生成AI活用で聞かれる8つの質問|説明責任を持てているかが評価される【技術面接 集中講座 #5】

先に結論をお伝えすると、面接官が見ているのは「AIを使ったかどうか」ではなく、そのコードに「説明責任を持てるか」です。
この記事では、最初にAI時代にエンジニア職の評価軸がどう変わったのかを整理します。そのうえで、先ほどのジレンマを乗り越えるための、8つの回答の型を解説していきます。

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1. AI時代の技術面接、評価軸はどう変わったか
2026年の今、開発の現場で生成AIを使うことは、もはや前提になっています。だからこそ面接では、使ったかどうかを隠したり、話を盛ったりすることに意味はありません。
問われているのは、AIと「どう向き合っているか」です。評価は使う/使わないの二択ではなく、説明責任をどこまで持てるかというスペクトラムで見られています。
AIに任せてコードを書くスタイルが広がるなか、受かる学生と落ちる学生の差がはっきりしてきました。分かれ目は、AIが出したコードを自分の言葉で語れるかどうかにあります。
面接官がAIを使ったかを聞く本当の意図
面接官がAIについて尋ねるとき、その裏では大きく3つのことを確かめています。順番に見ていきましょう。
1つ目は、AIの出力に対する「説明責任」です。自分のリポジトリにあるコードを、一行ずつ読み解けるかどうかを見ています。
2つ目は、基礎力とAIの掛け合わせです。AIが出したコードを、自分の知識や経験とあわせて実務に使えるレベルまで引き上げられるかが問われます。
3つ目は、AI時代における自分の役割を考えているかです。要件定義や設計、検証といった領域への意識があるかを見ています。
だからこそ、「すべて自力」「すべてAI」だけだと評価は上がりにくいでしょう。前者は時代感の欠如、後者は説明責任の放棄と受け取られるからです。
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2. 生成AI活用で聞かれる8の質問
ここからは、実際に面接官からされることの多い8つの質問を見ていきます。もはや「使っているか」は本題ではなく、「どう使っているか」からが勝負です。
各質問では、「よくあるNGな回答例」「面接官が見ているポイント」「回答の型」の3つで構成します。
▼クリックすると各質問の解説にとべます
質問3|AIが出力したコードを、どう検証・修正していますか?
質問5|ハルシネーション(誤った出力)に、どう対処していますか?
質問6|AIに頼らず自分で実装すべきだと思う領域はありますか?
質問8|AI時代に、エンジニアとしてどう価値を出していきますか?
質問1|AIを使ってコードを書きましたか?
■ よくあるNGな回答例
この質問は、ジレンマで答えがぶれやすいのが特徴です。「使っています」と認めて自走力を疑われるか、「使っていません」と答えて時代感のなさを露呈するか、両極に振れがちです。
「コード補完に使いました」と、表面的な使い方だけを答える人もいます。面接官の好みを察して、その場で答えを変える姿勢は、それ自体が評価を下げてしまいます。
■ 面接官が見ているポイント
面接官は「AIを使っているか」そのものだけではなく、「AIとどう向き合っているか」も聞いています。使う/使わないの二択で答えること自体が、いまや時代遅れの印象を与えます。
見られているのは、使う前提に立ったうえで、自分のスタンスを持っているかです。隠すか盛るかではなく、正直に、自分の使い方を整理して語れるかが分かれ目になります。
■ 回答の型
「使っている」と堂々と認めたうえで、自分の使い方の特徴を語りましょう。「使うか/使わないか」ではなく、「どう使い分けているか」を出発点にします。
▼回答イメージ
Cursorを日常的に使っていますが、用途を区切っています。○○の場面では積極的に任せ、××の場面では自分で書きます。その理由は△△だからです。
質問2|どこまでAIに任せ、どこから自分で書きましたか?
