メーカー系SIerとは?ユーザー系との違い・働くメリットを解説

メーカー系SIerとは?ユーザー系との違い・働くメリットを解説
SIerの中でも「メーカー系SIer」は富士通や日立製作所、NECといった大手企業のグループ会社として、安定した経営基盤を持つため、就活生から高い人気を集めています。

本記事では、メーカー系SIerの基本的な定義から仕事内容、他のSIer種類との違い、働くメリット・デメリットまで、徹底的に解説していきます。自分に合った企業選びの参考として、ぜひ最後までご覧ください。
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1. メーカー系SIerとは?

メーカー系SIerについて理解するために、まずは基本的な定義と特徴を確認していきましょう。メーカー系SIerの成り立ちや企業としての魅力、そして担当する業務範囲についても詳しく解説します。

ハードウェアメーカーの情シス部門が独立したSIer

メーカー系SIerとは、パソコンやサーバーなどのハードウェアを製造する大手メーカーから独立、または子会社として設立されたSIerのことです。代表的な企業として、富士通Japan、日立システムズ、NECネッツエスアイなどが挙げられます。これらの企業は、親会社の情報システム部門が独立する形で誕生し、親会社が持つ技術力やノウハウを受け継いでいるという特徴を持ちます。

そのためハードウェア・ソフトウェアの両面からクライアントの課題解決を支援できる強みを持っているのです。また、親会社の事業を支援する役割も担っており、グループ会社全体のITインフラ構築やシステム開発に携わる機会も多くあります。このようにメーカー系SIerは親会社との強い結びつきの中で、独自の技術力を発揮しているのです。

親会社のブランドがつく人気の高い企業が多い

メーカー系SIerの大きな特徴として、親会社のブランド力を活用できる点が挙げられます。「富士通」「日立」「NEC」といった大手企業の名前がついているため、社会的な信頼度が高く、学生からの人気も非常に高い傾向にあります。実際に就活生を対象とした企業ランキングでは、メーカー系SIerが上位に入ることも少なくありません。

また、親会社が大企業であることから、福利厚生が充実している点も魅力です。給与水準が安定しているだけでなく、資格取得の支援制度や研修プログラムなど、エンジニアとしてのスキルを磨ける環境が整っています。離職率が低く、長期的に安定して働ける職場環境が整っている企業が多いことも人気の理由といえるでしょう。そのため安定性を重視する就活生にとって、メーカー系SIerは魅力的な選択肢となっています。

上流から下流まで幅広い工程を手掛ける

メーカー系SIerは、システム開発における上流工程から下流工程まで、幅広い業務を手掛けることができます。上流工程では、要件定義やシステム設計といった、プロジェクトの根幹を担う業務に携わります。一方、下流工程では、プログラミングやテスト、保守・運用といった実装に関わる作業も行います。

このようにプロジェクト全体に関わることで、システム開発の流れを一貫して理解できる点は、エンジニアとして成長する上で大きなメリットです。また、大きな予算で動く大規模案件を担当する機会も多いため、多数のエンジニアと協力しながらプロジェクトを進める経験も身につきます。

さらに親会社や取引先企業との調整を通じて、コミュニケーション能力やマネジメントスキルも磨けるため、将来的にはITコンサルタントやプロジェクトマネージャーといったキャリアパスを目指すことも可能です。

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2. メーカー系SIerの仕事内容

続いて、メーカー系SIerでは、具体的にどのような業務を担当するのかを3つの観点から詳しく解説します。
 
  • ・システム設計、開発、運用

  • ・ITコンサルティング

  • ・ハードウェア開発


それぞれの仕事内容を理解した上で、メーカー系SIerを志望するかどうかを判断しましょう。

システム設計・開発・運用

メーカー系SIerの中心となる業務が、システムの設計・開発・運用です。クライアント企業のニーズを把握し、要件定義を行った上で、システムの設計書を作成します。その後、プログラミング言語を用いて実際にシステムを構築し、テストを経て納品します。納品後もシステムの保守や運用を継続的にサポートするため、長期的にクライアントと関わることになります。

特に金融業界や製造業、官公庁といった大規模なシステムを必要とする顧客を相手にすることが多いため、高い技術力が求められます。また、システムの稼働後に発生する課題に対しても、迅速に対応する必要があります。そのため、技術的な知識だけでなく、課題を発見し解決する能力も重要です。

