- 1. AI(人工知能)について
- 2. 2045年問題とは?
- 3. なぜ2045年なのか
- 4. シンギュラリティが主張される根拠
- 5. 2045年問題によって引き起こされること
- 6. 2045年問題を踏まえた仕事の選び方
- 7. シンギュラリティを踏まえ学生ができること
- 8. AI時代に需要が高まると予測される職業
- 9. まとめ
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1. AI(人工知能)について
AIは、主に人間の能力を補完するために開発されたテクノロジーです。AI技術の発達に伴い、あらゆる作業を自動化できるようになりました。
AI(人工知能)の概要
AIの正式名称は、Artificial Intelligenceです。この名称は1965年にできた造語ですが、何をもってAIとするかの解釈は専門家ごとに異なるため、厳密な定義は定められていません。現時点では、広く人間の思考プロセスと似たプログラムを指す概念として用いられています。
AI技術の研究は1950年代から行われてきました。1950年代後半から1960年代に盛んになった研究が第1次人工知能ブーム、1980年代に盛んになった研究が第2次人工知能ブームと呼ばれています。
2000年代から現在まで続いている第3次人工知能ブームは、情報を元にAI自身が学習するディープラーニングと呼ばれる技術の登場により、研究と実用化が盛んに行われています。
AI(人工知能)の分類
現在AIと呼ばれているテクノロジーは、大きく分けて特化型と汎用型の2つに分類されます。
特化型AIは、特定のタスクのみを処理するAIです。現在実用化に至っているAIはほとんどが特化型AIです。たとえば、プロ棋士より強い将棋AIが開発されていますが、将棋以外の領域に対する思考や検討はできません。このように、一部の分野における思考に特化したAIを特化型AIと呼びます。
汎用型AIは、人間のような意識をもち、総合的な判断ができるAIです。多様な領域に対して自ら思考や検討を行い、対応することが目標とされています。SFに登場するようなAIをイメージすると分かりやすいでしょう。汎用型AIは2022年12月現在、実用化には至っていません。
現在導入されているAI事例
AI技術は、もはや未来の技術ではなく、すでに私たちの身の回りに溢れています。
たとえば、スマートフォンが画像や動画から被写体を認識し、情報を検出する画像認識技術には、AIが活用されています。Siriや音声の書き起こしなどで活用される音声認識、タクシーの到着時間や広告効果を予測する技術も同様です。
現在実用化されているAIのほとんどは、取得したデータや過去のデータを分析する精度が人間に近いレベルだと言えます。
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2. 2045年問題とは?
2045年問題とは、米国における人工知能研究の権威であるレイ・カーツワイル氏の未来に関する予測に由来します。同氏は、2045年にAI(人工知能)が人間の知能を超えると予測し、それに伴って生じる社会への影響や問題を指摘しました。
人工知能が人間よりも賢い知能を繰り返し生み出し、人間を凌駕する現象は「シンギュラリティ(技術的特異点)」と呼ばれます。シンギュラリティにより、人間が予想できない事象が生み出されるのではないかとも言われているようです。
ロボット工学やナノテクノロジー・遺伝子科学といった分野が進歩・融合し、社会や人間のあり方が問われるようになっていきます。イーロン・マスク氏、孫正義氏など、シンギュラリティの影響を指摘する識者も多く見られるようになりました。
シンギュラリティが起きるのか否か、いつ起きるのか、起こるとすればポジティブな影響なのかネガティブな影響なのか、といった議論はいまだ続いています。技術の発展に合わせて理解を深めていくべき問題と言えるでしょう。
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3. なぜ2045年なのか
なぜシンギュラリティが起こる時期が2045年とされているのか。それは、これまでの技術進化に基づいた経験則から導かれています。
ムーアの法則
ムーアの法則とは、米インテル社の創業者の一人であるゴードン・ムーア氏が1965年に発表した半導体技術における進化予測の指標です。
ムーアの法則は、半導体の集積率が18カ月から24カ月ごとに2倍になると定義しています。トランジスタ構造や材料変更など集積回路を微細化するさまざまな発明のおかげで、ムーアの法則は現在まで立証されています。
ムーアの法則が予言したように、今後もメモリチップの容量が拡大し続ければコンピュータの演算能力が人間を超えるとも言われています。ただし、半導体の集積率をこれ以上高めることは物理的に困難だとする専門家の意見もあるようです。
収穫加速の法則
収穫加速の法則とは、アメリカの発明家レイ・カーツワイル氏が提唱した技術進歩に関する法則です。新しい技術の発明がより新しい発明に利用されることで、技術革新に至るまでの期間が短くなり、AIの計算能力が指数関数的に向上すると予測しています。
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4. シンギュラリティが主張される根拠
シンギュラリティが主張される根拠として、近年のAIの発展が挙げられます。以下では、シンギュラリティに影響すると考えられる技術について解説します。
