
シリコンバレーでエンジニアとして働きたいと考える場合、世界トップクラスの技術力を身につけるだけでなく、ネイティブレベルの英語力、ビザの取得、現地の就職活動など、さまざまな課題をクリアする必要があります。
本記事では、シリコンバレーエンジニアになるには何が必要なのかを解説しながら、得られる年収や具体的なロードマップについてご紹介します。
- 1.シリコンバレーエンジニアとは?
- 2.シリコンバレーエンジニアに必要なスキル・条件
- 3.シリコンバレー転職の具体的なロードマップ
- 4.シリコンバレーエンジニアとして成功するためのポイント
- 5.まとめ
1.シリコンバレーエンジニアとは?
「シリコンバレーエンジニア」とは、一般的にアメリカ西海岸のシリコンバレーで働くIT系のエンジニアのことを指します。マグニフィセント・セブン(M7=Google、Apple、Microsoft、Amazon、NVIDIA、Meta、Tesla)などのビッグテック企業や、新進気鋭のベンチャー企業・スタートアップ企業に勤める世界トップクラスのエンジニアを指して、シリコンバレーエンジニアという言葉が使われることが多いです。
日本人にもシリコンバレーエンジニアとして実績を残す方が増えていることから、近年では国内のエンジニア界隈でも注目されつつある働き方・就職先となっています。
シリコンバレーエンジニアの年収水準
シリコンバレーのエンジニア年収は、日本と比較して圧倒的に高い水準にあります。新卒エンジニアでも年収1,000万円以上は珍しくなく、経験豊富なベテランエンジニアになると年収2,000万円〜5,000万円を超えることもあります。近年の円安や現地の物価高により、さらに高い年収水準となっていることも考えられます。
マグニフィセント・セブンのような大手テック企業では、基本給に加えて株式報酬(RSU)やボーナスが支給され、総報酬額はさらに高額になります。ただし、シリコンバレーは世界有数の高コストエリアでもあり、家賃や生活費も非常に高額です。国内の家賃・生活費の2倍以上のコストがかかるのが基本で、日々の暮らしで高額な出費が必要となるため、実質的な可処分所得はそこまで高額になるわけではありません。
シリコンバレーエンジニアが働く環境と組織文化
シリコンバレー地域の企業文化は、日本の伝統的な企業とは大きく異なります。フラットな組織構造と成果主義、イノベーション重視の社風が根付いており、年齢や経験年数よりも実力と成果が評価されます。多くの企業でリモートワークやフレックスタイム制度が導入されており、ワークライフバランスを重視した働き方が可能です。
また、社内には無料の食堂やカフェ、ジムやマッサージを利用できる施設など、充実した福利厚生が用意されていることが多いです。技術的な環境では、最新の技術・ツールを積極的に導入し、エンジニアが自由に技術を選べる環境が整っています。一方で競合他社との競争が激しく、常に高いパフォーマンスが求められるため、プレッシャーを感じる場面も多くあるでしょう。
シリコンバレーエンジニアのキャリアパス
シリコンバレーでは、エンジニアとしてのキャリアパスが豊富に用意されています。技術的なスペシャリストとして深く専門性を追求する道もあれば、マネージャーとしてマネジメント領域に進む道もあります。スタートアップ企業への転職や起業も活発で、リスクを取って大きなリターンを狙うチャンスも選ぶことができます。
大手企業では、社内転職・異動制度が充実しており、異なる部署やチームに移って幅広い経験を積むことができます。業界全体でのネットワークが広がっているので、カンファレンスなどを通じて他社のエンジニアとの交流や情報交換が盛んに行われています。こうした環境のおかげで、エンジニアとしてのスキルアップ・キャリアアップを同時に実現できるチャンスを得られるのが、シリコンバレーの大きな魅力です。
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
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2.シリコンバレーエンジニアに必要なスキル・条件
シリコンバレーエンジニアとして現地企業に採用されるためには、少なくとも以下の3つの条件が必要となります。
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・プログラミングスキル・IT知識
・英語力とコミュニケーションスキル
・最低限の学歴・実務経験
一つひとつ解説しますので、将来のキャリアプランの参考にしてみてください。
プログラミングスキル・IT知識
シリコンバレーエンジニアには、世界最高水準のスキル・知識が求められます。プログラミング言語についてはPython、Java、JavaScript、Go、Rustなどの主要言語に精通していることが前提条件です。システム設計やアルゴリズムに関する深い理解は必須で、国際資格を通じて豊富なIT知識をアピールするのも有効です。
AWS・GCP・Azureなどのクラウドサービスを扱う実務経験や、Docker・Kubernetesを用いたコンテナ技術なども欠かせません。機械学習やAI分野に進むなら、最新のAIモデルや活用事例、開発支援ツールを使いこなすことも重要になるでしょう。これらのスキル・技術は、単に知識として持っているだけでなく、実際のプロダクト開発で活用した経験が最も重視されます。
英語力とコミュニケーションスキル
