
- 1.汎用系エンジニアとは?
- 2.汎用系エンジニアの仕事内容
- 3.汎用系エンジニアの将来性
- 4.汎用系エンジニアを目指すメリット
- 5.汎用系エンジニアを目指すデメリット
- 6.汎用系エンジニアに必要とされるスキル
- 7.まとめ
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1.汎用系エンジニアとは?
汎用系(はんようけい)エンジニアとは、汎用機(メインフレーム・ホストコンピュータ)と呼ばれる大型コンピューターで動作するシステムの開発・運用・保守を行うエンジニアのことです。主に企業の基幹システム・業務システムを担当し、高い安定性と処理能力が求められる分野で活躍しています。
汎用系エンジニアが扱うシステムは、銀行の勘定系システム、保険会社の契約管理システム、製造業の生産管理システムなど、企業の中核となる重要な業務を支えています。これらのシステムは24時間365日の安定稼働が必要で、わずかな障害も大きな損失につながるため、高度な専門知識と経験が求められます。
近年ではITシステムのクラウド化や「オープン系」への移行が進んでいますが、依然として多くの大企業で汎用系システムが使用されており、その専門知識を持つエンジニアの需要は安定しています。特に既存システムの保守・運用や、新システムへの移行プロジェクトにおいて、経験豊富な汎用系エンジニアが求められています。
汎用系システムとは?
汎用系システムとは、汎用機と呼ばれる大型コンピューターで動作するシステムのことです。汎用系システムは、大量のデータを高速かつ安全に処理することができるのが特徴で、企業の基幹業務を支える重要な役割を担っています。
汎用系システムの最大の特徴は、その高い信頼性と処理能力です。たとえば、銀行のATMシステムでは、全国数万台のATMが同時に稼働し、1日に数百万件の取引を処理しています。このような大規模な処理を安定して行うには、汎用機の高い処理能力と信頼性が不可欠です。
また、汎用系システムは長期間にわたって使用されることが多く、20年以上稼働しているシステムも珍しくありません。そのためシステムの設計段階から、将来の拡張性や保守性を考慮した設計が重要となり、高度な技術力と経験が求められます。セキュリティ面でも、汎用系システムはインターネット接続に依存しない設計になっているので、高いセキュリティレベルを実現できる魅力があります。
オープン系・Web系との違い
汎用系システムとよく比較されるのが、オープン系・Web系のシステムです。オープン系・Web系システムとの主な違いは、使用するハードウェア・ソフトウェアの種類、および利用される業務内容にあります。汎用系は特定メーカーの大型コンピューターを使用するのに対し、オープン系は一般的なサーバーやパソコンを使用して動作するもの、Web系はインターネット技術を基盤とするものを指します。
開発言語についても大きな違いがあり、汎用系ではCOBOL(コボル)やPL/I(ピーエルワン)などの専用言語を使用するのに対し、オープン系ではJavaやC#、Web系ではJavaScriptやPythonなどを使用するのが主流です。そのため汎用系エンジニアには高い専門性が必要となり、希少性の高い人材を目指すことも可能です。
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2.汎用系エンジニアの仕事内容
汎用系エンジニアは、システムの開発から運用・保守まで幅広い業務を担当します。主な業務内容は、既存システムの機能追加や改修、システムの運用監視、障害対応など。これらの業務は、企業の基幹業務にも直結するため、高い品質と信頼性が求められます。
システム開発では、要件定義から設計、プログラミング、テストまでの一連の工程を担当します。特に既存システムの改修作業では、長年蓄積されたプログラムの構造を理解し、影響範囲を慎重に分析する必要があります。たとえば、銀行の金利計算システムの改修では、法改正に対応するためのプログラム変更を行い、既存データとの整合性を保ちながら新機能を追加しなければなりません。
運用・保守業務では、システムの日常監視、定期メンテナンス、障害発生時の緊急対応を行います。汎用系システムは24時間365日稼働するため、夜間や休日のシフト勤務も発生します。データベースの最適化やバックアップ・リストア作業なども日常的に実施しています。
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3.汎用系エンジニアの将来性
汎用系エンジニアは、短期的には安定した需要が見込まれますが、長期的にはIT業界の環境変化への対応が求められる職種です。現在、多くの大企業で汎用系システムが稼働しており、これらのシステムの保守・運用には専門知識を持つエンジニアが不可欠です。特に近年ではベテランエンジニアの退職により、汎用系の知識を持つ人材が不足しており、需要は高い状態が続いています。
一方で、クラウド化やDX化の推進により、汎用系からオープン系やクラウドへの移行プロジェクトが増加しています。このような移行プロジェクトでは、既存の汎用系システムを理解し、新しいシステムに移行する作業が必要となるため、汎用系の知識を持つエンジニアの価値はより高まっています。