■ よくあるNGな回答例
「ボイラープレートはAIに、ロジックは自分で」と、抽象的な切り分けで答えてしまう人が多くいます。「基本はAIに任せて、動かなかったら直した」という答えは、設計判断のなさが露呈してしまいます。
「境界を意識したことがない」と正直に答えるのも、減点の対象になります。どのファイルやどの関数を任せたのかを、具体的に説明できないケースが目立ちます。
■ 面接官が見ているポイント
ここで見られているのは、AIへの委任を無意識ではなく意図的に行っているかです。AI活用で最も重要なのは、どこを任せ、どこを自分で握るかの判断だからです。
この判断を言語化できない学生は、AIに振り回されているだけだと見なされます。境界の引き方に正解はありませんが、自分なりの判断軸を持っているかが問われます。
■ 回答の型
「判断軸→任せた領域→自分で書いた領域→なぜその境界にしたか」の流れで語りましょう。境界そのものより、境界を引いた理由を明確にすることが大切です。
▼回答イメージ
「自分が理解できる範囲か」を境界にしました。CRUDのボイラープレートやテストのひな型はAIに任せ、認証ロジック・状態管理・パフォーマンス要件のある処理は自分で書きました。後者は仕様変更のときに、深く理解していないと直せないからです。
質問3|AIが出力したコードを、どう検証・修正していますか?
■ よくあるNGな回答例
「動いたら、そのまま使っています」と、動作確認だけで完了させてしまう答えが多く見られます。「AIにレビューしてもらう」という答えは、検証の独立性がない点で弱いといえます。
同じ系統のモデルにレビューさせても、知識の区切りや盲点を共有するため、独立した検証にはなりにくいものです。型エラーや警告が出なければそれ以上は確認しない、という姿勢も見抜かれてしまいます。
■ 面接官が見ているポイント
AI出力に対する検証プロセスを持っているかは、AI時代の最大の評価軸の一つです。「動くか」と「正しいか」は、まったく別の問題だからです。
AIは、もっともらしいが誤ったコードを出すことがあります。それを見抜けるかどうかが実力差であり、検証プロセスを持たない人は、実務でバグを生むリスクと見なされます。
■ 回答の型
「読む→疑う→試す」の検証サイクルを、具体的に語りましょう。一行ずつ意図を読み、エッジケースで疑い、実際に動かして試す、という順番です。
▼回答イメージ
AIが出したコードは、まず一行ずつ読み、外部APIの呼び方や状態の変え方を確認します。次に空文字やnullなどのエッジケースを手で試し、想定外の動作がないか確かめます。残った疑問はAIにも聞きますが、その回答は事後的な正当化になりうるため仮説として扱い、最終的には公式ドキュメントと実行結果で裏を取ってから取り込みます。
質問4|AIが書いたコードの仕組みを説明してください
■ よくあるNGな回答例
この質問は、大きな失敗が起こりやすい場面です。「AIが書いたので詳しくは…」「動くから使いました」と答えた時点で、その場で評価が決まってしまいます。
付け焼き刃で説明を試みても、深掘りされれば破綻します。AIを使って開発している学生が詰まりやすい質問であり、面接官もそれを承知で掘ってきます。
■ 面接官が見ているポイント
見られているのは、AIに書かせたコードでも、自分が責任を持って説明できるかです。AIを使うこと自体は減点ではありませんが、自分のコードを語れないことは大きなマイナスになります。
「動いたから採用した」は、実務では「仕様を理解せずにマージした」ことと同じ意味になります。これは、現場で最も嫌われる姿勢の一つです。
■ 回答の型
「AI出力→理解のプロセス→自分の言葉での説明」の3段階で語りましょう。AI由来であることを隠さず、そのうえで理解度を示すのが王道です。
▼回答イメージ
この認証ロジックはAIが書いたものですが、採用前に一行ずつ読みました。特に、署名の検証がされているか、許可アルゴリズムが固定されているか(alg=noneやアルゴリズム混同攻撃を防げているか)、有効期限(exp)・aud・issを検証しているかを、公式ドキュメントと照らし合わせました。
さらに一段上を狙うなら、面接前にそのコードを自分で一度書き直しておくと良いでしょう。「読んだだけ」ではなく「自分で再現できる」状態が一番安心です。
質問5|ハルシネーション(誤った出力)に、どう対処していますか?
