
本記事では、エンジニアのストレスが増える原因について7つの観点から解説しながら、IT業界でストレスを抱えやすい人の特徴や、ストレスを抱えないための対策、ストレス解消のポイントについてもご紹介します。エンジニアとしてのキャリアを目指している方や、就活対策として職種研究に取り組んでいる方は、ぜひチェックしてみてください。
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- 1.エンジニアのストレスが増える原因7選
- 2.エンジニアの仕事でストレスを抱えやすい人の特徴
- 3.エンジニアがストレスを抱えないための対策
- 4.エンジニアのストレスを解消するためのポイント
- 5.まとめ
1.エンジニアのストレスが増える原因7選
エンジニアがストレスの多い職種と言われる原因として、以下の7つの理由が挙げられます。
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・状況のコントロールの難しさ
・新たなプロジェクトへの不安
・人間関係でのトラブル・悩み
・人手不足による負担増
・オンオフの切り替えの困難さ
・スキルアップ・技術習得の難しさ
・不規則な生活スタイル
上から順番にご紹介しますので、なぜエンジニアの仕事でストレスを抱えやすいのか、理解を深める参考にしてください。
状況のコントロールの難しさ
エンジニアの業務では、クライアントからの急な仕様変更・納期変更が発生したり、上流工程での遅延が下流工程へ影響したりと、自分の力だけではコントロールできない状況に直面することが少なくありません。特に受託開発の現場では、クライアント企業の意向が最優先されるため、無理な依頼・要望に対しても対応する必要に迫られることが珍しくありません。
また、多重下請け構造の中で働くエンジニアは、元請け企業からの一方的な仕様変更により、すでに完成したシステム・アプリの修正を余儀なくされることもあります。こうした状況下では、どれだけ自分自身が努力・工夫していたとしても、外部的な要因で仕事のペースが乱されてしまい、無力感や挫折感によるストレスが増加してしまうのです。責任感の強く真面目なエンジニアほど、こうした状況に強いフラストレーションを感じやすい傾向にあります。
新たなプロジェクトへの不安
エンジニアは担当するプロジェクトごとに異なる言語・技術を用いながら仕事を進めることになるケースが多く、新しいプロジェクトへ切り替わるたびに労働環境に適応したり、業界知識を仕入れたりする必要が出てきます。特に客先常駐型の働き方では、数ヶ月〜数年単位でプロジェクトが切り替わるのが一般的なので、その都度新しい環境に適応するプレッシャーが生じます。
新規プロジェクトがスタートする際には、チーム内での自分の立ち位置や役割が不明確なまま業務に取り組むことも多く、「周囲の期待に応えられるだろうか」という不安を抱えやすくなります。また、過去のプロジェクトで培った知識・スキルが通用しない場面に遭遇すると、「まだまだ努力が足りていないのでは」と、自己効力感が低下してしまうこともあるでしょう。環境の変化を楽しめるタイプなら気にならないかもしれませんが、安定した働き方を望む方にとっては大きなストレスの原因になるかもしれません。
人間関係でのトラブル・悩み
エンジニアの仕事は個人プレーが中心の仕事と思われがちですが、実際にはチームワークが何よりも重視され、クライアント企業やデザイナー・マネージャーなど、さまざまな立場の相手との協力が求められます。時にはプログラマーが考える最適なシステム案と、システムエンジニアが考えるシステム案が対立し、意見の衝突によってチーム内の人間関係に亀裂を生むケースもあります。
また、IT業界特有の問題として、コミュニケーションが苦手なエンジニアが少なくないため、些細な誤解が大きなトラブルに発展することも珍しくありません。リモートワークが普及した昨今では、対面でのコミュニケーション機会が減少し、テキストコミュニケーションによる認識の齟齬や感情の伝わりにくさが原因となって、人間関係に悩みを抱えるエンジニアが増えているのが現実です。
人手不足による負担増
IT業界全体が慢性的な人材不足に悩まされていることを背景として、一人ひとりのエンジニアへの業務負担が増加していることも、ストレスが蓄積する一因となっています。一人のエンジニアが複数のプロジェクトを掛け持ちしたり、本来は分担すべき作業量を少人数で対応したりすることで、過酷な長時間労働を強いられるケースが少なくありません。
