由で受験するWeb形式です。どちらの形式で実施されるかは企業によって異なるため、自分が受ける企業の案内を事前にしっかりと確認しておくことが大切です。
マークシート形式
マークシート形式のCABは、企業が用意した会場やテストセンターで、他の就活生と一緒に一斉に受験するのが一般的です。紙媒体の問題冊子が配布され、解答は鉛筆でマークシートを塗りつぶす形で行います。この形式の大きな特徴は、試験全体の時間配分を自分自身で管理する必要がある点です。問題冊子をめくって全体の問題量や難易度を大まかに把握し、どの問題にどれくらいの時間をかけるかという戦略を立てることが大切です。
Web形式(Web-CAB)
Web形式のCAB、通称「Web-CAB」は、インターネット環境さえあれば、自宅や大学など、場所を選ばずに自分のパソコンで受験できるのが最大の特徴です。指定された期間内であれば自分の都合の良い時間に受けられるため、リラックスした状態で臨みやすいというメリットがあります。
ただしWeb-CABでは、一問ごとに制限時間が設けられていることが多く、自分のペースでじっくり考えるというよりは、スピーディーかつ正確に問題を解き進めていく能力が求められます。
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3. CABで出題される問題の例題
CABの対策を始めるにあたり、まずはどのような問題が出題されるのかを具体的にイメージしておくことが重要です。CABでは主に「暗算」「法則性」「命令表」「暗号」といった分野から、受験者の情報処理能力や論理的思考力を測定する問題が出されます。これらの問題は、一般的な学力試験とは少し毛色が異なり、初見では戸惑ってしまうかもしれません。
しかし、問題の形式や解き方のパターンには一定の傾向があるので、ここで紹介する例題から大まかなイメージを掴んでおきましょう。
暗算:速さと正確性が求められる四則演算
CABの暗算問題は、単純な計算能力だけでなく、限られた時間の中でいかに速く、そして正確に答えを導き出せるかという情報処理能力を測るものです。問題形式は、足し算・引き算・掛け算・割り算が混在した四則演算が中心となります。
たとえば、「87 × 15 - 624 ÷ 12 = ?」といった問題が出題され、複数の選択肢の中から正しい答えを選びます。Web-CABでは電卓が使用できる場合もありますが、マークシート形式では筆算で解かなければなりません。一見すると単純な計算問題ですが、問題数が多く、一問あたりにかけられる時間は非常に短いため、効率的な計算方法を身につけておくことが高得点の鍵となります。
法則性:図形や数列の変化のルールを見抜く
法則性の問題は、複数の図形や記号が、ある一定のルールに従って変化していく様子を提示し、そのルールを見つけ出して次に続く図形を予測する形式です。これはプログラミングにおけるアルゴリズム的思考、つまり物事の規則性やパターンを見つけ出し、それを応用する能力を測ることを目的としています。
たとえば、いくつかのコマに並んだ図形が「回転する」「位置が入れ替わる」「数が変化する」といった複数のルールが組み合わさって変化し、空欄のコマに当てはまる図形を選択肢から選びます。この種の問題を解くコツは、まず変化のパターンを一つひとつ分解して考えることです。「色」「形」「位置」「数」など、どの要素がどのようなルールで変化しているのかを個別に分析し、それらを総合して全体の法則性を導き出すアプローチが有効です。
命令表:指示に従い正確に処理を実行する
命令表の問題は、与えられた複数の命令に従って、図形や文字を処理し、最終的な結果を導き出す形式のテストです。これはシステム開発における仕様書や設計書を正確に理解し、その通りに処理を実行する能力、つまりプログラマーに不可欠な資質を測るための問題と言えます。
たとえば、「図形を右に90度回転させる」「指定された色に変える」「別の図形と入れ替える」といった一連の命令が書かれた表が提示されます。受験者は初期状態の図形に対して、これらの命令を順番に、かつ正確に適用し、最終的にどのような図形になるかを選択肢から選びます。複雑に見える命令でも、一つひとつの指示は単純なので、上から順番に一つずつ着実に処理していくことが正解への近道です。
暗号:対応関係を読み解き情報を変換する
暗号の問題は、ある特定のルールに基づいて、文字や記号が別のものに変換されるルールを読み解き、そのルールを使って別の文字を変換する形式の問題です。情報の中から規則性を見つけ出し、それを未知の状況に応用する論理的推論能力が試されます。
たとえば、「A→C」「B→D」といった変換の例がいくつか示され、その対応関係から「Pはどの文字に変換されるか」といったことを推測します。単純なアルファベットの順番のずれだけでなく、「母音と子音で変換ルールが違う」「特定の文字だけが逆順になる」など、少し複雑なルールが設定されていることもあります。
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4. 就活生向けCABの対策方法
適性検査CABは、付け焼き刃の知識では高得点を狙うのが難しいテストです。しかし、出題される問題の形式には一定のパターンがあるため、事前に対策すれば着実にスコアを伸ばすことが可能です。ここでは多くのIT系志望の就活生が実践している基本的な対策について解説します。
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・問題集や参考書で基礎力を身につける
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・時間配分を意識した模擬試験を繰り返す
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・過去の出題傾向を把握しておく
これらの対策方法に沿って、CAB対策の準備を進めましょう。
問題集や参考書で基礎力を身につける
CAB対策の第一歩は、市販されている問題集や参考書を少なくとも一冊は購入し、繰り返し解くことです。CABはSPIなどと比べて少し特殊な問題が多いため、まずはどのような問題が出題されるのか、その全体像を把握することが重要になります。問題集を解き進める中で、自分がどの分野を得意とし、どの分野を苦手としているのかを客観的に分析しましょう。苦手な分野が見つかったら、そこを重点的に復習することで、効率よく全体の底上げを図ることができます。
