音響心理学と機械学習を絡めた研究に打ち込む学生時代。フルスタックエンジニアを目指してフライヤーへ

高校時代は部活一筋でエンジニアリングとは無縁の生活を送っていたが、漠然と「将来はモノづくりに関わる仕事がしたい」と考えていた吉田さん。大学入学後はプログラミングの授業を熱心に受講するだけでなく、大学のOBが起業した会社で開発業務を請け負ったり、音楽と掛け合わせた個人開発に取り組んだりと、エンジニアへの道を歩み始めた。
そして、大学院修了後は株式会社フライヤーへ入社。現在は入社2年目ながら幅広い経験を積み活躍する吉田さんに、これまで携わってきた業務や、エンジニアとして今後どのような展望を抱いているのかを伺った。

■企業紹介
「個人の成長」と「組織の成長」を両輪とし、「ヒラメキあふれる世界」を実現するためのプロダクトを展開している企業。良書との出合いを促進する本の要約サービス『flier』を軸として、法人向け人材育成サービス『flier business』や、読書コミュニティ『flier book labo』などを運営している。
■お話を伺った方
職種 エンジニア
名前 吉田 修斗(よしだ しゅうと)さん
経歴 会津大学大学院コンピュータ理工学研究科情報システム学専攻を修了。学生時代は、大学のOBが起業した会社で開発業務も行う。株式会社フライヤーへ入社後はWeb領域を担当し、『flier』の機能実装やリプレイス、フライヤーが主催する「読者が選ぶビジネス書グランプリ」のWebサイト改修などに携わる。現在は『flier』の課金APIの整備を担当。
\15年超の実績を持つレバテックが運営/
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OBの会社で開発業務にも挑戦。音楽への関心を活かしたユニークな開発も
――まずは、学生時代に取り組んだことをお聞かせください。
吉田 大学受験の結果にあまり納得していなかったため、入学後はその悔しさをバネにして、人一倍真剣に授業に取り組んでいましたね。特に、数学系の授業や実際にプログラミングを書く授業を熱心に受講していました。
高校では運動部の活動に熱中していたことで、受験の準備が遅くなってしまい、希望していた情報系の学部には進学できたものの、自分としては思ったような結果が出せなかったんです。そこで得た教訓をもとに、大学入学後は研究室選びにも早めに着手し、興味のある研究室を積極的に探すなど、自らアクションを起こしていましたね。
――大学進学の際に情報系の学部を志望したのはなぜですか?
吉田 高校時代は運動部に所属していて部活中心の生活だったため、プログラミングとは全く無縁だったのですが、当時から「将来は何かモノづくりがしたい」という漠然とした思いを持っていました。中でも特に「0から1を作ること」に魅力を感じていて、エンジニアを目指せる情報系の学部に進学しようと思いました。
――大学で初めてプログラミングに触れたのでしょうか?
吉田 そうですね。最初はとても難しいと感じましたが、徐々にプログラミングの楽しさが分かってきて「自分でもできるんだ」と思えるようになりました。
友人と協力して難しい課題に取り組んだ際も、「何としてでも書き切る」という強い気持ちを持って最後までやり遂げることができましたね。もともと途中で投げ出さずに粘り強く取り組む性格なので、おそらくそこがプログラミングとも相性が良かったみたいです。友人が諦めていく中でも「もう少し頑張ってみよう」という気持ちを保ちながら最後までやり切った課題もありましたね。
――プログラミングを習得していく中で、吉田さんが高校時代に持っていたモノづくりに対する意識に、何か変化はありましたか?
吉田 大学3年生で就活について考え始めた頃に、「今のまま与えられた課題に取り組むだけでいいのか?」「自分が本当にやりたいことは何か?」といったことを自問するようになりました。そしてこのまま就職して良いのか疑問を感じ、「もっと自分を変えたい!」と強く思うようになったんです。
そこから学内のさまざまなコミュニティに積極的に関わるようになり、高校時代に感じていた「何かモノづくりをしたい」という気持ちを改めて認識するようになりました。そして4年生の夏からは会津大学のOBが起業した会社で開発業務をさせてもらえることになりました。
それに加え、Webの個人開発の勉強も始めました。Webサイトを作ってデプロイしてみたり、簡単なToDoアプリを作ったりといった内容からスタートし、音楽が好きなので、MIDIキーボード(※)を使ってWeb上で音を鳴らすアプリ制作にも挑戦しました。
周りにMIDIキーボードを使ったアプリ開発の経験者がいなかったので、独学で試行錯誤しながら作っていましたね。この時の経験から、「必死になれば意外と何でも作れるな」と実感しました。
※作曲ソフト(DAW)に演奏情報を入力するための鍵盤型コントローラーのこと。単体では音を出すことはできず、パソコンと接続して使用する。
――自発的にさまざまなアクションを起こしていたんですね。大学のOBが起業した会社では、どのような業務を請け負っていたのですか?
