新卒向け！セキュリティエンジニアの志望動機の書き方を例文つきで解説

• 1.セキュリティエンジニアとは？
• 2.セキュリティエンジニアの志望動機で評価されるポイント
• 3.セキュリティエンジニアの志望動機の書き方・構成
• 4.セキュリティエンジニアの志望動機の例文
• 5.セキュリティエンジニアの志望動機で避けたいNG表現
• 6.まとめ

1.セキュリティエンジニアとは？

そもそもセキュリティエンジニアは、企業や組織が保有する情報資産を、不正アクセスやデータ漏洩、マルウェア感染といったサイバー攻撃の脅威から守る専門家です。ITシステムの設計段階から運用・保守、インシデント発生時の対応まで、情報セキュリティに関する幅広い業務を担います。

現代のビジネスはITシステムなくしては成り立たず、その根幹を支えるセキュリティの役割はますます重要なものとなっています。単に技術的な知識を身につけるだけではなく、国内外の最新の攻撃手法や法規制に関する情報収集、そして何よりも高い倫理観が求められる、社会的責任の大きな仕事と言えるでしょう。

セキュリティエンジニアの仕事内容

セキュリティエンジニアの仕事は多岐にわたりますが、大きく分類すると「企画・設計」「実装」「テスト」「運用・保守」のフェーズに分けられます。企画・設計フェーズでは、安全なシステムを構築するためのセキュリティポリシーの策定や、セキュリティに強いシステムの設計作業を担当します。実装フェーズでは、設計に基づいてファイアウォールの構築やセキュリティ製品の導入・設定を行います。

テストフェーズでは、構築したシステムに脆弱性がないかを擬似的な攻撃を仕掛けて検証し、運用・保守フェーズでは、システムの監視やログ分析を通じて脅威を早期に発見します。万が一、サイバー攻撃などのインシデントが発生した際には、原因調査や復旧作業といった緊急対応を手掛けるのもセキュリティエンジニアの仕事です。

セキュリティエンジニアに求められる人物像

セキュリティエンジニアには、技術的なスキルに加えて、高い倫理観と強い責任感が不可欠です。企業の機密情報や個人情報といった重要なデータを取り扱うため、正義感が強く、ルールを遵守できる誠実な人柄が求められます。また、サイバー攻撃の手法は日々進化するため、常に最新の技術や情報を学び続ける知的好奇心と学習意欲も重宝されます。

インシデント発生時には、目の前のトラブルを冷静に分析し、原因を特定して解決策を導き出す論理的思考力や問題解決能力が必要です。さらに経営層や他部署の担当者に対して、セキュリティリスクや対策の必要性を分かりやすく説明するコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力も、円滑に業務を進める上で重要なスキルとなります。

2.セキュリティエンジニアの志望動機で評価されるポイント

セキュリティエンジニアの志望動機では、単に「セキュリティに興味がある」と伝えるだけでは不十分です。採用担当者は、候補者がセキュリティ分野への深い理解と強い熱意を持っているか、そして自社で活躍できるポテンシャルがあるかを見極めようとしています。ここでは採用担当者が特に注目する3つの評価ポイントを解説します。
 

• ・なぜセキュリティエンジニアなのか？

• ・保有するスキルや知識は十分か？

• ・将来性やキャリアプランとの整合性はあるか？

これらのポイントを押さえて志望動機を作成することで、他のライバルと差別化し、あなたの魅力を最大限にアピールすることができるでしょう。

なぜセキュリティエンジニアなのか？

採用担当者が最も知りたいのは、「数あるIT職種の中で、なぜあなたがセキュリティエンジニアを志望するのか」という点です。この疑問に対して、自分自身の言葉で明確な理由を述べることが、志望動機の根幹となります。たとえば、「社会の安全を守りたい」といった漠然とした理由だけでは、熱意が伝わりにくいでしょう。そうではなく、具体的なきっかけやエピソードを交えて語ることが重要です。

セキュリティに興味を持ったきっかけを志望動機に盛り込むなら、自身の経験と結びつけた身近なエピソードを語ることが効果的です。たとえば、「友人のSNSアカウントが乗っ取られた事件を目の当たりにし、人々を身近な脅威から守る技術に興味を持った」「大学の課題でWebサイトを作成した際、ログイン機能の安全な実装方法を調べるうちに、セキュリティ技術の奥深さに面白さを感じた」といった経験を伝えられると、説得力のある志望動機が生まれます。

