アウトソーシング企業とは?就職はやめとけと言われる理由と向いている人の特徴

アウトソーシング企業とは?就職はやめとけと言われる理由と向いている人の特徴
アウトソーシングとは、人手不足やコスト削減といった課題を抱える企業が、自社の一部の業務を他社に委託することを指します。自社では人手不足で業務が回らない事務作業をアウトソーシング企業に委託することで、人員・予算を本業に集中できることが企業側にとってのメリットとなっています。

近年では事務以外の業務内容でもアウトソーシング企業のニーズが高まっており、中でもIT業界のアウトソーシング企業は、慢性的な人手不足に悩むIT企業からの高い需要が見込まれています。

本記事では就職先を探す就活生向けに、アウトソーシング企業に就職するメリットや向いている人の特徴などを解説します。「アウトソーシング企業はやめとけ」と言われる理由についても紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

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1.アウトソーシング企業とは

アウトソーシング企業とは、お客様となるクライアント企業の業務の一部を委託されて取り組む企業のことを指します。たとえばクライアント企業のコールセンター部門がアウトソーシング企業に委託され、コールセンター業務のみを手がけるケースが挙げられます。専門的なスキルが不要な業務内容を担当することが多く、ITシステムの保守・運用やヘルプデスク、IT事務などの業務が任されることが多いです。

近年ではIT業界におけるアウトソーシング企業の需要が高まっており、慢性的な人手不足に陥っているシステム開発の現場にて、プログラミング作業やコーディング作業を担当できるエンジニアのニーズが増えています。システム開発やプログラミングの初心者からでも挑戦しやすい業務が多いことから、未経験からIT業界を目指す方からは高い人気が集まっていることもアウトソーシング企業の特徴です。

なお、アウトソーシング企業で働くITエンジニアは、派遣社員や客先常駐に近い働き方で仕事を担当することになります。採用されたアウトソーシング企業のオフィスではなく、ITエンジニアの人手を求めるクライアント企業のオフィスに派遣されて、客先で業務に取り組むのが一般的です。プロジェクトが切り替わることに派遣される職場が変化し、人間関係もリセットされることから、人によって向き不向きが激しい働き方となっています。

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2.アウトソーシング企業はやめとけと言われる理由

アウトソーシング企業はIT業界でも需要が高まっているビジネスモデルですが、就職先として選ぶのはやめとけと言われることが多いです。アウトソーシング企業に対してネガティブな意見が集まる理由としては、以下の5つが挙げられます。
 

  • ・薄給で激務を任されることが多いから

    ・職場環境・人間関係の変化が大変だから

    ・長期的なキャリア形成で不利になるから

    ・帰属意識が持てずにストレスを抱えるから

    ・AIに代替される可能性が高まっているから


一つひとつ順番にご紹介しましょう。

薄給で激務を任されることが多いから

アウトソーシング企業はやめとけと言われる理由として、薄給で激務を任されることが多い点が挙げられます。アウトソーシング企業はIT業界における下請け業務を中心に担当するため、人手が必要な単純作業を大量に任されつつ、報酬は安くなる傾向にあります。ITエンジニアとしてのキャリアアップにつながる上流工程の仕事を任されることが少ないため、長く勤め続けても給料が上がりにくく、アウトソーシング企業の働き方に不満を抱える方も少なくありません。

未経験からIT業界での幅広い経験を積めるので、ITエンジニアとしての下積みには最適な環境ですが、収入面・待遇面を重視する方にはミスマッチな就職先となっています。

職場環境・人間関係の変化が大変だから

アウトソーシング企業で働くITエンジニアは、担当するプロジェクトごとに派遣される職場が切り替わるため、労働環境や人間関係の変化にストレスを抱えることがあります。慣れた職場で長く勤め続けることができないので、環境の変化が苦手で安定性を求めるタイプの方には不向きな就職先なのです。

担当するプロジェクトの仕事に慣れ始め、派遣先のエンジニアとも良好な関係を築けるようになってきた途端にアウトソーシング契約が終了してしまうことも珍しくありません。職場での人間関係を大切にしたい方にとっても、アウトソーシング企業での働き方は肌に合わないかもしれません。

長期的なキャリア形成で不利になるから

アウトソーシング企業に就職するのはやめとけと言われる理由として、将来の長期的なキャリア形成で不利になることが挙げられます。アウトソーシング企業では、主に現場での人手不足を解消するための単純作業を任されることが多いため、将来のキャリア形成に直結するような上流工程の仕事を経験しにくく、専門的なスキルを磨きにくいのが実情です。一つの分野の業務を担当し続けることは少なく、担当するプロジェクトによってさまざまな仕事内容を担当するため、専門性を磨きにくいのもアウトソーシング企業の特徴です

そのためITエンジニアとしての下積みには適しているものの、長く勤めることで自然とキャリアアップして市場価値の高い人材になれるとは限りません。今後の長期的なキャリア形成を考えるのであれば、ITエンジニアとして上流工程を経験できる環境へ早めに転職する必要があるでしょう。