特に経験豊富なエンジニアほどチーム内での頼られる存在となり、後輩からの質問・相談に対応したり、若手育成のためのプロジェクトを並行して進める姿勢が求められます。加えて人手不足の解消のために新規採用された未経験者のフォローも必要となり、自分の業務時間が削られる状況も発生します。こうした負担増は単なる労働時間の増加だけでなく、集中力の低下や強いプレッシャーにもつながり、心身の疲労とストレスが上昇する要因となっています。
オンオフの切り替えの困難さ
近年のIT業界では、リモートワークや在宅勤務、フレックスタイム制の導入など、働き方の多様化が急速に進んでいます。一見すると働き方の自由度が高まってストレスが減少するように思えるこうした変化ですが、実際には仕事とプライベートのオンオフを切り替えるのが困難となり、エンジニアにとっての新たなストレス源となることがあります。
たとえばリモートワークは、オフィスと自宅の境界が曖昧になり、「いつでも仕事ができる」環境が「いつまでも仕事から解放されない」状況を生み出すことも少なくありません。また、チャットやビデオ会議などのコミュニケーションツールの普及により、常に応答を求められる状態が続き、本当の意味での休息時間が確保しづらくなっています。トラブル時の緊急対応が求められるインフラエンジニアなどの職種では、休日や終業後も「いつ呼び出されるかわからない」という精神的な緊張状態が続くことが、ストレスを蓄積させる原因となるでしょう。
スキルアップ・技術習得の難しさ
スキルアップ・技術習得の大変さやプレッシャーも、ストレスの原因になることがあります。IT技術の進化は日進月歩のペースで進んでおり、エンジニアには常に業界の最新情報・先端技術をキャッチアップし続ける姿勢が求められます。新しいプログラミング言語やフレームワーク、開発ツールやAI技術など、習得すべき知識の範囲は年々拡大しており、業務時間内だけでは習得しきれないのが当たり前になりつつあります。
そのため多くのエンジニアは、プライベートの時間を削りながら勉強に取り組まざるを得なくなり、ワークライフバランスが崩れる原因となっています。また、技術が陳腐化するスピードも速いため、「今身につけたスキルがいつまで通用するのかわからない」という不安を常に抱えながらスキルアップに取り組むことになる点も、ストレスを増大させる一因です。
不規則な生活スタイル
不規則な生活スタイルによってストレスを抱えるエンジニアも珍しくありません。IT企業の業務の特性上、納期直前の繁忙期には深夜作業や休日出勤が発生したり、システムトラブル発生時には休日や夜間の緊急対応が求められたりすることがあります。こうした不規則な勤務スタイルによって日々の生活リズムが崩れてしまい、睡眠不足や慢性的な疲労感につながりやすくなっているのです。
また、デスクワークが中心の職種であることから、運動不足や姿勢の悪化による身体的な不調も発生しやすい傾向にあります。長時間のPC作業による目の疲れや肩こり、腰痛などの症状に悩まされるエンジニアも少なくありません。さらに、納期に追われる状況では食生活も疎かになりがちで、コンビニ食やファストフードに頼る機会が増え、栄養バランスの偏りによる不調がさらなるストレスを招くこともあります。こうした生活習慣の乱れは短期的なパフォーマンスを落とすだけでなく、長期的な健康被害をもたらす可能性もあり、エンジニアのキャリア形成にも悪影響を及ぼしかねません。
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2.エンジニアの仕事でストレスを抱えやすい人の特徴
エンジニアとして働く人の中でも、ストレスを抱えやすい人もいれば、ストレスをほぼ感じることなく仕事に取り組める人もいます。ストレスを抱えやすい人の気質・特徴に挙げられるのが、以下の3つです。
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・職種研究・企業研究が不十分なまま就職している
・人を頼る・相談するのが苦手
・几帳面で完璧主義
一つひとつ詳しく解説しますので、自分に当てはまる特徴がないかどうかをチェックしてみてください。
職種研究・企業研究が不十分なまま就職している
職種研究・企業研究が不十分なままエンジニア職に就いてしまった場合、理想と現実とのギャップにより大きなストレスを抱えてしまうことがあります。IT業界の実態や具体的な業務内容を十分理解しないまま、「将来性があるから」「平均年収が高いから」といった漠然とした動機だけで就職を決めると、実際の業務とのギャップに悩みやすくなるのです。