一方で、「なんとなく安定してそうだから」といった動機や、「PCがウイルスに感染したことがあるから」という経験だけを話すのは避けましょう。その経験をバネに「自らセキュリティを学び、同じような被害者を減らしたいと考えるようになった」など、ポジティブな行動へ繋がったことを付け加えると好印象です。

保有するスキルや知識は十分か？

セキュリティエンジニアの新卒採用において、企業は候補者に完璧なスキルを求めているわけではありません。しかし、セキュリティ分野の専門職を目指す以上、基礎的な知識や学習意欲を示すことは不可欠です。大学の授業でネットワーク、OS、プログラミング、データベースなどの基礎知識を学んでいるなら、その学習過程を盛り込むのも良いでしょう。

独学で「基本情報技術者試験」「情報セキュリティマネジメント試験」などの資格を取得しておくことも強力なアピールポイントになります。あるいはオンライン学習プラットフォームや書籍を活用して、セキュリティ技術を学んだ経験を客観的に伝えられると、学習意欲が高い学生として高評価を獲得できるでしょう。

将来性やキャリアプランとの整合性はあるか？

採用担当者は志望動機を通じて、目の前の学生が自社で長期的に活躍してくれる人材かどうかを見ています。つまり、あなたのキャリアプランと、企業の事業内容や育成方針が一致しているかどうかが重要な評価ポイントとなるのです。

そのためにもまずは企業研究を徹底的に行い、その企業がどのようなセキュリティサービスを展開し、どのような分野に強みを持っているのかを深く理解しましょう。その上で、「貴社の〇〇という事業に将来性を感じており、そこで私の△△というスキルを活かして貢献したい」「将来的には、〇〇の分野のスペシャリストとして成長し、貴社の技術力向上に貢献したい」など、具体的なキャリアプランを提示することが重要です。

自分の将来像と企業のビジョンを重ね合わせることができれば、入社への強い意欲と、企業への貢献意欲を感じてもらうことができるでしょう。

3.セキュリティエンジニアの志望動機の書き方・構成

ここからはセキュリティエンジニアの志望動機の基本的な書き方・構成について解説します。以下の3つのポイントに沿って紹介しますので、これから志望動機を書くならぜひ参考にしてください。
 

• ・基本構成はPREP法のフレームワーク

• ・これまでの経験とスキルを具体的に伝える

• ・企業の事業内容に貢献する姿勢を示す

一つひとつ順番にご説明します。

基本構成はPREP法のフレームワーク

セキュリティエンジニアに限らず、志望動機の構成としておすすめなのが、「PREP法」というフレームワークです。PREP法は、Point（結論）、Reason（理由）、Example（具体例）、Point（結論）の頭文字を取ったもので、この順番で話を展開することで、聞き手や読み手にとって非常に分かりやすく説明できる構成です。

まず最初に「私が貴社を志望する理由は〇〇です」と結論を述べ、次に「なぜなら△△だからです」とその理由を説明。続いて「たとえば、私は□□という経験を通じて〜」と具体的なエピソードで理由を補強し、最後に「以上の理由から、私は貴社でセキュリティエンジニアとして貢献したいと考えています」と改めて結論を述べて締めくくります。この流れを意識するだけで、志望動機全体の説得力が格段に向上します。

PREP法は志望動機以外にも、ガクチカや自己PRの項目にも応用できるフレームワークなので、ぜひ実践してみてください。

これまでの経験とスキルを具体的に伝える

セキュリティエンジニアの志望動機で説得力を高める上で欠かせないのが、主張を裏付ける「具体例」です。これまでの経験と、そこで得たスキルを具体的に伝えることが特に重要です。新卒の場合は実務経験を持たない方が大半ですが、大学での研究活動、ゼミでの発表、アルバイト経験、あるいは独学で取り組んだことなど、アピールできる経験は必ずあるはずです。