シリコンバレーで働くためには、ネイティブレベルの高い英語力が不可欠です。技術的な議論、プレゼンテーション、ドキュメント作成、コードレビューなど、すべての業務が英語で行われるため、高い英語力は必須です。もし英会話に苦手意識がある場合には、コミュニケーションが取りにくい相手だが、それでも採用したい外国人であると、現地企業に評価されるようなアドバンテージがなければなりません。
また、多様なバックグラウンドを持つチームメンバーと連携しながら働く場面が多くなるため、異文化への理解を深め、一人ひとりに配慮したコミュニケーションを取る姿勢が重要です。日本人特有の間接的なコミュニケーションスタイルではなく、直接的で明確な意思表示を行うスタイルが求められることにも注意しましょう。
最低限の学歴・実務経験
シリコンバレーの企業では、エンジニアの学歴よりも実力・成果が重視される傾向がありますが、非常に競争が激しい環境のため、一定の学歴・経験があると有利に働きます。コンピューターサイエンスや電気工学、数学・統計学などの関連分野での学士号以上の学位、大手企業では修士号・博士号を持つ応募者が優遇される場合があります。
なお、学位がなくても優れたポートフォリオや実務経験があれば、採用される可能性は十分にあります。実務経験については、最低3年以上の開発経験を前提としていることが多く、大規模システムの開発経験やチーム開発の経験などが評価されます。オープンソースプロジェクトへの貢献や技術ブログの執筆実績、カンファレンスでの発表経験なども高評価につながるため、将来を見据えて積極的に活動しておくと良いでしょう。
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3.シリコンバレー転職の具体的なロードマップ
ここからはシリコンバレーエンジニアとして転職するまでをゴールとした、新卒・未経験からのロードマップをご紹介します。将来のキャリアプランを作成する時の参考として、役立ててみてください。
シリコンバレーエンジニアになるまでの準備段階
シリコンバレーエンジニアとしての転職を成功させるためには、十分な準備期間が必要です。新卒・未経験からシリコンバレーエンジニアを目標に据えるなら、まずは国内の大手IT企業を目指して就活に取り組み、大規模プロジェクトやチーム開発の経験を多く積める環境に身を置くと良いでしょう。シリコンバレー企業からも要求される3年〜5年ほどの実務経験を積むことができたら、現地企業の求人をチェックして、どのくらいのスキルレベルが求められるのか、役立つ資格や経験がないかをチェックします。
求人探しにおいても英語力は必須なので、プログラミングスキルやIT知識を磨くのと並行して、英語力を伸ばすことも欠かさないようにしましょう。日常会話やビジネスレベルに加えて、技術的な会話にも英語で参加できるだけのスキルを身につけるのが望ましいです。英語力の証明として、TOEFL/IELTSを受験するのも良いでしょう。
また、日々の業務での人脈ネットワークを通じて、海外で活躍するエンジニアとのコネクションを増やすのも効果的です。SNSやポートフォリオサイトは英語で運用し、現地企業の目に留まるような情報発信にも力を入れてみてください。
現地企業への応募・選考
シリコンバレー企業の選考プロセスは、日本と比較して長期間かつ高難度になる傾向があり、選考対策のための情報も少ないので、十分な対策に取り組む必要があります。求人への応募は、オンライン応募またはリファラル(紹介)を通じた応募が一般的で、書類選考ではレジュメ(英文履歴書)とカバーレターを用意することが求められます。
書類選考を通過すると、電話・ビデオ通話での一次面接、コーディングテスト、CTOレベルの幹部との技術面接、エンジニアチームとの顔合わせを兼ねた面接などが行われることが多いです。簡単なアプリを制作して提出するように求められるケースや、「LeetCode」というプラットフォームを通じたコーディング問題が出されるケースもあります。
内定後の手続きにも要注意
内定を獲得した後も、実際に働き始めるまでには多くのハードルを乗り越えなければなりません。内定通知書に当たるファーレターの内容を詳しく確認して、基本給・株式報酬・ボーナス・福利厚生などの条件に齟齬がないかをチェック。必要に応じて給与交渉を行うこともできるので、自信を持って交渉に臨むと良いでしょう。また、アメリカで働くための就労ビザを取得するために、企業と連携しながら申請手続きを進めることも必要になります。
他にも細かな作業として、現職での仕事の引き継ぎ、住まいの契約、子どもがいる場合は学校の入学手続き、ペットがいる場合は検疫の申請など、移住に関わるさまざまな準備を並行して進める必要があります。日本の健康保険の手続き、現地での銀行口座の開設、国際運転免許証の取得など、現地での生活基盤を整える準備も欠かせません。こうした手続きをすべて個人一人で済ませるのは非常に労力がかかるので、海外移住に詳しいエンジニアやコンシェルジュ、転職エージェントのサポートを受けるのが理想です。
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4.シリコンバレーエンジニアとして成功するためのポイント
最後に、シリコンバレーエンジニアとして成功を収めるためのポイントについて、過去に成功を収めている日本人エンジニアの事例を参考に解説します。
成功するシリコンバレーエンジニアの特徴とは?