特化型人工知能
特化型人工知能は近年特に注目されている技術であり、囲碁・ゲーム・画像診断などの分野では、人間を超える精度・性能を持つようになったと考えられます。
この発展を支えているのは、ディープラーニング(深層学習)と呼ばれる技術です。データの特徴を自動的に抽出できるため、従来の手法に比べ、大規模・複雑なデータでも効率良く精度の高い予測・判断が行えるようになりました。
汎用人工知能
汎用人工知能はAIが人間と同等、あるいはそれ以上の知能を実現する2045年頃に実現するのではないかと予測されています。コンピューターの性能が加速度的に向上している点や、技術革新のスピードがより早くなっている点を根拠とし、AIの飛躍的な発展が主張されるようになりました。
IoT(Internet of Things)
近年では、自動車から工場に至るまで、あらゆるモノにコンピューターやセンサーが搭載されるようになりました。このような仕組みはIoTと呼ばれ、これまでには実現できなかった高度なシステムの協調が実現できるようになっています。
さらに今は、スマートフォンの普及により、高性能なAIを誰でも気軽に活用できる時代です。今後は完全自動運転のようなアプリケーションも実現され、人間の関与が不要なプロセスが増えていくと考えられます。
ロボット
人工知能の発達を通して、制御できるロボットも発展していくことが予測されています。すでに生産現場では高度なロボットが導入され、人間は少ない管理作業だけで仕事が完結するようになりつつあります。
今後もドローンによる配送などを含め、広い意味でのロボットが社会に大きく関わっていきます。シンギュラリティによって人間の知能を上回るAIが実現されれば、アニメやSFで描かれたようなロボットが導入される可能性さえあるでしょう。
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5. 2045年問題によって引き起こされること
AI技術の発展により、産業構造が変化するという予測があります。本章では、仕事や雇用といった側面から、2045年問題の影響について考察します。
AIによって奪われる仕事と残る仕事
AIの発達により、人間の仕事の一部が代替可能になるという説があります。創造性や協調性が必要な業務は引き続き人間が担う一方、データの分析や体系的操作が求められる職業は人工知能やロボットで代替できるとされます。
雇用の変化
2045年問題の特徴は、これまで知能労働と考えられていた仕事さえも人工知能に代替されうる点です。機械化やロボット化は重労働を軽減するものですが、AIの場合、いわゆるデスクワークと呼ばれる仕事にも影響を与えます。
また、AIの発展により効率化が極度に進み、少ない人員で同じ仕事が完遂できるようになるとの予測も。代替可能性の低い仕事以外では人員が余ってしまい、雇用率が下がるおそれがあります。
実際、AI化が進んだスマートファクトリーでは、すでにロボットがほとんどの作業を行っており、わずかな人員しか必要としていないのが現状です。
労働に対する意識の変化
シンギュラリティによって高度な知能を持つAIが実現できれば、社会を動かすのに必要な仕事は人間が行わなくても済むようになる可能性があります。
つまり、人類は生活費を稼ぐための労働をする必要がなくなってしまいます。無条件に最低限度の所得を支給するベーシックインカムの実現可能性が議論され始めたのも、シンギュラリティが背景にあり、「なぜ働くか」が問われるようになってきたのです。
労働に対する意識が変化するにつれ、人間が行う意義のあるアート・スポーツ・パフォーマンスなどの分野が拡大していく可能性があるでしょう。若い世代からYouTuberやeスポーツで活躍する人が注目を浴びるようになったのも、仕事観に対する変化の現れと捉えることもできそうです。
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6. 2045年問題を踏まえた仕事の選び方
2045年問題が実際に起こるか起こらないかは未来のことなので誰にも分かりません。しかし、現実としてAIがあらゆる作業を行えるようになり始めています。これから社会人として生きるために、世の中がどのように変化するか考えて、仕事を選ぶことはその仕事を長く続けていくうえで重要なポイントです。
AIにできないことを知る
AIには意思がなく欲望や欲求がないため、自らがビジョンやゴールを設定することはできません。また、過去の事例や似た事象に基づいて物事を判断するため、前例がなく論理的に判断できない場面は不得意です。
さらに、AIは知覚を持たないため、触り心地・リラックスした雰囲気・美しさなどの価値観が理解できないとされています。
価値判断をする職業に就く
AIの能力が発達したとしても、物事に対して価値を定義づけるのは人間です。AIが行う業務範囲を決め、価値のあるゴールを設定することでAIが正しく動作します。たとえば、コンサルタントやプロデューサーなどの仕事は価値を定義づける職業と言えるでしょう。
また、価値とは決して値段が高い物だけを指すわけではありません。広がり続ける格差社会なども解決する価値がある問題です。世の中の課題を見つけ、それが解決すべきだと判断するのは人間であるため、社会貢献を重視する企業で働くのも一つの方法です。
人間またはAIを育てる職業に就く