「ネットワーク技術に詳しいです」とだけ書くのではなく、「大学の研究で〇〇というネットワークを構築し、△△という課題を解決した経験から、実践的な知識を身につけました」など、具体的なエピソードを交えて語りましょう。数字や固有名詞を盛り込むと、エピソードの具体性が高まり、より説得力ある志望動機を作ることができます。

企業の事業内容に貢献する姿勢を示す

セキュリティエンジニアの志望動機において、「なぜこの会社でなければならないのか」を伝えることも重要です。そのためには徹底した企業研究が不可欠です。企業のWebサイトや採用ページ、公式SNSなどをチェックして、応募企業の事業内容、強み、企業文化、将来のビジョンなどを深く理解しましょう。

その上で、「貴社の〇〇という独自のセキュリティ技術に感銘を受けました」「社会インフラを支える貴社の事業に、セキュリティの側面から貢献したい」など、その企業ならではの魅力に触れつつ、自分がどのように貢献できるかを伝えます。自分のスキルや経験が、応募企業のどの分野で活かせるのか、どのように役立つのかを示すことで、「自社を深く理解し、本気で入社したいと考えている」という印象を与えることができるでしょう。

4.セキュリティエンジニアの志望動機の例文

ここからは、セキュリティエンジニアの具体的な志望動機の例文を、3つのパターンに分けて紹介します。
 

• ・熱意・学習意欲をアピールする志望動機例文

• ・大学での学び・研究をアピールする志望動機例文

• ・独学・資格取得をアピールする志望動機例文

なお、これらの例文はあくまで一例であり、丸写しするのではなく、あなた自身の経験や言葉に置き換えて、オリジナルの志望動機を作成するための参考にしてください。

熱意・学習意欲をアピールする志望動機例文

私がセキュリティエンジニアを志望する理由は、社会の安全なデジタル化を根底から支えたいという強い思いがあるからです。

大学では法学を専攻しており、ITとは直接関連のない分野を学んでおりましたが、ゼミで個人情報保護法について研究する中で、技術的な対策の重要性を痛感しました。特に、近年のランサムウェア攻撃による医療機関や企業の被害をニュースで目にするたびに、技術の力で人々の生活や財産を守る仕事に強い使命感を覚えるようになりました。 ITスキルは現在学習中ですが、この半年間、基本情報技術者試験の合格を目指して毎日3時間の勉強を続けており、ネットワークやデータベースの基礎知識を習得しました。

業界の中でも貴社を志望するのは、金融や医療といった社会インフラを支える主要企業のセキュリティを数多く手掛けている点に魅力を感じたからです。入社後は一日も早く貴社の戦力となれるよう、持ち前の粘り強さで知識とスキルを吸収し、将来的にはセキュリティアナリストとしてサイバー攻撃の最前線で社会の安全に貢献したいと考えております。

大学での学び・研究をアピールする志望動機例文

私が貴社を志望する理由は、大学での学びを通じて得た課題発見力とセキュリティへの意識を、社会の安全を守る仕事で活かしたいと考えたからです。

大学では「情報社会論」という授業で、過去に発生した大規模な個人情報漏洩事件について調査し、原因や対策、社会に与えた影響について発表する機会がありました。その調査を通じて、便利なサービスの裏側には常に情報漏洩のリスクが潜んでいること、そしてひとたび事故が起きれば多くの人々の生活に深刻な影響を及ぼすことを学びました。同時に、こうした脅威から情報を守るセキュリティ技術の重要性と、その社会的責任の大きさに強い関心を抱くようになりました。

とりわけ貴社では、幅広い業界のクライアントに対してセキュリティコンサルティングを提供し、企業の課題解決に貢献している点に魅力を感じています。授業で培った情報収集能力や課題分析力を活かし、お客様の状況を的確に把握し、最適なセキュリティ対策を提案できるエンジニアとして貴社と社会の発展に貢献したいです。

独学・資格取得をアピールする志望動機例文

私がセキュリティエンジニアを志望する理由は、自ら学んだ知識と技術で、企業の成長をサイバー攻撃の脅威から守りたいからです。

大学では経済学を専攻していましたが、フィンテックに関する授業をきっかけにIT技術、特にセキュリティ分野の重要性に気づき、独学で学習を始めました。当初は書籍や学習サイトで基礎を学んでいましたが、より体系的かつ実践的な知識を身につけたいと考え、2年次には「情報セキュリティマネジメント試験」に合格しました。試験勉強を通じて、サイバー攻撃手法やインシデント管理、各種法規に至るまで、幅広い知識を習得することができました。