シリコンバレーで成功した日本人エンジニアの事例を分析すると、いくつかの共通点が存在します。一般的な成功事例の一つは、日本で十分な実務経験を積んだ後、戦略的にスキルアップを図りつつ、シリコンバレーの企業へ転職したケースです。たとえば、国内の大手企業で3年〜5年間のシステム開発経験を積み、その間に英語力を磨き、オープンソースプロジェクトにも貢献した実績のあるエンジニアが、マグニフィセント・セブンに属する企業に転職を成功させるなど。
シリコンバレーのビッグテック企業がよく使用するとされるLeetCodeの問題を毎日解きながら、英語での技術面接に備えるなどの対策が有利に働くでしょう。SNSを通じて積極的に情報発信したり、現地のエンジニアとのネットワークを広げ、リファラル採用(紹介)で入社する道もあります。他にも国内のスタートアップ企業で「ゼロイチ」の経験を積むことで、シリコンバレーのスタートアップ企業への入社を果たすケースもあるため、こうしたキャリアを見据えてみると良いでしょう。
シリコンバレーエンジニア志望者によくある失敗パターン
一方で、シリコンバレーのエンジニア転職で失敗するパターンも少なくないのが現実です。最も多い失敗パターンは、準備不足なまま応募してしまうケースです。技術力は十分だが英語力が足りず、現地企業にとって就労ビザを申請してまで採用したい外国人エンジニアではなかったというパターンが挙げられます。シリコンバレー企業への就職を目指すなら、ビジネスレベルではなく、技術的な議論や質問にも英語で答えられる必要があるため注意が必要です。
また、日本人らしい謙虚で低姿勢な方がそのまま海外の選考を受けると、自分の成果を効果的にアピールできなかったり、積極的に意見を言えなかったりと、どうしても面接官からの評価が下がってしまうこともあります。他にも、生活面では現地の高い生活コストが負担となり、経済的に困窮してしまって国内に出戻りするパターンも考えられます。
シリコンバレーエンジニアになるための戦略
これらの成功事例・失敗事例を踏まえると、シリコンバレーエンジニアを目指すなら、十分な準備期間を確保することが何よりも大切です。最低でも1年、できれば2年以上の準備期間を設けて、技術力・英語力、そして面接対策を徹底的に行うことが求められます。もちろん3年〜5年の実務経験を積んでおくことも欠かせません。
技術面では、単に知識を増やすのではなく、シリコンバレーでも通用するような大規模プロジェクトでの開発経験を積んだり、スタートアップ企業での責任あるポジションを務めたりすることが重要です。
また、海外では人脈・コネクションを通じた採用活動も積極的に行われているので、現地のエンジニアとの接触を図ったり、国内外のエンジニア向けイベントに参加したりするのもおすすめです。シリコンバレーで活躍する日本人エンジニアと知り合いになり、選考対策や英語力向上を含めた転職活動をサポートしてもらえる可能性もあるので、周囲のエンジニアも頼りつつ理想のキャリアパスを歩みましょう。
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5.まとめ
シリコンバレーエンジニアへの道は決して容易ではありませんが、正しく準備して効果的な戦略を立てることで、日本人エンジニアでも就職できるポジションです。国内とは比較にならないほどの高年収や、イノベーションを重視する組織文化、何よりもマグニフィセント・セブンに代表される業界をリードする企業で働けるのが魅力なので、将来のキャリアのゴールとして据える価値のある働き方です。
しかしシリコンバレーエンジニアとして採用されるためには、業界トップクラスの技術力と、ネイティブレベルの英語力、最低限の学歴や実務経験が必要とされます。選考対策においても、コーディング問題への対策や英語を使った面接対策、ビザの準備など乗り越えるべきハードルは数多くあります。
本記事を参考にしながら、自分にとって理想の働き方をぜひ追求してみてください。
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