教育の仕事は無くなりにくいとされています。ここで言う教育は学校教育だけでなく、教育産業なども含まれます。AIと協働するような世の中になった時に、どのような人が社会に役立つか、求められる人材になるためにはどうすれば良いのかを身につけさせる仕事は重宝されるでしょう。
また、AIに対しても教育が必要です。AIに対して学習するデータを決める、間違った計算結果をエラーとして認識させるなどの仕事は、むしろこれからの時代に需要が高まると考えられます。
新しい価値をつくる職業に就く
この世に存在しない新しい価値を生み出す仕事は無くなりにくいとされています。クリエイティブ産業のように、何もないところから価値を創出し、人々の生活を豊かにする仕事は重宝されるでしょう。
AI(人工知能)によって生まれる仕事に就く
AIと協働する世の中では、AIを管理・制御する仕事やAIを利用した仕事が生まれます。たとえば、AIの技術を売り込むAIビジネス開発マネジャー、AIやIoTなどのデータを専門的に取り扱うデータ調査官、AR(拡張現実)コンテンツを作成するAR体験クリエイターなどです。
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7. シンギュラリティを踏まえ学生ができること
現在学生のみなさんは、現役世代として2045年を迎えるため、2045年問題の当事者となり得ます。ここでは、大きな変化が見込まれる社会を前に、キャリアに対してどう考え、どのように行動すれば良いのかを見ていきましょう。
産業の歴史について学ぶ
18~19世紀に起きた産業革命でも、機械化の推進によって手工業労働者の職は奪われましたが、機械工業の職は新しく生まれていきました。AIの時代でも同様であり、長期的な視点に立てば、技術の発展によって求められる仕事に増減があるのは当然のことです。
今後、多くの人に需要が高まる産業へ適応する態度が求められるようになると考えられます。仕事が奪われるといった悲観的な言説も叫ばれていますが、1つの見方だけに捉われず、大局的な視点を身につけましょう。
AIを活用できるIT知識を身に付ける
AIと人間を比較する話題や、AIが人間の精度を上回ったというニュースは、頻繁にメディアで取り上げられています。
しかし、ビジネスの現場では、AIと人間は比較する対象ではなく、人間がAIを上手に活用して高い成果を上げる方法が望まれます。具体的には、データ分析やプログラミングに関する知識を得て、積極的にAIを活用できるようにすることなどです。
AIやデジタル化にかかわる事業に取り組む
短期的に見ると、ビジネスの現場はシンギュラリティからほど遠いのが現状であり、仕事を効率化するためデジタル化・IT化を進める余地がまだ残っています。コロナ禍でも明らかになったように、紙で行われているプロセスは多く、AIが活用できていない状況です。
コロナ禍を体験してきた現在の学生は、オンラインで勉強も遊びもこなしてきた世代です。その経験を活かし、これからの社会でデジタル化による新たなアイデアを生み出す人材が現れてくることが期待されます。IT業界を目指す学生は、AIの開発やデジタル化の推進を通し、シンギュラリティを人類に役立つものにできる可能性があります。
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8. AI時代に需要が高まると予測される職業
AI時代に需要が高まると予測される職業はたくさんあります。その中でも3つの職業を例に挙げて見ていきましょう。
AIエンジニア
AIエンジニアは、主にAIの開発・精度向上などを担う技術者です。ITエンジニアと同様に、仕様書や企画書に基づいてAIの開発を行います。AIに特化した専門知識が求められる仕事です。
AIを開発するための言語として現在はPythonが主流であるため、Pythonを使ったプログラミングやデータベースの集積および解析の技術があれば強みとなります。
データサイエンティスト
データサイエンティストは、AIが集積したデータ解析やAIの精度を高める学習と呼ばれる作業を行います。
データ解析では、集積したデータから顧客にとって意味のある情報や課題解決につながる情報を抽出し、レポートを作成します。また、AIが集積したデータはノイズと呼ばれる必要がないデータが含まれていることがほとんど。余計なデータを削除し、精度を高めることもデータサイエンティストの仕事です。
関連記事:新卒でデータサイエンティストになるには?役立つスキルと就活の進め方
データエンジニア
機械学習やAIの分野におけるデータエンジニアは、学習データの作成やデータ管理の基盤の作成を担う職業です。
データ管理の基盤とは、データ集積・加工・分析を行うためのシステムです。基盤ができた後も、エラーが起きずに稼働しているか監視し、エラーが起こった際にはデータエンジニアが対処します。
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9. まとめ
AIが進歩することによって、一部の仕事がAIに代替されるなど産業構造が変化する可能性があると言われています。これから社会人になる学生は、将来の社会の変化に対して、AIを使って新たな価値が提供できるよう柔軟なキャリア選択をすることが必要です。仕事が奪われるといった悲観的な言説に惑わされすぎず、仕事や産業に対する大局観を磨くことが将来の活躍につながるでしょう。
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