帰属意識が持てずにストレスを抱えるから

アウトソーシング企業はやめとけと言われる理由の一つに、帰属意識を持ちにくくストレスを抱えやすい点が挙げられます。アウトソーシング企業で働く場合、一つの職場で長く働き続けることはなく、アウトソーシング企業のオフィスに毎日出社することもありません。そのため自分がどの組織に属しているのかが実感しにくくなり、孤独を感じやすくなる傾向にあるのです。チームワークを重視して働きたい方や、職場での人間関係を大切にしたい方にとっては、大きなストレスを抱えやすくなる働き方です。

帰属意識が低下することでモチベーションが低下してしまい、集中して仕事に取り組めなくなる可能性も出てきます。その結果、何度も派遣先を変えることになったり、入社したアウトソーシング企業を早期退職してしまうことも考えられます。仕事に取り組む上でチームでの連帯感や帰属意識といった価値観を大切にしたい方は、アウトソーシング企業を就職先に選ぶのは慎重になった方が良いでしょう。

AIに代替される可能性が高まっているから

アウトソーシング企業はやめとけと言われる理由として、AIに代替される可能性が高まっていることが挙げられます。アウトソーシング企業が主に担当するのは、専門的なスキルが不要な単純作業が中心で、そうした仕事内容はAIに任せることも容易な傾向にあります。現在はアウトソーシング企業に依頼して人の手で取り組んでいる仕事が、ゆくゆくはAIに依頼すれば数秒で完了してしまう可能性も考えられます。

こうした先行きの見通せない状況に不安を感じてしまう方は、アウトソーシング企業に就職するのはやめておいた方が良いかもしれません。アウトソーシング企業に対する需要そのものは増加しているので、明日すぐに仕事をAIに奪われ、仕事を失ってしまうことは考えにくいです。

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3.アウトソーシング企業に就職するメリット

ここからはアウトソーシング企業に就職することで得られるメリットについて、下記の3つを順番にご紹介します。
 

  • ・未経験から経験を積みやすい

    ・さまざまな現場を見て視野を広げられる

    ・残業が少なくワークライフバランスを保てる


それぞれ順番に解説するので、就職先としてアウトソーシング企業を選ぶかどうか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。

未経験から経験を積みやすい

アウトソーシング企業に就職するメリットとして、未経験からでもITエンジニアとしての経験を積みやすいことが挙げられます。アウトソーシング企業では、専門的なスキルを持った少数の人材を求めるというよりも、高いポテンシャルを持った若手の人材を大量に採用する傾向にあります。IT業界未経験の学生を積極的に採用し、自社の充実した教育制度によって一人前のITエンジニアとして育成した上で、クライアント企業に派遣するビジネスモデルの企業が多いのです。

そのためアウトソーシング企業の選考でも、専門的なプログラミングスキルが求められることは少なく、情報系・理系出身でない方であっても内定を獲得できるチャンスがあります。IT業界未経験でプログラミング初心者の方が、ITエンジニアとしてのキャリアを目指すなら、最初の就職先として最適な選択肢の一つです。

さまざまな現場を見て視野を広げられる

アウトソーシング企業で働くITエンジニアは、プロジェクトごとにさまざまな企業の開発現場に派遣されるため、一つのIT企業の開発現場で働くだけでは得られない知見を増やせるのがメリットです。アウトソーシング企業の派遣先には、一般的な新卒採用・中途採用で入るのは難しいとされる大手企業の開発現場も含まれており、アウトソーシング企業に属しながら大手企業のプロジェクトマネジメントや優秀なエンジニアの働きぶりを間近で見られる魅力があります。

派遣先での優秀な成績が認められれば、アウトソーシング企業からの引き抜き・スカウトを打診され、大手企業の正社員として登用される可能性もあります。目指すべき理想のエンジニア像がはっきりと定まっておらず、まずはさまざまな開発現場を見て回って視野を広げたいと考えている方には、アウトソーシング企業は最適な就職先となるでしょう。

残業が少なくワークライフバランスを保てる

アウトソーシング企業で働くITエンジニアは、残業や休日出勤が少なくワークライフバランスを実現しやすいメリットがあります。アウトソーシング企業に入社してクライアント企業に派遣される場合、SES契約と呼ばれる労働時間に対して報酬が支払われる契約を結ぶのが一般的です。SES契約の場合には、決まった労働時間を超えて残業を依頼した場合に追加のコストが発生するため、派遣先の企業では残業・休日出勤を求められるケースが少ないという事情があります。

そのため仕事とプライベートのメリハリをつけながら働くことが可能で、残業が少ない環境で働きたいと考えている方や、ワークライフバランスを重視して働きたいと考えている方に最適な環境となっています。

