
本記事では基本情報技術者試験の難易度について、過去の合格率や「科目B」の試験対策、難易度に合わせたおすすめ勉強方法などとともにご紹介します。
- 1.基本情報技術者試験とは?
- 2.基本情報技術者試験の難易度・合格率
- 3.基本情報技術者試験の合格に必要な勉強時間
- 4.基本情報技術者試験の「科目B」の難易度と対策
- 5.基本情報技術者試験を取得するメリット
- 6.基本情報技術者試験の難易度に合わせたおすすめ勉強方法
- 7.まとめ
1.基本情報技術者試験とは?
基本情報技術者試験とは、ITエンジニアの登竜門とも呼ばれる国家資格です。就活で人気の「ITパスポート試験」の上位に位置する資格で、IT業界のエンジニア・プログラマーを目指す方におすすめされることが多い資格です。IT業界で求められる基礎的なIT知識に加えて、プログラミングや情報セキュリティについての実践的なスキルも問われる試験内容となっているのが特徴です。
基本情報技術者試験は、筆記試験ではなくパソコンを使用するCBT方式で実施され、受験資格は設けられていません。従来は年2回の実施でしたが、現在は全国の試験会場で通年受験を受け付けているため、忙しい学業や就活の合間にも取得しやすいメリットがあります。
なお、一つ難易度が低いITパスポート試験との違いは、ITパスポート試験が「ITを利活用するすべての人」を対象としているのに対し、基本情報技術者試験は「ITサービス・製品・システムを開発する人」を対象としている点にあります。ITパスポート試験はどの業界・職種に応募する際にも役立ちますが、基本情報技術者試験はエンジニア・プログラマーを目指す方向けの資格であることに注意しましょう。
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2.基本情報技術者試験の難易度・合格率
基本情報技術者試験は、IT系の国家資格の中ではやや難易度が低めに分類されます。独学でも合格可能な難易度ではありますが、文系出身でIT系初心者の方の中には、資格の専門学校が提供する通信講座などを利用する方も多いです。
IT系初心者の方にとっては、特に午後に行われる「科目B」が鬼門とされています。ここでは基本情報技術者試験の難易度について具体的なデータをもとにご紹介します。
IPAにおけるレベル2の難易度
基本情報技術者試験は、資格を運営するIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)の4段階の難易度のうち「レベル2」に分類されています。
レベル1にはITパスポート試験、同じレベル2には「情報セキュリティマネジメント試験」が当てはまります。レベル3に分類されるのは「応用情報技術者試験」であり、このレベル順にステップアップしながら資格を取得することが、IT系の国家資格を取る方にとっては王道となっています。
ITパスポート試験や情報セキュリティマネジメント試験の試験内容は、基本情報技術者試験と重複する部分も多いため、難易度順に取得するか、もしくは並行して勉強に取り組むと記憶に定着しやすくなる相乗効果が得られるでしょう。
合格率は約40%
基本情報技術者試験の合格率は、40%前後を推移する水準です。令和5年度全体の合格率は47.1%となっており、決して難関資格ではないことがわかります。筆記試験ではなくパソコンを使用するCBT方式であること、通年受験が可能となって受験するハードルが下がったことも一因となって、就活対策として気軽に目指せる国家資格になっています。
初心者には科目Bの難易度が高い
基本情報技術者試験は、午前の科目Aと午後の科目Bの2つの試験に分かれています。特にIT系初心者の方にとって難易度が高く感じられるのが、午後の科目Bです。
科目Bでは擬似言語を使ったプログラミングに関する問題など、IT業界で働くための実践的なスキルが問われるため、実務未経験の方にとっては対策しにくい性質があるからです。基本情報技術者試験は、2023年度に大幅な変更が行われ、過去問を使った対策も難しいことが難易度が高まる一因となっています。
一方で科目Aに関してはITパスポート試験の出題範囲と重複する部分が多く、試験内容の難易度は上がっているものの、ITパスポート試験に合格できた方であれば合格点を取ることは難しくないでしょう。
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3.基本情報技術者試験の合格に必要な勉強時間
基本情報技術者試験の合格に必要とされる勉強時間は、50時間〜200時間程度とされています。情報系学科出身の方など、基礎的なIT知識が備わっている方であれば、50時間以下の勉強時間で試験に合格することも可能です。IT系初心者の方が資格取得を目指すなら、200時間ほどの勉強時間を見積もっておくと安心です。
IT系の基礎知識がある方なら1ヶ月、初心者から合格を目指すなら3ヶ月程度が勉強期間の目安となるでしょう。基本情報技術者試験は通年で試験を実施しており、好きなタイミング・好きな会場の受験日を決めることができるので、これらの勉強時間・勉強期間を参考にしながら試験を受ける日を設定すると良いでしょう。