特に受託開発の現場ではクライアント企業との調整や納期プレッシャーなど、純粋な開発・プログラミング以外の業務も多く発生します。こうした現実に直面した後になってから「こんなはずではなかった」というミスマッチを感じてしまうことで、日々の業務に対するモチベーションが低下してしまうこともあるでしょう。慢性的なストレスが続き、入社数ヶ月で早期離職に至るケースも少なくありません。就活の時点で職種研究・企業研究を徹底していれば回避できたはずのストレスが、見通しの甘さによって不必要に蓄積されてしまうのです。
人を頼る・相談するのが苦手
困った時に人を頼ったり、相談したりするのが苦手なタイプの方も、エンジニアの仕事ではストレスを抱えやすい傾向にあります。技術的な課題に直面した際に「自力で解決すべき」という責任感から、長時間一人で調査・勉強を続けるエンジニアは珍しくありません。しかし、このように一人きりで壁を乗り越えようとする姿勢は、非効率な作業や学習を生むだけではなく、精神的なストレスも増加します。
特に経験の浅いエンジニアほど、「質問することで評価を落としたくない」という心理が働き、簡単な問題でも膨大な時間を費やしてしまうことがあります。周囲のチームメンバーやマネージャーに状況を共有せずに一人で無理を続けることで、最終的にはプロジェクト全体に迷惑がかかり、さらなる罪悪感・無力感を抱えてしまうこともあるのです。
几帳面で完璧主義
几帳面で完璧主義な人も、エンジニアの世界でストレスを抱えやすい人の共通点です。確かに職人の世界では、細部へのこだわりや高い品質基準を持つことは美徳とされる面もあるでしょう。しかし会社という組織の中で働く上では、過度な完璧主義は大きなストレス源となるばかりか、チームに迷惑をかける原因にもなります。コードの美しさや最適化にこだわるあまり、本来の目的である「動くシステムを納期内に提供する」という点を見失うエンジニアも少なくありません。
また、他者のコードや仕事ぶりに対しても厳しく批判してしまう人物は、チーム内での摩擦を生み出すこともあります。現実のシステム開発では、時間・予算・人的リソースなどの制約の中で、最適解を見つける柔軟性が求められます。完璧を追求するあまり妥協点を見出せないエンジニアは、常に達成感を得られず不満を抱えながら働くことになり、モチベーション低下やストレス増大につながってしまうでしょう。
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3.エンジニアがストレスを抱えないための対策
ここからはエンジニアとして働く中で、なるべくストレスを抱えることなく仕事を続けるための対策について、3つのコツをご紹介します。
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・入社後の働き方への理解を深める
・同期・先輩との良好な関係を築いておく
・完璧主義よりも完了主義
一つひとつ順番に説明しますので、自分にあった方法を取り入れてみてください。
入社後の働き方への理解を深める
ストレスを抱えることなくエンジニアとして働き始めるためには、就活対策の段階から入社後の業務内容・組織文化について十分なリサーチを行うことが重要です。「こんなはずじゃなかったのに」という入社後のミスマッチを防ぐためにも、企業の口コミサイトや社員インタビュー、技術ブログなどから情報収集し、残業の多寡や開発環境、職場の人間関係などの実態を把握しておきましょう。
また、面接時には遠慮せずに働き方について質問することで、入社後のギャップを最小限に抑えられます。インターンシップを募集しているなら、実際の職場環境を体験することも効果的です。エンジニアとして入社後も先輩社員の働き方を観察しながら、手を抜いても良い部分と集中すべき場面を見極めたりして、効率的な働き方を学ぶことでストレスの少ない働き方を実現できるでしょう。
同期・先輩との良好な関係を築いておく
エンジニアがストレスを抱えないためには、同期・先輩との良好な関係を築いておくのが有効です。同期入社の仲間とは、似た悩みや課題を共有できる貴重な存在です。定期的に情報交換の場を設け、技術的な問題だけでなく、職場環境や業務上の愚痴や困りごとについても率直に話し合える関係を維持すると良いでしょう。