吉田 保育園で使う、園児の健康や出席状態などを管理するアプリの開発に携わりました。新しい機能のタスクを細かいチケットに分けて、1つずつ取り組んでいたのを覚えています。
初めて仕事として開発に携わることで、自分だけでなく他の人が見ても分かりやすいコードを書くことを常に意識するようになりましたね。授業や個人開発と違って、自分が書いたコードが今後もずっとそのプロダクトに残っていくので、コードの可読性に対する意識をあらためて持つことができたと思います。
OBの会社での開発請負は、フライヤーから内定をもらってインターンを始めるまでの1年半続けました。日々新しく学べることがあり、自分のできることが増えていくのがとても楽しかったです。それから、プログラミングでお金を稼げるようになったことも単純に嬉しかったですし、エンジニアとして就職することへの自信にもなりましたね。
――その後大学院に行かれていますが、大学院ではどのような研究をしていたのですか?
吉田 かねてから「何か音に絡めた研究をしたい」と思っていました。そこで音響に強い研究室を選び、音響心理学と機械学習を絡めた研究をすることにしました。具体的には、音を聞いたときの不快感を予測する学習モデルの作成です。教授が外国人の方だったので、英語でのコミュニケーションにも苦労しましたね。
学習モデルを作るためには、まずデータセットを準備する必要があるのですが、過去の論文からデータを引っ張って、それを自分なりにまとめる作業が大変でした。
一度作成したデータセットでも、選択したモデルの学習方法によって成果の精度が変わることがあったため、その都度データの再調整が必要だったりと、非常に骨の折れる研究でしたね。学習自体に時間がかかる研究だったため、もどかしさもありましたが、無事に学会で発表することができました。
――ありがとうございます。続いて、就活についてお伺いしますが、吉田さんが企業選びの軸にしていたことはありますか?
吉田 就活では、エンジニアとしてフルスタックに経験を積めることと、若手のうちから裁量を持たせてもらえることを軸に、企業を選んでいました。
エンジニアとして、ゆくゆくは1つの技術を深めていきたいですが、入社時点ではまだそれが何かを決めなくてもいいと思っていたんですよね。実際に仕事をする中で、面白い技術や深掘りしたいと思える技術を見つけていきたかったため、幅広く経験が積める企業が良いと考えていました。
また、裁量を持てるのが良いと思ったのも、経験できる領域を狭めたくなかったからです。エンジニアリングに留まらず、コミュニケーションスキルやビジネス的な視点など、社会人として求められることを、社会人のなるべく早い段階で身につけたいと考えました。
その他には、自社開発をしていることも重視していましたね。自社開発であれば、企画に対して自分の意見を提案しやすいと思ったためです。業界では絞らずに、「自分がどう感じるか」という肌感覚的なものを大事にしていました。
――その中で、株式会社フライヤーに入社を決めた理由をお聞かせください。
吉田 一番の理由は、会社説明会の時点で自分の肌感覚的に「とてもマッチしてる!」と確信したからです。その後の選考でも何かマイナスに感じるようなことはなく、他社と迷うことなく入社したいと思いました。私はもともと本が好きなので、事業内容にも惹かれましたね。
また、面接を通じてフライヤーのエンジニアに魅力を感じたことも、入社の意欲が高まるきっかけになりました。面接官のエンジニアの方と話をしている中で、常に新しい情報をインプットして学んでいる姿勢が伝わってきて、「このような人たちと一緒に働きたい!」と、とても魅力に感じました。
他にも面接中に「いま作っているものを見せて」と言われ、まだデプロイしていない未完成状態のものを見せたのですが、そのような制作中のモノでも注目してもらえたことが印象に残っています。未完成ではあるものの、当時は一番自信があったプロダクトだったので、制作物を評価してもらえたことが嬉しく、「この会社なら必要以上に自分を大きく見せたり、飾ったりしなくても、等身大の自分のままで働けそう」と感じたことも大きな理由です。
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ログイン率向上に加え、オンボーディング機能の改善も。入社2年目でも経験豊富
――フライヤーに入社してからは、どのような業務内容に携わりましたか?
