IT業界が抱える7つの課題とは?就職先を決める上での注意点

IT業界が抱える7つの課題とは?就職先を決める上での注意点
IT業界には魅力的な側面が多くありますが、一方で人手不足や多重下請け構造といった構造的な課題も存在しているのが現状です。

本記事では、IT業界が抱える7つの課題について詳しく解説した上で、IT業界の現状や将来性、そして就職先を選ぶ際の注意点までを徹底的に紹介します。IT業界への就職を考えている方は、後悔しない就活のためにもぜひ参考にしてください。
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1. IT業界が抱える7つの課題

まずはIT業界が現在抱えている7つの主要な課題について、それぞれ詳しく見ていきましょう。
 

  • ・慢性的な人手不足

  • ・多重下請け構造による労働環境の悪化

  • ・非効率的な業務フロー

  • ・グローバル基準に対する技術力不足

  • ・脆弱なセキュリティによるサイバー攻撃リスク

  • ・保守、運用コストの増加

  • ・AIとの共存に向けたビジネスモデル転換の遅れ


これらの課題を理解することで、就職先を選ぶ際の判断材料となりますので、一つずつ確認していきましょう。

慢性的な人手不足

IT業界では、慢性的な人手不足が深刻な課題となっています。デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進により、あらゆる業界でITエンジニアの需要が急増している一方で、供給が追いついていない状況です。経済産業省の報告によると、2030年には最大で約79万人のIT人材が不足すると予測されており、今後もこの傾向は続くと考えられています。

人手不足により、一人あたりの業務負担が増加し、長時間労働や過重労働が発生しやすくなっている企業もあります。経験豊富なエンジニアの確保が難しいため、プロジェクトの品質や納期に影響が出るケースも少なくありません。ただし、就活生の視点から見れば、人手不足は「就職しやすい」「転職の選択肢が多い」というメリットにもなりえます。売り手市場であることを活かして、自分に合った企業を慎重に選ぶことが大切です。

多重下請け構造による労働環境の悪化

IT業界、特にSIer業界では、多重下請け構造が今も残っており、下流の企業ほど労働環境が悪化する傾向があります。大手企業が案件を受注した後、中堅企業に発注し、さらに下請け企業に再発注するという構造により、下流に行くほど利益が少なくなり、エンジニアの待遇も悪化してしまうのです。

下請け企業のエンジニアは、元請け企業の指示通りに作業するだけになりがちで、創意工夫の余地が限られてしまいます。コミュニケーションの経路が複雑になることで、顧客の本来の要望が現場に正しく伝わらず、開発のやり直しや大幅な軌道修正が発生することもあります。就職先を選ぶ際には、その企業が元請けとして仕事を受注しているのか、下請けとして働くことが多いのかを確認することが重要です。

非効率的な業務フロー

IT業界では、古い商習慣や業務フローが残っている企業も多く、非効率的な働き方が課題となっています。たとえば、メールでのやり取りが中心で、チャットツールやプロジェクト管理ツールといった効率的なツールが導入されていない企業もあります。紙の書類への押印や、対面での会議を重視する文化が残っている企業では、リモートワークの導入も進んでいません。

さらに長時間労働を美徳とする風潮や、効率よりも「頑張っている姿勢」を評価する文化が残っている企業もあります。こうした非効率的な業務フローは、エンジニアの生産性を下げるだけでなく、ワークライフバランスの悪化にもつながります。就活の際には、企業がどのような業務フローを採用しているか、働き方改革に積極的に取り組んでいるかを確認すると良いでしょう。

グローバル基準に対する技術力不足

日本のIT業界は、グローバル基準と比較すると技術力が不足していると指摘されることがあります。特に、最新技術の導入や活用において、海外の企業に後れを取っているケースが多く見られます。日本企業では、既存システムとの互換性や、社内の承認プロセスの複雑さから、新しい技術の導入に慎重になる傾向があるのです。