先輩エンジニアや上司なども、困った時に助けになってくれる存在です。仕事を進める上で悩んだ時には積極的に質問して、普段から悩みを相談できる環境を構築しておくことをおすすめします。社内にメンター制度があれば活用し、定期的なフィードバックを受ける機会を作るのも良いでしょう。職場内・チーム内での良好な人間関係を普段から構築しておくことにより、過剰なストレスを抱えそうになった時に周囲の助けが得られ、孤独感によるストレスも軽減できるでしょう。
完璧主義よりも完了主義
完璧主義よりも完了主義をモットーとして働くことも、エンジニアのストレスを低減するのに役立ちます。システム開発の世界では「動くものを作る」ことが最優先です。美しく完璧なコードにこだわったとしても、納期に間に合わなければ意味がなくなってしまいます。そのため現実の業務では、「80%の完成度で期限内に納品する」という考え方を心がけると良いでしょう。
トラブルに直面した際にも、すべての問題を一度に解決しようとせず、優先度の高いタスクから順番に対処していく姿勢が大切です。常に完璧を求めるのではなく、「十分に良い状態」「8割の進み具合」で一旦区切りをつける判断力を養うことが、心身ともに安定した状態でエンジニアの仕事を続けるコツです。
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4.エンジニアのストレスを解消するためのポイント
最後に、エンジニアとして働く中でストレスを抱えた時、ストレス解消に役立つヒントを3つご紹介します。
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・食事・睡眠・運動の習慣を整える
・転職活動をシミュレーションしておく
・異業種の友人にも積極的に相談する
なお、これらの対処法を試しても仕事への不安・不満やストレスが消えない場合には、産業医へ相談もしくは心療内科などの医療機関を受診するようにしてください。
食事・睡眠・運動の習慣を整える
エンジニアに限らずストレス解消の基本となるのは、食事・睡眠・運動の習慣を整えることです。不規則な食生活を改善して、7時間以上の十分な睡眠時間を確保し、座りっぱなしではなく定期的に体を動かす機会を作ることが、ストレスを抑えつつ最高のパフォーマンスを発揮するためには欠かせません。どうしても栄養バランスの取れた食事をとるのが難しい時には家事代行サービスを使ったり、運動習慣をつけるためにウェアラブルデバイスを購入したりするのも有効なので、自分に合った方法で基本的な生活習慣を整えてみましょう。
転職活動をシミュレーションしておく
今すぐ転職するつもりがなかったとしても、「もし転職するとしたらどのような待遇を選べるのか」を知っておくために、転職活動をシミュレーションしておくのが有効です。「嫌なことがあったら、あの求人に応募して転職すればいい」というプランがあると、心理的な安心感が得られるからです。まずはエンジニア向けの求人サイトに登録してみて、自分のスキルを活かせる求人を眺めるだけでも良いでしょう。ただし感情的になって後先を考えずに会社を辞めてしまうことは避けるようにしてください。
異業種の友人にも積極的に相談する
エンジニアやIT業界の仲間ではなく、別の業界に進んだ大学時代の友人など、異業種の知り合いに積極的に相談するのもストレス対策として有効です。IT業界以外の視点を取り入れることで、職場のストレスがどの程度のレベルなのかを客観的に把握しやすくなるからです。異業種の友人と会話する中で、エンジニア特有の理詰めの思考パターンから解放され、新鮮な発想や解決策が見つかることもあるでしょう。大学時代からの付き合いのある友人を定期的に飲みに誘って適度な距離感を保つなど、精神的なリフレッシュができる機会を設けてみましょう。
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5.まとめ
本記事では、エンジニアのストレスが増える7つの原因と、ストレスを対策・解消するための方法について解説してきました。エンジニアとして働く中でストレスを抱えないためには、そもそも入社前の職種研究・企業研究を徹底してミスマッチを防ぎ、同期・先輩との良好な関係を築くなどの方法が有効です。
大きなストレスに直面した時には、まずは食事・睡眠・運動の基本的な生活習慣を整え、転職活動のシミュレーションによって心理的安心感を確保するのがおすすめです。
ここでご紹介してきた内容を踏まえて自分に合ったストレス対策を見つけ、エンジニアとしてのキャリアを充実させていきましょう。
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