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4.基本情報技術者試験の「科目B」の難易度と対策
基本情報技術者試験の中でも特に難易度が高いとされるのが、午後に行われる「科目B」の試験です。ここでは科目Bの試験に合格するために押さえておきたい試験範囲や対策についてご紹介します。
科目Bの試験範囲
基本情報技術者試験の科目Bの試験範囲には、「アルゴリズムとプログラミング」「情報セキュリティ」の2つの分野が含まれています。擬似言語を用いたプログラミングに関する問題も出題されるため、基礎的なIT知識を身につけるだけではなく、プログラミングスキルを磨いておく必要があるのが特徴です。また近年ではIT系の国家資格全般において、情報セキュリティを重視した試験内容が行われており、基本情報技術者試験においても2割ほどが情報セキュリティに関する出題となっています。
科目Bで問われるスキル
基本情報技術者試験の科目Bにおいては、一つのプログラミング言語に精通しているだけではなく、プログラミングの本質を理解しているかどうかが問われます。実務経験がない方にとっては難易度が高い内容ではあるものの、適切な試験対策に取り組むことで、入社後のプログラミング作業にもスムーズに取り掛かれるスキルを習得できるでしょう。
また、昨今の情報セキュリティ重視の流れを受けて、不正アクセスやサイバー攻撃から企業の情報資産を守るための、情報セキュリティに関する知見が問われることも理解しておきましょう。
科目Bの合格のための対策
基本情報技術者試験に合格するための効果的な対策として、科目B対策に力を入れることが原則です。科目Bの合格点をクリアできるだけのスキルがあれば、科目Aを含めて基本情報技術者試験に受かるのは難しくありません。基本情報技術者試験の公式サイトでは、サンプル問題・公開問題が掲載されており、科目Bにおいてどのような問題が出題されるのかを事前にチェックすることができます。
これらの問題を参考にしつつ、過去問を解くトレーニングを重ねながら試験対策に取り組むことが、科目B対策では有効です。独学での対策が難しいと感じる場合は、基本情報技術者試験の資格講座を活用してみるのもおすすめです。
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5.基本情報技術者試験を取得するメリット
基本情報技術者試験は難易度が低い資格として、就活では意味がないと言われることがあるのも事実です。しかし基本情報技術者試験を勉強しておくことには、次のようなメリットがあります。
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・ITエンジニアに求められる知識を効率的に学べる
・資格手当による収入アップにつながる
・新卒採用・未経験採用で有利に働く
一つひとつ詳しく解説しますので、資格対策に取り組むかどうかを決める参考にしてみてください。
ITエンジニアに求められる知識を効率的に学べる
基本情報技術者試験は、IT企業で働くITエンジニアに求められる知識を効率的に学べるメリットがあります。市販の入門書などを活用して独学でIT知識を学ぶよりも、国家試験としてITエンジニアに必要な知識を体系的にまとめている基本情報技術者試験を活用した方が、短期間に幅広い知識を習得しやすいメリットがあるのです。
また、基本情報技術者試験の勉強を通じて、ITエンジニアに求められる役割や入社後の仕事内容への理解を深め、就職後のミスマッチを減らせるメリットもあります。特に文系出身でIT系未経験からIT業界を目指す方に有効な資格なので、IT知識を効率的に勉強する手段の一つとして活用してみてください。
資格手当による収入アップにつながる
基本情報技術者試験は、多くのIT企業が資格手当・報奨金を設定している資格でもあります。就活対策として基本情報技術者試験に合格しておくことで、選考で有利になる資格が得られることに加えて、入社後には資格手当のおかげで収入アップにつながるメリットがあるのです。
たとえば月5,000円の資格手当を支給している企業に就職した場合には、年間で6万円の収入アップとなる計算です。基本情報技術者試験の受験料は7,500円(税込)であり、市販の参考書・問題集を活用して独学で合格できれば、費用対効果に優れた資格となります。資格取得を通じて収入アップを叶えたい方は、積極的に受験してみると良いでしょう。
新卒採用・未経験採用で有利に働く
基本情報技術者試験はIT系の国家資格の中では難関資格というわけではありませんが、未経験者を対象とする新卒採用などにおいては、選考を有利に進められる資格となっています。IT系未経験者にとっては難易度の高い試験範囲が含まれていることもあり、初心者から合格するには多大な努力を必要とすることは、企業側の面接官もよく理解しています。