また、英語力の不足も、グローバルな技術情報へのアクセスを妨げる要因となっています。最新の技術ドキュメントやコミュニティの議論は英語で行われることが多いため、英語が苦手な日本のエンジニアは情報収集の面で不利になってしまいます。ただし、これは逆に言えば、最新技術や英語を学ぶことで、他のエンジニアと差別化できるチャンスでもあります。学生のうちから英語学習や最新技術のキャッチアップに取り組むことをおすすめします。

脆弱なセキュリティによるサイバー攻撃リスク

IT業界では、セキュリティ対策の不足も大きな課題となっています。サイバー攻撃が巧妙化・複雑化している昨今、企業の機密情報が漏洩する事件が相次いでいます。しかしセキュリティ対策には専門的な知識と継続的な投資が必要なため、十分な対策を講じられていない企業も少なくありません。

特に中小企業では、セキュリティ専門のエンジニアを雇う余裕がなく、セキュリティ対策が後回しになってしまうケースがあります。一度サイバー攻撃を受けると、企業の信頼が大きく損なわれるだけでなく、損害賠償や事業停止といった深刻な影響が出る可能性もあります。就職先を選ぶ際には、その企業がセキュリティ対策にどれだけ真剣に取り組んでいるかを確認することも大切です。もしセキュリティエンジニアを目指しているなら、需要が高まっている分野として、積極的にキャリアを築くチャンスといえます。

保守・運用コストの増加

IT業界では、既存システムの保守・運用コストが年々増加していることも課題となっています。特に何十年も前に構築されたレガシーシステムは、保守に多大な時間とコストがかかる上に、システムを理解している技術者も減少しているため、維持管理が困難になっているのが現実です。経済産業省が指摘してきた「2025年の崖」問題も、こうしたレガシーシステムの課題に関連しています。

新しいシステムの開発に予算を回したくても、既存システムの保守に予算の大部分を取られてしまい、イノベーションが進まないという悪循環に陥っている企業も少なくありません。エンジニアとしても、最新技術を使った新規開発に携わりたいと考えていても、実際には古いシステムの保守作業ばかりを任されるケースもあります。こうした状況を避けるためには、就職先を選ぶ際に新規開発・保守業務のバランスを確認しておくと良いでしょう。

AIとの共存に向けたビジネスモデル転換の遅れ

近年では生成AIをはじめとするAI技術の急速な発展により、企業のビジネスモデルそのものを変革する必要性が高まっています。しかし、多くのIT企業が既存の慣れ親しんだ技術やビジネスモデルに固執してしまい、AI時代への適応が遅れていることが課題となっています。従来の受託開発やシステム保守で安定した収益を得てきた企業ほど、新しい技術やビジネスモデルへの転換に踏み切れず、イノベーションが停滞してしまう傾向があります。

AI技術を活用した新規事業の立ち上げや、AIを取り入れたサービスへの転換には、技術投資だけでなく組織体制や評価制度の変革も必要となります。しかし、「今まで通りのやり方で十分」という意識や、失敗を恐れる企業文化が根強く、変革への第一歩を踏み出せない企業も少なくありません。こうした企業は、気づいたときには競合他社に大きく水をあけられてしまうリスクがあります。就職先を選ぶ際には、その企業が新しい技術やビジネスモデルに挑戦する姿勢を持っているかどうかを見極めることが重要となるでしょう。

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2. IT業界の現状とは?

ここからはIT業界の現状について、市場規模や年収といった具体的なデータをもとに解説します。課題を抱えながらも、依然として成長を続けているIT業界について正しい理解を深めておきましょう。

ICT市場規模は2025年には5.44兆ドルへ増加見込み

総務省が発表している「情報通信白書令和7年版」によると、世界のICT市場規模は拡大を続けており、2024年は前年比7.7%増の5.02兆ドル、2025年には前年比8.3%増の5.44兆ドルに達すると予測されています。これはあらゆる産業でデジタル化が進んでいることの表れです。特にクラウドサービス、AI、IoTといった分野の成長が著しく、今後も市場は拡大していくことが見込まれています。