吉田 フライヤーには、ブラウザから利用できるWeb版と、スマートフォンアプリで利用できるモバイル版の2つのサービス領域があるのですが、私はWeb領域に配属され、まずは本の要約サービスである『flier(フライヤー)』のログイン率を向上させるための施策を担当しました。
クライアントにリマインドメールを定期的に送る機能や、そのメールからワンクリックでログイン状態にできる機能を実装したことが大きな成果だったと思います。また、フライヤーとグロービス経営大学院が共同で毎年主催している「ビジネス書グランプリ」のWebサイト改修にも携わったりしました。
それから『flier』にログインしたタイミングでおすすめの本の要約を表示することで、サービスの利用率を増やすといった、オンボーディング機能の改善実装も行いました。そのほかにも既存の開発ルールや設計書、議事録などのドキュメント整備も行いましたね。これは与えられたタスクではなく、学生時代に働いた大学OBの会社が、ドキュメント周りをとてもきれいに整理・管理していたので、その良さを取り入れたいと思い、提案して実践しました。
また、最近ではレガシーな言語から新しい言語へのリプレイスにも挑戦中で、現在は課金周りのAPIのリプレイスに現在着手しているところです。課金は不具合が出た場合のリスクが大きいため、過去に実装を担当していたエンジニアにも並走してもらいながら、慎重に設計や検証を進めています。これまでのプロジェクトと比べると、より一層難易度が高い仕事を担っている実感がありますね。
――入社2年目でありながら、すでに幅広い業務に携わっていますね。いろいろと挑戦させてもらえる環境なのでしょうか?
吉田 そうですね。サービス向上のために、エンジニアとして多角的にアプローチできるところがフライヤーの魅力だと思っています。触ったことのない言語や領域など、常に新しいことに挑戦させてもらえますよ。
それだけでなく、プロジェクトを管理しているマネージャーに気軽に相談しやすい環境でもありますね。「フロント周りをやりたいです」「次はバックエンドもやってみたいです」と話したら、実際にそのような仕事にアサインしてもらえたり、「次はこれをやってみない?」と声をかけてもらえたりと、やりたい事や自分の意思もある程度尊重された上で決まっていくことが多いです。
――これまで担当してきた業務の中で、嬉しかったことや楽しかったことは何ですか?
吉田 何気ないことですが、自分が担当した機能や改善のリリースが滞りなく終わったときは、やはり嬉しく感じますね。
その他に、綺麗にコーディングができたときもとても気持ちが良いです。コードレビューに関しては、フライヤーでは必ず2人からの承認がないとリリースできないため、日頃から自分がレビューする側にもされる側にもなり、とても勉強になっています。
あとは業務外ではありますが、フライヤーの有志のメンバー(エンジニア4名とデザイナー1名)でハッカソン(※)に参加したことも楽しかったです。普段の業務でも団結力は感じていますが、ハッカソンではいつも以上にスピード感が求められたため、「みんなで作っている感」を味わうことができ、新鮮でワクワクしましたね。
※エンジニアやデザイナー、プログラマーなどがチームを組み、短期間で集中的に開発を行うイベント。決められたテーマに沿ってアイデアを出し合い、成果物を競い合う。
――逆に、一番大変だったことやそれを乗り越えるために行ったことは何でしょうか?
吉田 入社して間もない頃に担当した『flier』のログイン率を向上させるプロジェクトでのトラブル対応です。クライアントが利用しているセキュリティソフトの影響で、不具合が発生してしまったんですよね。その対応が一番大変でした。
不具合解消のため、先輩エンジニアと一緒に原因特定を進めるだけでなく、営業や企画の方々とも連携しながら対応を行いました。おかげでクライアントへの対応もスムーズに進み、最適な方法で解決することができたと思います。
フライヤーでは、不具合が発生した段階で、エンジニアだけでなく営業や企画チームといった他部署とも積極的に連携を取る姿勢があります。中でも原因特定や、複数の改善案の中から最適な方法をメンバーですり合わせながら対応を進めていけたところは、チーム一丸となって動いている実感があって、とても印象深かったですね。
――これまでの業務を通じて、フライヤーだからこそ経験できたことや、入社して成長できたと思うことはありますか?
吉田 フライヤーだからこそ経験できたと思うのは、日々新しいことにチャレンジさせてもらえることですね。インプット半分アウトプット半分という感じで、吸収することも多い分、出力する機会も多いので、技術的にもとても磨かれる環境だと感じています。
入社してから成長できた点としては、自分が取り組むタスクやプロジェクトに対して、少し俯瞰的に見て物事を考えられるようになりました。与えられた業務をただ進めるだけではなく、「なぜそれをしなければならないのか」「その結果、どのような効果があるのか」というところまで考える癖がついたと思います。
あと、フライヤーでは若手のうちから部署を横断した関わりが多いため、自分から能動的なコミュニケーションを取るようになったことも成長した点だと感じています。
「ビジネス書グランプリ」のWebサイトを改修した際も、デザインチームをはじめ、さまざまな部署との関わりが発生しました。最初は他部署とのコミュニケーションが不足していて、自分がすべきことを把握できなかったのですが、その反省により、初期段階から能動的に対話を図ることの大切さを学べましたね。
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目標は自分発信の新機能のリリース。常にプレイヤーであり続けたい
――直近での課題や目標はありますか?