■ よくあるNGな回答例
「動かなかったら直す」と、動作ベースでしか検出できないと答えてしまう人がいます。ハルシネーションは、構文的には動いてしまうコードとして紛れ込むことがある点を見落としています。
そのため、存在しないAPIや関数を呼ぶコードを、見抜けないリスクがあります。ハルシネーションを、単なる動作不良としか捉えていないのです。
■ 面接官が見ているポイント
ここで見られているのは、AIの限界を理解したうえで使えるかです。大規模言語モデルは、次に来る確率の高い言葉を選ぶ仕組みで動いています。
そのため、出力の真偽そのものを検証する仕組みは持っていません。もっともらしいが事実と異なるコードを「動くから問題ない」で済ませる人は、実務で誤解や事故を連発すると見なされます。
■ 回答の型
「ハルシネーションの典型パターン→自分の対処策」の流れで語りましょう。なお「動くが要件と違う」のは仕様の取り違えであり、ハルシネーションとは切り分けて考えます。
▼回答イメージ
存在しないAPIメソッドや古い書き方を、もっともらしく出してくるハルシネーションがあります。対処として、外部ライブラリのメソッドは必ず公式ドキュメントで存在を確認し、バージョン依存の書き方はlockfileや実際にインストールされた版と照らし合わせるようにしています。
質問6|AIに頼らず自分で実装すべきだと思う領域はありますか?
質問2が「いまのプロジェクトでの線引き」を問うタスク軸の質問なら、この質問は「自分のキャリアでの線引き」を問う成長軸の質問です。
■ よくあるNGな回答例
「全部AIに任せていいと思います」と極端に振れるか、「セキュリティとか…」と漠然と答えるかのどちらかになりがちです。「自分で書くべき領域を考えたことがない」と答えてしまう人もいます。
■ 面接官が見ているポイント
見られているのは、AIへの過度な依存を自覚し、自分の核となる能力を意識しているかです。すべてをAIに任せると、エンジニアとしての成長が止まると理解しているかが問われます。
任せる/任せないの境界は、「将来も価値を出し続けるために、どこを自分で握るか」という戦略でもあります。
■ 回答の型
「自分の成長軸→任せない領域→その理由」の流れで語りましょう。自分のキャリアへの意識まで見せられると、一段上の評価につながります。
▼回答イメージ
設計判断と、新しい技術の最初の素振りは自分で書きます。設計はビジネス文脈や非機能要件を踏まえる必要があり、AIには判断材料が足りません。新技術は、AIに任せると「使った気」になるだけで、本質的な理解が積み上がらないからです。
質問7|AIの使い方で、意識していることはありますか?
■ よくあるNGな回答例
「プロンプトを具体的に書く」「英語で書くと精度が上がる気がする」と、経験則のレベルで答えてしまいがちです。「特に工夫していません」という答えは、AIを雑に使っている印象を与えます。
プロンプトのテクニックは断片的に語れても、実際の開発でAIとどう対話しているかまでは語れない、というケースが目立ちます。
■ 面接官が見ているポイント
見られているのは、AIとの日常的な対話を、意図を持って行えているかです。単発のプロンプトより、聞き方・受け取り方・次の一手までの流れを工夫できているかが重要になります。
AIを一貫した品質で使いこなせる人は、実務でAIを日常的に扱う場面で、頼れる戦力になります。
■ 回答の型
自分のAIとの対話の原則を、3つほどに絞って語りましょう。なぜその聞き方に至ったのかまで説明できると、再現性のある使い手だと伝わります。
▼回答イメージ
3つ意識しています。1つ目は、必要な前提を最初にまとめて渡すこと。2つ目は、一度で完璧を求めず、「他の選択肢は?」「この書き方の弱点は?」と対話で詰めていくこと。3つ目は、回答を鵜呑みにせず、バージョンや非推奨APIは必ず公式ドキュメントで確認することです。
質問8|AI時代に、エンジニアとしてどう価値を出していきますか?