ITコンサルティング

メーカー系SIerでは、ITコンサルティング業務にも積極的に取り組むことになります。クライアント企業が抱える経営課題や業務上の課題を、IT技術を活用して解決する提案を行う仕事です。たとえば業務プロセスの改善や、新しいシステムの導入による業務効率化などを支援します。

ITコンサルティングでは、技術的な知識に加えて、クライアントのビジネスを深く理解する力が求められます。そのためクライアントとのコミュニケーションを通じて、真の課題を見極めるスキルが必要です。また、最新のIT技術やAI、クラウドといった新しい分野にも注目し、これらを活用した提案を行うことで、クライアントの売上アップを支援します。ITコンサルティングは技術とビジネスの両面からアプローチする、やりがいのある業務といえるでしょう。

ハードウェア開発

メーカー系SIerならではの特徴として、ハードウェア開発に携わる機会がある点が挙げられます。親会社がハードウェアメーカーであるため、サーバーやネットワーク機器、パソコンなどのハード面の開発や導入にも携わることができるのです。ソフトウェアだけでなくハードウェアの知識も身につけることで、システム全体を俯瞰して設計できるエンジニアへと成長できるでしょう。

たとえば、クライアント企業のITインフラを一から構築する案件では、ハードウェアの選定から設置、ソフトウェアのインストールまで、一貫して担当することがあります。このような業務を通じて、ハードウェアとソフトウェアの両面から最適なソリューションを提供する力を習得できるのです。

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3. メーカー系SIerとユーザー系・独立系・外資系との違い

SIerには、メーカー系以外にもユーザー系、独立系、外資系といった種類があります。それぞれ成り立ちや強みが異なるため、ここでは各SIerの違いを正確に把握しておきましょう。

ユーザー系SIerとの違い

ユーザー系SIerは、大手企業の情報システム部門が独立して設立された企業です。メーカー系SIerと似ていますが、親会社がハードウェアメーカーではなく、金融機関や商社、製造業などの企業である点が大きな違いです。たとえば、銀行のシステム部門が独立したSIerは、金融系のシステムに特化した強みを持っています。

一方のメーカー系SIerは親会社がハードウェアメーカーなので、ハードウェアとソフトウェアの両面から提案できる点が特徴です。また、ユーザー系SIerは親会社の業種に特化した案件が多いのに対し、メーカー系SIerは幅広い業種のクライアントを持つ傾向があります。

多様な業界のシステム開発に携わりたい方にはメーカー系SIer、特定の業界に深く関わりたい場合はユーザー系SIerを選ぶと良いでしょう。

独立系SIerとの違い

独立系SIerは、特定の親会社を持たず、独自に事業を展開している企業です。親会社がないため、特定のハードウェアやソフトウェアに縛られず、クライアントのニーズに合わせて柔軟に技術選択できるのが強みです。また、ベンチャー企業として成長してきた独立系SIerも多く、新しい技術に積極的に取り組む文化がある企業も存在します。

一方のメーカー系SIerは、親会社の安定した経営基盤があるため、福利厚生や給与水準が安定している点が魅力です。親会社のブランド力を活用できるため、大手企業の案件を獲得しやすいという利点もあります。ただし、独立系SIerの方が、自由な働き方や新しいプロジェクトにチャレンジしやすい環境があるケースも多いため、安定性を重視するか、チャレンジ精神を重視するかによって、選ぶべき企業は変わってくるでしょう。

外資系SIerとの違い

外資系SIerは、海外に本社を持つグローバル企業の日本法人です。代表的な企業として、IBMやアクセンチュア、オラクルなどが挙げられます。外資系SIerの特徴は、グローバルな案件に携わる機会が多く、英語力を活かせる点です。実力主義の文化が強く、若手でも成果を出せば早期に昇進できる可能性があります。

メーカー系SIerの場合、日本国内の案件が中心となることが多く、日本企業特有の丁寧な顧客対応や、長期的な関係構築を重視する文化があります。年功序列の要素が残っている企業もあるため、安定したキャリアパスを描きやすいといえます。一方の外資系SIerは高年収を目指せる一方で、成果を出せなければ厳しい評価を受けることもあるため、自分の働き方や価値観に合った選択をすることが大切です。