問題集・参考書は一度解いて終わりにするのではなく、間違えた問題はなぜ間違えたのか、その原因をしっかりと理解し、解説をじっくり読み込むことが大切です。同じ問題集を何度も繰り返し解き、全ての分野で安定して正解できるようになるまで基礎力を固めましょう。
時間配分を意識した模擬試験を繰り返す
CABは、限られた時間の中で多くの問題を正確に処理する能力が求められるテストです。そのため、問題の解き方を覚えるだけでなく、本番と同じ時間設定で問題を解く練習、つまり模擬試験を繰り返すことが非常に重要になります。
特にWeb-CABでは、一問ごとに制限時間が設けられている場合が多いため、時間を意識するトレーニングは欠かせません。模擬試験を行う際は、ただ時間を計測するだけでなく、一問あたりにかけられる時間を意識しながら、スピーディーに解く練習をしましょう。また、分からない問題は潔くスキップして、まずは確実に解ける問題から手をつけるといった、戦略的な時間配分の感覚も養っていく必要があります。
過去の出題傾向を把握しておく
問題集や参考書での基礎固めと並行して、過去にどのような問題が出題されたのか、その傾向を把握しておくことも有効な対策の一つです。もちろん毎年全く同じ問題が出るわけではありませんが、問題の形式や難易度、頻出するパターンなどには一定の傾向があります。志望する企業が過去にCABを実施している場合は、インターネットの就活情報サイトや先輩からの情報などを活用して、どのような問題が出たのかをリサーチしてみましょう。
特に図形の法則性や命令表、暗号といった分野は、いくつかの典型的なパターンを覚えておくだけで、格段に解きやすくなることがあります。出題傾向を掴んでおくことで学習の優先順位をつけやすくなり、より効率的に対策を進めることができるでしょう。
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5. 適性検査CABを受ける時の注意点
CABの対策を万全に行い、いざ本番に臨むという段階でも、いくつか押さえておきたい注意点があります。試験当日のコンディションやちょっとした準備不足が、思わぬ形で結果に影響してしまうことも少なくありません。
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・受験の1〜2週間前には対策を始める
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・受験環境を想定してPC操作に慣れておく
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・時間切れにならないよう問題の取捨選択をする
ここではCABを受ける直前、そして試験の最中に気をつけるべきポイントを、上記3つの項目ごとに具体的に解説していきます。
受験の1〜2週間前には対策を始める
適性検査の対策は、一夜漬けでどうにかなるものではありません。特にCABは、論理的思考力や情報処理能力といった、一朝一夕では身につきにくい能力を測るテストです。そのため本格的な対策は、受験日の少なくとも1〜2週間前から計画的に始めることをおすすめします。まずは問題集を一通り解いてみて、自分の実力や苦手分野を把握することから始めましょう。残りの期間で苦手な分野を重点的に克服し、時間を計って模擬試験を繰り返すという流れが理想的です。
就活の直前に慌てて詰め込むのではなく、余裕を持ったスケジュールを立ててコンスタントに学習を続けることが、記憶の定着にも繋がり、結果的に高いパフォーマンスを発揮するための鍵となります。
受験環境を想定してPC操作に慣れておく
Web-CABを受験する場合、当日の受験環境を事前に整え、PC操作に慣れておくことが非常に重要です。自宅のパソコンで受けるのであれば、インターネットの接続が安定しているか、静かで集中できる環境が確保できるかを必ず確認しましょう。また、Webテストでは画面の指示に従ってマウスやキーボードを操作するため、普段あまりパソコンを使わない人は、基本的な操作に慣れておくだけでも、当日のプレッシャーを減らすことができます。
特に電卓の使用が許可されている場合は、パソコンの電卓アプリをスムーズに操作できるように練習しておくと良いでしょう。本番と同じような環境で模擬試験を受けてみることで、当日の流れをシミュレーションしながら頭に入れておき、リラックスして試験に臨むことができます。
時間切れにならないよう問題の取捨選択をする
CABは問題数が多く、試験時間が短いため、全ての問題を完璧に解こうとすると時間が足りなくなってしまう可能性が高いテストです。高得点を狙うためには、時間内に一問でも多く正解することが重要であり、そのためには問題の「取捨選択」が鍵となります。試験が始まったら、まずは全体の問題にざっと目を通し、自分が得意な分野や、すぐに解けそうな問題から手をつけていきましょう。
少し考えても解法が思いつかない問題や、計算が複雑で時間がかかりそうな問題は、一度後回しにする勇気も必要です。難しい問題に固執して時間を浪費するよりも、確実に解ける問題を一つずつ積み重ねていくことが、最終的なスコアを向上させるコツです。
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6. まとめ
IT業界を目指す就活生に向けて、適性検査CABの概要から具体的な対策方法、さらには受験当日の注意点に至るまで、幅広く解説してきました。CABは、プログラマーやシステムエンジニアといった専門職に求められる論理的思考力や情報処理能力を測るための、IT業界に特化した適性検査です。一般的なSPIなどとは出題傾向が異なるため、専用の対策が不可欠となります。
まずは市販の問題集を繰り返し解いて基礎力を固め、時間配分を意識した模擬試験で実践力を養うこと、過去の出題傾向を把握しておくことが高得点を獲得するためのポイントです。CAB対策は計画的に学習を進め、当日を想定したPC操作など万全の準備を整えて本番に臨むことで、きっと良い結果に繋がるはずです。
本記事を参考にしながら、IT業界のキャリアを踏み出すためのCAB対策に取り組んでみてください。
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