参考:https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/

日本国内でも、DX推進の機運が高まっており、企業のIT投資は増加傾向にあります。新型コロナウイルスの影響でリモートワークが普及したことも、IT技術への投資を後押ししてきました。こうした市場の成長は、IT業界で働くエンジニアにとって、雇用の安定性や収入の向上といったメリットにつながっています。市場規模が拡大し続けている限り、IT業界の将来性は明るいといえるでしょう。

IT業界の平均年収は約574.1万円

厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」によると、IT業界で働くシステムエンジニア(Webサービス開発)の平均年収は、約574.1万円とされています。

参考:https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/314

国税庁による「令和6年分 民間給与実態統計調査」では、給与所得者の平均給与は478万円とされているため、平均よりも100万円ほど上回る水準です。

参考:https://www.nta.go.jp/publication/statistics/kokuzeicho/minkan/gaiyou/2024.htm

ただし、IT業界の中でも職種や企業規模、働き方によって年収には大きな差があります。たとえば、SIerの下請け企業で働く場合と、GAFAMのような外資系IT企業で働く場合では、年収が数倍〜数十倍異なることもあります。また、フリーランスとして独立した場合は、実力次第でさらに高い収入を得られる可能性もあります。就職先を選ぶ際には、平均年収だけでなく、昇給制度や評価制度についても確認しておくと良いでしょう。

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3. IT業界に将来性はあるのか?

多くの課題を抱えているIT業界ですが、果たして将来性はあるのでしょうか。ここではIT業界の将来性について、複数の視点から解説していきます。

AI・クラウド・IoTの普及により新たな市場創出

近年話題にもなっているAI、クラウド、IoTといった最新技術の普及により、IT業界では新たな市場が次々と生まれています。たとえば、生成AIを活用したサービス開発や、クラウドを活用したSaaSビジネス、IoTデバイスを活用したスマートホームやスマート農業など、従来にはなかった新しいビジネスモデルが登場しています。

これらの新技術により、IT業界の可能性はさらに広がっています。従来のシステム開発だけでなく、データ分析やAI開発、クラウドインフラの設計といった、新しい職種も生まれています。エンジニアにとっては、自分の興味や適性に合わせて、さまざまなキャリアパスを選択できる時代になっているのです。こうした新市場の誕生は、IT業界の将来性が明るいことを示しているといえるでしょう。

AI時代に求められるスキル・経験は変化

とりわけAI技術の発展により、エンジニアに求められるスキルや経験は大きく変化しています。単純なプログラミング作業はAIが担うようになり、エンジニアには「AIをどう活用するか」「どのようなシステムを作るか」といった、より高度な判断力が求められるようになっています。また、AI自体を開発できるスキルを持つエンジニアの需要も急増しています。

一方で、プロジェクトマネジメント能力やコミュニケーション能力、ビジネススキルといった、AIでは代替できないスキルの重要性も高まっています。AIはあくまでツールであり、それをどう使うか、どのような価値を生み出すかを考えるのは人間の役割です。こうしたスキルの変化に対応できるエンジニアであれば、AI時代でも十分に活躍できる可能性があります。学生のうちから、積極的にAIに触れておき、これからの時代に求められるスキルを磨いておきましょう。

それでもIT業界・エンジニアの将来性は明るい

さまざまな課題を抱えているIT業界ですが、それでも全体としての将来性は明るいといえます。なぜなら、社会全体のデジタル化は今後も進み続けるからです。医療・教育・金融・農業など、あらゆる産業でIT技術の活用が不可欠になっており、IT業界の需要がなくなることは考えにくいのが現実です。

また、IT業界は他の業界と比べて、実力主義の傾向が強く、若手でも成果を上げれば高収入を得られるチャンスがあります。リモートワークがしやすい職種であることから、ワークライフバランスを重視した働き方も実現可能。フリーランスとして独立したり、海外で働いたりといった、多様な働き方の選択肢があることも魅力となるでしょう。IT業界が抱える課題を理解した上で、自分に合った企業や働き方を選べば、長期的に安定したキャリアを築くことは十分可能なのです。

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4. IT業界の現状・課題を踏まえた就職先選びでの注意点