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4. メーカー系SIerの強み・働くメリット

ここからはメーカー系SIerの強みと、エンジニアとして働くメリットについてご紹介します。
 
  • ・親会社の安定した経営基盤がある

  • ・大規模案件、大型プロジェクトの経験が積める

  • ・ハードウェア、ソフトウェア両面の開発力を磨ける


上記3つのメリットも踏まえつつ、就職先を選ぶようにしましょう。

親会社の安定した経営基盤がある

メーカー系SIerの最大の強みは、親会社の安定した経営基盤を持つ点です。富士通や日立製作所、NECといった大手企業のグループ会社であるため、経営が安定しており、長期的に安心して働ける環境が整っています。また、親会社の業績が好調であれば、グループ全体の案件を受注できる機会も増えるため、仕事が安定して得られる点も魅力です。

福利厚生が充実している点も見逃せません。住宅手当や家族手当、育児休暇といった制度が整っているほか、資格取得の支援制度や研修プログラムも充実しています。そのためエンジニアとしてのスキルを磨きながら、プライベートも大切にできる環境が整っているのです。安定性を重視する方にとっては、メーカー系SIerは理想的な職場といえるでしょう。

大規模案件・大型プロジェクトの経験が積める

メーカー系SIerでは、大規模案件や大型プロジェクトに携わる機会が多くあります。親会社のブランド力を活かして、官公庁や金融機関、大手製造業といった大企業の案件を受注するケースが多いためです。このような大規模プロジェクトでは、数十人から数百人規模のチームで開発を進めることもあり、プロジェクトマネジメントを間近で学んだり、実際にマネージャー・リーダーを務めたりするチャンスがあります。

また、大規模案件では、要件定義から設計・開発・テスト・運用まで、システム開発の全工程に関わることができます。そのため一つのプロジェクトを通じて、システム開発の流れを体系的に理解できる点も大きなメリットです。さらに、クライアントとの調整や他社との連携を通じて、コミュニケーション能力やビジネススキルも自然と身につく環境です。

これらの経験は、将来的にITコンサルタントやプロジェクトマネージャーといった上位職種を目指す上で、貴重な財産となるでしょう。

ハードウェア・ソフトウェア両面の開発力を磨ける

メーカー系SIerならではの強みとして、ハードウェアとソフトウェアの両面から開発力を磨ける点が挙げられます。親会社がハードウェアメーカーなので、サーバー機器やネットワーク機器といったハード面の知識を学べる環境が整っているのです。また、親会社の製品を活用したソリューション提案を行うことで、ハードとソフトを組み合わせた総合的な提案力を身につけられる環境です。

メーカー系SIerで幅広い技術領域に触れることで、エンジニアとしての市場価値を高められる点は大きな魅力です。特にクラウド技術やAIといった新しい分野でも、ハードウェアの知識があると理解が深まりやすく、より高度な設計ができるようになります。

将来的に独立やキャリアチェンジを考える際にも、ハード・ソフト両面の幅広い技術を持っていることは大きな武器となるでしょう。

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5.  メーカー系SIerで働くデメリット

メーカー系SIerには多くのメリットがある一方で、押さえておきたいデメリットも存在します。
 
  • ・親会社の意向に沿った開発が求められる

  • ・下流工程の経験を積みにくい現場も

  • ・客先常駐で働くケースもある


ここでは、メーカー系SIerで働く上で注意すべき点を3つ紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

親会社の意向に沿った開発が求められる

メーカー系SIerは、親会社のグループ会社として事業を展開しているため、親会社の意向に沿った開発を求められるケースがあります。たとえば、親会社が製造している製品を優先的に採用する必要があったり、親会社の事業戦略に合わせてプロジェクトの方向性が決まったりすることもあります。技術的には他社の製品の方が適している場合でも、親会社の製品を選択せざるを得ない状況が発生することがあるのです。

また、親会社からの案件が中心となる企業では、特定の業界や技術領域に偏る可能性もあります。そのため幅広い技術を学びたいと考えている方にとっては、やや物足りなさを感じるかもしれません。

下流工程の経験を積みにくい現場も

メーカー系SIerでは上流工程を中心に担当することが多く、下流工程のコーディング作業は外部の協力会社に委託するケースがあります。そのためプログラミングやテストといった下流工程の経験を積みにくい現場も存在します。特に大規模プロジェクトでは、設計や要件定義といった上流工程を主に担当し、実際のコーディングは外部のエンジニアが行うという分業体制が取られることも少なくありません。

このような環境では、マネジメントスキルやコミュニケーション能力は磨けますが、プログラミングスキルを伸ばしたいと考えている方にとっては、やや不満を感じる可能性があります。もちろん全ての現場がこのような体制を取っているわけではなく、企業や配属される部署によっては、下流工程にも携われるケースもあります。