吉田 現状で一番苦手なことが「タスクの見積もり」で、自分の見積もり通りにタスクが終わらないことがあるので、まずはそれを改善したいですね。関係者ともっと綿密なコミュニケーションをとることで、詳細で正確な設計ができるようになりたいです。
先輩エンジニアの様子を見ると、皆さん自分から率先してミーティングを組んでいるんですよね。共有カレンダーには他部署の方とのミーティングが日常的に入っていたり、オフィスでも他部署の方との会話がよく耳に入ってきたりと、普段からコミュニケーションを取っている様子が伝わってくるんです。
ぜひ私も先輩方を見習って、日頃から関係部署と積極的にコミュニケーションを取りたいと思っています。実装に入る前の準備段階から積極的にコミュニケーションを図ることで、設計の精度を高め、その後の見通しをしっかりと立てられるようにしていきたいですね。
――将来の展望があれば、お聞かせください。
吉田 『flier』で、自分発信の新機能をリリースしてみたいですね。『flier』には「あなたへのおすすめ」というリコメンド機能があるのですが、これは先輩エンジニアの提案がきっかけで実装された機能なので、それに感化されました。
フライヤーには、メンバーであれば誰でも参加や提案ができる開発審査会議というものがあります。また、エンジニアは毎月「プロダクト改善day」という、業務から離れて課題改善に集中して取り組める日も設けられています。時には社外にレンタルスペースを借りてエンジニアだけで集まる日もあったりして、リフレッシュしつつ集中できるとても有意義な機会になっているんですよ。
先ほど話した『flier』の新機能を提案した先輩エンジニアは、「プロダクト改善day」を利用して新機能の下地を作ったと聞いています。私もこれらの取り組みを活用して、何か自分発の新機能を作りたいと考えているところです。
――今後はどのようなキャリアパスを描いていますか?
吉田 エンジニアとして、常にプレイヤーであり続けたいです。私と同じくスマホアプリ開発を行うチームで、テックリードとして活躍している先輩もいるので、私も同様にプレイヤーとしての道を極めたエンジニアを目指したいですね。
将来にわたって最前線で活躍するエンジニアでいるためには、日々の情報収集や勉強をこれからも継続して行う必要があると考えています。どんな技術領域も、日々変化していくと思うので、その時々で自分が「面白い!」と思った領域に対して、いつでも飛び込んでいける準備を常にしておきたいですね。
――フライヤーで働くエンジニアには、どんな人が向いていると思いますか?
吉田 任された仕事をただこなすだけの人よりも、自分で選択してアクションを起こせる人が向いていると思います。フライヤーは自主的に動くことを良しとしてくれる環境なので、裁量を持って自分で物事を進めたい人や、自分から積極的にチャレンジしたい人には、とてもマッチしています。やりたいことを提案したら挑戦の機会を与えてもらえ、聞けば何でも教えてくれるような社員ばかりなので、自分の行動次第でどんどん成長できると思いますよ。
また、技術だけでなくビジネス的な視点を身につけたいという人にもおすすめです。社内のミーティングでは、エンジニアだけでなく各チームからの報告や情報共有もあるため、自分の担当する業務に限らず、社内全体の数字に対する意識を高めやすいと感じます。
フライヤーは、幅広い分野に興味を持ったり、多角的な視点を身につけたりといった力が試される会社です。なので、日々いろいろな角度からモノを見る視点を養うことを意識してみてほしいですね。
――最後に、エンジニアを目指す学生に向けてのメッセージをお願いします。
吉田 不慣れでもいいので、学生の間にまずは自分なりのプロダクトを作ってみてほしいです。勉強や知識のインプットも大事ですが、それを出力できなければエンジニアとして一人前にはなれません。
プロダクトを制作することで、プログラミングの経験を積めるだけでなく、自分の向き・不向きなどいろいろなことが分かるはずです。知識のインプットに偏りすぎず、ぜひ日ごろからアウトプットも大事にしてみてくださいね。
レバテックルーキーは、レバテックが運営するITエンジニア専門の就活エージェントです。多数のITエンジニアのキャリア支援経験のあるアドバイザーが、あなたのスキルと希望に合わせた企業の紹介から、人事目線での面接対策など、就職までを一貫してサポートします。
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