しかし将来的には、純粋な汎用系エンジニアよりも、汎用系の知識を基盤としながらオープン系やクラウド技術も習得した「ハイブリッド型」のエンジニアの需要が高まると予想されます。また、AIやRPAなどの新技術と汎用系システムを連携させるプロジェクトも増加しているので、先端技術についての知識・スキルを身につけることも重要です。
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4.汎用系エンジニアを目指すメリット
ここからは、新卒からの就職先として汎用系エンジニアを選ぶメリットについて、以下のポイントをご紹介します。
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・大手企業からの安定的な需要がある
・高収入・好待遇の求人が多い
・専門性の高いスキルが身につく
それぞれ順番に解説しますので、汎用系エンジニアを目指すかどうかを考える参考にしてみてください。
大手企業からの安定的な需要がある
汎用系エンジニアの最大のメリットは、大手企業からの安定した需要があることです。銀行、保険会社、製造業、官公庁など、社会インフラを支える重要な組織では、今でも汎用系システムが中核業務を担っています。これらの組織では、システムの安定稼働が事業継続の生命線となるため、専門知識を持つエンジニアへの需要は安定的に存在します。
特にベテランエンジニアの退職により、汎用系の知識を持つ人材が不足しているのが現状です。そのため汎用系のスキルを持つエンジニアは貴重な存在として重宝され、安定した雇用が期待できます。また、これらの大手企業なら福利厚生が充実している傾向にあるので、働きやすさを重視する方にも適しています。
高収入・好待遇の求人が多い
汎用系エンジニアは、その専門性の高さから高収入・好待遇の求人が多いことも大きなメリットです。汎用系の知識を持つエンジニアは希少価値が高く、企業側も相応の待遇を用意して採用活動を進めています。経験豊富な汎用系エンジニアの年収は、同年代のオープン系エンジニアと比較しても高い傾向にあります。
福利厚生面でも、汎用系エンジニアが勤める大手企業では、さまざまなライフスタイルを支え、経済的な支援も受けられる制度が充実しており、安定した生活基盤を築くことができるでしょう。技術研修や資格取得支援制度も整備されており、スキルアップのための環境も用意されています。こうした高収入・好待遇の就職先に魅力を感じる方にも、汎用系エンジニアはおすすめです。
専門性の高いスキルが身につく
汎用系エンジニアとして働くことで、他の分野では習得が難しい専門性の高いスキルを身につけることができます。汎用機の操作方法や、COBOL言語でのプログラミング、大規模データベースの設計・運用など。これらのスキルは汎用系以外の分野で習得するのは難しい貴重な技術と言えます。
特に大量のデータの処理技術など、汎用系ならではの知識と技術や、他の分野でも応用しやすいスキルです。たとえば、1日に数百万件の取引を処理する銀行システムで培った設計知識は、クラウドシステムの設計でも活用できるでしょう。汎用系システムは長期間使用される性質があるため、習得したスキルが陳腐化するリスクも低く、安定したキャリア形成が可能なこともメリットに挙げられます。
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5.汎用系エンジニアを目指すデメリット
一方で汎用系エンジニアを目指すなら、次のようなデメリットに注意が必要です。
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・新しい技術に触れる機会が限られる
・求人数がオープン系・Web系より少ない
・働き方の柔軟性が低い場合がある
これらのポイントも踏まえながら、汎用系エンジニアに就職するかどうかを検討してみてください。
新しい技術に触れる機会が限られる
汎用系エンジニアの主なデメリットの一つは、新しい技術に触れる機会が限られることです。汎用系システムは安定性を重視するため、新しい技術の導入には慎重になる傾向があります。その結果、最新のプログラミング言語やフレームワークを使用する機会が少なく、技術トレンドに敏感なエンジニアにとっては物足りなさを感じる場合があります。
たとえば、Web系エンジニアが日常的に使用するVue.js、Pythonなどの最新技術や、AI・機械学習、ブロックチェーンなどの先端技術に触れる機会は限定的です。その結果、技術的な好奇心を満たしにくいと感じるエンジニアもいます。ただし、近年では汎用系システムでもクラウド連携やAPI開発などの新技術導入が進んでおり、従来よりも新しい技術に触れる機会は着実に増加しています。
求人数がオープン系・Web系より少ない
汎用系エンジニアの求人数は、オープン系やWeb系と比較して少ないこともデメリットの一つです。汎用系システムを使用している企業は、主に大手企業や官公庁に限られるため、求人の絶対数が少なく、就職・転職時の選択肢が限られる可能性が高いです。特に地方では汎用系の求人がほとんど存在しない地域もあり、勤務地の制約を受けやすいというデメリットもあります。