そのため、入社前に具体的な業務内容を確認し、自分のキャリアプランに合った環境かどうかを見極めることが大切です。

客先常駐で働くケースもある

メーカー系SIerでも、プロジェクトによってはクライアント企業のオフィスに常駐して働くケースがあります。こうした「客先常駐」の場合、プロジェクトが終了すると別のクライアント先に移動することになるため、働く環境が頻繁に変わる可能性があります。環境の変化が苦手なタイプの方にとっては、ストレスを感じやすくなるかもしれません。

一方で、さまざまな企業の文化や業務を経験できるという点では、客先常駐も視野を広げる良い機会ともいえます。客先常駐という働き方には賛否両論があるので、自分にとって働きやすい環境がどのようなものかを考えた上で、企業選びを進めることが重要です。

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6. メーカー系SIerに向いている人の特徴

最後に、メーカー系SIerに向いている人の特徴について、以下の3つの項目ごとに解説していきます。
 
  • ・安定性を重視して就職先を選びたい人

  • ・ハードウェア、ソフトウェア両面の開発力を磨きたい人

  • ・マネージャー、ITコンサルタントのキャリアを目指す人


自分にも当てはまる項目があるかどうかチェックしながら、適性を見極めてみましょう。

安定性を重視して就職先を選びたい人

メーカー系SIerは、親会社の安定した経営基盤があるため、長期的に安心して働ける環境が整っています。そのため、安定性を重視して就職先を選びたい人には最適な選択肢といえます。給与水準が安定しているだけでなく、福利厚生が充実している点も魅力です。

大手企業のグループ会社であるため、社会的な信頼度が高く、周囲からの評価も得やすいといえます。また、親会社のブランド力を活かして、大手企業の案件に携われる機会も多いため、やりがいを感じながら安定したキャリアを築けるでしょう。将来的に家庭を持つことを考えている方や、腰を据えて一つの企業で長く働きたいと考えている方にとって、メーカー系SIerは非常に魅力的な職場環境といえるでしょう。

ハードウェア・ソフトウェア両面の開発力を磨きたい人

メーカー系SIerでは、親会社がハードウェアメーカーということもあり、ハードウェアとソフトウェアの両面から開発力を磨ける環境があります。そのため幅広い技術領域に興味がある方や、システム全体を俯瞰して設計できるエンジニアを目指す方には最適です。また、親会社の製品を活用したソリューション提案を行うことで、ハードとソフトを組み合わせた総合的な提案力も身につけられます。

このように、幅広い技術を学ぶことで、エンジニアとしての市場価値を高められる点は大きな魅力です。また、将来的にフリーランスとして独立したり、他の企業に転職する際にも、幅広い技術を持っていることは大きなアドバンテージとなります。クラウド技術やAIといった新しい分野でも、ハードウェアの知識があると理解が深まりやすく、より高度な設計ができるようになるため、常に学び続けたいという意欲のある方に向いています。

マネージャー・ITコンサルタントのキャリアを目指す人

メーカー系SIerでは大規模プロジェクトに携わる機会が多いため、マネジメント経験を積みやすい環境があります。そのため将来的にプロジェクトマネージャーやITコンサルタントといったキャリアを目指す方には最適な職場です。大規模案件では、多数のエンジニアをまとめながらプロジェクトを進める必要があるため、自然とマネジメントスキルが磨かれます。

また、クライアントとの折衝を通じて、ビジネススキルやコミュニケーション能力も身につけられます。上流工程を中心に担当することで、要件定義やシステム設計といったプロジェクトの根幹を担う業務に携われるため、ITコンサルタントとして必要な提案力も磨けるでしょう。

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7. まとめ

本記事では、メーカー系SIerの特徴や仕事内容、他のSIer種類との違い、そして働くメリット・デメリットについても詳しく解説してきました。メーカー系SIerは、富士通や日立製作所、NECといった大手ハードウェアメーカーのグループ会社として、安定した経営基盤を持ち、大規模案件に携われる魅力的な企業です。

親会社のブランド力を活かした大型プロジェクトの経験や、ハードウェアとソフトウェア両面の開発力を磨ける点は、メーカー系SIerならではの強みといえます。また、福利厚生が充実しており、長期的に安心して働ける環境が整っているため、安定性を重視する就活生にとって理想的な選択肢となるでしょう。

ぜひ本記事を参考に、自分に合った企業選びを進めてみてください。

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