■ よくあるNGな回答例
最も答えが定まりにくい質問です。「AIにできないことをやります」と漠然と答えるか、「設計や上流をやりたい」と表層的に答えるかのどちらかになりがちです。
「正直、不安です」と答えてしまう人もいます。AI時代の自分の役割を、本気で考えた経験がないことが、そこで露呈します。
■ 面接官が見ているポイント
これは技術質問ではなく、キャリア論の質問です。面接官は、この学生が5年後・10年後も成長し続けるかどうかを見ています。
「AIは脅威だ」という漠然とした不安ではなく、「AIをどう使い、自分の価値をどう作るか」という主体的な視点が求められます。
■ 回答の型
「AIで代替されにくい領域→自分が伸ばしたい力→具体的な行動」の流れで語りましょう。「考えている」だけでなく「動いている」ことを示すのが鍵になります。
▼回答イメージ
AIは、定型的で確立されたパターンのあるコードには強い一方、正解を作る上流の判断にはまだ弱いと考えています。要件定義や設計判断、テストの妥当性検証に注力したいので、ポートフォリオでも要件定義書を自分で書いてから実装に入る習慣をつけています。
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3. 「使った/隠す」の二択を超える、AI活用の語り方
ここで、最大のジレンマ「使ったと言うべきか、隠すべきか」に正面から答えます。結論は、使ったことを堂々と認めたうえで、次の3つを語ることです。
堂々と認めたうえで語るべき3つのこと
1つ目は、何を任せ、何を握ったかの境界です。「すべてAI」や「すべて自力」だけだと評価が下がるため、判断軸を持っていることが「使った/使っていない」を超える鍵になります。
2つ目は、AI出力を自分のコードに昇華するプロセスです。「AIが生成したコードを、自分の知識や経験とあわせて実際に使えるレベルにしていく」というスタンスをとり、AIは出発点でありゴールではないと示します。
3つ目は、AI時代の自分の役割への意識です。「AIに任せられない領域」を自分の言葉で定義できることは、技術論であると同時にキャリア論でもあります。
避けたい3つのトーン
同じ「使った」でも、トーン次第で印象は大きく変わります。次の3つのトーンは避けたいところです。
・「AIで効率化しました!」という誇示型:自走力がなく、思考停止に見える
・「AIは補助的に使っただけです」という言い訳型:隠す姿勢と自信のなさが出る
・「使う/使わないは状況次第」という曖昧型:判断軸がなく、芯がないと映る
推奨は「使った前提+自分の判断軸」
おすすめは、事実→判断軸→プロセスの順で、淡々と語るトーンです。次のように整理して伝えます。
「Cursorは日常的に使っています。境界として○○を意識し、出力は△△のプロセスで検証しています」
誇示も言い訳もせず、自分の使い方を整理して伝えることが、面接で信頼される語り方です。
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4. 日常でつくるべき4つの習慣
AIの質問は、型の暗記だけでは乗り切れません。だからこそ、日々の習慣が勝負を分けます。ここでは、面接前夜では間に合わない、日常で積む準備を4つ挙げます。
習慣1:取り込む前に、必ず自分の目で読み解く
AIが出したコードをそのまま使わず、最低でも一行ずつ意図を理解するまではやりましょう。「動いたから採用する」ではなく、「読んで納得したから採用する」姿勢を習慣にします。
習慣2:鵜呑みにせず、自分で調べて考える
AI出力を受け取ったら、「これは本当に正しいのか」を自分で調べる癖をつけましょう。公式ドキュメントで確認し、動作をテストし、別の書き方と比較する、というサイクルを日常で回します。
AIに「なぜこの書き方か」と聞くのも有効ですが、その回答もまた検証の対象です。AIを含めた複数の情報源から、最後は自分で結論を出すスタンスを持ちましょう。
習慣3:うまくいったプロンプトを記録する
うまく機能したプロンプトを、日ごろから記録しておきましょう。プロンプトは再利用できる資産であり、自分のプロンプト集を持つこと自体が、AIを構造的に使っている証拠になります。
習慣4:「AIを使わない時間」を確保する
毎週決まった時間、AIを使わずに小さなコードを書く時間をつくりましょう。基礎力の維持と、頼りすぎていないかのセルフチェックの両方に効果が期待できます。
「自分がいま書ける範囲」を定期的に確認することが、AI時代において技術力を守る習慣につながります。
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5. まとめ
AI時代の面接で問われているのは、AIを使ったかどうかではなく、そのコードに説明責任を持てるかどうかです。だからこそ、「使った/隠す」の二択を超えて、「使った前提+自分の判断軸」で語ることが求められます。AI生成のコードであっても、自分の言葉で説明できる状態まで持っていきましょう。
生き残る鍵は、AIへの委任を意図的にコントロールすることと、AIに任せられない領域を自分で定義できることです。そしてその力は、面接前夜ではなく、日々の習慣のなかでしか育っていきません。
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