また、汎用系の求人は、経験者を優遇する傾向が強く、未経験者が応募できる求人となるとさらに絞られてしまいます。新卒採用や第二新卒採用も行われているものの、狭き門となりやすい点を理解しておきましょう。
働き方の柔軟性が低い場合がある
汎用系エンジニアの働き方は、汎用系システムの特性上、柔軟性が低い場合があることがデメリットに挙げられます。汎用系システムは24時間365日の安定稼働が求められるため、夜間や休日のシフト勤務、緊急時の呼び出し対応などが発生し、ワークライフバランスを保つのが困難になる場合があります。
汎用系システムを扱う企業は、伝統的な大企業が多く、リモートワーク・フレックスタイム制度などの導入が遅れている場合も考えられます。近年の働き方改革の中でも、セキュリティの観点から在宅勤務が制限されることも珍しくない点には注意が必要です。
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6.汎用系エンジニアに必要とされるスキル
続いて、汎用系エンジニアとして活躍するために必要となるスキルについて、以下の3つの観点からご紹介します。
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・汎用系のプログラミングスキル
・各分野の業務知識
・問題解決能力と論理的思考力
これらのスキルアップを実践しつつ、汎用系エンジニアの就活に臨んでみてください。
汎用系のプログラミングスキル
汎用系エンジニアには、汎用系特有のプログラミング言語を使いこなす技術が必要不可欠です。特にCOBOL言語やPL/I言語は、汎用系システムの中心となる言語であり、銀行や大企業の重要なシステムで広く使用されています。汎用系エンジニアを目指すなら、まずはCOBOLから学び始めると良いでしょう。
ただしオープン系やWeb系で用いられるプログラミング言語と比べると、汎用系のプログラミング言語は学習のハードルが高く、プログラミングスクールでもカリキュラムとして扱っていないケースがあります。未経験から汎用系エンジニアを目指す場合、プログラミング経験を問わない求人も存在するので、そうした求人で入社した後に、OJTなどを通じて学習するのが効果的です。
なお、プログラミングの基本概念については、IT系の資格取得などを通じて学ぶことができるので、基礎的なプログラミングについての知識は押さえておくと良いでしょう。
各分野の業務知識
汎用系エンジニアには、担当するシステムが属する業界の業務知識が不可欠です。金融業界であれば銀行業務や保険業務の流れ、製造業であれば生産管理や品質管理のプロセス、医療業界であれば診療報酬制度や電子カルテシステムなど、各分野特有の業務内容を理解しておく必要があります。
こうした業務知識がないと、システムの要件定義や設計において、業務の流れや制約を正しく反映されていないシステムを提案してしまう可能性があるからです。これらの業務知識についても、独学が難しい分野となっているため、汎用系エンジニアとして入社後の実務を通じて身につけるのが一般的です。
問題解決能力と論理的思考力
汎用系エンジニアには、業務の中で直面する問題を論理的に分析し、効果的な解決策を見つけるスキルが求められます。汎用系システムは長年にわたって構築・改修が繰り返されているため、システム構造が複雑になり、トラブルが発生した際の問題特定や影響範囲の分析には高い論理的思考力が必要とされるからです。
汎用系エンジニアに求められる問題解決能力・論理的思考力は、実務経験を通じて培われる部分も大きいですが、日頃から意識することで日常生活の中でスキルを磨くこともできます。何か問題に直面した時に、自分の考え方や解決プロセスを記録しておき、論理的な文章を書くトレーニングを重ねるなどの対策が有効になるので、長期的な就活対策として実践してみてください。
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7.まとめ
汎用系エンジニアは、企業の基幹システムを支えるエンジニアであり、今後も安定した需要が見込まれる職種です。オープン系・Web系と比べると将来性が高い分野ではないものの、高い専門性を必要とする職種であり、高収入・好待遇の求人も多いというメリットがあります。一方で新技術を用いた開発業務とは相性が悪く、オープン系・Web系よりも求人数が少なくなりがちというデメリットもあります。
汎用系エンジニアとして長く活躍するためには、汎用系で使われるプログラミングスキルを習得したり、担当するプロジェクトに関連する業務知識を身につけたりするのが有効です。いずれも独学では勉強が難しい分野なので、就活対策としては人物面・ビジネススキルなどを中心にアピールすると良いでしょう。
本記事の内容を参考にしながら、汎用系エンジニアとしてのキャリアを歩み始めてみてください。
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