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4.アウトソーシング企業とSIer・Web系の違い

IT業界におけるアウトソーシング企業の立ち位置は、受託開発を手掛けるSIerや自主開発のWeb系企業と混同されることも少なくありません。ここではアウトソーシング企業とSIer、Web系企業のそれぞれの違いについてご紹介します。IT業界の業界研究や、就職先選びの参考にしてみてください。

アウトソーシング企業とSIerの違い

IT業界ではSIerと呼ばれる、受託開発を専門とする企業が多く存在します。自動車業界や金融業界など、非IT業界のクライアント企業からシステム開発の依頼を受けて、決められた仕様・納期通りに納品するのが仕事です。アウトソーシング企業のITエンジニアの派遣先として最も多い業種でもあります。

SIerは自社でITエンジニアを採用し、企業が構えるオフィスでシステム開発業務に取り組むのに対して、アウトソーシング企業は自社でITエンジニアを採用しながらも、実際に働くのはクライアント企業のオフィスであるという違いがあります。また、担当する仕事内容にも大きな違いがあり、大手SIerであれば上流工程の業務を担当することも多いですが、アウトソーシング企業のITエンジニアは下流工程を任されることが多い傾向にあります。

アウトソーシング企業のWeb系の違い

IT業界におけるWeb系企業とは、クライアント企業の依頼に応じてシステム開発に取り組むのではなく、自社が提供するITサービスの開発に取り組む企業のことを指します。代表的なWeb系企業には、株式会社メルカリ、株式会社リクルートホールディングス、楽天グループ株式会社などが挙げられます。

アウトソーシング企業とWeb系企業では働き方に大きな違いがあり、Web系企業では自由度の高い働き方を実現できる一方で、自社の業績に待遇が左右されるデメリットがあります。Web系企業では自社サービスの開発に必要な特定のスキルしか磨くことができないのに対して、アウトソーシング企業であれば幅広いスキルを習得してIT業界での市場価値を高めることが可能です。

アウトソーシング企業とSIer、Web系企業にはそれぞれメリット・デメリットが存在しますので、それぞれの違いを踏まえた上で自分に合った就職先を見極めることが大切です。

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5.アウトソーシング企業が向いている人の特徴

最後にアウトソーシング企業が向いている人の特徴について、以下の3つの観点からご紹介します。
 

  • ・将来のキャリアプランのために視野を広げたい人

    ・未経験・初心者からIT業界に挑戦したい人

    ・人と接する仕事が好きな人


それぞれ詳しく解説しますので、自分に当てはまる項目があるかどうかをチェックしてみてください。

将来のキャリアプランのために視野を広げたい人

アウトソーシング企業に向いているのは、将来のキャリアプランのためにITエンジニアとしての視野を広げたいと考えている人です。一つのIT企業での開発経験を積むのではなく、アウトソーシング企業に就職してさまざまな開発現場の経験を積むことは、将来のキャリアプランの実現に一役買ってくれます。アウトソーシング企業での経験が、今の仕事・役職に役立っていると感じるITエンジニアも少なくないため、まずは下積みの場としてアウトソーシング企業への就職を目指すのもおすすめです。

未経験・初心者からIT業界に挑戦したい人

IT業界未経験、プログラミング初心者からIT業界に挑戦してみたいと考える方にも、アウトソーシング企業はおすすめです。アウトソーシング企業ではクライアント企業の人手不足解消というニーズに応えるために、ポテンシャルを持った若手人材を積極的に採用する傾向にあります。アウトソーシング企業の選考では、業界経験やプログラミングスキルを問わないケースも多く、初心者から就職しやすいIT企業となっています。アウトソーシング企業での経験を活かして、将来は業界大手のIT企業への転職を目指すなど、明確なキャリアパスを持っている方にもおすすめの就職先です。

人と接する仕事が好きな人

アウトソーシング企業は、人と接することが好きな人にも向いている就職先です。というのも、アウトソーシング企業ではプロジェクトが切り替わるごとに初対面の相手とコミュニケーションを取りながら仕事を進める機会が多いからです。アウトソーシング企業の採用活動でも、高いコミュニケーション能力を持った方を高く評価する傾向にあり、接客業の経験が豊富で人と接するのが好きな方が求められる傾向にあります。アウトソーシング企業では、さまざまな派遣先を渡り歩く中で人脈を広げるチャンスも豊富なので、将来役立つ人脈を構築したい方にも向いています。

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6.まとめ

アウトソーシング企業とは、クライアント企業の業務の一部を委託されて活動する企業のことを指し、アウトソーシング企業で働くITエンジニアは主に客先常駐という働き方で業務に取り組みます。アウトソーシング企業はやめとけと言われることも珍しくないですが、その理由として薄給で激務を任される点や、長期的なキャリア形成に不利になる点が挙げられます。

一方でアウトソーシング企業に就職するメリットとして、未経験からIT業界での経験を積みやすい点や、さまざまな現場を見て視野を広げられる点が挙げられます。本記事で解説してきた、アウトソーシング企業に向いている人の特徴も参考にしながら、自分に合った就職先選びに取り組んでみてください。

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