ここからはIT業界の現状や課題を踏まえた上で、就職先を選ぶ際の注意点を3つ紹介します。
 

  • ・収入や将来性だけでIT業界を選択しない

  • ・就活の前にプログラミング学習に触れておく

  • ・さまざまな業種、職種の中から自分に合ったものを選ぶ


これらのポイントを押さえることで、入社後のミスマッチを防ぐことができるので、ぜひ参考にしてください。

収入や将来性だけでIT業界を選択しない

IT業界は高年収や将来性といったポジティブなイメージが強いため、それだけを理由に就職を決めてしまう方もいます。しかし、実際にIT業界で活躍するには、最新技術を学び続ける姿勢や、論理的に考える力、コミュニケーション能力といったスキルが必要です。収入や将来性だけを見て就職してしまうと、「思っていた仕事と違った」「技術の勉強についていけない」といったミスマッチが起きる可能性があります。

IT業界に向いているかどうかを判断するには、まず自分がITやプログラミングに興味を持てるかどうかを確認することが大切です。学生のうちにプログラミングを少し学んでみたり、IT系のインターンシップに参加したりすることで、適性を確かめておくと良いでしょう。また、IT業界の中でも、SIerとWeb系企業、大手企業とベンチャー企業では働き方が大きく異なるため、自分に合った環境を選ぶことも重要です。収入や将来性は魅力的ですが、それだけで判断せず、自分の適性や興味も踏まえて就職先を選びましょう。

就活の前にプログラミング学習に触れておく

IT業界への就職を本気で考えているなら、就活が本格化する前にプログラミング学習に触れておくことを強くおすすめします。実際にプログラミングを学んでみることで、「自分にIT業界が合っているか」「どの分野に興味があるか」を判断できるからです。また、プログラミング経験があることで、就活でのアピール材料にもなります。

プログラミング学習は、Progateやドットインストールといったオンライン学習サイトを使えば、無料〜月額数百円と低コストで始められます。まずは、HTML/CSSやJavaScriptといった初心者向けの言語を選んで、簡単なプログラムを作ってみましょう。「プログラミングが楽しい」と感じられれば、IT業界での仕事も楽しめる可能性が高いです。逆に、「プログラミングがつまらない」「全く理解できない」と感じた場合は、本当にIT業界が自分に合っているのかを再考する機会となるでしょう。

さまざまな業種・職種の中から自分に合ったものを選ぶ

IT業界と一口に言っても、SIer、Web系企業、ゲーム開発会社、インフラ企業など、さまざまな業種があります。また、システムエンジニア、アプリケーションエンジニア、インフラエンジニア、セキュリティエンジニアなど、職種も多岐にわたります。それぞれで働き方や求められるスキル、キャリアパスが大きく異なるため、自分に合ったものを選ぶことが大切です。

たとえば、大規模なシステム開発に携わりたいならSIer、最新技術を使った開発がしたいならWeb系企業、IT基盤の技術を極めたいならインフラエンジニアといったように、自分の志向に合わせて選択肢を絞り込んでいきましょう。また、企業の規模や文化、働き方なども重要な判断基準です。企業研究をしっかりと行い、OB・OG訪問やインターンシップを通じて、リアルな情報を集めつつ、就職先を選択するようにしてください。

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5. まとめ

本記事では、IT業界が抱える7つの課題から、IT業界の現状・将来性、そして就職先選びでの注意点まで、幅広く解説してきました。IT業界には、慢性的な人手不足、多重下請け構造、AIとの共存といった多くの課題が存在します。しかし一方で、ICT市場は拡大を続けており、平均年収も高水準で、将来性も明るい業界です。

大切なのは、IT業界の良い面だけでなく課題も理解した上で、自分に合った就職先を選ぶことです。収入や将来性だけに惹かれて就職を決めるのではなく、プログラミング学習を通じて適性を確認したり、さまざまな業種・職種を比較検討したりすることが重要です。

ぜひ本記事を参考に、自分に合った就職先で充実したキャリアを実現してください。

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