貴社を志望したのは、特定の製品に依存しない独立系のセキュリティコンサルティング企業として、顧客に最適なソリューションを提供している点に魅力を感じたからです。貴社に入社後は、資格取得で得た知識を土台としながら、実際のコンサルティング業務を通じて実践的なスキルを貪欲に吸収し、将来的には顧客から信頼されるセキュリティコンサルタントとして企業の経営課題を解決に導く存在になりたいと考えています。

5.セキュリティエンジニアの志望動機で避けたいNG表現

セキュリティエンジニアの志望動機では、内容以外の部分で評価を下げることを防ぐためにも、以下のようなNG表現に注意が必要です。
 

• ・どの企業でも通用する抽象的な理由

• ・積極性・主体性のない受け身な姿勢

• ・年収・福利厚生・待遇ばかりを強調する内容

これらの表現を避けつつ、具体的で説得力のある志望動機を目指しましょう。

どの企業でも通用する抽象的な理由

「社会貢献がしたい」「最先端の技術に触れたい」「成長できる環境で働きたい」といった志望理由は、一見すると聞こえは良いですが、具体性に欠けており、どの企業に対しても言えてしまう内容です。採用担当者は「なぜうちの会社なのか？」を知りたいと考えています。しかしこのような抽象的な理由だけでは、企業研究が不十分であると判断されたり、入社意欲が低いと見なされたりする可能性があります。

セキュリティエンジニアの志望動機では、その企業の事業内容や技術、企業文化といった具体的な要素に触れ、「なぜこの会社でなければならないのか」を明確に伝えることが不可欠です。企業のどの部分に魅力を感じ、自分のスキルや経験をどのように活かして貢献したいのかを、自分の言葉で語りましょう。

積極性・主体性のない受け身な姿勢

「学ばせていただきたい」「ご指導いただきたい」といった表現は、一見すると謙虚な姿勢を示しているように見えますが、採用担当者には「受け身で主体性がない」という印象を与えてしまう危険性があります。企業は学校ではありません。もちろん、入社後の研修制度は充実していますが、企業が求めているのは、自ら積極的に学び、成長し、組織に貢献してくれる人材です。

セキュリティエンジニアの志望動機に盛り込むなら、「学ばせていただく」という姿勢ではなく、「一日も早く知識を吸収し、戦力になりたい」「貴社の〇〇という技術を習得し、△△の分野で貢献したい」というように、自ら能動的に行動し、会社に貢献していく意欲を示すことが重要です。

年収・福利厚生・待遇ばかりを強調する内容

セキュリティエンジニアとしての就職先を選ぶ上で、年収や福利厚生といった待遇面が重要な要素であることは間違いありません。しかし、志望動機の場でそれを前面に押し出すのは避けるべきです。採用担当者は、候補者が仕事内容そのものに興味を持ち、事業に貢献してくれることを期待しています。志望動機で待遇面ばかりを強調してしまうと、「仕事内容には興味がなく、条件さえ良ければ他の会社でも良いのではないか」という印象を与えかねません。

もちろん、企業の安定性や働きやすい環境に魅力を感じるのは自然なことですが、それはあくまで志望動機を補強する要素の一つとして捉えるべきです。まずは仕事内容や事業への興味・関心を主軸に据え、その上で企業の魅力について触れる程度に留めましょう。

6.まとめ

本記事では、新卒でセキュリティエンジニアを目指す学生向けに、採用担当者に評価される志望動機の書き方を評価ポイントから具体的な例文、避けるべきNG表現まで幅広く解説しました。セキュリティエンジニアの志望動機で重要なのは、「なぜセキュリティエンジニアなのか」「なぜこの会社なのか」を、あなた自身の具体的な経験やエピソードに基づいて、論理的かつ情熱的に伝えることです。

この記事で紹介した書き方やフレームワーク、例文を参考に、あなただけのオリジナルな志望動機を作成し、自信を持って選考に臨んでください。

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