大手企業やメガベンチャーといった強力なライバルが応募する就職先、もしくは経験者採用の中途採用では評価を受けにくいかもしれませんが、一般的なIT企業の新卒採用においては高評価を受けられる可能性が高い資格なので、安心して資格対策に取り組むとよいでしょう。
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6.基本情報技術者試験の難易度に合わせたおすすめ勉強方法
最後に、基本情報技術者試験の難易度に合わせたおすすめの勉強方法についてご紹介します。
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・サンプル問題・公開問題に目を通しておく
・プログラミング言語の習得にも取り組む
・初心者・未経験なら専門学校で学ぶのも有効
なるべく短時間で資格取得を果たせるように、これらの対策をぜひ実践してみてください。
サンプル問題・公開問題に目を通しておく
基本情報技術者試験の対策を始める際には、まずは公式ホームページに掲載されているサンプル問題・公開問題に目を通しておくことがポイントです。本番の試験でどのくらいの難易度の問題が出題されるのかを最初に理解しておくことで、効率的に資格対策に取り組めるメリットがあります。
特に科目Bの問題は、IT系初心者にとっては難易度の高い試験範囲となっているため、独学で勉強するか資格講座を利用するかを早めに判断するためにも、実際に出題される問題をチェックしておくことが大切です。なお、基本情報技術者試験は2023年度に大幅な変更が行われており、試験内容も変更になっているため、現行の試験の過去問が少なく対策が難しい傾向にあります。
そのため資格対策の専門学校が実施している模試を活用したり、出版年月が新しい問題集を活用しながら勉強に取り組むことをおすすめします。
プログラミング言語の習得にも取り組む
基本情報技術者試験の対策に取り組む際には、並行してプログラミング言語の習得に力を入れるのもおすすめです。応募する第一志望にエンジニア・プログラマーとして入社後、業務で必要となるプログラミング言語を学んでおくと、選考で有利になるだけではなく基本情報技術者試験の科目B対策につながるからです。基本情報技術者試験を勉強する際には、資格試験に合格することをゴールとするのではなく、資格を活かして入社後の業務でも活躍できることを目標にすることが大切です。
実践的なプログラミングスキルを身に付けておくことは、資格対策としても選考対策としても役立つので、自分にとって必要なプログラミング言語をリサーチした上で、プログラミング学習にもトライしてみてください。
たとえばWeb系を目指すならHTML/CSSやJavaScript、スマホアプリ開発ならSwiftやKotlinなどが最適です。具体的な志望業界が定まっていない場合には、PythonやJavaなど、汎用性が高くさまざまな現場で用いられている言語を優先的に学ぶことをおすすめします。
初心者・未経験なら専門学校で学ぶのも有効
IT系の初心者・未経験から基本情報技術者試験を学ぶなら、資格対策に強い専門学校で学ぶのも一つの選択肢です。通学もしくは通信講座で基本情報技術者試験の対策に取り組めるコースは豊富で、一人ひとりの都合や勉強スタイルに合わせて学習方法を選択できます。独学と比べると学習費用は高額になりますが、独学で不合格になった結果、再受験のための受験料が発生してしまうことを防げると考えれば、十分合理的な選択肢です。
専門学校のコースや通信講座を利用する最大のメリットは、疑問点を相談できる講師が存在することです。基本情報技術者試験の勉強で困った時には、積極的に講師へ相談しながら学習を進めると、途中で挫折しにくくなるでしょう。
なお、通学で学べる資格講座の場合、受講生が利用する校舎が基本情報技術者試験の試験会場となっていることもあります。通い慣れた校舎で本番の試験を受けられるメリットがあるので、積極的に活用してみましょう。
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7.まとめ
基本情報技術者試験の難易度は、IPAの分類では4段階のうちレベル2に相当し、初心者向け・未経験向けの試験内容となっています。合格率は約40%と、決して難関資格というわけではありません。しかしIT系初心者にとっては、プログラミングや情報セキュリティについての専門知識が問われる「科目B」の難易度が高く感じられるでしょう。
基本情報技術者試験の勉強に取り組むことは、ITエンジニアに求められる知識を効率的に学び、資格手当や報奨金による収入アップを叶えられるメリットがあります。新卒採用・未経験採用では高く評価されやすい資格であり、選考を有利に進められるのも魅力です。
本記事で解説してきた基本情報技術者試験のおすすめ勉強法も参考にしながら、就活対策をスタートしてみてください。
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